・ALSのリスク因子として頭部外傷との関連性が報告されていますが、動物実験において1度のみの頭部外傷とALS症状との悪化との関連性はなかったとの報告です
▽研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスを用いて、発症前の90日から120日齢において、大脳皮質に局所的に様々な大きさや深さの損傷が与えられました。
▽その後、発症時期や生存期間などが観察されましたが、1度のみの大脳損傷は、疾患の発症や進展に有意な影響を与えることはありませんでした。
▽今後は、慢性的、反復的な軽度の脳へのダメージがALSの発症や進展に与える影響について解明することが課題となります
引用元
http://eneuro.org/content/eneuro/early/2015/06/22/ENEURO.0059-14.2015.full.pdf
もう1つALSとリスク因子についての報告です。
ホルムアルデヒド暴露とALSの関連性
・ALS FORUMの7月23日付NEWSからです
▽ホルムアルデヒドは神経細胞において蛋白質凝集を起こすことが知られています。しかし、ホルムアルデヒドとALS発症との関連性は不明で、研究結果は一定していませんでした。
▽7月13日付、Journal of Neurology Neurosurgery & Psychiatry誌に掲載されたメタ解析によると、職業性にホルムアルデヒド暴露が高頻度であった男性(葬儀に関連する人など)は、そうでない人と比較して、約3倍ALS発症リスクが高い可能性があるとのことです。
▽しかしながら、この研究には制約があり、含まれたALS患者数が少ないため、結論は確定的なものではなく、今後さらなる検証が必要となります。
引用元
http://www.researchals.org/page/news/14845
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