▽TDP-43変異モデルマウスの運動徴候発症後においては、脊髄中において反応性のマイクログリオーシスが観察され、CB2受容体の発現増加が観察されました
▽二重免疫染色法を用いた研究により、ミクログリアにおいて、CB2受容体が発現増加していることがわかりました。また内在性カンナビノイドの量も増加傾向がみられました
▽脊髄のみならず、大脳皮質でも同様の変化が観察されるかどうか調べましたが、大脳皮質ではそのような変化は観察されませんでした。
▽以上の結果は、CB2受容体を介した内在性カンナビノイド伝達経路の異常が、TDP-43に関連したALSの病態に関与しており、この経路の異常に介入することで治療的効果が期待できる可能性があることを示唆するものです。現在研究グループは、治療薬候補について、実際に効果があるかどうかの検証実験を行っています
(この研究は、スペイン、Universidad Complutense, MadridのEspejo-Porrasらにより報告され、平成27年3月29日付のJournal of neuroimmune pharmacology誌に掲載されました)
引用元
http://link.springer.com/article/10.1007/s11481-015-9602-4
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