Alexkazuさんに許可をもらってこのブログに情報を掲載させていただいています。
トレハロースがALSマウスの病状進行を妨げるとの研究結果が出ています。トレハロースを腹部に週3回注射し、飲み水にも少量混ぜた場合、オスでは22%の寿命伸長があり、メスでは11%の寿命伸長があったとの事です。ただし、病状進行の遅延については雌雄の別なく同じ程度遅れたとのことです。
下記に訳を載せておきます。
トレハロースは安価にどこでも購入できますが、治験が終わるまで自己判断で摂取しないようにと、
毎度ながら注意書きがありました。 しかし、米国の患者の間では既に摂取し始めている人が居るようです。
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[糖分子がALSマウスの病状進行を遅らせる]
トレハロースと呼ばれる分子を用いた治療がALSマウスの病状の進行と寿命の伸長に関連している事が報告された。トレハロースは2つの糖分子により構成された分子である。
チリ大学サンチアゴ校のクラウディオ・ヘッツのグループは、ALSマウスのトレハロース治療の(神経)保護的性質はオートファジーと呼ばれる細胞内清掃と老廃物廃棄の処理が活性化されたせいではないかと考えている。ALSにおけるオートファジー処理の混乱はSQSTM1およびubiquilin(UBQLN2)の遺伝子とタンパク質の異常に関係付けられている。(これらの発見は2013年6月6日にAutophagyにてオンラインで公開されている)
http://www.landesbioscience.com/journals/autophagy/article/25188/
[トレハロースが神経細胞の生存率を増加させた]
SOD1遺伝子を変異させALSを再現させたSOD1 ALS研究マウスの腹部に週3回トレハロースを注射し、トレハロースを少量含んだ水を与えた。
トレハロースと類似の分子成分を投与した場合と、プラセボ(偽薬)を投与した場合とを比較すると有意な差が生存期間に現れた。効果はオスのマウスでより顕著で寿命伸長はプラセボを投与された場合の22%増の32日間になり、メスのマウスでは11%増の15日であった。
トレハロースを投与されたマウスでは病状の進行もおそくなり、この点については性別による差は見られなかった。
研究者の報告によると下記の効果が観察された。
・ 脳内と脊髄内の毒性SOD1タンパク質の濃度が下がっている
・ 通常他の細胞を保護するが、逆の働きもするアストロサイトと呼ばれる神経細胞の活動が低下している。
・ ALS患者で失われる運動神経の生存率が増加している。
[トレハロースがオートファジー処理を強化した可能性]
マウスのトレハロース治療は、オートファジーと呼ばれる細胞内の老廃物廃棄システムと関連したマーカーを有意に引き上げている。さらに、SQSTM1を含むオートファジーに関わる遺伝子の活動がトレハロース治療を受けたマウスで活発になっている。
どのようにトレハロースがオートファジーを刺激したかは不明だが、研究者たちは、ALSマウスのトレハロース治療の(神経)保護的特性は、運動神経におけるオートファジー処理の活性化による物によるようだと話している。
これらの研究による発見は、オートファジー処理の活性化によるALS治療の可能性を示している。
[原文]
http://alsn.mda.org/news/sugar-molecule-delays-disease-progression-als-mice
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- トレハロースにALSマウスの病状進行抑制効果
- Zenigataさんからの情報です。
一日、どれくらい摂取すれば良いのかなァ~
トレハロースは経口摂取した場合、体内でブドウ糖に分解されるとのことでしたが、注射剤であれば効果が期待できるのではないかと思います。(希望的観測ですが...)
販売元へ確認したところ、この注射剤(トレハロースSG)は特定の疾患に対する薬剤ではなく、安定剤として他の薬剤と共に使用するとのことです。
当然ながら上記注射剤もALSの治療薬としては承認されておりません。
私の数少ない知り合いの医師の意見としても接種することは出来ないだろうとのことでした。
どうにかして接種する方法はないかと思いアップさせて頂きました。
皆様のご助言をお願い致します。
http://www.hayashibara.co.jp/cpc/iyaku/index.html
でも、多分、患者本人がやる以外は薬事法違反とかになってしまうかもですね。医師や看護婦など免許を持つ人はやってくれなさそうだし、無免許者がやるのもきつそうですね。トレハロースが必要な病気の症状を頑強に言い張るとか・・。
早く完全な治療法が欲しいです。
肛門から注入すれば分解されずにそのまま大腸から吸収されるのではないでしょうか?
トレハロースの話題については、あまりフォローできていませんでした。
薬剤を中枢神経に到達させるための投与経路は常に問題になることだと思います。
よくわからないのですが、トレハラーゼはどうやら肝臓にもあるようなので、そうであれば別の方法をとる必要があるかもしれません