▽シグマ1受容体はその変異により様々な神経変性疾患が引き起こされることが報告されています。
▽今回、研究者らは新たな新規合成シグマ1受容体リガンドを用いて、SOD1変異ALSモデルマウスと慢性興奮毒性下における培養神経細胞に対する影響を評価しました
▽その結果、シグマ1受容体アンタゴニストのEST79376はモデルマウスの運動神経神経細胞死を改善することはできませんでした。一方でシグマ1受容体アゴニストのEST79232はin vitroモデルおよびモデルマウスのいずれにおいても運動神経細胞の生存率を有意に増加させ、運動機能についても有益な効果がみられました。
▽以上の結果は、シグマ1受容体アゴニストの運動神経細胞保護作用を示唆するもので、今後の治療的な応用が期待されます。
(この研究は、スペイン、Universitat Autònoma de BarcelonaのGaja-Capdevilaらにより報告され、2022年6月16日付のInt J Mol Sci.誌に掲載されました)
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