▽研究者らはALS患者と健常者とで、各種分析技法を用いて大脳皮質運動野のメタボローム解析を行い、代謝物プロファイルに変化があるかどうかを検討しました
▽その結果、NAD+の減少が主要な問題の1つであることがわかりました。ニコチンアミドモノヌクレオチドはNAD+濃度を回復させることが知られています。TDP-43蛋白症モデルマウスの上位運動神経細胞に対してin vitroでニコチンアミドモノヌクレオチドを投与すると病態改善効果が観察されました。
▽以上の結果はTDP-43蛋白症に対してNAD+バランスを回復させることが治療的に有効な可能性があることを示唆するものです
(この研究は、アメリカ、Northwestern UniversityのGautamらにより報告され、2022年3月11日付のSci Rep.誌に掲載されました)
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