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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ジフェニルジセレニドはミクログリアを介した炎症抑制作用によりALSモデルマウスの病態緩和作用をもたらす
▽ALSにおいてはミクログリアを介した神経炎症が病態に関与していると考えられています。

▽ジフェニルジセレニドは有機セレニウム化合物であり、各種の薬理学的特性を有することが知られています。今回、研究者らは、SOD1変異細胞モデルにおいて、ジフェニルジセレニドの治療効果を検証しました

▽その結果、ジフェニルジセレニド投与はLPS誘発性のlκB/NF-κB経路の活性化を抑制し、活性化ミクログリアからの炎症促進性サイトカインの放出を抑制しました。

▽さらにジフェニルジセレニドはNOやROSなどの活性酸素濃度を減少させ、蛋白質の窒素化を減少させることにより、NLRP3インフラマソームの活性化を抑制しました

▽一方で、活性化ミクログリアが存在しないと、ジフェニルジセレニドの効果はみられませんでした。

▽以上の結果は、ジフェニルジセレニドによる運動神経保護作用はミクログリアを介した神経炎症の抑制作用に起因することを示唆するものです。さらにはSOD1変異ALSモデルマウスにジフェニルジセレニドを投与すると、運動神経細胞喪失の減少や活性化ミクログリアの減少、生存期間の延長作用がみられました。

▽以上の結果は、ジフェニルジセレニドがALSモデルマウスにおいて、ミクログリアの活性化を阻害することにより神経保護作用をもたらす可能性を示唆するものであり、今後の治療的応用が期待されます

(この研究は中国、University of Science and Technology of ChinaのZhangらにより報告され、2021年1月27日付のPharmacol Res.誌に掲載されました)
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