▽22歳の患者1では、脊髄組織中のSOD1濃度は未治療SOD1変異ALS患者よりも低値でした。髄液中のSOD1濃度は患者1では一過性にわずかに低下しましたが、56歳の患者2では変化がありませんでした。
▽患者1は注入後のウイルスベクターに対する免疫反応により髄膜神経根炎を発症しました。患者2については、治療前に免疫抑制剤を投与することでこの合併症を避けることができました
▽患者1については右下肢筋力の一過性の改善がみられましたが、生命予後の改善はみられず、投与後15.6カ月で死亡しました。
▽一方で患者2については、治療後も1年以上安定した状態を維持しているとのことです。
▽以上の結果はSOD1変異ALSの治療法としてウイルスベクターを用いたmicroRNA注入が治療法として有望なことを示唆するものです
(この研究はアメリカ、 University of Massachusetts Medical SchoolのMuellerらにより報告され、2020年7月9日付のNew England Journal of Medicine誌に掲載されました)
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