▽CDC-7(Cell Division Cycle Kinase 7)はTDP-43をリン酸化することがしられており、研究者らはCDC7の活性を阻害することにより、TDP-43のリン酸化が阻害され、病態緩和が期待できるのではないかと考えました
▽そこで、チオプリンを基にしたCDC-7阻害剤を用いて、機能喪失型GRN遺伝子変異を有するALS患者と、孤発性ALS患者由来のリンパ球を使用し、その機能を調べました。
▽その結果、選択的なCDC-7阻害剤であるERP1.14aおよびERP1.28aはTDP-43のリン酸化を減弱させ、細胞質内でのTDP-43凝集体形成を防ぐことができることが示されました
▽さらに患者由来リンパ芽球にCDC-7阻害剤を投与すると、核内でのTDP-43の機能回復がみられました。
▽以上の結果は、複素環式化合物に由来したCDC-7阻害剤がTDP-43蛋白症の病態緩和にとって有望な治療選択肢となる可能性を示唆するものです
(この研究は、スペイン、Centro de Investigaciones Biológicas, Margarita Salas (CSIC)のVacaらにより報告され、2020年7月6日付のJ Neurochem.誌に掲載されました)
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