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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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PJA1は細胞質のTDP-43凝集体形成を抑制する
▽ALSにおいては神経細胞やグリア細胞における細胞質内のTDP-43凝集体形成が特徴です。研究者らはこれまでにヒト野生型TDP-43ないしTDP-43C末端断片を発現する遺伝子組み換えアデノウイルス投与により、in vitroおよびin vivoでプロテアソーム阻害条件下において神経細胞で細胞質内凝集体が形成されることを報告しています。

▽今回、研究者らは熱ショック応答の主要制御因子であるHSF1(heat shock transcription factor 1)を発現するアデノウイルスをラット神経幹細胞由来の神経細胞に共感染させることで、アデノウイルス由来TDP-43凝集体の形成が顕著に抑制されることを示しました

▽DNAマイクロアレイ解析により、HSF1の下流に位置し、TDP-43凝集体形成に抑制的に働く候補分子が探索されました。その結果、PJA1( Praja 1 RING-finger E3 ubiquitin ligase)がTDP-43のリン酸化と凝集体形成の抑制因子として同定されました。

▽共免疫沈降法により、PJA1はCTF TDP-43とE2-共役酵素UBE2E3に結合していることが明らかになった。また、PJA1はマウス顔面運動ニューロンの細胞質におけるリン酸化TDP-43凝集体の形成を抑制しました

▽以上の結果は、PJA1がTDP-43の凝集を抑制する主要なE3ユビキチンリガーゼの一つであることを示唆しており、ALSの治療標的となる可能性があることを示しています。

(この研究は、杏林大学のwatabeらにより報告され、2020年7月19日付のNeuropathology誌に掲載されました)
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