▽今回ALS患者を対象としたリルゾール併用下での、ペニシリンG/ヒドロコルチゾン静脈内投与の安全性と有効性に関するプラセボ対照試験が行われました。
▽患者にはプラセボないしペニシリンG/ヒドロコルチゾンが21日間、四半期ごとに4サイクル投与されました。(投与群10名対プラセボ6名)。主要評価項目はALSFRS-Rの48週間の変化量でした。
▽結果として、ペニシリンG/ヒドロコルチゾン投与群のALSFRS-Rの変化率は1カ月当たり2.2点、プラセボ群との差は0.5点であり有意差は認められませんでした。副作用としては6例(各群3例ずつ)に静脈内投与法に起因すると思われる血栓性合併症を認めました。
▽今回の小規模試験の結果からはペニシリンG/ヒドロコルチゾン静注の有効性は明らかではなく、長期間の静脈内投与が血栓症リスクを増大させる可能性が明らかになりました。
(この研究は、オランダ、University Medical Centre UtrechtのVan ES MAらにより報告され、2020年7月6日付のAmyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener誌に掲載されました)
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