▽動物実験での結果により、幹細胞の新たな投与経路が安全であり、今後に期待の持てる投与法であることがわかりました。この研究はStem Cell Translational Medicine誌に公表されたものです
▽神経前駆細胞は、何種類かの成熟した神経細胞に分化しうる細胞であり、損傷を受けた神経を修復しうる能力を有していると考えられています。ALSにおいても神経前駆細胞を用いた幹細胞移植は、今後の治療法として期待されています。
▽しかしながら、現時点での神経幹細胞移植は、脊髄実質に直接注入するものであり、侵襲性が高く、様々な合併症などの危険性を有しています。今回研究者らは、より安全でさらに有効性も期待できる新たな投与法を開発しました。
▽この方法は、幹細胞を脊髄軟膜下に注入する方法です。この方法は神経組織に対する侵襲性はほとんどないため、安全性は高いものです。モデルラットでの実験では、注入されたヒト(グリア系)神経前駆細胞は脊髄、脳幹など広い範囲に生着したことが確認されました。また、オリゴデンドロサイトやアストロサイトなどのグリア系細胞に分化していることも確認されました
▽幹細胞の軟膜下投与は安全性が高く、有効性も期待できることがわかりました。高用量の細胞を注入可能なことも特徴です。今後はヒト臨床試験での実用化が期待されます
引用元
https://alsnewstoday.com/2020/02/10/new-spinal-delivery-method-renders-stem-cell-therapy-safer-more-effective-als-other-diseases-early-study/
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