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エンドサイトーシスの活性化がALS治療法開発につながる可能性
・ALS NEWS TODAYの2月19日付記事からです

▽ALSにおける蛋白質の凝集体形成において、細胞が細胞外から物質を取り込む過程であるエンドサイトーシスを制御する蛋白質が関与している可能性があることがわかりました。

▽Molecular and Cellular Biology誌に公表された研究結果によるものです。ALSにおいてはTDP-43やFUSなどの蛋白質が凝集体を形成することが運動神経細胞変性に関与していることが知られています。正常な細胞においてはTDP-43蛋白質の再利用や排出は、細胞内に物質を取り込む機構であるエンドサイトーシスに依存してます。典型的には細胞内に蓄積した物質は自食作用により分解されます。

▽エンドサイトーシスが障害されると、TDP-43蛋白質の凝集が生じ運動神経細胞が傷害されることがわかっています。同時にエンドサイトーシスを亢進させると凝集体形成が抑制されることが知られています。今回研究者らはエンドサイトーシスの制御機構をさらに詳しく調べました。

▽研究者らはエンドサイトーシスに関与するVCP(valosin-containing protein)に着目し、エンドサイトーシスと蛋白質凝集との関係性を調べました。研究者らは酵母細胞を用いて実験を行いました。酵母細胞におけるVCPの相同体はCdc48と呼ばれています。酵母細胞においてCdc48はTDP-43と同時に局在化しており、直接的に相互作用を行っていることがわかりました。

▽Cdc48がどのようにTDP-43の再利用過程に関与しているかを調べるため、研究者らはCdc48変異を有する酵母を使用しました。Cdc48の機能が障害されると、TDP-43の再利用過程は有意に遅延しました。Cdc48はエンドサイトーシスを亢進させることによりTDP-43の代謝を制御していることがわかりました。同様にFUS蛋白質の凝集と代謝についてもCdc48によるエンドサイトーシス促進作用が関与していることがわかりました。

▽以上の結果は、VCPがエンドサイトーシスの制御を通じてTDP-43やFUS蛋白質の毒性発揮に関与していることを示唆するものであり、エンドサイトーシスの機能異常とALSの病態を結びつけるものとして、今後の治療法開発の1つの方向性となりうることを示唆するものです。

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/02/19/boosting-endocytosis-shows-promise-for-als-therapy-study-finds/

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