▽新たな薬剤探索技法がミトコンドリア機能異常を有するALSなどの治療薬探索に有用となるかもしれません。この技法はミトコンドリアの健康度を直接的に評価する技法であり、この技法を用いて2400ほどの化合物がテストされ、うちいくつかはミトコンドリア機能を改善することがわかりました。
▽Science Advances誌に掲載された研究結果によると、研究者らはミトコンドリアを蛍光標識し、その形態や、代謝性マーカーなどを可視化することにより、ミトコンドリアの健康度を評価するシステムを構築しました。このシステムを用いて2400ほどの化合物がテストされた結果、ミトコンドリア機能を改善しうる薬剤候補が149個同定されました。
▽さらにその中から、細胞を有害物質に暴露した状況下において、ミトコンドリアを保護しうる薬剤が探索されました。その結果、7種類の化合物が有害物質からミトコンドリアを少なくとも1つの有害物質から完全に保護しうることがわかりました。
▽これらのうちの1つは麻酔薬として使用されるdyclonineであり、モデルマウスでの実験においてもミトコンドリア機能を高めることがわかりました。今後さらに実用可能な薬剤探索を続けたいとしています
引用元
https://alsnewstoday.com/2020/02/06/tool-testing-mitochondria-health-in-neurons-may-lead-to-als-therapies-study-reports/
- 関連記事
-
- 骨格筋における1型Neuregulin過剰発現はALSモデルマウスの病態を改善する
- 神経細胞におけるミトコンドリア機能測定技法がALS治療薬開発につながる可能性
- コセンダングサ抽出物とグリア活性化