▽ストレス顆粒の分解に関わる因子についてはよくわかっていません。
▽多くのストレス顆粒を構成する蛋白質はプリオン様領域を有しており、そのうちのいくつかがストレス顆粒形成に関与しています
▽今回、研究者らはプリオン様領域を有する酵母のリン酸化酵素であるSky1がストレス顆粒の構成要素であることをみいだしました
▽Sky1は自身のプリオン様領域によりストレス顆粒に取り込まれます。そしてリン酸化酵素としての活性がストレスからの回復過程におけるストレス顆粒の分解に関与しています。
▽このストレス顆粒分解過程においては、ストレス顆粒構成要素のNpl3のリン酸化を介することがわかりました。Sky1はシャペロンを介したストレス顆粒の分解機構の障害を補う役割を有しています。
▽以上の結果は、Sky1がストレス顆粒分解に重要な機能を有することを示唆しており、ストレス顆粒の関与する病態への治療法開発の手がかりとなる可能性があります。
(この研究は、Colorado State UniversityのShattuckらにより報告され、2019年8月9日付のNature Communications誌に掲載されました)
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