▽今回、研究者らは遺伝子的ならびに薬理学的にアクチンの重合化を変化させることで、核輸送やmRNAの転写後の制御などが障害されることをみいだしました。
▽重要なことに、アクチンの恒常性保持機構を正常化することにより、PFN1変異やC9orf72遺伝子変異に起因する核膜孔の不安定性や機能異常を是正することができました。
▽以上の結果は、ALSの病態において核細胞質間輸送の障害が関与していることを示唆しており、アクチンの恒常性保持機構を制御することが、ALSに対する治療戦略として有望である可能性があります。
(この研究は、アメリカ、University of Massachusetts Medical SchoolのGiampetruzziらにより報告され、2019年8月23日付のNature Communications誌に掲載されました)
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