▽今回、研究者らはALS細胞モデルであるL-BMAA暴露神経細胞を用いてTRPML1の機能を調べました。L-BMAAは小胞体機能を障害し、小胞体ストレス反応を引き起こし、細胞死につながります。リソソームと小胞体の結合機能の異常が存在することが推測されます。
▽研究者らは運動神経細胞においてTRPML1とリソソーム蛋白質であるLAMP1が小胞体と同時局在化していることをみいだしました。
▽TRPML-1のアゴニストであるML-SA1はリソソームのカルシウムイオン放出を促進しました。ML-SA1を細胞モデルに投与すると、L-BMAAによる細胞障害が緩和し、小胞体ストレスマーカーであるGRP78の発現量が減少しました。
▽ML-SA1は自食関連蛋白質の蓄積を減少させました。以上の結果はTRPML1を刺激することが自食作用を促進させ、L-BMAAによる細胞死が抑制されることを示唆するものです
(この研究はイタリア、University of NaplesのTedeschiらにより報告され、2019年7月24日付のScientific Reports誌に掲載されました)
- 関連記事
-
- Arimoclomolの第3相試験のエントリーが終了
- TRPML1活性化は自食促進作用により運動神経細胞保護効果を発揮する
- Cu-ATSMは孤発性ALSモデルマウスの運動神経細胞死を抑制する