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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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トリメタジンはALS細胞モデルにおけるミトコンドリア機能を改善する
▽トリメタジンは様々な経路を介して作用する代謝調節剤です。筋肉や心機能を改善することが報告されていますが、その機序はよくわかっていません。

▽今回、研究者らはSOD1変異ALS運動細胞モデルを用いて、その機序を調べました。

▽その結果、トリメタジンは自食機能を促進し、ミトコンドリアの形態を保持する作用を有することがわかりました

▽ALS患者由来の単球細胞においても、トリメタジンはミトコンドリア機能を改善することがわかりました。

▽以上の結果は、トリメタジン誘導体が治療戦略として有望な可能性を示唆するものです

(この研究はイタリア、University of Roma "La Sapienza"のSalvatoriらにより報告され、2024年3月13日付のInt J Mol Sci誌に掲載されました)
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DNL343の発見
▽elf2B(Eukaryotic translation initiation factor 2B)は統合ストレス反応において重要な役割を果たしています。統合ストレス反応は、細胞への侵襲刺激の際に、タンパク質合成を制御し、ストレス顆粒の形成をもたらします。

▽ALSにおいては統合ストレス反応に介入し、細胞の恒常性維持機構を改善し、神経変性を防ぐことが、治療戦略の1つと考えられています。

▽今回、研究者らは中枢神経に到達しうる選択的なelf2B活性化剤の発見の経緯を報告しました。

▽DNL343は半減期が長く、生物学的利用能に優れています。現在臨床試験が実施中です

(この報告は、アメリカ、Denali therapeutics社のCraigらにより報告され、2024年3月21日付のJ Med Chem誌に報告されました)
NAD+前駆体はALS細胞モデルの生存を補助する
▽NAD+の利用能を改善することはALSの治療戦略と考えられています。NAD+を補充することはALS動物モデルや患者において治療的であると考えられていますが、その機序は不明です

▽今回、研究者らは、NAD+前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の効果を患者iPS細胞由来運動神経細胞やモデル動物由来細胞などで評価しました。

▽その結果、NMN投与は細胞構造の複雑さを保持し、運動神経細胞死を防ぎ、一部モデルにおけるグルタチオン濃度を増加させ、TDP-43の細胞質への異常局在化を正常化しました。

▽以上の結果は、NMNが運動神経細胞の成長と細胞構造の複雑性の保持をもたらし、孤発性ないし家族性ALSに対して治療的に有望な可能性を示唆するものです。

(この研究はアメリカ、University of Wisconsin-MadisonのHamiltonらにより報告され、2024年3月19日付のAntioxid Redox Signal.誌に掲載されました)
ニクロサミドの神経保護作用
▽ニクロサミドは駆虫剤であり、抗炎症作用や抗線維化作用を有しており、様々な疾患に対する有効性が検討されています

▽ニクロサミドはALSにおいて障害がみられる経路におけるSTAT3やmTORなどの分子を阻害する作用を有しています。

▽今回研究者らは2種類のALSモデルマウス(SOD1変異およびFUS変異)においてニクロサミドを投与し、その効果を評価しました

▽その結果、発症遅延効果、疾患進行遅延効果、生存期間の延長効果を認めました。この効果はグリオーシスの減少、運動神経細胞喪失の減少、筋萎縮の減少効果などを伴っていました。ニクロサミドが複数の経路に作用することを示唆するものです

▽以上の結果はニクロサミドがALS治療薬候補として有望な可能性を示唆するものです

(この研究はイタリア、University of Rome Tor Vergata,のMilaniらにより報告され、2024年3月15日付のNeurotheraoeutics誌に掲載されました)
テトラメチルピラジンニトロンの抗老化作用と運動機能改善効果
▽テトラメチルピラジン誘導体であるテトラメチルピラジンニトロン(TBN)は様々な作用機序を介してALSを含む神経変性疾患への有効性が期待されています

▽今回、研究者らは、筋肉の老化と運動機能の低下に対するTBNの効果を調べました。

▽老化モデルマウスに対してTBNを投与し、その効果を評価しました。

▽その結果、TBNはテロメア長や老化関連マーカーを改善し、筋組織の比重を増加させました。また運動機能、筋線維化、炎症反応を改善し、ミトコンドリア機能を保持しました。

▽これらの機序についてはAMPK依存性経路によりもたらされることが示唆されました。

▽以上の結果は、TBNが抗老化作用や神経変性疾患に対して治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は中国、Jinan University College of PharmacyのNieらによりう報告され、2024年4月号のBiomed Pharmacother.誌に掲載されました)
ALSにおける過剰興奮性はノルアドレナリン欠乏と関連する
▽ALSにおける皮質の過剰興奮性は発症に先行し、生存期間と負の相関関係を有することが報告されており、動物モデルでは神経細胞変性の誘因になりうるものです。

▽今回研究者らはSOD1変異モデルマウスおよび孤発性ALS患者の運動神経細胞における電気生理学的な検討により病態を評価しました

▽その結果、脳波のシータ波とガンマ波の位相振幅同期活動(PAC)がモデルマウスにおいて発症前から欠損しており、患者では疾患進行速度と関連していることがわかりました。

▽質量分析により発症前のALSモデルの運動野においてノルアドレナリンが減少しており、in vivo two-photonイメージングにより、運動に関連したノルアドレナリンの放出が顕著に減少していることがわかりました。ノルアドレナリン合成前駆体の投与はモデルマウスのPACを増加させました。

▽以上の結果は、ALSにおける治療標的としてノルアドレナリン系の重要性を示唆するものです

(この研究はフランス、Université de Strasbourg,のScekic-Zahirovicらにより報告され、2024年3月13日付のSci Transl Med.誌に掲載されました)
RAGEシグナル経路とALSの病態
▽ALSの病態においては、過剰な炎症と、過剰糖化産物(AGEs)の蓄積が重要な役割を果たしていると考えられています

▽過剰糖化産物の受容体であるRAGEとその炎症性リガンドであるHMGB1やS100BなどがALSの発症に寄与していることが考えられます。今回研究者らはモデルマウスにおいてRAGEとRAGEシグナル経路の役割を検討しました

▽その結果、RAGEノックアウトSOD1変異モデルマウスは、SOD1変異モデルマウスと比較して、βアクチンやGFAPの増加が起こっていないことがわかりました。このことはRAGEないしその炎症性リガンドとの相互作用を阻害することにより、神経炎症やグリオーシス、運動神経細胞障害を緩和することができる可能性を示唆するものです

▽RAGEシグナル経路はALSの治療戦略として有望な可能性があります

(この研究はポーランド、University of Warmia and Mazury in OlsztynのNowickaらにより報告され、2024年3月8日付のPLoS One誌に掲載されました)
FM19G11添加ナノ粒子の治療的可能性
▽FM19G11は細胞の代謝機能を改善することが知られている新規薬剤です。しかしALSに対する効果は評価されていません。

▽今回研究者らはFM19G11添加ナノ粒子のSOD1変異ALSモデルマウスより採取した筋芽細胞への効果を評価しました。

▽その結果、FM19G11添加ナノ粒子は細胞増殖や筋肉の分化、ミトコンドリア活性などに関連する遺伝子群の発現を増加させることがわかりました。また、活性酸素種の減少やミトコンドリア形態の改善効果がみられました。

▽以上の結果は、FM19G11添加ナノ粒子が細胞代謝に影響を与え、筋変性を遅延させる効果を有する可能性を示唆するものです

(この研究はイタリア、Fondazione IRCCS Istituto Neurologico Carlo BestaのMalacarneらにより報告され、2024年4月号のBiomed Pharmacother誌に掲載されました)
新規siRNAのモデルマウスへの効果
▽アンチセンスオリゴヌクレオチドは標的遺伝子の発現をノックダウンし、有害タンパク質の発現を阻害することにより、治療的効果が期待されている治療法です。一方で、RNA干渉により、短鎖干渉RNA(siRNAs)を用いて、相補的転写シャン物を効果的に分解し、有害タンパク質の発現を阻害する方法も有望視されています。

▽しかしながら、中枢神経系外での作用が懸念材料となります。今回、研究者らは、SOD1をノックダウンするsiRNAを同定し、アクセサリーオリゴヌクレオチド(ACO)に結合させることにより、中枢神経組織で活性をもたせることに成功しました。

▽SOD1変異ALSモデルマウスに対して脳室内投与または髄腔内投与することにより、モデルマウスの進行遅延効果や生存期間延長効果が確認されました。

▽以上の結果は、siRNAとACOの組み合わせが治療法として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、中国、Ractigen TherapeuticsのDuanらにより報告され、2024年2月15日付のMol Ther Nucleic Acids誌に掲載されました)
新規臨床試験情報(MRG-001 )
・新規臨床試験情報です。MRG-001の第1相試験が開始予定です

・MRG-001はすでに承認されている2つの薬剤plerixaforとタクロリムスの合剤です。plerixaforはケモカイン受容体CXCR4の拮抗薬であり、 末梢血への幹細胞動員を促進する働きがあります。タクロリムスは免疫抑制剤であり、潰瘍性大腸炎や関節リウマチなどの治療薬として承認されています

・MRG-001は制御性T細胞などを動員し、神経炎症を抑制することで治療的効果が期待されています

引用元
https://clinicaltrials.gov/study/NCT06315608
CNM-Au8の効果
・ALS NEWS TODAYの2月29日付記事からです

▽compassionate use program(アメリカ版患者申出療養制度)によりCNM-Au8の投与を受けた200名以上のALS患者の経過がClene社より報告されました

▽その結果、最大4年間CNM-Au8の投与を受けた220名の患者と、PRO-ACTデータベースから抽出されたマッチした患者群との自然経過とが比較された結果、CNM-Au8は自然経過と比較して、死亡リスクを68%減少させることを示唆する結果が得られました。

▽別のALS/MNDコホートと比較した場合においても57%のリスク低下を示唆する結果でした

▽今後第3相試験での有効性の検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/cnm-au8-use-extends-als-survival-compassionate-use-studies/
PrimeCの第2b相試験
・ALS NEWS TODAYの3月4日付記事からです

▽第2b相試験が行われたのNeuroSense社のALS治療薬候補のPrimeCですが、新たな情報が公表されました

▽68名の患者が参加した第2b相試験の結果によると、PrimeCは良好な安全性を示し、有意な進行遅延効果を示唆する結果が得られたとのことです

▽PrimeCは抗菌薬のciprofloxacinと抗炎症薬のセレコキシブの合剤です。全体としてPrimeC投与群はプラセボ群と比較して29%の進行遅延を示唆する結果でしたが、統計的な有意差には達しませんでした。しかしプロトコルを完遂した患者で比較すると、37.4%の進行遅延を示唆する結果となりました。QOLなどの指標においても有効であり、呼吸不全などの合併症がない生存期間を延長する効果も示唆されました。

▽今後第3相試験での有効性の検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/primec-shown-extend-complication-free-survival-als-patients/
Monepantelの治療効果
・ALS NEWS TODAYの3月14日付記事からです

▽線虫駆除薬であるmonepantelのALSに対する第1相試験において、58%の進行遅延効果を示唆する結果が公表されました

▽オーストラリアで行われている12名の患者を対象とした第1相試験では、安全性の評価が目的とされています。

▽monepantelは細胞の増殖や自食経路に関与するmTORシグナル経路を抑制することにより治療的効果が期待されています

▽中間解析結果では、神経損傷の指標であるニューロフィラメント軽鎖は参加者12名中11名で8か月以上安定した推移を示しました。

▽安全性は良好であり、PRO-ACTデータベース由来の対照群データとの比較では高用量投与群において58%の進行遅延効果を示唆する結果でした

▽今後第2/3相試験が予定されています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/vet-drug-monepantel-slows-als-mnd-disease-progression-trial/
PTP sigma阻害による治療的効果
・ALS NEWS TODAYの3月11日付記事からです

▽C9orf72遺伝子変異ALSにおいてPTP sigmaと呼ばれるタンパク質の阻害が治療的に有望である可能性があることが公表されました

▽モデルマウスでの実験結果によると、PTP sigma阻害により、細胞内輸送経路が活性化し、有害なタンパク質の除去が活性化することで治療的効果がもたらされる可能性が示唆されました

▽C9orf72遺伝子変異ALSにおいてはpoly-GRなどの有害なジペプチド繰り返しタンパク質が発生し、細胞死が生じることが報告されています。PTP sigma阻害はpoly-GR濃度の減少は伴いませんでしたが、神経細胞の生存期間を延長させました。PTP sigma阻害はPI3P濃度の増加を伴うことがわかりました。PI3Pは細胞内物質輸送に関与するタンパク質です。

▽モデルマウスでの実験においてもPTP sigma阻害が神経炎症などを減少させ、病態の緩和効果を発揮することがわかりました。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/mda-2024-blocking-protein-shows-promise-genetic-als-form-mice/
Relyvrioの第3相試験で有効性示せず
・ALS NEWS TODAYの3月8日付記事からです

▽Amylyx Pharmaceuticals社から公表された情報によると、すでにアメリカとカナダで承認されているrelyvrioの第3相試験の結果、有効性は示されなかったとのことです。

▽結果を受け、自発的な販売中止に向けて動き出す可能性があるようです。

▽relyvrioは137名を対象とした第2相試験の結果を受けて承認されました。第3相試験では664名が対象となり、プラセボ対照で有効性が1年間検証されました。

▽その結果有効性に関する主要評価項目や副次的評価項目などは達成できませんでした。

▽Amylyx社はALS治療薬の開発は継続しており、calpain-2タンパク質をターゲットとしたアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤であるAMX0114の開発が進められています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-treatment-relyvrio-fails-trial-may-be-withdrawn-market/
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