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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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monepantelの第2/3相試験に向けてFDAとPhamAust社が協議
・ALS NEWS TODAYの1月9日付記事からです

▽PhamaAust社は同社のALS治療薬候補であるmonepantelの第2/3相試験の実施に向けてFDAと協議を行うことを公表しました

▽第2四半期には新薬臨床試験開始申請をしたいとしています。Monepantelは動物における害虫駆除薬として使用されています。近年mTORシグナル経路を抑制する作用があり、この経路が自食作用などに関与していることから、ALSに対する治療的効果が期待されることがわかりました。

▽すでに第1相試験は終了しており、12名のALSないしMND患者が1日1回投与され、ニューロフィラメント軽鎖などのバイオマーカーは良好な数値を示したとのことです。第1相試験終了後、1年間の延長試験が予定されています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/fda-pharmaust-discuss-advance-monepantel-als-clinical-trials/
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COYA 302の開発についてCOYA社とFDAが協議
・ALS NEWS TODAYの1月11日付記事からです

▽COYA社は同社のALS治療薬候補であるCOYA 302の開発プランについてFDAと2度の協議を行い、有意義な進展がみられたとのことです。

▽同社はCOYA 302の新薬臨床試験開始申請(IND)を2024年上半期に行いたいとしています。IND承認後速やかに臨床試験を開始予定です

▽COYA 302は制御性T細胞により炎症反応を抑制し、炎症反応を促進する免疫細胞を抑制することにより治療的効果が期待されています

▽薬剤は皮下注で投与されます。すでに4名のALS患者に対して予備的な臨床試験で投与開始されています。この小規模試験の結果では、治療期間中顕著な病態進行の抑制効果がみられたとのことで、48週後も治療前と比較して同程度の進行度であったとのことです。治療開始前は平均1.1点/月のペースでALSFRS-R得点が増悪していましたが、48週間で平均1.5点しか悪化しなかったとのことです。しかし治療を中止した後、再び治療開始前のペースで進行したとのことで、治療継続の必要性を示唆する結果でした。

▽制御性T細胞の活性や、炎症に関するバイオマーカーなどの指標も良好な結果でした。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/coya-fda-aligned-2-meetings-coya-302-development-als-therapy/

Verge社が第1相試験を開始
・ALS NEWS TODAYの1月16日付記事からです

▽Verge Genomics社は同社のALS治療薬候補であるVRG50635の第1相試験を開始することを公表しました。VRG50635は経口投与可能なPIKfyve阻害剤であり、運動神経細胞から有害な凝集タンパク質を排泄することを補助することにより治療的効果が期待されています。

▽VRG50635は同社のAIによる創薬プラットフォームであるConVERGEにより治療対象として同定されたPIKfyveをターゲットとする薬剤です。PIKfyveを阻害することにより、基礎実験ではリソソーム数の増加が観察されました。

▽患者由来の細胞モデルにより、細胞の生存期間の延長効果などが確認されました。この臨床試験では病態進行を測定するための専用のデバイスも開発されました。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/verge-launches-phase-1-trial-pikfyve-inhibitor-therapy-als-patients/

IPL344の第1/2a相試験
・ALS NEWS TODAYの1月24日付記事からです

▽Immunity Pharma社のALS治療薬候補であるIPL344の小規模第1/2a相試験について、最長3年間までの追跡結果が公表されました。

▽試験外のプラセボ群との比較により、IPL344は体重増加作用、呼吸機能温存作用、生存期間の延長効果などを示唆する結果が得られたとのことです。

▽IPL344はALSにおいて減弱しているAkt経路と呼ばれる細胞内経路を活性化し、運動神経の生存を補助することにより治療的効果の発揮が期待されています

▽前臨床試験では神経筋接合部機能の改善や体重減少の抑制、生存期間の延長効果などがモデルマウスでみられました。

▽試験に参加した9名の3年間のデータによるとIPL344は疾患進行をhistorical placeboと比較して48%遅延させる効果を示唆する結果がえられたとのことです。呼吸機能については44%の遅延効果でした。重大な副作用はありませんでした。

▽今後第3相試験で有効性を確認したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/ipl344-treatment-3-years-slows-als-progression-small-trial/

Pridopidineの第3相試験が開始予定
・ALS NEWS TODAYの1月29日付記事からです

▽HEALEY ALSプラットフォームによる第2相試験の良好な結果を受けて、Prilenia Therapeutics社はpridopidineの第3相試験を今年下半期にでも開始する予定であることを公表しました。

▽発症早期の患者についてpridopidineは病態進行遅延効果や生存期間の延長効果を示唆する結果がえられました。

▽Pridopidineは経口投与可能な薬剤であり、シグマ1受容体を活性化し、エネルギー産生を増加させ、異常タンパク質の排泄を促進し、炎症反応を抑制することにより治療的効果が期待されています

▽すでに行われた第2/3相試験では163名の患者が対象となり、24週間で有効性などが検証されました。ALSFRS-Rで評価された病態進行遅延効果についての主要評価項目は達成できませんでしたが、発声などの一部尺度については有意に良好な結果がえられました。また発症から1年半以内のサブグループでは進行遅延効果が確認されました。

▽一方で進行の早いサブグループにおいても全体で41%有意に進行遅延効果がみられたほか、構音障害や呼吸障害などの項目で有意な進行遅延効果がみられました。また当初から投薬群に割り付けされた患者群では当初プラセボに割り付けされた患者群よりも死亡リスクが57%少ない結果となりました。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/phase-3-clinical-trial-pridopidine-als-likely-this-year/

CK0803の臨床試験で最初の患者に投薬開始
・ALS NEWS TODAYの1月30日付記事からです

▽Cellenko社のALS治療薬候補であり、制御性T細胞をベースにした細胞治療であるCK0803の第1b相試験において、最初の患者に対する投薬が開始されたことが公表されました

▽この第1b相試験では合計66名の患者が対象となり主に安全性などが評価される予定です。ALS患者においては炎症性T細胞の割合が高まっていることが報告されています。免疫抑制作用を有する制御性T細胞はALSの病態である神経炎症を抑制することにより治療的効果が期待されています

▽CK0803は健常者の臍帯血より採取された制御性T細胞です。最初1カ月間ま毎週静注投与され、残る5カ月間は月に1回静注投与されます。第1相試験は6名の患者を対象としすでに終了しており、今回は投薬開始となったのはさらに60名の患者を対象として安全性や有効性を評価する第1b相試験になります。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/trial-ck0803-cell-based-therapy-wraps-dosing-1st-group-patients/
フルボキサミンによる自食作用亢進作用
▽C9orf72遺伝子変異ALSにおいて6塩基反復配列RNAは病態の進展に重要な役割を果たしています。

▽ 近年シグマ1受容体の活性化が神経保護に重要な役割を果たしていることが報告されています。しかし、シグマ1受容体の活性化のメカニズムや、反復配列RNA誘導性細胞死に対するシグマ1受容体の効果については、よくわかっていません。

▽今回研究者らは、シグマ1受容体アゴニストであるフルボキサミンが、反復配列RNAを発現するNSC34細胞において、シャペロン活性を増加させ、Pom121のタンパク質発現を安定化させ、核膜での共局在を増加させることを示しました。

▽フルボキサミン投与は転写に影響を与えることなく、Pom121タンパク質の発現を増加させました。C9orf72変異ALSにおいて、TFEB自食因子の核内移行は、核細胞質内輸送の欠陥のために減少しています。NSC34細胞をフルボキサミンで前処理すると、反復配列RNAを単独で過剰発現させた場合と比較して、TFEBの核内移行が促進され、LC3-IIの発現が上昇しました。

▽以上の結果は、フルボキサミンはヌクレオポリンPom121を安定化させ、反復配列RNA発現NSC34細胞におけるTFEBの核内移行を促進することを示唆しており、C9orf72遺伝子変異ALSに対して治療的効果を有する可能性があります。

(この研究は、台湾、China Medical UniversityのLinらにより報告され、2024年1月5日付のMol Neurobiol誌に掲載されました)

骨格筋におけるSERCA1の過剰発現は筋萎縮を抑制し、ALSモデルマウスの運動機能を改善する。
▽今回、研究者らはALSモデルマウスの骨格筋において、細胞内カルシウム濃度の上昇と小胞体ストレスの亢進がみられることを明らかにしました

▽一方でsarcoplasmic reticulum (SR) Ca2 + ATPase 1 (SERCA1)を骨格筋に過剰発現させることで、細胞内カルシウム濃度が改善し、小胞体ストレスが抑制され、運動機能が改善するかどうかをALSモデルマウスを用いて検討しました。

▽その結果、SERCA1過剰発現ALSモデルマウスはALSモデルマウスと比較して、運動機能の改善、発症の遅延、筋量の改善効果がみられました。

▽SERCA1の過剰発現は、野生型マウスとALSモデルマウスの両方で、小胞体ストレスのマーカーであるGrp78/BiP濃度を増加させましたが、PDIやCHOPのタンパク質濃度は変化しませんでした。

▽以上の結果は、SERCA1の過剰発現はALSモデルマウスの進行性筋量減少を抑制し、運動機能を維持する一方で、安静時カルシウム濃度や小胞体ストレスを低下させないことを示唆しており、治療的に有望な戦略になる可能性があります。

(この研究は、アメリカ、University of MarylandのMazalaらにより報告され、2024年1月10日付のJ Neuromuscul Dis誌に掲載されました)
Roflupramのモデルマウスに対する治療的効果
▽運動神経細胞における自食作用の欠陥はALS発症の重要な引き金と考えられています。roflupramはミクログリアの自食作用を活性化し、神経変性疾患において神経細胞の保護作用を有することが報告されています。

▽今回研究者らはALS治療におけるroflupramの有効性とメカニズムをin vivoおよびin vitroの両方で調べることを目的としました。

▽roflupramはSOD1変異ALSモデルマウスの発症を遅延させ、生存期間を延長させることがわかりました。さらに、roflupramは脊髄の運動神経細胞を保護し、AMPK/ULK1シグナル伝達経路を活性化し、自食経路を活性化しSOD1の凝集を減少させました。

▽roflupramはALSモデルマウスのグリオーシスを抑制しました。

▽以上の結果は、roflupramはALSモデルマウスにおいて自食経路を活性化することにより神経保護作用を有し、治療的に有効な可能性を示唆するものです。

(この研究は中国、The First Affiliated Hospital of Harbin Medical UniversityのHuoらにより報告され、2024年1月11日付のNeurophramacology誌に掲載されました)
EphrinB2ノックダウンはALSモデルマウスの病態を改善する
▽ALSの病態においてはアストロサイトのような非神経細胞も、疾患発症に重要な役割を果たしていると考えられています。アストロサイトのALSの病態への関与は、細胞間シグナル伝達が病態に関与している可能性を示唆しています。

▽今回研究者らは、膜貫通シグナル伝達分子であるephrinB2がALSの病態に与える影響を調べました。特にephrinB2が脊髄アストロサイトによる運動神経損傷を促進する役割を有するかどうかを検討しました。

▽SOD1変異ALSモデルマウスでは、脊髄アストロサイトにおいてephrinB2の発現が顕著に増加していました。

▽ウイルスによるshRNA注入によって頸髄のephrinB2を減少させると、運動神経細胞の喪失が減少し、横隔膜の神経支配を維持することによって呼吸機能が維持されました。

▽ephrinB2の発現は、ヒトALS脊髄でも上昇していました。以上の結果は、ephrinB2の発現亢進がSOD1変異ALSにおける細胞内シグナル伝達機構の障害をもたらすと同時に、治療対象となりうることを示唆しています。

(この研究は、アメリカ、Thomas Jefferson UniversityのUrbanらにより報告され、2024年1月15日付のElife誌に掲載されました)
メトホルミンはC9orf72遺伝子変異ALS細胞モデルにおけるミトコンドリア障害を改善する
▽C9orf72遺伝子の6塩基GGGGCC反復配列の過剰伸長は、ALSの最も一般的な遺伝的原因です。

▽C9orf72遺伝子変異に関連する主要な病理学的特徴は、ポリグリシン-アルギニン(GR)を含む異常なジペプチド反復タンパク質の存在です。

▽今回研究者らは、メトホルミンが、(GR)50によるミトコンドリア障害を軽減し、(GR)50に関連する細胞毒性を抑制することをみいだしました。

▽さらに、メトホルミンは(GR)50発現細胞においてAKTリン酸化を促進することにより、ミトコンドリア機能を効果的に回復させることがわかりました。

▽以上の結果は、メトホルミンがミトコンドリア機能の回復させることにより、ポリGR毒性を緩和し、治療的効果をもたらす可能性を示唆するものです。

(この研究は中国、Shanghai Jiao Tong University School of MedicineのFengらにより報告され、2024年1月17日付のJ Cell Biochem誌に掲載されました)
ニコチンアミドリボシド、pterostilbene、ibudilastはALSモデルマウスの病態を改善する
▽酸化ストレスと神経炎症はALSの病態に関与していると考えられています。ニコチンアミドリボシド(NAD+前駆体)とpterostilbene(天然の抗酸化物質)は、ALS患者を対象としたヒトに対する予備的試験やSOD1変異ALSモデルマウスと対象とした実験によりALSの病態に対して治療的である可能性を示唆する結果が報告されています 。

▽ibudilastは、さまざまなホスホジエステラーゼとマクロファージ遊走阻止因子を標的とし、神経炎症を抑制し、初期段階ではALS患者の生存率を改善し、進行を遅らせる効果が報告されています。

▽今回、研究者らは2種類のALSモデルマウス(SOD1変異、FUS変異)を用いて、発症、進行、生存に対するニコチンアミドリボシド、pterostilbene、ibudilastの効果を検討しました。

▽いずれのモデルにおいても、ibudilastはニコチンアミドリボシドとpterostilbeneによる生存と神経運動機能に対する保護的効果を増強しました。

▽3剤併用により、ミクログリオーシスとアストログリオーシスが減少し、髄液中のさまざまな炎症性サイトカイン濃度が低下しました。 ニコチンアミドリボシドとpterostilbeneは、アストロサイトやミクログリアなどにおいて過酸化水素と一酸化窒素の生成を減少させました。またibudilastはミクログリアと内皮細胞によるTNFα産生と過酸化水素産生を特異的に減少させました。

▽以上の結果は、ニコチンアミドリボシド、pterostilbene、ibudilastの併用がALSの病態に対して治療的に有望な可能性を示唆するものです。

(この研究はスペイン、University of ValenciaのLopez-Blanchらにより報告され2023年12月19日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
ICA-27243はALSモデルマウスの病態を改善する
▽ALSの病態においては過剰な神経細胞の興奮性が神経細胞の変性に関与していることから、過剰興奮性の調節が有望な治療戦略であると考えられています

▽カリウムチャネルは閾値以下の刺激で活性化され、神経細胞の興奮性を制御できるため、有望な治療ターゲットです。

▽今回研究者らは、N-(6-Chloro-pyridin-3-yl)-3,4-difluorobenzamide化合物(ICA-27243)のALS治療薬としての可能性を検討しました。

▽ICA-27243はKv7.2/7.3チャネルの選択性の高いアゴニストです。興奮毒性の細胞モデルにおいて、ICA-27243は運動神経細胞の変性を防ぎました

▽また、ICA-27243をSOD1変異 ALSモデルマウスに投与したところ、神経筋機能の低下が改善し、運動機能と協調運動が維持され、脊髄神経細胞死が減少し、グリア細胞の反応性が抑制されました。

▽以上の結果はICA-27243がKvチャネルを標的とすることで神経細胞の過剰興奮を抑制しALSに対して治療的に作用する可能性を示唆するものです。

(この研究は、スペイン、Universitat Autònoma de BarcelonaのMasegosaらにより報告され、2024年1月22日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
DLTは、セロトニン受容体を標的とすることでモデルマウスの病態を緩和する
▽これまでの研究で、ALSの病態には自食作用とアストロサイトを介した神経炎症が関与していること、一方、セロトニン2A受容体はアストロサイト活性化の初期段階に関与していること、セロトニン2A受容体拮抗薬はアストロサイト活性化を抑制する可能性があることが示されています。

▽今回、研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスを用い、選択的セロトニン2A受容体拮抗薬DLTの治療効果を評価しました。

▽その結果DLT投与は症状発現を有意に遅延させ、寿命を延長し、運動障害、腓腹筋損傷、脊髄運動ニューロン喪失を改善しました。

▽また、アデノ随伴ウイルス9の髄腔内注射による脊髄特異的なセロトニン2A受容体のノックダウンもモデルマウスのALS病態を改善し、DLT投与の治療効果を阻害しました。

▽DLT投与は、セロトニン2A/cAMP./AMPK経路を介して、自食作用を促進し、変異型SOD1濃度を低下させることがわかりました。またセロトニン2A/cAMP/AMPK/Nrf2-HO-1/NQO-1経路を介して酸化ストレスを抑制しました

▽以上の結果は、セロトニン2A受容体拮抗作用がALSの治療戦略として有望な可能性を示唆するものです。

(この研究は、中国、Nanjing University of Chinese MedicineのLuらにより報告され、2024年1月29日付のActa Pharmacol Sin.誌に掲載されました)
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