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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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本年もありがとうございました
・今年1年間当ブログをご訪問いただきましてありがとうございます。

・今年は、ALSではありませんが、ゲノム編集技術を用いた薬剤が海外で承認されるなど、この分野の急速な進展と可能性を感じます。

・AMX0035の日本での早期承認が期待されます。HEALEY ALSプラットフォームによる迅速な臨床試験の展開も印象的でした。今後に期待です。

・来年はさらに良いニュースを掲載できればと思います。

・皆様におかれましては良い新年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします
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prosetinの第1相試験
・ALS NEWS TODAYの12月1日付記事からです。

▽ProJenX社のALS治療薬候補であるprosetinについてカナダ保健省が第1相試験の後半パートの開始を許可しました。

▽第1相試験前半パートでは健常者を対象とし、prosetinの安全性や忍容性が確認されました。後半ではALS患者も対象に安全性や薬物動態などが確認される予定です。

▽prosetinは経口投与可能な薬剤であり、小胞体ストレスを緩和し、運動神経細胞の損傷を減少させることを意図した薬剤です。この薬剤はMAP4K(mitogen-activated protein kinase kinase kinase kinase)と呼ばれるタンパク質を阻害することで作用を発揮します。

▽患者由来細胞モデルにおいてMAP4K阻害が運動神経細胞を保護することが報告されています。ProJenX社とコロンビア大学は共同で中枢神経に到達しうる経口薬剤としてprosetinを開発しました。ALS動物モデルでは中枢神経の炎症を抑制することが示されています。

▽prosetinはFDAによりorphan drug指定を受けています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/phase-1-trial-testing-prosetin-als-patients/
AMX0114が来年にも臨床試験開始
・ALS NEWS TODAYの12月6日付記事からです

▽Amylyx社のALS治療薬候補であるAMX0114が来年にも臨床試験を開始予定であることが公表されました。

▽AMX0114はcalpain-2タンパク質の濃度を低下させることにより、運動神経細胞の生存を補助することが期待されています

▽calpain-2はタンパク質分解酵素であり、軸索変性などにおいて重要な役割を果たしており、ALS患者ではその活性が高まっていることが報告されています。

▽AMX0114はアンチセンス・オリゴヌクレオチド製剤であり、mRNAに結合し、calpain-2の発現を抑制します。基礎実験においてmRNA量を72%減少させ、神経細胞への有害性がないことが確認されました。さらに発現抑制効果は投与後長期間持続しました。

▽現在IND申請準備中であり、2024年に臨床試験を開始したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-mnd-2023-clinical-tests-aso-treatment-als-happen-next-year/
コルヒチンの第2相試験
・ALS NEWS TODAYの12月8日付記事からです

▽痛風治療薬であるコルヒチンのALSに対する第2相試験の結果が報告されました。これまでに低用量のコルヒチンが治療的効果を発揮するのではないかとの仮説がありました。

▽コルヒチンは自食作用に関連したHSPB8とよばれるタンパク質の活性を誘導し、異常タンパク質の除去を促進することが基礎実験で報告されており、ALSの病態においても良好な効果をもたらすのではと推測されていました。

▽第2相試験では低用量コルヒチン(0.01ないし0.005㎎/kg)が30週間投与され安全性や有効性などがプラセボ対照で評価されました

▽結果は残念ながら有効性に関する主要評価項目を達成できませんでした。しかしながら副次的評価項目であるALSFRS-R得点の変化率については、コルヒチン群がプラセボ群より有意に進行が緩徐であることを示唆する結果となりました。また血中TDP-43タンパク質濃度についても30週時点でコルヒチン群で有意に減少がみられました。

▽今後さらに高用量などでの大規模試験での有効性検証が期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-mnd-2023-gout-med-colchicine-als-progression/
PrimeCの臨床試験データ
・ALS NEWS TODAYの12月12日付記事からです

▽NeuroSense社のALS治療薬候補であるPrimeCは第2b相試験が実施中ですが、同社のプレスリリースによると、6カ月間の試験データにおいて病態進行遅延効果を示唆する結果が得られたとのことです

▽この第2b相試験は69名のALS患者が対象となりました。今回の結果は2024年に予定されている第3相試験の実施に向けて追い風となる可能性があります。

▽PrimeCは既承認薬剤である抗菌薬のciprofloxacinと抗炎症薬のセレコキシブの合剤となります。

▽6カ月間の投与後にPrimeC投与群はプラセボ群と比較して副次的評価尺度であるALSFRS-Rの変化量において、29%の進行遅延効果を示唆する結果となりました。この数値は統計学的に有意ではありませんでしたが、サンプルサイズが小さいためと考えられています。今後第3相試験での有効性の検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/primec-safe-shows-trends-slowing-als-progression-paradigm-trial/
ALS協会がORY-4001の開発を支援
・ALS NEWS TODAYの12月13日付記事からです

▽ALS AssociationはOryzon Genomics社が開発中のALS治療薬候補であるORY-4001に対して50万ドルの資金供与を行いました。

▽ORY-4001は選択性の高いHDAC6(histone deacetylase 6)阻害薬です。HDAC6はα tubulinと呼ばれる細胞内タンパク質輸送に関与するタンパク質を制御しています。ALSなどの神経変性疾患では軸索輸送が障害されており、HDAC6阻害が基礎実験においてALSの病態において治療的であることを示唆する結果が報告されています。

▽ALS協会はOryzon社の前臨床研究を促進し、臨床試験への進展を支援するために今回の資金供与を行いました。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-association-helping-to-move-ory-4001-into-animal-studies/
NurOwn細胞の今後の方向性
・ALS NEWS TODAYの12月15日付記事からです

▽BrainStorm社とFDAが協議を行い、NurOwn細胞について今後の第3b相試験の実施にむけて申請に必要な要件などが確認されました。

▽NurOwn細胞は自家骨髄間葉系幹細胞移植であり、患者自身から幹細胞を採取し、神経栄養因子などを分泌するように培養された後に患者に移植されます。

▽すでに行われた第3相試験では全体として有効性を確認することができませんでしたが、より発症早期の患者については有効性を示唆する結果が得られました。しかしFDAの諮問委員会は承認に否定的であり、結果として承認申請は取り下げとなりました。

▽今後はより発症早期の患者を対象とした第3b相試験により有効性を検証したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/brainstorm-fda-map-out-next-steps-nurown-phase-3b-testing/
CNM-Au8について
・ALS NEWS TODAYの12月22日付記事からです

▽Clene Nanomedicine社のALS治療薬候補のCNM-Au8ですが、HEALEY ALS platformで行われた第2相試験と延長試験の結果において、18カ月時点において神経損傷のバイオマーカーであるニューロフィラメント軽鎖血中濃度を16%減少させ、長期死亡リスクを60%減少させることが報告されました。

▽CNM-Au8は経口投与される金ナノクリスタルの混濁液であり、運動神経細胞の生存をサポートすることにより治療的効果が期待されています。残念ながらバイオマーカーの結果はFDAによる迅速承認の基準は満たさないこととなりました

▽2024年には第3相試験の開始が予定されており、正式承認を目指したいとしています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/auto-draft-2/
TDP-43蛋白症およびFUS病理に対するRACK1阻害
▽TDP-43タンパク質とFUSタンパク質はいずれもリボ核タンパク質であり、生理的条件下では、主に核内に局在し、転写調節、RNAスプライシング、代謝に関与しています。しかしALSの病態では細胞質内において異常な封入体を形成します。これらの封入体はリボソームタンパク質であるRACK1(Receptor for Activated C-Kinase 1)と同時局在化していることが報告されています

▽この同時局在化は、ポリリボソームとの相互作用により、タンパク質翻訳機構の障害につながります。

▽研究者らは細胞モデルにおいてRACK1をノックダウンすることにより、TDP-43やFUSの核内局在化が回復し、モデル動物の運動機能が改善することをみいだしました。

▽以上の結果は、TDP-43およびFUS封入体がRACK1依存的な機序によりタンパク質翻訳機構の障害をもたらすことを示唆しており、RACK1を標的とすることがALSに対して治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、カナダ、University of British ColumbiaのZhaoらにより報告され、2023年12月18日付の. Acta Neuropathol Commun誌に掲載されました)
変異GGGGCC RNAはYY1のFuzzyプロモーターへの結合を阻害する
▽C9orf72遺伝子のGGGGCC6塩基繰り返し配列の過剰伸長は家族性ALSの主要な病因です。

▽今回、研究者らはZinc finger型転写因子であるYY1がFuzzy遺伝子の転写を制御するプロモーター領域に結合することを見出しました。

▽YY1はGGGGCC繰り返しRNAとZinc finger領域で相互作用し、YY1のFuzzy遺伝子プロモーターへの結合を阻害し、発現低下をもたらすことがわかりました。

▽Fuzzyタンパク質の発現低下はWnt/β-catenin経路の活性化をもたらし、神経細胞のシナプス障害をもたらします。

▽以上の結果は、C9orf72遺伝子変異ALSの病態の理解を深め、治療ターゲットに新たな視点を与えるものです

(この研究は中国、The Chinese University of Hong KongのChenらにより報告され、2023年12月18日付のNat Commun.誌に掲載されました)
血管周囲マクロファージ除去はモデルマウスの病態を改善する
▽ALSの病態においては神経細胞以外の細胞も病態に関与することが報告されています。血管周囲マクロファージは脳内血管と脳実質の間に存在する免疫細胞であり、血液脳関門の統合性を制御しています。

▽今回、研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスを用い、血管周囲マクロファージがALSの病態に関与しているかどうかを調べました

▽その結果、ALSの病態進行に伴い脊髄血管周囲マクロファージ数が増加することがわかりました。また炎症抑制型および炎症促進型のいずれのサブタイプの血管周囲マクロファージも増加し、炎症促進性マクロファージの比率が増加していました。

▽続いてモデルマウスの髄液にclodronate liposomesを注入し、血管周囲マクロファージを除去しました。その結果、モデルマウスの病態進行遅延効果や生存期間の延長効果が観察されました。

▽以上の結果は血管周囲マクロファージがALSの治療ターゲットとなりうる可能性を示唆するものです。

(この研究は、慶應義塾大学のAdachiらにより報告され、2023年11月24日付のFront Cell Neurosci.誌に掲載されました)
AMX0035のバイオマーカーへの影響
▽AMX0035はアメリカやカナダなどでALS治療薬として承認されている薬剤で、タウロウルソデオキシコール酸とフェニル酪酸ナトリウムの合剤です。今回研究者らは第2相試験で測定された血中バイオマーカーについて報告しました

▽測定されたのはYKL-40、CHIT1、CRPなどの炎症反応に関連したマーカーです。

▽その結果、AMX0035投与により、YKL-40の血漿中濃度はプラセボ群と比較して24週間で20%減少し、CRPは30%減少しました。いずれも統計的に有意な差でした。

▽以上の結果はAMX0035が炎症反応を抑制し、治療効果を発揮していることを示唆するものであり、これらのバイオマーカーはALSの治療効果を反映するマーカーとなりうる可能性があります。

(この研究は、アメリカ、Barrow Neurological InstituteのBowserらにより報告され、2023年12月2日付のJ Neurol Neurosurg Psychiatry.誌に掲載されました)
新規臨床試験情報(primidone)
・中国での新規臨床試験情報です。primidoneの第2相試験が開始予定です

・試験はプラセボ対照で行われ安全性や有効性などが検証される予定です。primidoneは抗てんかん薬でありRIPK1阻害により治療的効果が期待されています

引用元
https://trialsearch.who.int/Trial2.aspx?TrialID=ChiCTR2200058224
新規臨床試験情報(骨髄間葉系幹細胞+エクソソーム移植)
・イランでの新規臨床試験情報です。骨髄間葉系幹細胞およびそのエクソソーム投与による第1相試験が開始予定です

・試験はプラセボ対照で行われ、1年間で有効性、安全性などが検証される予定です

引用元
https://trialsearch.who.int/Trial2.aspx?TrialID=IRCT20200904048610N1
新規臨床試験情報(NB-4746)
・オーストラリアでの新規臨床試験情報です

・NB-4746の第1相試験が開始予定です。NB-4746はNura Bio社のALS治療薬候補であり、SARM1タンパク質阻害剤です。神経保護作用による治療的効果が期待されています

・第1相試験では健常者を対象に安全性や薬物動態などが検証される予定です

引用元
https://trialsearch.who.int/Trial2.aspx?TrialID=ACTRN12623000476639
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