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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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オメガ3不飽和脂肪酸とALS
・ALS NEWS TODAYの7月5日付記事からです

▽血中のオメガ3脂肪酸濃度が高いことはALSの進行が緩やかなことと生存期間の長さと関連することが報告されました

▽アルファリノレイン酸(ALA)と呼ばれるオメガ3脂肪酸は植物由来分子です。クルミ、キャノーラ油、大豆油などに含まれています

▽これらの食品を摂取することが、ALSにとって良好な可能性があります。

▽この結果は、EMPOWER試験の事後解析結果によるものでNeurology誌に報告されました。アルファリノレイン酸がALSの病態進行効果をもたらす理由はよくわかっていません

▽dexpramipexoleの第3相試験であるEMPOWER試験において449名の参加者から脂肪酸の血中濃度データが収集されました

▽試験では18カ月間経過観察されました。参加者は血中アルファリノレイン酸濃度で4群にわけられました。

▽その結果、血中ALA濃度が最も高い群は、最も低い群と比較して死亡リスクが約50%低い結果となりました。また機能尺度においても病態進行が緩やかなことを示唆する結果がえられました

▽ALA以外のオメガ3不飽和脂肪酸でありEPAやリノレイン酸も死亡リスクの減少と関連することを示唆する結果となりました

▽EPAは魚油などに含まれ、リノレイン酸は植物油やナッツ、種に含まれます

▽研究チームはALAが予後を改善するかどうかを検証する臨床試験の実施を予定しています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/alpha-linolenic-acid-slower-als-progression-better-survival/?cn-reloaded=1
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ARO-SOD1の試験がオーストラリアで開始予定
・ALS NEWS TODAYの7月6日付記事からです

▽Arrowhead Pharmaceuticals社のALS治療薬候補であるARO-SOD1の臨床試験がオーストラリアで開始予定となっています

▽ARO-SOD1はRNAをターゲットとした薬剤であり、RNA干渉を利用し変異SOD1タンパク質の発現を抑制することにより病態改善効果を期待するものです

▽薬剤はくも膜下腔内に投与されます。前臨床試験では、様々な動物モデルにおいてSOD1 mRNAの発現を有効に阻害することが示されました。ラットモデルでは脊髄のSOD1 mRNA濃度が95%減少しました

▽tofersenが1か月に1回の注入が必要なのに対して、ARO-SOD1の注入頻度はずっと少なくてもすむことが期待されています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/arrowhead-files-application-australia-launch-first-trial-aro-sod1-als/
CNM-Au8の第2相試験
・ALS NEWS TODAYの7月10日付記事からです

▽CNM-Au8の第2相試験と1年間の延長試験の結果によると、発症早期のALS患者においてCNM-Au8は生存期間を延長し、病態進行を遅延させることを示唆する結果がえられました

▽試験の最初からCNM-Au8に割付された群は、当初プラセボに割付され8か月後の延長試験でCNM-Au8を投与された患者と比較して進行が有意に緩やかでした

▽CNM-Au8は金ナノ結晶であり、神経細胞のエネルギー産生を補助し、酸化的ストレスから保護することにより治療的効果を発揮することが期待されています

▽第2相試験では36週間でのMotor Unit Number Indexで評価された主要評価項目は達成できませんでした。しかしCNM-Au8はプラセボ群と比較して呼吸器の導入などのアウトカムの発生率をプラセボ群78%に対してCNM-Au8群23%と減少させ、ALSFRS-Rが6点以上減少した群の割合もプラセボ群48%に対して18%と減少させました

▽延長試験も含めた48週間終了時においては、当初プラセボ群と比較してALSFRS-Rは2.6点有意に良好な結果でした

▽HEALEY ALS platformでもCNM-Au8の有効性が検証され、主要評価項目は達成できませんでしたが、死亡リスクは90%減少させました。

▽Clene社は今年中にFDAと今後の方針について協議予定としています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/cnm-au8-slows-disease-progression-and-extends-life-rescue-als-finds/
NurOwnの臨床試験でニューロフィラメント軽鎖の減少効果
・ALS NEWS TODAYの7月12日付記事からです

▽NurOwn細胞の第3相試験の事後解析結果により、NurOwnは神経損傷のマーカーである髄液中ニューロフィラメント軽鎖濃度を有意に減少させることが報告されました

▽この結果は、進行の早い患者を対象とした解析結果によるものです。この報告はFDAがtofersenを迅速承認し、これがニューロフィラメント軽鎖の減少を伴うものであったことに触発されたものです

▽tofersenの承認はこのバイオマーカーの減少によるものでした。FDAは今年12月8日にNurOwnの承認の是非を判断することになっています

▽NurOwnは、患者自身の骨髄由来の間葉系幹細胞を培養し移植するものです。第3相試験では主要評価項目は達成できませんでしたが、BrainStorm社はこの結果はより進行した患者の下位尺度の得点が最少得点に至ってしまったことによるflooe effectによるものであり、より早期の患者に限って解析をすると病態進行遅延を示唆する結果がえられたとのことです。

▽33種類のバイオマーカーのデータも調べられており、うち16種類は神経炎症に関連するものでした。NurOwnはうち22種類のマーカーを変化させました

▽臨床試験の結果からはベースラインのニューロフィラメント軽鎖濃度がその後の病態進行速度を予測することが報告されました。

▽NurOwnによりニューロフィラメント軽鎖の減少がより大きな患者においては、進行遅延効果も高いことがわかりました

引用元
https://alsnewstoday.com/news/nurown-trial-slower-als-progression-tied-lower-nfl-levels/?cn-reloaded=1
SPG302の臨床試験で患者募集開始
・ALS NEWS TODAYの7月14日付記事からです

▽Spinogenix社のALS治療薬候補の第1相試験で患者募集が開始されました。

▽この試験では112名の参加者が募集されます。ALS患者と健常者双方が募集され、異なる用量での薬物動態や長期的安全性などが評価される予定です

▽同時に試験の第2段階ではプラセボ対照での投与試験も行われ、有効性に関する指標も評価される予定となっています

▽SPG302は経口投与可能な小分子であり、神経細胞のシナプス数を増加させることによる治療的効果が期待されています。その作用からspinogenic compoundと呼ばれています。

▽来年中には試験終了予定となっています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/clinical-trial-of-oral-als-therapy-spg302-is-enrolling-in-australia/
QRL-201の第1相試験実施がイギリスで承認
・ALS NEWS TODAYの7月18日付記事からです

▽現在カナダで行われているQurAlis社のALS治療薬候補であるQRL-201の第1相試験について、イギリスでの実施が承認されました

▽今後ドイツ、ベルギー、オランダ、アイルランドでも実施が予定されています

▽カナダにおいては既に投薬が開始されています。QRL-201はStathmin-2タンパク質濃度を回復させることにより治療的効果を発揮することが期待されています

▽ALSにおいてはTDP-43の異常凝集体形成により、運動神経細胞の修復などに関与するStathmin-2タンパク質濃度が減少し、そのため神経細胞死につながることを示唆する結果が報告されています

▽現在実施中の第1相試験では、64名のALS患者が対象となり、2025年5月に試験終了予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/phase-1-clinical-trial-qrl-201-als-approved-uk/?cn-reloaded=1
自己免疫性炎症反応をターゲットにした2種類の治療薬候補
・ALS NEWS TODAYの7月19日付記事からです

▽多発性硬化症治療薬のフマル酸ジメチルとH-151とよばれる化合物が炎症反応を抑制し、孤発性ALSの病態の一部を緩和する可能性があることが報告されました

▽この結果は、孤発性ALS患者由来の免疫細胞を用いた実験結果によるものです。フマル酸ジメチルは特定の食品に含まれるエポキシエイコサトリエン酸(EET)と組み合わせて投与されるとさらに効果的であることがわかりました

▽この結果をもとに、カリフォルニア大学の研究者らは臨床試験の開始を予定しています。

▽研究者らは孤発性ALS患者の脊髄サンプルを解析し、細胞傷害性を有するT細胞の増加とIL-17Aなどの炎症促進性サイトカインの増加を観察しました。また病初期と進行期で異なったサイトカインの発現が増加していることをみいだしました

▽2名の孤発性ALS患者由来の免疫細胞に対してフマル酸ジメチル単独ないしEETないしH-151と併用で投与したところ、炎症促進性サイトカインの減少がみられ、この効果はEETと併用した際に増強しました

▽これまでにフマル酸ジメチル単独での臨床試験は行われており、有意な結果は得られていませんが、EETとの併用でより治療的である可能性があり、今後臨床試験などでの検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/dmf-h-151-treatments-target-autoimmune-inflammation-cell-study/
ATH-1105が基礎実験で良好な結果
・ALS NEWS TODAYの7月21日付記事からです

▽Athra Pharma社のALS治療薬候補であるATH-1105がモデルマウスでの実験により炎症反応を抑制し、神経保護作用を発揮することを示唆する結果が得られました

▽この小分子は、炎症反応を抑制し、TDP-43タンパク質の凝集を抑制しました。

▽ATH-1105はHGF/MET経路を活性化し、神経細胞を保護し、成長を促進することにより治療的効果を発揮すると考えられています

▽TDP-43変異ALSモデルマウスに対してATH-1105を投与したところ、血中の炎症促進性サイトカインの減少効果やニューロフィラメント軽鎖減少、TDP-43凝集体形成の減少効果などが観察されました。

▽今後臨床試験での効果の確認が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/disease-mechanisms-common-als-ftd-blocked-ath-1105/
喘息治療薬が治療的効果を発揮する可能性
・ALS NEWS TODAYの7月25日付記事からです

▽β刺激薬で喘息治療薬であるclenbuterolの第2相試験において、治療的に作用する可能性を示唆する結果がえられました。一方で半年間での脱落が半数以上となっており、忍容性が課題となりそうです

▽clenbuterolは経口投与可能な喘息治療薬であり、基礎実験では神経保護作用が報告されています。ALSモデルマウスでの実験では生存期間の延長効果や筋力増強効果などが確認されました

▽第2相試験では25名のALS患者がエントリーし、うち13名は副作用のため脱落しました。24週間の試験期間を終了した11名の患者の解析によると、治療開始前はALSFRS-Rの変化率が平均0.56でしたが、治療開始後は0.17に改善しました。また肺機能についても有意差は認めませんでしたが数値的にFVCの変化率は0.8から0.25に改善しました。

▽筋力についての結果は様々で大半の患者は筋力が低下しましたが、一部の患者では改善もみられました。

▽安全性に関する課題はありますが、今後さらに大規模な試験で有効性の検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/asthma-medicine-slows-als-disease-progression-small-trial/
TDP-43蛋白症に対するFingolimod
▽今回、研究者らはTDP-43蛋白症の病態を再現するショウジョウバエモデルを開発しました

▽このモデルショウジョウバエを用いて、TDP-43蛋白症の治療薬候補の探索が行われました

▽まず疾患初期および進行期における運動機能の改善をもたらしうる薬剤が探索されました。その結果fingolimodが有効な薬剤として同定されました。

▽FingolimodはTDP-43濃度を減少させ、運動機能を改善しました。

▽今回開発したモデルショウジョウバエはTDP-43蛋白症の病態解明と治療法解明に有用であることが期待されます。

(この研究はタイ、Chiang Mai UniversityのLo Piccollo Lらにより報告され、2023年7月26日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
ALS運動神経細胞におけるRNA結合タンパク質の異常局在化はVCP ATPase抑制で回復する
▽ALSはRNA結合タンパク質であるTDP-43の細胞質への異常局在化が特徴です。しかし最近では広範なmRNAおよびタンパク質が異常局在化することが報告されています

▽今回、研究者らはTARDBPおよびVCP変異を有するALS患者由来のiPS細胞由来運動神経細胞を用いて、mRNAとタンパク質の局在化異常を調べました

▽その結果、ALS変異を有するiPS細胞においてはmRNAの異常局在化やRNA結合タンパク質の異常局在化、スプライシング異常などがみられました

▽局在化異常を示したタンパク質は再分布した転写産物に対して高い親和性を示したことから、RNA結合タンパク質の異常局在化とmRNAの分布異常とが関連することが示唆されました。

▽VCP ATPase阻害剤であるML240を投与すると、ALS患者由来iPS細胞におけるmRNAとタンパク質の局在化が部分的に回復しました。

▽ML240は、VCPインタラクトームとリソソーム局在の変化を誘導し、酸化ストレスとDNA損傷を減少させました

▽以上の結果は、ALS運動神経細胞におけるRNA結合タンパク質の局在化異常とmRNAの再分布の関連を示唆し、VCP阻害薬の治療可能性を示唆するものです。。

(この研究はイギリス、University College London NHS Foundation TrustのZiff OJらにより報告され、2023年7月18日付のNeuron誌に掲載されました)

SOD1タンパク質の抗原決定基阻害による病態改善効果
▽SOD1変異ALSにおいて、折り畳み異常SOD1タンパク質を阻害する治療戦略がありますが、正常なSOD1タンパク質と折り畳み異常を呈したSOD1タンパク質を区別することは困難でした

▽今回、研究者らは折り畳み異常タンパク質のみに露出する抗原決定基を阻害する抗体であるscFv-SE21を開発しました

▽この抗原決定基はこれまでに折り畳み異常SOD1タンパク質のアミロイド様の凝集を開始し、プリオン様活性を媒介する部位だと考えられています。

▽SOD1変異ALSモデルマウスに対してアデノ随伴ウイルスベクターによりscFv-SE21を発現させたところ、運動神経細胞の保護効果と折り畳み異常SOD1タンパク質の減少が観察されました

▽またグリオーシスが減少し、生存期間が90日延長しました。

▽以上の結果は抗原決定基に対する抗体投与が治療法として有望な可能性を示唆するものです

(この研究はイスラエル、Ben-Gurion University of the NegevのBakavayevらにより報告され、2023年7月3日付のBrain誌に掲載されました)
MOKはALSにおけるミクログリアによる炎症反応をコントロールする
▽今回研究者らは、MOK(MAPK/MAK/MRK overlapping kinase )がミクログリアの炎症とI型インターフェロンに対する反応を制御することにより免疫機能を有することを明らかにしました

▽MOKにより調節されるタンパク質としてBrd4を同定しました、MOKはBrd4のサイトカイン遺伝子プロモーターへの結合をサポートすることにより、自然免疫応答を可能にすることがわかりました

▽ALS患者の脊髄ミクログリアにおいてはMOK濃度が上昇しており、MOK阻害剤をモデルマウスに投与すると、ミクログリア活性化が阻害され、病態改善効果を発揮することがわかりました

▽以上の結果は、MOKがALSの病態と炎症において重要な役割を果たしていることを示唆するものです

(この研究は、スペイン、Universidad de Sevilla-Consejo Superior de Investigaciones CientíficasのPerez-Cabelloらにより報告され、2023年7月11日付のPNAS誌に掲載されました)
TDP-43のグリシンリッチドメインに対する抗体はTDP-43凝集を阻害する
▽凝集タンパク質に対する抗体療法は動物実験において有望な結果が得られています。しかしTDP-43に対する最も安全で有効な抗原決定基に対する抗体療法はよくわかっていません。

▽今回、研究者らは、TDP-43の安全かつ有効な抗原決定基を同定しました。

▽TDP-43の全領域をカバーする15のペプチド抗原をスクリーニングし、マウスでTDP-43抗原に対するモノクローナル抗体を作成しました。

▽疾患関連のホスホセリン409/410を含むC末端ペプチドによる免疫化はニューロフィラメント軽鎖を減少させ、神経軸索損傷を軽減しました。

▽いくつかの新規モノクローナル抗体は、TDP-43のグリシンリッチドメインを標的とし、TDP-43の相分離と凝集を強力に減少させ、凝集体の細胞取り込みを防ぎました。

▽以上の結果は、TDP-43のRRN2ドメインとC末端領域をターゲットとする能動および受動免疫化がTDP-43蛋白症の病態改善に有効な可能性を示唆するものです。

(この研究は、ドイツ、German Center for Neurodegenerative DiseasesのRiemenschneider Hらにより報告され、2023年7月11日付のActa Neuropathol Commun誌に掲載されました)
新規臨床試験情報(ARO-SOD1)
・オーストラリアでの新規臨床試験情報です。ARO-SOD1の第1相試験が開始予定です

・ARO-SOD1はiRNAであり、変異SOD1タンパク質の発現を阻害することにより治療的効果が期待されています。

・SOD1変異家族性ALS患者を対象にプラセボ対照で薬物動態や安全性、バイオマーカーの変化などが評価される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/study/NCT05949294
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