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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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Masitinibの治療効果
・ALS NEWS TODAYの5月8日付記事からです

▽AB Science社のALS治療薬候補Masitinibのリルゾール併用下での第2/3相試験の事後解析結果によると、軽度から中等度の重症度のALS患者に対して良好な結果をもたらす可能性があることがわかりました

▽AAN 2023年会で公表された内容によると、試験全体としては有意な生存期間の延長効果は示されなかったものの、軽症群に限った解析では有意な生存期間と病態進行遅延を示唆する結果が得られました

▽Masitinibは特定のチロシンキナーゼを阻害し、炎症反応を緩和することにより治療効果が期待されています。

▽第2/3相試験では394名のALS患者を対象に、48週間で2つの異なる用量(3mg, 4.5mg)でプラセボ対照で有効性などが評価されました

▽4.5mg投与群において、病態進行が通常程度(ALSFRS-Rで1.1点/月以下)の患者群においては、病態進行がプラセボより27%有意に緩徐であることを示唆する結果が得られました

▽同時にQOLや肺機能についても良好な結果が示されました。

▽現在これらの結果を確認するため、495名を対象とした第3相試験が実施中です。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-therapy-masitinib-works-best-add-on-moderate-disease-analysis/
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投薬中止となった臨床試験
・ALS NEWS TODAYの記事からです

▽Apellis社のALS治療薬候補のpegcetacoplan(APL-2)の臨床試験について、終了後のオープンラベル期間での投薬がデータモニタリング委員会の判断により中止となることがわかりました

▽pegcetacoplanは補体C3を阻害し免疫系に作用することで治療的効果を発揮することが期待されています

▽第2相試験は2020年に開始され、249名の患者を対象に18カ月で有効性などが検証されていました。今回中止となったのは18か月の試験終了後のオープンラベル期間で投薬されていた患者です。

▽第2相試験の結果は近日公表予定とのことです

▽Wave Life Science社のC9orf72遺伝子変異ALS治療薬候補であるWVE-004の第1b/2a相試験の結果をうけ、Wave社はWVE-004の開発を中止することを決定しました。

▽WVE-004はアンチセンス・オリゴヌクレオチド製剤であり、異常なジペプチド繰り返しタンパク質の生成を阻害し治療的鵜効果を発揮することが期待されていました

▽試験の結果、安全性は良好であり、6か月の試験期間でジペプチド繰り返しタンパク質の50%程度の減少効果が確認されましたが、有効性に関しては確認されませんでした。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-therapy-wve-004-ceasing-development-after-study-failure/
CK0803の臨床試験で投薬開始
・ALS NEWS TODAYの5月12日付記事からです

▽Cellenkos社は同社のALS治療薬候補である制御性T細胞によるCK0803の第1/1b相試験において、最初の患者に投薬が開始されたことを公表しました

▽この試験では6名の患者が対象となり安全性、忍容性が確認され、その後60名が追加される第1b相試験に移行予定となっています。

▽制御性T細胞は免疫系細胞であり、過剰な炎症反応を抑制し、免疫系の恒常性維持に貢献していると考えられています。ALS患者においては炎症性T細胞の増加と制御性T細胞の減少が報告されています

▽CK0803は臍帯血ドナーにより提供された幹細胞から分化誘導した制御性T細胞移植による再生医療です。

▽CK0803は静注により投与され、最初4回は毎週1回、その後は1か月に1回、5カ月間投与されます。

▽2026年に最初の結果が得られる予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/news/patient-dosed-trial-potential-als-cell-based-therapy-ck0803/
ATH-1105がモデルマウスで良好な効果
・ALS NEWS TODAYの5月18日付記事からです

▽Athira社のALS治療薬候補であるATH-1105がALSモデルマウスにおいて生存期間の延長効果を示しました

▽ATH-1105は経口投与可能な小分子であり、HGF/MET経路を活性化し、神経炎症や酸化的ストレスを抑制し、神経細胞の生存を補助することにより治療的効果が期待されています

▽TDP-43蛋白症モデルマウスにおいて生存期間がプラセボ群の倍に延長しました。また進行遅延効果、筋力保持効果がみられました

▽同社は臨床試験を2024年に開始したいとしています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-mouse-model-sees-prolonged-survival-with-ath-1105/
Locanobio社のALS治療薬候補がC9orf72遺伝子変異ALSモデルマウスで良好な結果
・ALS NEWS TODAYの5月26日付記事からです

▽Locanabio社のALS治療薬候補がC9orf72遺伝子変異ALSモデルマウスにおいて有害なRNAを減少させることに成功しました

▽CRISPR遺伝子編集技術によるこの方法は健常なC9orf72 mRNAには影響を与えず、神経細胞機能において重要なC9orf72タンパク質の生成を阻害しません。

▽C9orf72遺伝子変異ALSは家族性ALSの50%程度、孤発性ALSの10%程度を占める主要な遺伝子変異であり、遺伝子における6塩基繰り返し配列の過剰伸長が特徴です。

▽この変異からG4C2およびC4G2の2種類の有害なRNAが生成し、さらに異常タンパク質の生成につながります。CRISPR/Cas13dを基にしたシステムにより、G4C2およびC4G2配列を認識し、Cas13d酵素によりそのRNAを分解します

▽このシステムはアデノ随伴ウイルスベクター9により細胞内に導入されます

▽モデルマウスに対して髄腔内単回投与によりで有効性を検証したところ、有害なRNAが有意に減少し、健常なC9orf72 mRNAは保持されていました。

▽今後この方法がC9orf72遺伝子変異ALSの有望な治療法となる可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/news/locanabio-experimental-therapy-shows-promise-c9orf72-als/
PrimeCの第2b相試験で患者エントリーが完了
・ALS NEWS TODAYの5月22日付記事からです

▽NeuroSense社のALS治療薬候補であるPrimeCの第2b相試験において69名の患者全てのエントリーが完了しました

▽PrimeCは経口投与可能な薬剤であり、抗菌薬であるciproflocaxinと抗炎症作用のあるcelecoxibの合剤です

▽基礎実験では両薬剤の組み合わせにより病態進行遅延効果を示唆する結果が得られており、炎症と鉄蓄積を抑制し、RNA処理障害を回復させることによる治療的効果が期待されています。

▽15名を対象とした第2a相試験では安全性が確認され、有効性を示唆する結果も得られました

▽今回の第2b相試験は6か月間で安全性やバイオマーカー、有効性などが検証される予定です。今年中には結果が判明する予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/neurosense-paradigm-trial-primec-als-completes-enrollment-patients/
ClenbuterolのALSに対する安全性と有効性
▽Clenbuterolはβ遮断薬であり、ALSに対する有効性が期待されています

▽今回、25名の患者を対象にオープンラベル試験でALS患者に対する安全性などが検証されました。

▽その結果、clenbuterol 160ug/day投与により24名が有害事象を報告し、振戦や筋痙攣、不眠などでした。13名が副作用で脱落しました

▽治療経過中病態進行遅延効果を示唆する結果が得られました。

▽今後さらに大規模な臨床試験での有効性などの検証が期待されます。

(この研究はアメリカ、Duke UniversityのLiらにより報告され、2023年6月1日付のJ Clin Neuromuscul Dis誌に掲載されました)
PaliperidoneがSOD1タンパク質に治療的に作用する可能性
▽SOD1タンパク質変異は家族性ALSの病態の一種です。

▽今回研究者らは抗精神病薬であるpaliperidoneがSOD1タンパク質と相互作用をすることをstructure-based pharmacophore mappingなどでみいだしました

▽マイクロスケール熱泳動によりpaliperidoneとSOD1タンパク質が結合し、結合部位のトリプトファン残基の酸化を防ぐことがわかりました。

▽以上の結果はpaliperidone誘導体がSOD1変異ALSに対して治療的に有効な可能性を示唆するものです

(この研究は、インド、National Institute of Mental Health and NeurosciencesのAoutiらにより報告され、2023年6月1日付のActa Crystallogr D Struct Biol誌に掲載されました)
クルクミンはFUSの液液相分離を阻害する

▽FUS変異ALSにおいては、FUSタンパク質の凝集体形成がみられます。そのためFUS排泄を促進することは治療的効果をもたらす可能性があります

▽今回、研究者らはクルクミンがFUS液滴形成とストレス顆粒形成を強力に阻害することを見出しました

▽クルクミンは疎水性相互作用によりFUSと結合し、FUSのβシート形成を阻害します。またクルクミンはFUS凝集によるピルビン酸キナーゼの機能阻害を防ぎ、細胞代謝を正常化することがわかりました。

▽以上の結果は、クルクミンがFUSの液液相分離を阻害し、細胞代謝異常を改善する効果を有することを示唆するものです

(この研究は中国、Northwestern Polytechnical UniversityのShiらにより報告され、2023年5月22日付のFood Funct.誌に掲載されました)
NCKAP1はALS患者由来ミクログリア様細胞に対して保護的に作用する
▽ミクログリアはALSの病態において重要や役割を果たしていますが、その正確な役割はよくわかっていません。

▽ALS患者の単球からミクログリア様細胞を誘導し、急速進行患者と緩徐進行患者とで特徴が比較されました

▽遺伝子発現に有意な差はありませんでしたが、急速進行型ALS患者由来のミクログリアはLPS刺激に対して貪食機能の障害と炎症促進反応の亢進がみられました。

▽この貪食機能の障害はトランスクリプトーム解析によりNCKAP1の減少に関連することがわかりました。またNCKAP1を過剰発現させると貪食機能が回復しました。

▽以上の結果はNCKAP1がALSにおけるミクログリア機能回復のための治療ターゲットとなりうる可能性を示唆するものです

(この研究は韓国、Hanyang UniversityのNohらにより報告され、2023年5月8日付のMol Neurobiol.誌に掲載されました)
ThymopentinはLPS誘発性の神経炎症を阻害する
▽神経炎症はALSなど神経変性疾患の病態において重要な役割を果たしています

▽活性化ミクログリアによる炎症促進性サイトカインなどの過剰放出を伴います。ミクログリアの炎症反応を抑制することは治療戦略として重要です。

▽中枢神経における免疫系細胞の活性化において、神経ペプチドが主要な役割を果たしていると考えられています。ペンタペプチドであるthymopentin(TP-5)は免疫修飾機能を発揮しますが、その作用機序はよくわかっていません。

▽今回、研究者らはLPS誘発性の炎症モデル動物において、TP-5の治療的有効性を検証しました。

▽その結果、TP-5は活性化ミクログリアの細胞傷害性や形態的変化を抑制しました。この作用はNF-κB/NJRP3経路を介していることが示唆されました。

▽以上の結果はTP-5が活性化ミクログリアの抑制を介して治療的効果を発揮する可能性を示唆するものです

(この研究は、中国、Shanghai Jiao Tong University School of MedicineのPengらにより報告され、2023年4月28日付のInt Immunopharmacol.誌に掲載されました)

自家骨髄間葉系幹細胞移植(Neuronata-R)の長期的有効性
▽Neuronata-Rは自家骨髄間葉系幹細胞製剤であり、2013年に韓国ではALS治療薬として条件付き承認されています

▽今回、発症2年以内の157名の事後解析により長期的効果が検証されました。対照としてPROACTデータベースからhistorical placebo群が抽出されました

▽その結果、生存期間の中央値は1201日対730日とNeuronata-R投与群は対照群と比較して有意に長い結果となりました。また安全性についても重篤な有害事象はみられませんでした

▽以上の結果は、Neuronata-Rが長期的に有効な可能性を示唆するものです。

(この研究は韓国、CORESTEMCHEMON IncのNamらにより報告され、2023年4月12日付のFront Aging Neurosci誌に掲載されました)


糞便移植の臨床試験
・ALS NEWS TODAYの5月9日付記事からです

▽ローマのCatholic University of the Sacred HeartにてALSに対する糞便移植の臨床試験が行われています

▽ALSにおいては腸内細菌叢の異常が示唆されており、健常者の腸内細菌叢を移植することによる病態改善効果の有無を検証することが目的となります

▽この試験では42名の患者が対象となり、プラセボ対照で6か月間経過観察されます。

▽糞便移植による制御性T細胞の数や炎症などに関連したバイオマーカーの変化、機能的変化などが評価される予定です。

▽6名の患者による予備的結果では、制御性T細胞数の増加が確認されました。試験は2024年に終了予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/early-clinical-trial-testing-gut-microbe-transplants-in-als-patients/
新規臨床試験情報(Salbutamol)
・フランスでの新規臨床試験情報です

・salbutamolの第2相試験が開始予定となっています。試験はプラセボ対照で行われ36名の患者が対象となり6か月間で歩行機能や呼吸機能などが評価される予定です。

・salbutamolは基礎研究において神経筋接合部機能を改善することによる歩行機能の改善効果や神経保護作用などが報告されています

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05860244
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