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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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HEALEY ALS platformの現状
・ALS NEWS TODAYの4月27日付記事からです

▽HEALEY ALS platformが開始されて3年が経過しました。これまでに2つの薬剤が有望な結果を残しており、いずれも第3相試験の実施に向かっています

▽HEALEY ALS platformは複数の薬剤でプラセボ群を共有するなどの共通の試験プラットフォームを使用して、効率的に治療薬候補を探索するための枠組みです

▽これまでにzilucoplan、verdiperstat、CNM-Au8、pridopidine、SLS-005の5つの薬剤でエントリーが完了し、6番目の薬剤であるABBV-CLS-7262で先月エントリー開始となり、7番目の薬剤であるDNL343は今年後半に開始予定となっています。

▽4つの試験の中間解析結果が公表されており、うちzilucoplanとverdiperstatの2つは有効性が示せませんでした。しかしCNM-Au8は死亡リスクの減少効果を示唆する結果が得られ、pridopidineについては主要評価項目は達成できませんでしたが、進行の早い一群で有効性を示唆する結果が得られたことから第3相試験が予定されています。

引用元
https://alsnewstoday.com/aan-2023/aan-2023-als-treatments-idd-healey-trial-move-toward-phase-3-tests/
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DNL343の第1相試験
・ALS NEWS TODAYの4月26日付記事からです

▽Denali社のALS治療薬候補であるDNL343がALS患者を対象とした第1b相試験において良好な忍容性を示しました。この結果はアメリカ神経学会年会で公表されました。

▽DNL343は経口投与可能な小分子であり、統合ストレス応答を減弱させる作用により治療効果が期待されています。統合ストレス応答はストレス下にある細胞で誘発されますが、ALSでは統合ストレス応答が亢進しており、神経細胞を障害すると考えられています。

▽ALS患者28名を対象とした第1b相試験では安全性などが検証されました。その結果、頭痛や倦怠感などの有害事象を認めましたが、安全性は概ね良好でした。健常者を対象とした第1相試験では統合ストレス応答に関連したバイオマーカーの減少が確認されました

▽DNL343は最近HEALEY ALS platformに組み入れられ近日試験開始予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/aan-2023-dnl343-safe-appears-work-intended-phase-1-trial/
FDAがtofersenを承認
・ALS NEWS TODAYの4月25日付記事からです

▽FDAはSOD1変異家族性ALSに対する治療薬であるtofersenを条件付きで承認しました。商品名はQalsodyとなります。

▽FDAがALSに対して条件付き承認をしたのは初めてとなります。今後有効性についてさらに検証が必要となります。

▽この承認はtofersenの第3相試験までの解析結果においてニューロフィラメント軽鎖とよばれるバイオマーカーが顕著に減少したことに基づくものです。

▽Qalsodyはくも膜下腔内に投与されます。最初3回は2週間毎に投与され、その後維持療法として1か月毎に投与されます。

▽Biogen社によるとこの治療はearly access programにより34か国で使用可能になるとのことです。費用などは未定となっています。

▽Qalsodyについては、現在発症前のSOD1変異を有する患者に対する第3相試験が行われており、この試験については2026年に結果が判明する予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/news/fda-approves-tofersen-now-qalsody-treatment-adults-sod1-als/
Arrrowhead社がALSに対するRNA治療を開始予定
・ALS NEWS TODAYの4月21日付記事からです

▽Arrowhead社は現在同社のSOD1変異ALSに対する治療薬候補であるARO-SOD1の臨床試験を開始予定です。

▽ARO-SOD1はRNA干渉を利用し、有害なSOD1タンパク質の発現を抑制することで治療的効果を発揮することが期待されています。

▽SOD1変異は孤発性ALSの2%、家族性ALSの20%においてみられる遺伝子変異です。

▽ARO-SOD1はSOD1 mRNAに結合する小分子であり、くも膜下腔内投与されます。動物実験ではSOD1 mRNAを95%減少させることが確認されました。また単回投与により、この効果が長期間持続することも確認されており、年間4回未満の投与回数でよい可能性があります。

▽2025年までに臨床試験を開始したいとしています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/arrowhead-will-seek-ok-test-rna-therapy-aro-sod1-clinical-trial/
QRL-201の第1相試験で投薬開始
・ALS NEWS TODAYの4月17日付記事からです

▽QurAlis社のALS治療薬候補であるQRL-201のカナダでの第1相試験において投薬が開始されました。

▽QRL-201は神経成長と修復に必要なタンパク質であるstathmin-2の産生を亢進させ、ALSに対する治療的効果が期待されている薬剤です。ALSではstathmin-2濃度が減少していることがしられています

▽この第1相試験では64名のALS患者がエントリーされプラセボ対照で安全性や忍容性が検証される予定です。

▽TDP-43が正常な機能が果たせないとstathmin-2のmRNAが正常に産生されず、stathmin-2タンパク質濃度が減少します。動物実験ではstathmin-2濃度を増加させることにより治療的効果が観察されました

▽試験は2025年までに終了予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/dosing-phase-1-clinical-trial-als-qrl-201-protect-neurons/
間葉性幹細胞移植により生存期間延長効果・ALS NEWS TODAYの4月14日付記事からです ▽2002年から2006年にかけて行われた19名のALS患者を対象に行われた間葉系幹細胞移植の2つの第1相試験の事後解析結果がCytotherapy誌に公表されました。 ▽この報告によると、間葉系幹細胞移植を受けた患者においては永続的な人工換気を必要とするまでの期間が予想された時期よりも約4年間延長したとのことです ▽19名の患者のうち13名において予想された期間よりも人工換気導入までの期間が延長し、1名は予想より短い期間で導入されました。 ▽間葉系幹細胞移植の長期的な有用性については今後さらに検証が必要とされています 引用元 https://alsnewstoday.com/news/msc-stem-cell-transplants-extend-survival-4-years-als-patients/
・ALS NEWS TODAYの4月14日付記事からです

▽2002年から2006年にかけて行われた19名のALS患者を対象に行われた間葉系幹細胞移植の2つの第1相試験の事後解析結果がCytotherapy誌に公表されました。

▽この報告によると、間葉系幹細胞移植を受けた患者においては永続的な人工換気を必要とするまでの期間が予想された時期よりも約4年間延長したとのことです

▽19名の患者のうち13名において予想された期間よりも人工換気導入までの期間が延長し、1名は予想より短い期間で導入されました。

▽間葉系幹細胞移植の長期的な有用性については今後さらに検証が必要とされています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/msc-stem-cell-transplants-extend-survival-4-years-als-patients/
AIT-101の第2a相臨床試験
・ALS NEWS TODAYの4月13日付記事からです

▽AI Therapeutics社のALS治療薬候補であるAIT-101がC9orf72遺伝子変異ALSに対する第2a相試験において、poly(GP)タンパク質とよばれる、有害なジペプチド繰り返しタンパク質を減少させたことがわかりました

▽AIT-101は自食経路を活性化させ、有害なタンパク質の除去を促進させることにより治療的効果が期待されています。AIT-101はPIKfyveとよばれるタンパク質をターゲットとしています。PIKfyveは転写因子TFEBを活性化し、リソソームの産生を亢進させます。

▽この経路を活性化させることにより、有害なタンパク質の除去が促進することが期待されます。TDP-43変異を有する動物実験では治療効果が認められました

▽第2a相試験は15名のC9orf72遺伝子変異ALS患者が対象となり、6か月間の治療期間でバイオマーカーの変化などが観察されます。12週間の投薬後においてpoly(GP)凝集体が73%減少し、sGPNMBと呼ばれるバイオマーカーも有意に増加することがわかりました。

▽今後さらに大規模な試験での有効性の検証が予定されています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/ait-101-clears-toxic-protein-clumps-early-clinical-trial-als/
自治医大にて孤発性ALSに対する遺伝子治療開始
▽待望のADAR2遺伝子治療が医師主導治験として開始されました。

▽孤発性ALSにおいてはRNA編集酵素であるADAR2(adenosine deaminase acting on RNA 2)の発現低下が起こり、その結果機能不全のグルタミン酸受容体が発現し、神経細胞死につながるとの病態仮説に基づく治療となります。

▽アデノ随伴ウイルスベクターにより正常なADAR2遺伝子を注入し、機能回復をはかる遺伝子治療です

詳細は以下の自治医大のHPをご参照ください
https://www.jichi.ac.jp/hospital/top/consultation/index.html
分子動力学によるALS治療薬候補の探索
▽最近、SOD1結合リガンド1(SBL-1)が、変異SOD1凝集のための重要な残基の酸化を試験管内で阻害することが示されました。

▽今回研究者らは分子動力学シミュレーションを用いて、変異SOD1タンパク質とSBL-1との相互作用を調査しました。

▽その結果、SOD1-SBL-1複合体が比較的安定であり、近距離で相互作用することがわかりました

▽SBL-1が低毒性での作用特性を持つことを示唆する結果が得られました。

▽以上の結果は、SBL-1がSOD1変異ALSに対する有望な治療戦略であることを示唆しています。

(この研究は、ブラジル、 Federal University of the State of Rio de Janeiro-UNIRIOのPereiraらにより報告され、2023年3月29日付のPharmaceutics誌に掲載されました)
TDP-43タンパク質凝集を防ぐペプチド結合剤の開発
▽TDP-43凝集体形成はALSの主要な病態と考えられています

▽TDP-43のLCD(low complexity domain)は凝集体形成を防ぐターゲット部位と考えられています。

▽研究者らは、この領域に結合うるペプチド結合剤を設計しました

▽その結果、これら結合剤のうちの1つが効率的にLCD部位に結合することがわかりました。また、この結合剤はチオフラビンT蛍光および沈降試験により、TDP-43凝集体形成を抑制することがわかりました

▽以上の結果は、TDP-43のLCDに対するペプチド結合剤がALS治療薬候補として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は東北大学のKamagataらにより報告され、2023年4月20日付のBiochem Biophys Res Commun誌に掲載されました)
蛋白分解媒介剤はTDP-43凝集体を分解する
▽ALSの病態においてはTDP-43凝集体やオリゴマーが神経変性細胞をもたらすと考えられています

▽今回研究者らは、折り畳み異常TDP-43タンパク質に結合し、さらにユビキチンリガーゼE3への結合を媒介するPROTAC(proteolysis-targeting chimera)を開発し、折り畳み異常TDP-43タンパク質の分解を促進することにより病態改善を図ることができるかどうかを検証しました

▽TDP-43蛋白症細胞モデルおよびTDP-43蛋白症モデル線虫を用いて、PROTACの効果が検証されました。

▽異なる4種類のPROTACが合成され、そのうちの1つは、正常なTDP-43への影響なく細胞内TDP-43凝集体形成を抑制し、TDP-43蛋白症モデル線虫の運動機能を改善しました。

▽以上の結果は、PROTACがTDP-43蛋白症に対する治療戦略として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、台湾、National Taiwan UniversityのTsengらにより報告され、2023年4月26日付のJ Biomed Sci.誌に掲載されました)
ヒトiPS細胞由来神経前駆細胞はALSモデルマウスの病態を改善する
▽iPS細胞は神経前駆細胞に分化することが可能ですが、この細胞にグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)を導入したiNPC-GDNFは、ALSに対する治療的効果が期待されています

▽網膜変性モデル動物の網膜下にiNPC-GDNFを投与すると、光受容体の変性が阻害され、視機能が保存されました

▽さらにSOD1変異ALSモデルマウスの脊髄にiNPC-GDNFを投与すると長期間生着し、GDNFを産生し続けました。

▽以上の結果は、iNPC-GDNFが神経変性疾患の治療において有望な選択肢となりうる可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、 Cedars-Sinai Medical CenterのLaperle AHらにより報告され、2023年4月15日付のStem Cell Reports誌に掲載されました)
IL-10筋注はモデルマウスの病態を改善する
▽研究者らは最近、ALSモデルマウスにおいてマクロファージが骨格筋重量の保持に重要な役割を果たしていることをみいだしました。

▽マクロファージによる筋肉応答の調節とサテライト細胞の分化促進はALSモデルマウスにおける筋変性を防ぐことができる可能性があります

▽今回研究者らは、モデルマウスに対してIL-10を筋注し、病態ヘの影響を検証しました

▽その結果、IL-10注入はマクロファージとサテライト細胞による筋再生活性化をもたらし、モデルマウスの運動機能を改善することがわかりました

▽以上の結果は、IL-10がマクロファージなどの機能促進を介してALSの病態に対して治療的に作用する可能性を示唆するものです。

(この研究は、イタリア、Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario Negri IRCCSのFabbrizioらにより報告され、2023年3月26日付のCells誌に掲載されました)
20Sプロテアソーム活性化による神経保護作用
▽C9orf72変異ALSは家族性ALSの最も多い病因です。この病態においては、リピート関連非ATG翻訳を介して5つの異なるジペプチド繰り返しタンパク質が生成されます。

▽アルギニンを含むジペプチド繰り返しタンパク質は特に運動神経細胞への毒性があり、この毒性はユビキチン・プロテアソーム系の障害と関連していることが示唆されています

▽研究者らは、20Sプロテアソーム活性化剤であるTCH-165の効果を検証しました

▽その結果、TCH-165はジペプチド繰り返しタンパク質の分解を促進し、プロテアソーム障害を回復させることがわかりました

▽さらにTCH-165は運動神経を保護し、細胞モデルにおいてタンパク質の恒常性を回復させました。

▽以上の結果はTCH-165がC9orf72遺伝子変異ALSに対して治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、Michigan State UniversityのVanecekらにより報告され、2023年4月4日付のACS Chem Neurosic誌に掲載されました)
NEDP1酵素をターゲットとしたALS治療戦略
▽ALSにおいてはストレス顆粒を構成するタンパク質の変異が病因となることがあります。

▽今回、研究者らはNEDD8と呼ばれるユビキチン様タンパク質の処理に関わるNEDP1を阻害することによる治療的効果を検証しました

▽その結果、NEDP1阻害は、病的なストレス顆粒の分解を促進することがわかりました。

▽ALSモデル線虫においてNEDP1を欠損させると病態が改善します

▽以上の結果は、NEDP1がALSの病態改善の治療ターゲットとなりうる可能性を示唆するものです

(この研究は、フランス、Univ. MontpellierのKassoufらにより報告され、2023年3月31日付のSci Adv.誌に掲載されました)
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