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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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Relyvrio(AMX0035)の新規臨床試験で患者登録終了
・ALS NEWS TODAYの2月6日付記事からです

▽既にFDAに承認されたRelyvrio(AMX0035)の安全性と有効性を検証するための大規模第3相試験において患者登録が完了しました

▽この試験は664名の患者を対象に行われ、2024年には結果が判明する予定です。第2相試験の結果によりカナダでは条件付き承認となりましたが、通常の承認のためにさらなる臨床試験が必要でした。

▽今回の第3相試験(PHOENIX試験)は第2相試験の結果を確認するためにさらに大きな規模で行われるものです。この試験は欧州での通常承認のためにも必要と考えられています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/phoenix-trial-approved-als-therapy-relyvrio-amx0035-enrolled/
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uniQure社がAPB-102開発の権利を獲得
・ALS NEWS TODAYの2月2日付記事からです

▽uniQure社はApic Bio社が開発中のSOD1変異ALS治療薬候補であるAPB-102の全ての権利を取得しました。

▽今後第1/2相試験の開始が予定されています。uniQure社はC9orf72遺伝子変異ALSに対する遺伝子治療薬も開発中です。

▽APB-102は開発ネームがAMT-162に変更となります。AMT-162はmicroRNAであり、ウイルスベクターにより運搬され、変異SOD1遺伝子由来のmRNAに結合し、異常タンパク質の生成を防ぎます。

▽AMT-162はくも膜下腔内に単回投与されます。モデルマウスでの前臨床試験では生存期間の延長効果などがみられました。さらに2名のALS患者を対象とした投与試験でもSOD1タンパク質の発現を低下させる効果がみられました。

▽AMT-162はFDAよりorphan drug指定を受けています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/uniqure-acquires-rights-develop-gene-therapy-sod1-als/
EPI-589の探索的第2相臨床試験が進行中
・ALS NEWS TODAYの2月14日付記事からです

▽日本でALS治療薬候補であるEPI-589の探索的な第2相試験が進行中です。今年10月には終了予定となっています。

▽EPI-589はR-troloxamide quinoneと呼ばれる小分子であり、経口投与され、酸化的ストレスを軽減することによる病態改善効果が期待されています

▽基礎実験では、エダラボンを上回る抗酸化作用が確認されています。またALSモデルマウスにおいて病態進行遅延効果が確認されました。

▽健常者を対象とした第1相試験では安全性が確認されました。19名のALS患者を対象とした第2相試験で500㎎を2回投与され、安全性が確認され、髄液中のバイオマーカーにおいて改善がみられました

▽現在進行中の探索的第2相試験では500㎎を1日3回投与され、安全性、忍容性が確認される予定です。副次的評価項目では有効性についても評価される予定ですが、今後さらに大規模なプラセボ対照試験が行われることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/exploratory-phase-2-clinical-trial-epi-589-als-is-ongoing-i/
TDP-43のC末端ドメインをターゲットにする免疫療法がALSモデルマウスで神経保護作用
▽TDP-43蛋白症はALSを始めいくつかの神経変性疾患で観察される病態です。

▽研究者らは生理的なTDP-43タンパク質の機能を保持し神経細胞への影響を軽減するため、Fcγ受容体を介した異常TDP-43タンパク質除去メカニズムを利用したTDP-43特異的免疫療法を開発しています

▽TDP-43タンパク質のC末端ドメインを標的とすることにより、TDP-43蛋白症の病態を軽減し、神経細胞の喪失を防ぐことができることがわかりました

▽この作用はミクログリアによるFc受容体を介した免疫複合体の取り込みによるものであることが示されました。さらにモノクローナル抗体投与によりALS患者由来ミクログリアの貪食能が向上することがわかりました

▽これらの作用は生理的なTDP-43活性を維持したままで発揮されました。

▽以上の結果はTDP-43をターゲットにした免疫療法が治療選択肢として有望なことを示唆するものです

(この研究はスイス、AC Immune SAのAfrozらにより報告され、2023年2月20日付のNeurobiol Dis.誌に掲載されました)
ALSに対する呼吸筋トレーニング
▽今回ALS患者に対する12週間の呼気・吸気筋トレーニングプログラムをsham対照で実施し、1年間の機能的影響が評価されました。

▽45名の患者が対象となり、呼吸筋トレーニング群23名(30%負荷)、sham群22名に無作為割付され比較されました。主要評価項目は最大呼気・吸気圧でした。

▽12週間の呼吸筋トレーニングは最大呼気圧の有意な増加をもたらしましたが、最大吸気圧の増加にはつながりませんでした。12か月間のALSFRS-Rのbulbar subscaleに変化率においては、sham群ではトレーニング群よりも低下速度が約2倍速い結果となりました

▽ALSFRS-R総得点の変化率や人工換気導入までの期間、摂食機能などにおいては有意な差がみられませんでした。

▽以上の結果は呼吸筋トレーニングが一部機能において生理的機能を高めることができる可能性を示唆するものであり、今後さらに最適なトレーニング強度などを定める研究が行われることが期待されます

(この研究はアメリカ、University of FloridaのPlowmanらにより報告され、2023年2月20日付のNeurology誌に掲載されました)
SYF2抑制は様々なALSモデル動物のサブタイプにおける神経変性を緩和する
▽研究者らは多様なALSのサブタイプにおいて有効性の期待できる治療対象を探索するため、遺伝子データのバイオインフォマティクス解析などにより幅広いALSのサブタイプに有効な遺伝子ターゲットを同定しました

▽その結果、スプライソソーム関連因子であるSYF2を抑制することによりTDP-43凝集体形成と局在化異常が緩和され、病態改善効果がみられることがわかりました

▽このようなTDP-43蛋白症の病態緩和効果はC9orf72遺伝子変異ALS、孤発性ALSなどのモデルにおいて観察されました。

▽またTDP-43蛋白症モデルマウスにおいてSYF2を抑制すると、神経変性、神経筋接合部の喪失、運動機能障害などが改善しました

▽以上の結果は、SYF2が様々なALSサブタイプにおいて治療対象になりうる可能性を示唆するものです

(この研究は、アメリカ、University of Southern CaliforniaのLinaresらにより報告され、2023年2月2日付のCell Stem Cell誌に掲載されました)
SLS-005の第2/3相試験で患者登録完了
・ALS NEWS TODAYの2月15日付記事からです

▽Seelos Therapeutics社はHEALEY ALS Platformの一部として行われているALS治療薬候補であるSLS-005の第2/3相試験において患者登録がすべて完了したことを公表しました

▽160名の家族性および孤発性ALSが対象となっており、最初の結果は2023年下半期にも公表されることが期待されています

▽Seelos社は臨床試験にエントリーできなかった患者に対してExpanded access programも用意しています

▽SLS-005はトレハロースとよばれる小分子であり、自食作用を亢進させることにより病態改善効果が期待されています

▽動物実験においてはTDP-43タンパク質やSOD1タンパク質の排泄を促進し、病態進行遅延効果が確認されています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/enrollment-complete-als-phase-2-3-trial-sls-005/
新規臨床試験情報(ABBV-CLS-7262)
・アメリカでの新規臨床試験情報です

・HEALEY ALS Platformの一部としての新たな臨床試験が開始予定となっています。このプラットフォームとしては6番目の治療薬候補となるABBV-CLS-7262の第2/3相試験となります

・プラセボ対照で240名のALS患者を対象に24週間で有効性、安全性などが評価される予定です

・ABBV-CLS-7262はEIF2b活性化剤であり、ALSなどの慢性的なストレス状況下においてはELF2b機能が抑制されており、蛋白質産生が阻害された結果、ストレス顆粒が蓄積し、神経細胞死につながると考えられています。ABBV-CLS-7262は蛋白質産生機能を回復させ、TDP-43凝集体の除去を促進することにより治療的効果を発揮することが期待されています。

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05740813
新規アデノ随伴ウイルスベクターによるALSモデルマウスに対するHGF注入
▽今回、研究者らは新規アデノ随伴ウイルスベクターを用いて活性型のHGF(肝細胞増殖因子)を注入する方法を開発しました。

▽HGFは運動神経細胞の生存を支持をする効果が報告されています。

▽TDP-43蛋白症モデルマウスに対してこのベクターを用いてHGFをくも膜下腔内に注入したところ、運動皮質におけるミクログリオーシスやアストログリオーシスの減少と上位運動神経細胞変性が抑制されました。

▽以上の結果は、新規ウイルスベクターによるHGF注入がALS治療法として有望な可能性を示唆するものです。

(この研究は、アメリカ、Northwestern UniversityのGencらにより報告され2023年2月24日付のGene Ther.誌に掲載されました)
ENA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチドによるTDP-43蛋白症モデルマウスへの治療的効果
▽今回、研究者らはヒトTDP-43に対するENA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)を用いて、TDP-43蛋白症モデルマウスに対する有効性を検証しました。ENA(2'-O,4'-C-Ethylene-bridged Nucleic Acids)は安定性の高い核酸です。

▽ENA修飾ASOを脳室内投与したところ、脳と脊髄におけるTDP-43タンパク質減少がみられました。単回投与により行動異常や細胞質内TDP-43凝集体形成は長期間抑制されました。

▽以上の結果はENA修飾ASOによる治療がTDP-43蛋白症に対する治療法として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は近畿大学のTakeuchiらにより報告され、2023年1月16日付のMol Ther Nucleic Acids.誌に掲載されました)
内在性レトロウイルスとTDP-43蛋白症は異常タンパク質の細胞間伝達において相互作用する
▽神経変性疾患において、プリオン様タンパク質の細胞間伝播が神経変性の進展の病因と考えられています

▽TDP-43タンパク質の異常リン酸化の伝播はALSの病態の一部と考えられています。しかしALSはTDP-43凝集体を注入しても発症しません。何らかの別の機構も細胞間伝播に関与している可能性があります。

▽今回、研究者らは内在性レトロウイルスの発現とTDP-43タンパク質の異常とが、相互に増強しあって細胞間伝播に関与することをみいだしました

▽ショウジョウバエにおいて、レトロウイルスを発現させると、ヒトTDP-43タンパク質の凝集体形成が促進されました

▽内在性レトロウイルスの伝播はTDP-43タンパク質を生理的レベルで発現している細胞において、TDP-43タンパク質の凝集体が形成されました。

▽以上の結果は、内在性レトロウイルスのALSの病態進展に果たす役割を示唆するものであり、今後の治療法開発の方向性の1つとなることが期待されます

(この研究はアメリカ、Stony Brook School of MedicineのChangらにより報告され、2023年2月21日付のNature Communications誌に掲載されました)
AsroRxの第1/IIa相試験
▽アストロサイトの機能不全はALSの病態の一部と考えられています。ALS患者に対して健康なアストロサイトをくも膜下腔内に注入することで、病態を改善する効果が期待されています。

▽AstoRxはヒト臍帯血幹細胞由来のアストロサイトであり、同種移植による治療的効果が期待されています。

▽動物実験では病態進行遅延効果、生存期間の延長効果がみられました。

▽今回、ALS患者を対象にAstroRxをくも膜下腔内投与する最初のヒトを対象とした臨床試験が行われました。

▽この第I/IIa相試験は安全性等の確認が目的となります。合計10名の患者に移植(高用量5名、低用量5名)が行われました。

▽その結果、移植後12か月間のフォローアップ期間において、安全かつ良好な忍容性が確認されました。低用量移植群では治療前3か月間のALSFRS-Rの変化率が0.88点/月でしたが、移植後3か月間は平均0.30点/月となりました。高用量移植群では治療前3か月間の変化率は1.43点/月でしたが、移植後3か月間は0.78点/月と変化しました。

▽移植後3か月間は治療効果が期待できることを示唆する結果であり、今後は3か月毎投与の安全性や、より大規模なプラセボ対照試験での有効性の確認が期待されます

(この研究は、イスラエル、Hadassah-Hebrew University Medical CenterのGotkineらにより報告され、2023年2月14日付のJ Treansl Med.誌に掲載されました)
PIKFYVE抑制は様々なALSモデル動物の病態進行を緩和する
▽今回研究者らは、PIKFYVEリン酸化酵素の活性を薬理学的に阻害することで、凝集しやすいタンパク質の細胞外への排泄を含む、タンパク質排泄機構を活性化させることができることをみいだしました

▽PIKFYVEキナーゼを阻害すると、C9orf72遺伝子変異ALS、TARDBP遺伝子変異ALS、FUS遺伝子変異ALS、孤発性ALSなどの様々なモデル動物や、患者由来運動神経細胞の病態改善効果が観察され、生存期間が延長することがわかりました。

▽この結果は、自食作用やユビキチン・プロテアソーム経路の活性化を必要としない、新たな経路としてALS治療法開発の方向性の1つとなる可能性があります

(この研究はアメリカ、University of Southern CaliforniaのHungらにより報告され、2023年2月16日付のCell誌に掲載されました)
TDP-43変異ALSに対するsiRNA

▽TDP-43タンパク質の一部の変異はALSの病因となりうることが知られています

▽今回、研究者らは、健常なTDP-43タンパク質の発現は阻害せず、ALSの病因となる変異TDP-43タンパク質の発現を特異的に阻害するsiRNA(small interfering RNA)を開発しました。

▽TDP-43タンパク質変異細胞モデルに対してsiRNAを投与したところ、変異TDP-43タンパク質の発現が抑制されました。

▽今後は臨床試験により安全性や有効性の確認が期待されます

(この研究はイタリア、Via Provinciale Lecce-MonteroniのRomanoらにより報告され、2022年12月16日付のBrain Commun.誌に掲載されました)
SBT-272はミトコンドリア機能改善によりALSに関連する上位運動神経細胞の病態を改善する
▽TDP-43蛋白症を呈するALSにおいては上位運動神経細胞におけるミトコンドリア内膜の損傷が観察されます

▽SBT-272はミトコンドリア内膜に存在するリン脂質であるカルジオリピンを安定化させ、それによりミトコンドリア構造と機能を回復させることが期待されています

▽今回、研究者らはTDP-43蛋白症を呈する上位運動神経モデル細胞においてSBT-272の治療的効果を調べました

▽その結果、SBT-272はミトコンドリアの構造異常を著しく改善し、機能を回復させることがわかりました。

▽またこの効果はAMX0035やエダラボンと比較してもより効果的である可能性が示唆されました。

▽またTDP-43蛋白症モデル動物に対してSBT-272を投与したところ、運動野のアストログリオーシス、ミクログリオーシスなどが有意に抑制されました。

▽以上の結果は、TDP-43蛋白症によるミトコンドリア機能異常に対してSBT-272が有効である可能性を示唆するものです

(この研究はアメリカ、Northwestern UniversityのGautamらにより報告され、2023年3月号のNeurobiol Dis.誌に掲載されました)
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