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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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新規臨床試験情報(IFB-088)
・フランスでの新規臨床試験情報です。

・IFB-088の第2相試験が開始予定です。IFB-088はsephin1としても知られ、PPP1R15A/PP1c脱リン酸化酵素複合体の選択的阻害剤です。統合的ストレス応答を維持することにより、細胞をストレスから保護することが期待されています。

・試験は50名を対象としてプラセボ対照で6か月間、安全性、有効性などが評価される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05508074
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新規PIKfyve阻害剤の臨床試験開始
・ALS NEWS TODAYの11月3日付記事からです

▽AIプラットフォームによる発見から4年が経過し、Verge Genomics社はALS治療薬候補であるVRG50635(PIKfyve阻害剤)の第1相試験がオランダで開始となりました。

▽ 第1a相試験では、安全性と忍容性を確認することを目的に、18歳から65歳までの健常者を対象に、VRG50635またはプラセボを1回または複数回投与する試験が行われる予定です。

▽VRG50635は、PIKfyve分子を阻害し、細胞内のリソソームを増加させるように設計された低分子阻害剤です。リソソームは、欠陥のある分子や不要な分子を分解する細胞小器官で、有毒なタンパク質の蓄積を防ぐために不可欠なものです。

▽PIKfyveは、Verge社が開発した人工知能を用いてALS患者のヒトの生体データを選別するプラットフォーム「CONVERGE」によって、ALSの標的として発見されました。

▽今後の臨床試験の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/verge-starts-first-human-trial-pikfyve-inhibitor-als/
SBT-272がorphan drug指定
・ALS NEWS TODAYの11月4日付記事からです。

▽FDAはStealth Biotherapeutics社のALS治療薬候補であるSBT-272をorphan drug指定しました

▽この指定は希少疾患に対する治療薬の開発を促進するため、承認申請の支援などのほか、上市後の独占的な販売権などを与えるものです

▽この指定はSBT-272の第1相試験の中間解析結果によるものです。この薬剤は皮下注で投与されます。

▽SBT-272は、ミトコンドリアの内膜に存在するカルジオリピンという脂肪分子に選択的に結合することで、ミトコンドリア機能を改善することを目的とした低分子化合物です。カルジオリピンへの結合によりミトコンドリア内膜を安定化させ、エネルギー生産を改善するとともに、ALSの神経細胞死を引き起こすと考えられている酸化ストレスを抑制することで治療的効果を発揮することが期待されています

▽動物実験ではALSモデルマウスにおいて治療的効果が確認されました。

▽第1相試験は健常者を対象としており安全性の検証が目的となっています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/stealth-biotherapeutics-sbt-272-earns-orphan-drug-status/
BIIB105の臨床試験において患者登録進行中
・ALS NEWS TODAYの11月16日付記事からです

▽Biogen社のALS治療薬候補であるBIIB105の長期の安全性と忍容性を調べるための第1/2相試験が進行中です。

▽ALS患者の約95%においてTDP-43タンパク質の凝集体が観察されます。基礎実験ではataxin-2タンパク質を標的とすることが、TDP-43タンパク質の凝集を防ぐための治療ターゲットとなることが示されています

▽ataxin-2タンパク質をコードするATXN2遺伝子の変異もALSの病因となりうることが知られています。この変異ではataxin-2タンパク質中におけるポリグルタミン(polyQ)反復拡大とよばれる変異がALSのリスクと関連しています

▽モデルマウスの実験では、ataxin-2タンパク質の阻害が治療的効果をもたらすことが報告されています。BIIB105はataxin-2 mRNAに対するアンチセンス・オリゴヌクレオチドであり、ataxin-2タンパク質の発現量を減少させることにより、TDP-43タンパク質凝集を防ぎ、治療的効果を期待するものです

▽現在進行中の臨床試験ではataxin-2遺伝子変異がない群とある群とで患者募集がされており、BIIB105は参加者のくも膜下腔に直接投与されます。

▽患者は4つの投与群にわけられており、合計108名が募集予定です。現在は第4群の募集がされておりALS患者48名と、ataxin-2遺伝子変異ALS患者18名が募集中です。現在までに8名のALS患者と3名のataxin-2遺伝子変異ALS患者がエントリーしています。試験は6か月間プラセボ対照二重盲検で行われ、その後オープンラベルでの治療が継続されます。

▽試験は2026年7月に終了予定となっています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/biib105-trial-enrolling-als-with-without-atxn2-mutations/
TUDCAの第3相試験の結果が来年にも判明予定
・ALS NEWS TODAYの11月25日付記事からです

▽現在ヨーロッパではALSに対するタウロウルソデオキシコール酸の第3相試験が進行中です。

▽タウロウルソデオキシコール酸は先に承認されたrelyvrio(フェニル酪酸とタウロウルソデオキシコール酸の合剤)の構成成分の1つです。

▽この試験の結果は来年にも判明する予定です。タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)は肝臓由来の胆汁成分であり、肝疾患などの治療に使用されており、安全性は良好です。副作用としては軟便と下痢などです。

▽TUDCAは中枢神経に移行可能であり、神経細胞の保護作用があることが報告されています。

▽第3相試験においては最初3か月間参加者はリルゾールを投与され、ベースラインでのALSFRS-Rの変化率が評価されます。

▽続いて1回1g、1日2回TUDCAが投与され、プラセボ対照で18か月間、リルゾール併用下で投与されます。

▽主要評価項目は、進行速度が20%以上低下した人の割合になります。

▽2021年後半までに337名の患者がエントリーされており、2023年10月に終了予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/news/results-phase-3-trial-tudca-als-likely-next-year/
C9orf72遺伝子変異ALSに対する臨床試験の進展
・ALS NEWS TODAYの11月29日付記事からです

▽Wave Life Sciences社のALS治療薬候補であるWVE-004のC9orf72遺伝子変異ALSに対する臨床試験のプロトコルが拡張され、3か月ごとの投与レジメンについても追加されることとなりました

▽WVE-004はC9orf72遺伝子変異の6塩基繰り返し配列の過剰伸長に起因した異常なmRNAを阻害することにより、有害なジペプチド繰り返しタンパク質の生成を阻害し、治療的効果を発揮することが期待されています

▽動物実験では、WVE-004は有害なタンパク質産生を顕著に減少させ、一方で正常なC9orf72タンパク質の産生は保持することが示されています

▽昨年開始された第1b/2a相臨床試験では、被検者はWVE-004またはプラセボを単回投与(くも膜下腔内投与)されました。

▽10㎎投与群2名、30㎎投与群4名、60㎎投与群3名、プラセボ投与群3名から得られた初期データによると、すべての投薬群において有害なpoly(GP)タンパク質の濃度が減少していることが示されました。

▽投与後85日目において、30mg投与群はプラセボ群に比べ、poly(GP)が34%と有意に減少していました。第2a相試験では、参加者はWVE-004を複数回投与される予定です。

▽10mg投与群の6名では月4回投与が行われ、3か月ごとに10㎎ないし20㎎が投与される予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/focus-c9-clinical-trial-advances-complete-data-due-1st-half-2023/
漢方貼付剤外用のプラセボ対照試験
▽今回研究者らは人参、オウギ、ニクジュヨウ、白朮、茯苓、甘草、紅景天、淫羊藿の合剤からなる貼付剤がALSの進行に与える影響を調べました

▽120名のALS患者が無作為に漢方貼付剤とプラセボ貼付剤に割付され、20週間投与されました。

▽その結果、20週間のALSFRS-Rの変化量は群間で0.84点と有意な差を認め、平均体重減少量も群間で1.65㎏の有意差がありました

▽局所の皮膚炎症は漢方貼付剤群60名中10名、プラセボ貼付剤群60名中9名に発現しました。

▽以上の結果は、漢方貼付剤がALSの病態進行に対して治療的に作用する可能性を示唆するものであり、今後さらに大規模な試験での検証が期待されます

(この研究は、ドイツ、University Medical Center Hamburg-EppendorfのSchroderらにより報告され、2022年10月17日付のFront Neurol誌に掲載されました)
IRF5ノックダウンはTDP-43蛋白症の病態を改善する
▽IRF5(Interferon-regulatory factor 5)はアポトーシスの制御に関与し、炎症性マクロファージの表現型に影響し、炎症反応に重要な役割を果たしています。しかしALSにおける役割はほとんどわかっていません。

▽今回、研究者らはTDP-43のC末端断片を発現する細胞モデルにおいてshRNAを運搬するレンチウイルスを用いてIRF5をノックアウトし、その影響を調べました

▽その結果、アポトーシス関連タンパク質(cleaved caspase-9)や細胞周期停止タンパク質であるp21が減少し、抗酸化転写因子(Nrf2)やその標的分子(GCLM)の発現量の増加がみられ、細胞保護作用がみられました

▽IRF5は部分的にTBK1(TANK-binding kinase 1)に対する負の制御を介して神経細胞障害をもたらすことがわかりました

▽以上の結果はIRF5阻害がアポトーシスの抑制や酸化的ストレスの緩和などを介して細胞保護作用を発揮する可能性を示唆するものです。

(この研究は、中国、The Second Hospital of Hebei Medical UniversityのLiらにより報告され、2022年11月4日付のBrain Res.誌に掲載されました)
トランスサイレチンは自食活性化によりTDP-43蛋白症を改善する
▽TDP-43蛋白症はALSなどTDP-43の細胞質内封入体形成を特徴とする疾患です。

▽今回、研究者らはモデルマウスおよびヒトALS-FTLD患者においてトランスサイレチンがTDP-43細胞質内封入体とともに蓄積することをみいいだしました。 老齢マウスにおいてはトランスサイレチンの発現は劇的に減少を示しました

▽トランスサイレチンを過剰発現させると、細胞質からのTDP-43の自食作用による除去が促進することがわかりました。トランスサイレチンによる自食作用の亢進はATF4を介したものであることがわかりました

▽FTLD-TDPモデルマウスの神経細胞においてトランスサイレチンを発現させると、自食作用が回復し、TDP-43凝集体のオートファゴソームによる標的化が促進し、神経病態と運動機能障害が改善することがわかりました。

▽以上の結果は、トランスサイレチンがTDP-43蛋白症において治療的に作用する可能性を示唆するものです

(この研究は台湾、National Cheng Kung UniversityのChuらにより報告され、2022年11月10日付のBrain誌に掲載されました)
TAF-15関連蛋白症における酸化ストレスの低減
▽TAF-15(TATA結合タンパク質関連因子15)はALSの病態に関与していることが報告されています

▽TAF-15は神経細胞内に細胞質凝集体として蓄積しますが、そのメカニズムはよくわかっていません

▽研究者らはTAF-15蛋白症モデルショウジョウバエの脳組織において、グルタチオントランスフェラーゼω2の発現が顕著に低下していることを報告しています

▽今回、研究者らは、グルタチオントランスフェラーゼω2の過剰発現がどのような影響をもたらすかを調べました

▽TAF-15蛋白症モデルショウジョウバエにおいてグルタチオントランスフェラーゼω2を過剰発現させると、運動機能の改善と神経筋接合部の欠損の回復が観察されました

▽グルタチオントランスフェラーゼω2を発現させた神経細胞内においては活性酸素の発生が顕著に減少していることがわかりました

▽以上の結果は、グルタチオントランスフェラーゼω2がTAF-15関連蛋白症における病態修飾因子であることを示唆しており、今後の治療法開発に有用な可能性があります。

(この研究は、韓国、Soonchunhyang UniversityのHanらにより報告され、2022年11月21日付のMol Brain誌に掲載されました)
O,S-dibenzoyl thiamineはFUS変異ALSモデルマウスの病態改善効果をもたらす
▽FUS変異はALSの病因の1つです。FUSは酸化損傷修復酵素複合体の重要な構成要素であることがわかっています

▽今回研究者らはチアミン(ビタミンB1)とそのより生物学的利用能の高い誘導体である O,S-dibenzoylthiamine(DBT)による抗酸化作用のFUS変異モデルマウスの病態への影響を評価しました

▽発症前からのDBT投与は運動機能および筋萎縮の改善効果を認めました。また中枢神経におけるGSK-3βやIL-1β mRNA濃度が正常化しました。一方でチアミン投与はほとんどの指標に影響がありませんでした

▽以上の結果はFUS変異ALSにおいてDBTが治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、イギリス、 Oxford UniversityのProbertらにより報告され、2022年12月付のBiomed Pharmacother.誌に掲載されました)
mitofusinの活性化はSOD1変異ALSの病態を改善する
▽神経変性疾患の病態におけるミトコンドリアの役割が注目されています。今回研究者らは低分子のmitofusin活性化剤がALS患者由来運動神経細胞やSOD1変異ALSモデルマウスの運動神経細胞などにおいて、ミトコンドリアの断片化などを是正することをみいだしました

▽mitofusinの持続的な活性化はSOD1変異ALSモデルマウスの病態進行遅延効果をもたらし、神経細胞喪失の減少と神経筋接合部機能の改善がみられました。

▽mitofusin活性化はミトコンドリアの運動性能や神経筋接合部での滞在能を改善し、ミトコンドリア内での活性酸素産生の減少をもたらしました

▽以上の結果は、ミトコンドリアの病態を治療対象とすることが有望なアプローチであることを示唆するものです。

(この研究は、アメリカ、Washington University School of MedicineのDangらにより報告され、2022年11月23日付のHum Mol Genet.誌に掲載されました)
マクロファージを標的としたNP001は腸管微生物移行現象を通じてALSの病態を緩和する
▽ALS患者において腸管微生物移行現象を反映する血漿中LPS(リポポリサッカライド)やCPRが測定される一群があります。

▽腸管微生物移行現象は、全身的なマクロファージを活性化を伴う炎症反応の自己増殖ループを形成しうるものです。ALSの進行において腸管微生物移行現象が関与しているかどうかを調べるため、研究者らはNP001の第2相試験の血液検体を用いて、6カ月間で治療患者の炎症マーカーの変化を評価しました

▽その結果、NP001投与群において、腸管微生物移行現象に関連するマーカー(LPS、IL-18、HGFなど)は、対照群と比較して有意に減少しました。一方で試験終了時点においてはIL-10、EGFなどの創傷治癒因子や免疫調節因子は増加がみられました。

▽以上の結果は、NP001がマクロファージの活性化を制御し、腸管微生物移行現象に関連した炎症反応を抑制することで治療的に作用する可能性を示唆するものです。

(この研究は、アメリカ、University of California San FranciscoのZhangらにより報告され、2022年11月12日付のBiomedicines誌に掲載されました)
シグマ1受容体アゴニストPRE-084はNRF2シグナルを介してTDP-43毒性を緩和する
▽シグマ1受容体は小胞体シャペロンとして機能し、ALSの治療ターゲットとなる可能性があります。

▽TDP-43変異ALSモデルゼブラフィッシュに、シグマ1受容体アゴニストであるPRE-084を投与すると運動機能障害が改善しました

▽PRE-084は最大ミトコンドリア呼吸を改善しました。tunicamycinによって誘導された小胞体ストレスをPRE-084は改善しました。この改善効果はElf2α/ATF4およびNRF2シグナル経路の亢進を伴うことがわかりました

▽これらシグナル経路は小胞体ストレス時に抗酸化作用を促進することがしられています

▽以上の結果は、PRE-084がNRF2シグナル経路を介して小胞体ストレス応答と抗酸化カスケードを促進することでTDP-43毒性を緩和することを示唆するものです

(この研究は、フランス、Univ MontpellierのLasbleizらにより報告され、2022年11月17日付のRedox Biol.誌に公表されました)
SPY1は神経細胞のフェロプトーシスを抑制する
▽フェロプトーシスは過酸化脂質の蓄積と抗酸化系の機能不全を伴う鉄依存性の細胞死です。

▽ALSにおいてはフェロプトーシスの重要な制御因子であるグルタチオンペルオキシダーゼ4が発現低下していることが報告されています。

▽今回研究者らはバイオインフォマティクス解析により、ALSとフェロプトーシスとSPY1(Speedy/RINGO cell cycle regulator family member A)との間に強い関連があることを明らかにしました

▽SOD1変異ALSモデル細胞におけるフェロプトーシスによる過酸化脂質はTFR1がもたらした過剰な遊離鉄、GSHの減少、ミトコンドリア膜機能障害、ALOX15の発現増加などによりもたらされることがわかりました

▽SPY1はDNA損傷を抑制することによりSOD1変異細胞モデルの生存率を改善することが知られています。

▽ALSにおけるSPY1の発現低下はMDM2(核内局在性E3ユビキチンリガーゼ)を介したユビキチン化分解によるものであることがわかりました。

▽SPY1は鉄によって生じる脂質過酸化を軽減し、フェロプトーシス抑制因子であることがわかりました

▽神経細胞特異的にSPY1を過剰発現させると、ALSモデルマウスの発症を有意に遅延させ、生存期間を延長させることがわかりました。以上の結果は、SPY1がフェロプートシスとALSの両方の新規治療ターゲットであることを示唆するものです。

(この研究は、中国、he First Affiliated Hospital of Harbin Medical UniversityのWangらにより報告され、2022年11月28日付のCell Death Differ.誌に公表されました)
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