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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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FDAによりAMX0035承認
▽9月7日のFDA諮問委員会で賛成7反対2と承認が期待されていたAMX0035ですが、9月29日にカナダについでアメリカでもAMX0035が承認されました。

▽リルゾール、エダラボンについて3剤目(仮性球麻痺性情動障害に対するNuedextaを除くと)の承認となります。日本でも早期に使用可能となることが期待されます

https://www.als.org/stories-news/fda-approves-first-als-treatment-funded-ice-bucket-challenge
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RT001が予備的試験で良好な結果
・ALS NEWS TODAYの9月19日付記事からです

▽第2相試験の結果によると、ALS治療薬候補であるRT001は、より重症度の高いALS患者において病態進行遅延効果をもたらす可能性があることがわかりました。

▽参加者数が少ない為、統計的有意差には達しませんでしたが、今後重症度の高い患者を対象とした大規模試験が予定されています

▽ALSでは酸化的ストレスが高く、フリーラジカルが脂質を攻撃し、分解を引き起こすことで有害な物質が生成すると考えられています。リノール酸はオメガ6脂肪酸として知られ、細胞膜に存在しており、酸化的ストレスの影響を特に受けやすいとされています

▽RT001は天然に存在するよりもより安定で過酸化脂質になりにくいように設計された人工のリノール酸です。細胞膜に取り込まれ、細胞を損傷しにくく、変性から保護することが期待されています

▽第2相試験では 参加者はRT001またはプラセボに無作為に割り付けられ、960mgのカプセルを1日3回1ヶ月間投与し、その後1日2回3カプセルを5ヶ月間投与されました。プラセボ群には、オメガ6脂肪酸であるヒマワリ油を含むカプセルが投与されました。登録された43名のうち、39名が6ヶ月間の試験を完了し、32名が延長試験を選択し、全員がさらに6ヶ月間RT001を投与されました。

▽結果は、6ヶ月間のALSFRS-Rスコアの悪化は、RT001投与群では3.3ポイントであったのに対し、プラセボ投与群では4.6ポイントでした。ALSAQ40が20点未満と定義された重症患者33名については、RT001群とプラセボ群との間の疾患進行の差がより顕著であり、RT001群がベースラインから3.4ポイントの減少を示したのに対し、プラセボ群では6.3ポイントの減少でした。

▽今後さらに大規模試験での有効性の検証が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news/investigational-fatty-acid-rt001-slows-als-progression-pilot/
炭酸リチウム/バルプロ酸併用の第2相試験
▽基礎実験では炭酸リチウムとバルプロ酸は運動神経細胞死を抑制することが報告されています。

▽今回プラセボ対照の第2相試験において、両薬剤併用の有効性などが検証されました。

▽42名の患者がエントリーし、併用群20名、プラセボ群18名が最終解析されました。18か月後の最終評価時点での参加者は併用群45%、プラセボ群22.2%でした。

▽6か月から14カ月までの間におけるALSFRS-Rの変化率はプラセボ群1.2点/月に対して併用群 0.51点/月と進行遅延効果を示唆する結果が得られました

▽有害事象は便秘、食思不振、味覚異常などでした。今後さらに大規模な試験により有効性が検証されることが期待されます

(この研究は、メキシコ、Instituto Nacional de Neurología y Neurocirugía Manuel Velasco Suarez (INNNMVS)のBoll MCらにより報告され、2022年8月29日付のNeurologia誌に掲載されました)
GDNFを分泌する神経前駆細胞移植の第1/2a相試験
▽ALSにおいてはアストロサイトが病態に関与していることが報告されています。グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)はALSに対して治療的に作用する可能性が指摘されています

▽今回、アストロサイトに分化したGDNFを導入したヒト神経前駆細胞(CNS10-NPC-GDNF)の第1/2a相試験が行われました

▽ALS患者18名の腰髄にCNS10-NPC-GDNFが移植されました。安全性は確認され、移植細胞の生着とGDNF産生が確認されました。有害事象としては移植部位近傍の良性神経腫がみられました。

▽CNS10-NPC-GDNFは移植後42カ月までGDNFを産生することが判明しました。

▽今後有効性に関するさらに大規模な臨床試験の実施が予定されています

(この研究はアメリカ、Cedars-Sinai Medical CenterのBalohらにより報告され、2022年9月28日付のNature Medicine誌に報告されました)
ALSの治療戦略としてのVDAC1
▽ALSの病態としてミトコンドリア機能低下が報告されています

▽SOD1変異ALSにおいて、変異SOD1蛋白質はミトコンドリアタンパク質である電位依存性アニオンチャネル1(VDAC1)と相互作用をし、その機能を障害することが報告されています。

▽VDAC1はミトコンドリア外膜に存在する多機能チャネルでありミトコンドリアと細胞内の他の部位との代謝的、エネルギー的なやりとりを介在、ミトコンドリアを介したアポトーシスにおいて中心的な役割を果たします

▽これまでに研究者らはVDAC1が変異SOD1タンパク質と相互作用し、VDAC1のN末端由来のペプチドが変異SOD1タンパク質の細胞毒性作用を阻害することを明らかにしています。

▽今回、ペプチドアレイを用いて、VDAC1と相互作用するSOD1配列を同定し、特定したSOD1のVDAC1結合配列から生成した合成ペプチドが精製したVDAC1と直接相互作用することを明らかにしました。

▽また、新規のVDAC1特異的小分子であるVBIT-4とVBIT-12を用いて、VDAC1オリゴマー化を阻害し、その後、アポトーシスと活性酸素の生成や細胞質Caイオンの増加などの過程を抑制することを示しました。

▽VBIT-12は、神経細胞モデルにおいて、変異SOD1タンパク質によって誘導された神経細胞死を防ぐことができました。

▽以上の結果はVBIT-4ないしVBIT-12がSOD1変異ALSにおいて治療的に有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、イスラエル、Ben-Gurion University of the NegevのShteinfer-Kuzmine Aらにより報告され、2022年9月1日付のInt J Mol Sci.誌に掲載されました)
Wnt5aはWnt/Caシグナル経路の制御を通じて運動神経保護作用を発揮する
▽今回、研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスおよび細胞モデルを用いて、非古典的Wnt経路の下流シグナル分子の発現プロファイルを明らかにし、病態への関与を明らかにすることを目指しました。

▽モデルマウスのWnt/Caシグナル経路の分子発現をウェスタンブロットおよび免疫蛍光法で測定しました。またカルシウム濃度とアポトーシスについてはフローサイトメトリーで測定し、細胞生存率はMTSアッセイなどで評価しました

▽その結果、ALSモデルマウスの脊髄では、CaMKII-α、CaMKII-β、TAK1の発現低下がみられました。SOD1変異細胞モデルでは、Wnt5a過剰発現後にCa濃度、CaMKII-α、CaMKII-β、TAK1の発現が上昇し、Wnt5aノックダウン後に発現が低下しました。

▽Wnt5aの過剰発現は、細胞生存率と増殖を促進しアポトーシスを抑制しました。一方、Wnt5aをノックダウンすると、細胞生存と細胞増殖は抑制され、アポトーシスが促進されました。

▽CaMKII阻害剤のKN-93を投与すると、Wnt5aの過剰発現に伴う細胞生存率の改善とアポトーシスの抑制が阻害されました。一方でCaMKII活性化剤のオレイン酸を投与するとWnt5aの発現低下に伴う、細胞生存率の低下やアポトーシスの亢進が改善しました

▽以上の結果は、Wnt5aがWnt/Caシグナル伝達経路を介して、細胞生存率、増殖、アポトーシス、神経突起伸長を制御することにより、神経保護作用を発揮することを示唆するものです

(この研究は中国、Weifang Medical UniversityのLiuらにより報告され、2022年8月15日付のAm J Transl Res.誌に掲載されました)
ALS新規治療戦略としてのciprofloxacin/celecoxibの併用


▽ALS治療薬候補としてciproflxacin/celecoxibはPrimeCとして現在臨床試験を行われています。既に終了した第IIa相試験において、15名の患者を対象に1日3回、12カ月間PrimeCが投与されました。主要評価項目は安全性と忍容性でした。

▽その結果、4名の参加者が試験薬に関連した有害事象を経験しました。 これらの有害事象はいずれも軽度または中等度でした。また重篤な有害事象は認められませんでした。

▽バイオマーカー解析では、神経由来のエクソソームのTDP-43濃度と主要な自食マーカーであるLC3濃度においてPrimeC投与に関連した有意な変化が観察されました。

▽現在プラセボ対照の第IIb相試験が行われており、有効性に関する検証が期待されています

(この研究は、イスラエル。NeuroSense Therapeutics, LtdのSalomon-Zimriらにより報告され、2022年9月15日付のAmyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener.誌に掲載されました)
新規低分子デキストラン硫酸の神経保護作用
▽低分子デキストラン硫酸製剤であるILBは基礎実験において神経保護作用を有することが報告されています

▽ILBはヘパリン結合性成長因子(HBGF)の活性化を介して神経保護作用を発揮するとの仮説のもと、重症外傷性脳損傷動物モデルにおいて、遺伝子発現解析や機能解析を行った結果、ILBはAPTTを延長し、HGF-Glypican-3結合に対する競合的阻害剤として機能し、HBGFのパルス放出に影響を与え、成長因子シグナル伝達経路を調節することがわかりました

▽同時に、ILBによる成長因子活性化が、病態に良好な影響を与えうる遺伝子発現変化を引き起こしていることも確認されました。

▽以上の結果は、ILBがHBGFの活性化をもたらし、さらにそのターゲットである神経系におけるグルタミン酸毒性に関与する転写、代謝、免疫学的経路を調節し、組織のエネルギー産生を正常化し、炎症抑制により組織機能の正常化をもたらすことを示唆するものです。

(この研究はイギリス、University of WarwickのLoganらにより報告され、2022年8月30日付のFront Pharmacol誌に掲載されました)
polyGAはGRP75機能を障害し小胞体ストレス応答に関与する
▽小胞体ストレス応答はALSの病態に関与しています。これまでにC9orf72遺伝子変異ALS由来の運動神経細胞においては、GRP75発現の亢進により、小胞体ストレスを介する適応的反応が早期から発現していることが報告されています

▽GRP75濃度の一過性の上昇は、小胞体とミトコンドリアの結合を強化し、ミトコンドリアの機能を高め、病初期における細胞の生体エネルギーを保持することにより、初期のミトコンドリア機能障害を打ち消すと考えられています。

▽C9orf72遺伝子変異ALSモデル動物における神経細胞においては、GRP75の急激な発現低下が、ミトコンドリア機能異常、GRP75と共局在するpolyGA凝集体の出現開始と同時期に起こります

▽C9or72遺伝子変異ALS患者由来の神経細胞においてpolyGAを過剰発現させると、GRP75がpolyGA封入体に封じ込まれ、ミトコンドリアのカルシウム取り込み障害を引き起こしました

▽GRP75をC9orf72遺伝子変異モデル動物の神経細胞で発現亢進させると、小胞体ストレスが緩和され、ミトコンドリア機能が正常化し、polyGA蓄積が減少し、病態改善効果がみられました

▽以上の結果は、GRP75が重要な内因性神経保護因子として機能しており、今後の治療対象として有望な可能性を示唆するものです

(この研究は、スイス、University Hospital, BernのPilottoらにより報告され、2022年9月19日付のActa Neuropathol誌に掲載されました)
Tofersenの第3相試験
▽変異SOD1 mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドであるtofersenの第3相試験が行われました

▽この第3相試験では、SOD1変異ALS患者を2:1の割合で無作為に割り付け、24週間にわたってtofersen(100 mg)またはプラセボを8回投与しました。主要評価項目は、ALSFRS-Rのベースラインから28週目までの総スコアの変化でした。副次評価項目は,髄液中の SOD1タンパク質濃度の変化,血漿中のニューロフィラメント軽鎖濃度の変化などでした

▽72名がtofersenを投与され(39名が急速進行群)、36名がプラセボを投与されました(21名が急速進行群)。

▽tofersenにより、髄液中のSOD1濃度および血漿中のニューロフィラメント軽鎖の濃度が、プラセボよりも大きく減少しました。

▽急速進行群では、28週目までのALSFRS-Rスコアの平均変化量は、tofersen群で-6.98、プラセボ群で-8.14で、有意差は認めませんでした。

▽副次評価項目は、両群間に有意差は認めませんでした。

▽合計95名(88%)が非盲検延長試験に参加しました。52 週の時点で ALSFRS-R スコアの変化は、早期開始コホートで -6.0 点、遅延開始コホートで -9.5 点でした。他のエンドポイントでは、多重比較の調整なしで早期開始コホートに有利な差が見られました。

▽腰椎穿刺に関連する有害事象は一般的でした。神経系の重篤な有害事象は、トフェルセン投与群の7%に発生しました。

▽28週間ではtofersenは髄液中のマーカーを減少させましたが、臨床的有益性は明らかではありませんでした。しかし延長試験では早期開始コホートの有益な結果を示唆するデータが示されており、今後さらに評価を進めたいとしています。

(この研究は、アメリカ、Massachusetts General HospitalのMillerらにより報告され、2022年9月22日付のNEJM誌に公表されました)
miR-124発現を制御されたALS運動神経細胞由来セクレトーム注入はモデルマウスの病態を緩和する
▽これまでにSOD1変異ALS細胞モデルのおいて発現増加しているmiR-124が同定されており、miR-124が神経細胞の変性とグリア細胞の活性化に関与していることが報告されています

▽また抗miR-124処理(前処置)をされたSOD1変異細胞モデル由来のセクレトームを症状発現後のSOD1変異ALSモデルマウスの脊髄組織と共培養すると、恒常性バランスの異常が回復しました。

▽今回、研究者らは前処置をされたセクレトームの治療効果を明らかにするため、発症早期のSOD1変異ALSモデルマウスに対してセクレトームを皮下注射しました

▽その結果、セクレトームの皮下注射は、運動障害、筋萎縮、神経変性などを防ぐ効果があることがわかりました

▽また前処置したセクレトーム投与は、グリア細胞の異常を改善し、炎症関連miRNAの増加を抑制しました。

▽以上の結果は、miR-124に対する前処置を加えたセクレトームが、モデルマウスに対して治療的効果を発揮することを示唆しており、今後の治療法開発の手がかりとなる可能性があります

(この研究は、ポルトガル、Universidade de LisboaのBarbosaらにより報告され、2022年8月29日付のBiomedicines誌に掲載されました)
L-セリンを介したカテプシンDの回復がリソソーム機能を回復させる
▽L-セリンは、アストロサイトで内因的に生産される非必須アミノ酸であり、ヒトの食事に豊富に含まれています。

▽L-セリンの代謝産物は神経系発達などにおいて有益な機能を発揮することが報告されています。また前臨床試験においては神経変性疾患などにおける治療的効果も報告されています

▽今回、研究者らはプロピオン酸誘発性の神経細胞毒性に対するL-セリンの効果を調べました

▽プロピオン酸投与のストレスにより海馬神経細胞のリソソームにおいて異常な脂質蓄積と機能障害が生じることがわかりました。L-セリンで処理することにより、海馬神経細胞のリソソームの構造と機能が回復しました。またリソソーム内における異常な脂質蓄積も改善しました

▽L-セリンはカテプシンDを回復させ、リソソームの機能を回復させると考えられることから、ストレス下における神経細胞における神経保護作用を発揮することが期待されます

(この研究は、韓国、 Korea Brain Research InstituteのJeon Hらにより報告され、2022年9月13日付のInt J Mol Sci誌に掲載されました)
RNS60の第2相試験
▽RNS60はALSモデル動物において治療的効果が報告されているALS治療薬候補であり、今回プラセボ対照の第2相試験が行われました。

▽試験ではRNS60またはプラセボを24週間、週1回静脈内投与(375ml)および非注入日にはネブライザー(4ml/日)により投与し、その後さらに24週間経過観察されました

▽主要評価項目は炎症などに関連するバイオマーカーの変化であり、副次評価項目として有効性などが評価されました

▽74名がRNS60に、73名がプラセボに割り付けられました。バイオマーカーについては群間で有意差がありませんでした。一方でALSAQ-40の飲水尺度と努力肺活量の平均悪化率の差はRNS60群で進行遅延を示唆する結果となりました(FVC:差0.41/週、ALSAQ-40:差-0.19/週)。有害事象は両群で同様でした。

▽以上の結果はRNS60の有効性を否定できないものであり、今後さらに大規模試験での検証が期待されます

(この研究はイタリア、Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario Negri IRCCSのBeghi Eらにより報告され、2022年9月23日付のEur J Neurol誌に掲載されました)
細胞内エネルギーとストレス顆粒形成機構
▽エネルギー代謝とストレス顆粒などの細胞内小器官はALSなどの病態に関与していると言われています。しかしながらエネルギー欠乏がストレス顆粒などのリボ核タンパク質をどのように制御しているのかはよくわかっていません

▽今回、研究者らは生理的なエネルギー欠乏条件下において誘導されるストレス顆粒を同定し、様々なストレス誘導顆粒の動態が制御されるメカニズムを明らかにしました

▽重度のエネルギー欠乏下においては、elF2αのリン酸化とは独立してエネルギー欠乏ストレス顆粒が速やかに形成されるのに対して、ある程度のエネルギー欠乏では、従来のストレス顆粒のクリアランスが遅れることがわかりました

▽エネルギー欠乏ストレス顆粒の形成やストレス顆粒のクリアランスはmTOR-4EBP1-elF4E経路やelF4A1によって制御され、elF4F複合体やRNA凝集体の形成を伴うことがわかりました

▽C9orf72遺伝子変異ALS患者の神経細胞や脳組織においては、エネルギー欠乏ストレス顆粒の形成が亢進しており、ストレス顆粒のクリアランスが障害されていることがわかりました

▽以上の結果は、ストレス顆粒における細胞内エネルギーの関与を明らかにするものであり、今後の病態解明や治療法開発の手がかりとなりうるものです

(この研究は、アメリカ、Johns Hopkins UniversityのWangらにより報告され、2022年9月23日付のNature Communications誌に掲載されました)
Staufenの自食阻害作用
▽mTORは細胞の代謝、自食、アポトーシスを制御する細胞のストレス応答の主要な制御因子です。

▽最近、研究者らはALSなどの神経変性疾患患者由来の線維芽細胞において、ストレス顆粒蛋白質であるStaufen1蛋白質が過剰に含まれていることを報告しました

▽staufen1の過剰発現はmTOR経路の過剰活性化に関連しており、自食に関連したストレス顆粒の形成と関連します

▽今回、研究者らはstaufen1によるmTOR経路の制御機構について検討しました。

▽C9orf72遺伝子変異モデルマウス、TDP-43変異モデルマウスなどにおいて、staufen1とmTORの過剰発現が観察されました。

▽これらのモデル動物においてstaufen1濃度を減少させると、mTOR活性と自食関連マーカーが正常化しました。

▽C9orf72遺伝子変異に関連したジペプチド繰り返し蛋白質を発現する細胞モデルにおいて、staufen1濃度の増加がみられました。この細胞モデルにstaufen1発現を阻害するRNAiを注入すると、ジペプチド繰り返し蛋白質の凝集はみられなくなりました。

▽staufen1蛋白質を過剰発現させると、mTOR mRNAとの直接的な相互作用によりmTOR濃度が増加し、自食経路の障害につながることがわかりました

▽ラパマイシンやRNAiによりmTORを阻害するとstaufen1濃度が正常化しました

▽staufen1とmTORの相互作用はmTOR経路の過剰活性化と自食経路の阻害をもたらすことがわかりました。staufen1を対象とすることが神経変性疾患の新たな治療戦略となる可能性があります

(この研究は、アメリカ、 University of UtahのPaul Sらにより報告され、2022年9月23日付のAnn Neurol誌に掲載されました)
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