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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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鳥取大学でのアミロイド線維に関する研究
・初代管理人のAlexKazさんよりご提供いただいた話題です

・鳥取大学でのアミロイド線維に関する研究をご紹介いただきました(詳細は以下をご参照ください)
https://www.jaea.go.jp/02/press2016/p16042101/02.html

・今月のメチレンブルーの記事でもご紹介しましたがSOD1蛋白質がアミロイド線維を形成し、ALSの病態に関与することが推測されています。

・研究の進展により治療への糸口がつかめることが期待されます。

・AlexKazさんありがとうございます!


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RESCUE-ALS第2相試験が予定より早く全患者エントリーを終了
・ALS NEWS TODAYの9月10日付記事からです

▽Clene Nanomedicine社のALS治療薬候補であるCNM-Au8の第2相試験において、患者登録が終了したことが公表されました。

▽この臨床試験では最初の患者への投薬が今年1月に開始され、予定より早期に全患者のエントリーが終了しました。第2相試験では安全性、薬物動態の他、有効性も評価される予定です。有効性の指標としてMotor Unit Number Index(MUNIX)が使用され、ALSにおける運動神経の保存状態の定量的指標として用いられます。試験期間は36週間です。CNM-Au8は前臨床試験において運動神経細胞死を防ぎ、運動神経細胞機能を保持する効果が報告されています

▽CNM-Au8は金ナノクリスタルの懸濁液であり、細胞内でのエネルギー産生や有害代謝物除去を促進することにより運動神経細胞の生存を助ける効果が期待されています。試験の最初の結果は2021年夏頃に公表予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/09/10/rescue-als-phase-2-trial-completes-enrollment-ahead-of-schedule/

BIIB078の第1相試験において最初の患者がエントリー
・ALS NEWS TODAYの9月4日の記事からです

C9orf72遺伝子変異ALSを対象としたBIIB078の第1相試験において最初の患者がエントリーされたことが公表されました。BIIB078はC9orf72変異に由来した異常蛋白質の生成を阻害するためのアンチセンスオリゴヌクレオチド製剤であり、Biogen社とIonis社の共同で開発されています。

▽この第1相試験では75名のC9orf72遺伝子変異ALS患者を対象に、プラセボ対照で260日間、BIIB078の安全性と忍容性が確認される予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/09/04/first-patient-enrolled-in-als-phase-1-gene-therapy-study-in-ireland/
PrimeCが第2a相試験の中間解析で有望な結果
・ALS NEWS TODAYの9月14日付記事からです

▽PrimeCは第2a相試験の中間解析結果によると、安全であり、進行遅延効果を有することを示唆する結果が得られたとのことです。この結果を受けてNeuroSense社は2021年早期に新たな臨床試験を開始する予定としています。

▽PrimeCは既存の2種類の薬剤であるciprofloxacinとcelecoxibの合剤です。ciprofloxacinは抗菌剤であり、celecoxibはNSAIDsです。ALSにおける中枢炎症と、RNA代謝機能不全に対して治療的効果が期待されています

▽動物モデルにおける実験において運動機能の改善効果などが観察されています。今回の第2a相試験では15名の患者がエントリーし、合計15か月間、1日3回PrimeCカプセルが投与されます。中間解析の結果、15名の患者における安全性が確認されました。また6か月間の試験期間での結果において、後半3か月間で病態進行遅延と呼吸機能低下の遅延効果を示唆する結果が得られたとのことです(統計的有意差はなし)。

▽今後より大規模な臨床試験を予定したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/09/14/primec-shows-potential-to-slow-als-progression-interim-data-reveal/
Helixmith社がEngensis(VM202)の第2相試験を計画
・ALS NEWS TODAYの9月15日付記事からです

▽Helixmith社はALSに対する遺伝子治療薬候補であるEngensis(VM202)の第2相試験の実施を予定しています。Engensisは肝細胞増殖因子(HGF)を含むプラスミドDNAからなる遺伝子治療薬です。

▽HGFは新規血管の増生を促進し、筋萎縮を阻害し神経細胞の成長と生存に寄与します。18名のALS患者を対象とした初期の第1/2相試験において、Engensisの週1回4週間にわたる筋注投与は安全であり、病態進行遅延効果を示唆する結果が得られました。

▽第2相試験はHelixmith社とWorldwide Clinical Trials(受託研究機関)との連携により行われる予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/09/15/helixmith-and-worldwide-partner-phase-2-trial-of-engensis-als-gene-therapy/
ALZT-OP1aの第2a相試験において投薬開始
・ALS NEWS TODAYの9月16日付記事からです

▽ALS治療薬候補であるALZT-OP1aの第2a相試験において最初の患者に対する投薬が終了したことが公表されました。ALZT-OP1aはcromolynの吸入薬であり、中等度から軽度のALS患者を対象とした臨床試験となります。

▽この臨床試験では診断2年以内の最大80名の患者がエントリーされる予定です。cromolynは肥満細胞症治療薬として承認されており、抗炎症作用を発揮します。ALSモデル動物実験において発症遅延効果と進行遅延効果が確認されています。

▽第2a相試験はオープン試験で12週間で行われ、バイオマーカーや疾患の進行度、呼吸機能、安全性、至適用量などが評価される予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/09/16/dosing-begins-in-phase-2a-study-of-alzt-op1a-for-mild-to-moderate-als/
IPL344の第1/2a相試験において有望な結果
・ALS NEWS TODAYの9月17日付記事からです

▽Immunity Pharma社のALS治療薬候補であるIPL344の小規模な第1/2a相試験の中間解析結果が公表され、安全性について現時点で良好であり、進行速度を50%遅延させる可能性があることがわかりました。

▽同社はさらに大規模な臨床試験によりIPL344の有効性を確認したいとしています。IPL344はAktシグナル経路を活性化するように設計された分子であり、Akt経路は神経細胞を保護するのに重要な経路と考えられています。ALSにおいてはAktシグナル経路が障害されていることが報告されています。

▽IPL344はAktシグナル経路を直接的に活性化することによりALSに対する疾患修飾効果が期待されています。第1/2a相試験はオープン試験であり、最大15名のALS患者を対象に安全性を検証することが目的です。参加者は最初28日間の第1相試験において安全性が確認され、その後より長期間(最大3年)の有効性を検証する第2相試験に移行します。

▽これまでのところ8名が28日間の安全性試験を終了し、副作用は認められていません。さらに最初の6名については4か月以上の投与(平均8か月)を終了しており、ALSFRS-R得点の変化率が治療前と比較して、治療後で49%の進行遅延を認めています。注目すべき点として、治療効果が最初2か月の治療後に明らかになっていることです。静的肺活量については、6名の患者の変化率は平均1.3%/月で、これはALS患者全般の平均である3.1%よりも小さな数値となっています。

▽またcompassionate useにより投与開始された進行期の患者(ALSFRS-Rが15点)についても報告されており、治療開始26か月間後も生存しており、さらに最初の22か月間のALSFRS-R得点の変化量がわずか1点であったことも公表されました。今後の大規模試験の結果が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/09/17/investigational-treatment-ipl344-safely-slows-als-progression-in-small-phase-1-2a-trial/
Novus社がAnelixis社を買収し、AT-1501の第2相臨床試験を開始予定
・ALS NEWS TODAYの9月21日付記事からです

▽Novus社はALS治療薬候補であるAT-1501を開発中のAnelixis社を買収しました。AT-1501については第2相試験の開始が予定されています

▽AT-1501はいくつかの免疫細胞表面に発現し、免疫応答を制御しているCD40リガンドに対する抗体です。CD40リガンド経路の活性はALSにおいて過剰に活性化していることが報告されています

▽AT-1501はヒト由来ではありませんが、ヒトに使用できるよう改変されています。ALS以外にも、臓器移植や細胞移植、自己免疫疾患、その他の神経変性疾患の治療薬候補としても開発が進められています

▽AT-1501はCD40リガンド経路による炎症反応活性化を阻害することによりALSの発症や進行を遅延させることを目指しています。動物モデルにおいて有意な発症遅延効果と進行遅延効果が確認されています。健常者と8名のALS患者を対象とした第1相試験を終了しており、安全性が確認されています。予定されているアメリカでの第2相試験では54名のALS患者を対象に合計11週間で施行予定となっています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/09/21/novus-acquires-anelixis-plans-moving-at-1501-into-phase-2-als-trial/
新規セレニウム関連物質がSOD1変異ALSモデルマウスにおいて治療的効果
▽今回、研究者らは有機セレン化合物であるebselenを基盤に変異SOD1蛋白質二量体の安定性を回復し、重合を阻止する新規化合物を探索しました。さらにSOD1変異ALSモデルマウスを用いて、ebselenの治療的効果が検証されました。

▽その結果、変異SOD1蛋白質二量体の安定性を回復する複数のebselen由来化合物が同定されました。これらの化合物の効果はいずれもエダラボンを上回るものでした。

▽またebselenを投与されたSOD1変異モデルマウスは有意な発症遅延を示しました。以上の結果は、ebselen由来化合物がSOD1蛋白質の安定化を介して神経保護作用を有する可能性を示唆するものであり、今後の治療的応用が期待されます

(この研究は、 イギリス、University of LiverpoolのAmporndanaiらにより報告され、2020年9月のEBioMedicine誌に掲載されました)
メチレンブルーはSOD1アミロイド線維の核生成と伸長を阻害する
▽SOD1蛋白質によるアミロイド線維形成はALSの病態に関与していると考えられています。フェノチアジン系色素であるメチレンブルーは、複数のアミロイド原性蛋白質の凝集を調節することが示されています。今回、研究者らは、メチレンブルーがSOD1の自発的なアミロイド凝集と線維伸長の双方を阻害することを示しました。

(この研究は、イギリス、University of CambridgeのMusteikyteらにより報告され、2020年8月14日付のPeerJ誌に掲載されました)
ミツバチ製品と食用昆虫粉末の効果
▽ユビキリン2遺伝子の変異はALSなど神経変性疾患の病態と関連していることが報告されています。最近天然産物のALSの病態に与える影響が注目されています

▽今回、研究者らはミツバチ製品と食用昆虫粉末の効果を、ユビキリンノックダウンショウジョウバエにおける運動能力と学習能力、神経筋接合部構造、活性酸素種などの観点から調べました。

▽ユビキリンノックダウンショウジョウバエでは、運動能力と学習能力が障害されており、神経筋接合部構造の異常がみられました。ホンミツバチ由来のcoffee honey(1%)、オオミツバチ由来のメリチン(0.5ug/ml)、カリバチパウダー(2mg/ml)はいずれも未投薬群と比較して、有意な運動機能改善効果がみられました。さらにcoffee honeyを投与すると、学習機能や活性酸素種の蓄積などについても改善がみられました

▽以上の結果はミツバチ由来の天然産物が神経保護作用を有する可能性を示唆するものです

(この研究は、タイ、 Chiang Mai UniversityのPhokasemらにより報告され、2020年8月31日付の BMC Complement Med Ther.誌に掲載されました)
RofecoxibはCOX-2依存性経路の緩和によりALSの病態改善をもたらす可能性
▽シクロオキシゲナーゼ2(COX-2)はALSの病態において活性化していることが報告されています。しかしながらCOX-2のALSの病態における役割とその機序はあまり研究されていません

▽今回研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスを用いて病態におけるCOX-2の役割を調べました。同時にCOX-2阻害薬であるrofecoxibを投与し、治療的効果について調べました

▽その結果、モデルマウスにおいては、アストロサイトとミクログリアの活性化に起因して、COX-2関連炎症促進カスケードに関与するインターロイキン-1β、TNF-α濃度が上昇していることがわかりました。rofecoxib投与によりこれら炎症促進性サイトカインが減少し、アストロサイトやミクログリアによる神経細胞死が抑制されることがわかりました

▽refecoxib投与により病態発症遅延と進行遅延、生存期間の延長効果がみられました。以上の結果は今後の治療薬開発における手がかりとなりうるものです

(この研究は、中国、Northeastern UniversityのZouらにより報告され、2020年8月13日付の Front Neurosci.誌に掲載されました)
トリフルオロエタノールによる変異SOD1蛋白質凝集機構の解析
▽変異SOD1蛋白質の折り畳み異常は蛋白質凝集を引き起こし、SOD1変異ALSの病態と考えられています。蛋白質の形態変化のメカニズムはよくわかっていません

▽分子レベルで変異SOD1蛋白質の凝集メカニズムを調べるために、研究者らはトリフルオロエタノールを使用して、化学的に変異SOD1蛋白質の凝集を誘発し、native mass spectrometryおよび蛋白質の高速光化学酸化によりトリフルオロエタノールによって生じた形態変化について解析を行いました。

▽その結果、重合体形成前の変異SOD1蛋白質単量体のN末端、C末端、β5,β6鎖の領域において部分的に折り畳みが解除されていることがわかりました。これらの疎水性界面の露出が凝集の前兆であることを示唆するものです。この結果は、ALSに関連したSOD1の折り畳み異常と凝集のメカニズムと分子基盤についての理解を深めるものです。

(この研究は、アメリカ、 Washington University in St. LouisのNiuらにより報告され、2020年9月21日付のBiochemistry誌に掲載されました)
モデルマウスにおいて凝集体特異的抗体は凝集体形成を阻害する
▽ALSの病態進展にはプリオン様の蛋白質凝集が関与していると考えられています。今回、研究者らはヒトSOD1蛋白質において2種類の凝集特異的構造を同定しました。これら2種類ともに、ヒトSOD1トランスジェニックマウスの脊髄に接種すると、凝集体を形成し、運動機能障害の進展をもたらしました。

▽今回、研究者らは凝集体のエピトープに対して特異的なマウスモノクローナル抗体を開発しました。そのうち1種類の抗体はあらかじめマウスに腹腔内投与し、その後凝集特異的なSOD1蛋白質を脊髄に接種したところ、病的な凝集体の伝播を抑制し、マウスの生存期間を延長しました。もう一方の抗体については逆に病態を悪化させました。さらに、SOD1変異ALSモデルマウスに対して効果を認めた抗体を長期投与しましたが、生存期間の延長は確認されませんでした。

▽以上の結果は、凝集体特異的な免疫療法は凝集体の伝播を阻害することができる可能性がありますが、一旦凝集体形成が進展してしまうと、それを進行を停止させることは困難な可能性を示唆するものです。

(この研究は、スウェーデン、Umeå UniversityのLehmennらにより報告され、2020年9月14日付のActa Neuropathol Commun.誌に掲載されました)
reldesemtivの第2相試験
▽Cytokinetics社のALS治療薬候補であるreldesemtivの第2相試験の結果が報告されました。この試験は12週間でプラセボ対照で行われ、reldesemtiv 150mg,300mg,450mg(これらを1日2回)の3つの用量について、有効性と安全性を検証するものです。

▽主要評価項目は12週後の静的肺活量で、副次評価項目はALSFRS-Rの変化量などでした。合計458名のALS患者がエントリーされ85%が12週間の試験を完遂しました。

▽主要評価項目および副次評価項目はプラセボとの統計的有意差を示すことができませんでした。有意差はありませんでしたが、有効性については良好な傾向がみられました。安全性は一部に軽度の肝機能異常、腎機能低下がみられたほかは、良好でした。

▽今後有効性を検証するため第3相試験の実施が望ましいと考察されています

(この研究は、アメリカ、Barrow Neurological InstituteのShefnerらにより報告され、2020年9月付のAmyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener誌に掲載されました)
ジベンゾイルチアミンは強い抗酸化作用と抗炎症作用を有する
▽チアミン前駆体であるいベンフォチアミンは神経変性疾患のモデルマウスにおいて保護的作用を発揮することが報告されています。ベンフォチアミンはいくつかのNeuro2a細胞やBV2細胞などにおいて酸化的ストレスと炎症を減少させることが観察されています。

▽今回研究者らは、これまで調べられたことのない誘導体であるジベンゾイルチアミンの抗酸化作用と抗炎症作用を調べました。その結果、paraquat毒性に曝露されたNeuro2a細胞に対してジベンゾイルチアミンは保護的作用を発揮しました。この作用は抗酸化作用によるものであり、Nrf2非依存性にグルタチオンとNADPH合成を促進しました。LPSで活性化したBV2細胞についても、ジベンゾイルチアミンはNF-κBの核内への局在化を阻害することにより炎症を減少させ、保護的な作用を発揮しました。

▽ジベンゾイルチアミンは全ての細胞モデルにおいて、チアミンやベンフォチアミンを含むチアミン前駆体よりも優れた効果を示しました。さらにFUS変異ALSモデルマウスに対してジベンゾイルチアミンを慢性投与したところ、運動機能障害が改善しました。

▽以上の結果は、ジベンゾイルチアミンが神経変性疾患において酸化的ストレス減弱と抗炎症作用により治療的に有用な可能性があることを示唆するものです

(この研究は、ベルギー、University of LiègeのSambonらにより報告され、2020年9月18日付のBiomedicines誌に掲載されました)

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