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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ProMIS社が細胞内蛋白質凝集をターゲットとした抗体を開発中
・ALS NEWS TODAYの5月14日付記事からです

▽ProMIS Neuroscience社はALSの病態に関与するTDP-43蛋白質の凝集体に対する抗体を開発中であることを公表しました。

▽これらの抗体はintrabodiesと呼ばれており、これらが細胞内で働く抗体であることを表しています。これら抗体は正常なTDP-43蛋白質には結合せず、異常TDP-43凝集体に結合することが基礎実験で示されています

▽これまでの静注により投与される抗体とは異なり、intrabodiesは遺伝子ベクターにより投与されます。ProMIS社はintrabodiesとは別に、TDP-43に対する慣用的な抗体も開発しており、両者ともにALSに対する治療的有用性が期待されています

▽これらの抗体はProMIS社が有害なTDP-43の凝集体に特異的に結合する抗体を同社の計算機技術により探索し開発したものです。基礎実験では遺伝子ベクターを用いたintrabodiesの投与が、TDP-43凝集体の分解を促進することを示唆する結果が得られています。

▽同社はまたRACK1蛋白質阻害剤も開発しており、RACK1蛋白質はTDP-43凝集体形成に関与しており、FUSとも相互作用をすることが知られています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/05/14/promis-creating-intrabodies-antibodies-targeting-protein-clumps-inside-cells/
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腸内細菌叢がALSモデルマウスの生存期間に影響
・ALS NEWS TODAYの5月21日付記事からです

▽昨年7月のこちらの記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1735.html)に引き続き、今度はC9orf72遺伝子変異モデルマウスと腸内細菌叢に関する報告が5月13日付のNature誌に掲載されました。

▽ハーバード大学の研究者らは、ALSと関連する遺伝子であるC9orf72遺伝子を改変し、C9orf72蛋白質欠乏をもたらすモデルマウスを開発しました。これらモデルマウスでは免疫系の過剰応答がみられ、脳内炎症の亢進と運動機能の低下、生存期間の短縮などがみられました。

▽一方で、Broad Instituteで全く同じ遺伝子変異を有するモデルマウスにおいて、生存期間の延長など正反対の結果が報告されており、環境要因が生存期間に影響することを示唆する結果が得られていました。

▽環境要因が何かを調べるため、ハーバードの研究室とBroad Instituteの研究室との細菌やウイルスの環境の違いが調べられました。その結果、murine notovirusというウイルスと、Pasteurella pneumotropica, Tritrichomonas muris, Helicobacterと呼ばれる細菌がハーバードの研究室で多く存在することがわかりました。

▽ハーバードの研究室のモデルマウスに広域スペクトラムの抗菌薬を投与し、細菌を除去するか、もしくはBroad Instituteのモデルマウスより採取した糞便移植を行ったところ、ハーバードのモデルマウスの炎症反応が減弱しました。

▽研究者らは、細菌がどのように炎症をもたらすのかを調べるため、腸内細菌と共にマクロファージを単離しました。その結果、ハーバードのマウスより採取された腸内細菌と共に培養されたマクロファージは、Broad Instituteのマウスより採取された腸内細菌よりも、有意に多くの炎症促進性物質を放出することがわかりました。

▽以上の結果は、C9orf72蛋白質機能が低下すると、環境、特に腸内細菌叢が自己免疫、神経炎症、運動障害などの強力な修飾因子となることを示唆するものです。

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/05/21/gut-microbiota-affects-inflammation-and-lifespan-in-als-mouse-study-shows/
ArimoclomolがFDAによりFast Track指定
・ALS NEWS TODAYの5月26日付記事からです

▽arimoclomolがFDAによりfast track指定を受けました。この指定を受けることにより承認過程の迅速化が期待されます。arimoclomolは既にニーマンピック病タイプC、孤発性封入体筋炎の2つの疾患の臨床試験においてfast track指定を受けています

▽arimoclomolは熱ショック蛋白質の産生を増加させ、異常蛋白質の除去を促進することにより治療的効果が期待されています。経口投与が可能で、血液脳関門を通過することが確認されています。

▽arimoclomolは36名のSOD1変異ALS患者を対象に第2/3相試験が行われ、安全性が確認され、統計的有意差には至りませんでしたが、投与群においてより病態進行がゆるやかな傾向がありました

▽現在245名の患者を対象とした第3相試験が行われています。最初の結果が2021年前半に出ることが予定されています

引用元
https://alsnewstoday.com/arimoclomol-fda-fast-track-als-treatment
RESCUE-ALS試験が予定の半数以上の患者をエントリー
・ALS NEWS TODAYの5月29日付記事からです

▽CNM-Au8の第2相試験であるRESCUE-ALS試験において、予定の半数以上の患者のエントリーが終了したことが報告されました

▽RESCUE-ALSは1月に開始され、42名の全患者中26名のエントリーが完了しました。全患者のエントリーまでにあと数か月かかる見込みとのことです

▽CNM-Au8は、細胞内での生体反応を補助するように作用する金ナノクリスタルの懸濁液で構成されています。CNM-Au8は、細胞のエネルギー生成をサポートし、細胞代謝の有害な副産物除去を補助することにより治療的効果を発揮することが期待されています。

▽ALS動物モデルにおいて運動機能の改善が確認され、健常者を対象とした試験において安全性が確認されたのちにRESCUE-ALS試験が開始されました

▽RESCUE-ALS試験はオーストラリアの2つの施設で行われ36週間の投与期間でプラセボ対照で安全性、有効性が検証されます

▽2021年4月には最初の結果が報告されることが期待されます。この臨床試験は部分的にFightMNDからの資金供与を受けています

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/05/29/rescue-als-trial-enrolls-more-than-half-of-patients-ahead-of-schedule/
神経細胞におけるNF-κBシグナル経路の抑制はALS病理を改善する
▽ALSの病態において、神経細胞におけるNF-κB活性の役割を調べるため、研究者らは神経細胞に特異的に NF-κB 阻害剤(IκBα-SR)を発現するトランスジェニックマウスを作製し、そのマウスにALS関連TDP-43変異蛋白質とALS関連SOD1変異蛋白質を発現する雌雄のマウスを交配させました。

▽驚くべきことに、TDP-43A315TまたはTDP-43G348Cを発現したモデルマウスにおいてIκBα-SRを神経細胞に発現させると、ヒトTDP-43の細胞質と核の発現量の比率が正常に近づくことが明らかになりました。

▽IκBα-SR による TDP-43 神経病理の緩和は、自食作用の誘導によるものと考えられ、認知障害や運動障害の改善、運動ニューロン喪失やグリオーシスの減少と関連していました。

▽また、SOD1変異マウスの神経細胞の NF-κB 活性を抑制することで、折り畳み異常SOD1 濃度が低下し、寿命が大幅に延長するなどの神経保護効果が得られました。

▽これらの結果は、神経細胞の NF-κB シグナルが TDP-43 蛋白質障害を伴う ALS 病および関連疾患の新たな治療標的となることを示唆しています。

(この研究はカナダ、CERVO Brain Research CentreのDuttaらのより報告され、2020年5月26日付のJournal of Neurosicience誌に掲載されました)


TDP-43はtankyrase-1/2により不安定化する
▽ALSの95%以上においてTDP-43の細胞質内での異常凝集体形成がみられます。

▽TDP-43の神経毒性にポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)が関与していることを示す証拠が増えてきています。今回研究者らは、PARP酵素であるタンキラーゼ1とタンキラーゼ2(Tnks-1/2と呼ばれる)の阻害が、TDP-43に関連した神経毒性から神経細胞を保護することを示しました。

▽Tnks-1/2はTDP-43と新たに同定されたTankyrase-binding領域を介して相互作用することがわかりました。

▽Tnks-1/2との相互作用により、TDP-43のユビキチン化とプロテアソームによる分解が阻害され、TDP-43が安定化することがわかりました。さらに、プロテアソームによるTDP-43の分解は主に核内で生じ、Tnks-1/2はTDP-43を細胞質への蓄積を促進し、核内のプロテアソーム分解からTDP-43を隔離することでTDP-43を安定化させることがわかりました。

▽従って、Tnks-1/2の活性を阻害することで、TDP-43分解が促進され、TDP-43蛋白症の病態改善に寄与しうる可能性があります

(この研究はアメリカ、University of PennsylvaniaのMcGurkらにより報告され、2020年5月14日付のJ Cell Sci.誌に掲載されました)
新規臨床試験情報(コリン受容体遮断)
・中国での新規臨床試験情報です。この第2相試験は30名のALS患者を対象にプラセボ対照で行われ、dexmedetomidine, アトロピン、スコポラミン、エダラボン投与群とエダラボン投与群に無作為割付され、投与期間は不明ですが、24週間で安全性、有効性などが検証される予定です

・抗コリン薬のどのような点に有効性を期待するのかは試験情報からはわかりませんでした

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04391361
HDAC1阻害はTDP-43蛋白症の病態を改善する
▽TDP-43はいくつかの翻訳後修飾をうけ、生物学的活性や凝集性が変化します。ALSに関しては細胞モデルにおいてTDP-43のアセチル化が病態に関連すると考えられています。

▽研究者は、in vitroおよびin viviの実験により、TDP-43がHDAC1(histone deacetylase 1)とRRM1およびRRM2領域(いずれもTDP-43の主要なアセチル化部位として知られているK142とK192を含む)を介して相互作用を行うことを明らかにしました

▽またTDP-43がCHOPプロモータの直接的な転写活性化因子として作用することがわかりました。

▽ショウジョウバエモデルを用いて、遺伝子不活性化ないしsiRNAによるHDCA1濃度減少ないし、HDAC阻害剤投与が変異TDP-43による毒性に対して保護的に作用することが観察され、このことはTDP-43のアセチル化が新たな治療ターゲットとなりうることを示唆するものです

▽HDAC阻害の有効性はこれまで疑問視されてきましたが、今後より特異的なHDAC阻害剤を用いることで、TDP-43蛋白症に対する治療につながる可能性があります。

(この研究は、イタリア、University of SassariのSannaらにより報告され、2020年5月14日付のCell Death Dis.誌に掲載されました)
天然化合物ベルベリンとその誘導体による折り畳み異常蛋白質のクリアランス向上
▽折り畳み異常蛋白質の蓄積は、蛋白質品質管理(PQC)システムの障害に起因する、神経変性疾患の共通の病態です。

▽PQCシステムは、シャペロンと分解システム(プロテアソームと自食)によって構成されています。

▽折り畳み異常を起こす変異蛋白質は神経毒性を持つ可能性があるため、蛋白質の凝集を防止したり、クリアランスを促進させる方向性は神経変性疾患の治療戦略となりえます。

▽今回研究者らは、天然のアルカロイドであるベルベリン(BBR)とその誘導体を用いて、神経障害の細胞モデルを用いて、折り畳み異常蛋白質(変異型アンドロゲン受容体:ARpolyQ)のクリアランスを促進する能力を調べ、どの分解経路がその作用を媒介しているかを調べました。

▽その結果、ベルベリンとその半合成誘導体は、主にプロテアソームを介して作用し、ARpolyQ凝集を防止し、ARpolyQの分解を促進することがわかりました。

▽以上の結果は、ベルベリンとその類縁体は、神経変性疾患において折り畳み異常蛋白質のクリアランスを促進し、病態改善をもたらす可能性があり、今後の治療法開発の候補となりうる可能性があります。

(この研究はイタリア、Università degli Studi di MilanoのRusminiらにより報告され、2020年5月13日付のInt J Mol Sci.誌に掲載されました)
ASC-エクソソソームは、SOD1変異ALSモデルマウスの病態を改善
▽エクソソームは細胞外の小胞であり、細胞間コミュニケーションにおいて重要な役割を果たしており、放出元の細胞の効果を引き継いでいます

▽研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスを用いて、脂肪組織由来幹細胞から単離されたエクソソソーム(ASC-exosomes)の神経保護効果の可能性を検証しました。

▽さらに、エクソソソームを静脈内投与と経鼻投与の2つの異なる投与経路で投与した場合の効果を比較しました。モデルマウスに対するエクソソソームの投与が病態進行に及ぼす影響を、運動テストや運動神経細胞やグリア細胞、神経筋接合部の形態、筋力によって観察しました。

▽その結果、SOD1変異ALSモデルマウスにエクソソソームを反復投与することで、運動能力が向上し、腰髄運動ニューロン、神経筋接合部、筋力が保護され、グリア細胞の活性化が低下することが明らかになった。

▽以上の結果は、ALSの治療法としてASC-エクソソームを使用することの新たな知見を提供するものです

(この研究は、イタリア、University of VeronaのBonafedeらにより報告され、2020年5月21日付のInt J Mol Sci.誌に掲載されました)
ISRIBによるUPRの微調整は、ALS細胞モデルの生存期間を延長する。
▽多くの神経変性疾患において蛋白質折り畳みの恒常性保持機構の破綻が存在します。小胞体内での折り畳み異常に関連した対処機構として、UPR(unfolded protein response)が存在し、蛋白質恒常性を回復するための遺伝子発現機構を作動させ、ストレスが慢性ないし強度の場合には神経細胞死を促進します。

▽この細胞の運命を決める細胞内機構であるUPRはALSの病態において重要な役割を果たしていると考えられています。しかしながらUPRに介入することによる治療手段の開発はうまくいっていません。

▽ALSにおけるUPRシグナル経路と神経細胞死の関係性をさらに詳しく調べるため、研究者らはSOD1変異ALS細胞モデルを用いて、単一神経細胞の経時的変化を自動化した顕微鏡で追跡しました。

▽蛍光標識したUPRレポーターを用いて、UPRと神経細胞死の時系列的関連性を追跡しました。同時に薬理学的にUPR過程を阻害することにより、神経細胞死に対してPERKおよびIRE1機構が関与していることがわかりました。

▽PERKシグナル経路をその下流においてISRIBで阻害すると、SOD1変異ALS細胞モデルの生存期間が延長しました。一方でPERKシグナル経路をGSK2606414で直接阻害するとその効果はみられませんでした。

▽小胞体ストレス下での両薬剤の阻害特性を解析したところ、神経細胞ではISRIBはPERKに起因した翻訳経路の一部のみを阻害し、ATF4(activationg transcription factor 4)mRNAの翻訳は維持されていました。

▽以上の結果は、ISRIBを介した翻訳過程のリプログラミングがALS治療の新たな可能性を秘めていることを示唆しています。

(この研究はスペイン、 University of NavarraのBugalloらにより報告され、2020年5月26日付のCell Death Dis.誌に掲載されました)
ALS治療開発のためAFTDが500万ドルの資金供与
・ALS NEWS TODAYの5月11日付記事からです

▽AFTD(Association for Frontotemporal Degeneration)はALSのバイオマーカー探索や治療法開発のための6つの産学共同プロジェクトに対して合計500万ドルを資金供与することを公表しました

▽1つ目はEikonizo Therapeutics社らによるHDAC6阻害剤開発に対してです。ALS治療薬候補として期待されています。2つ目はNovation Pharmaceuticals社らに対して、ALSの病態に関与する遺伝子発現に影響しうる小分子の探索に対してです。ストレス顆粒の機能不全を改善する物質が探索されています。

▽3つ目は、Expansion Therapeutics社らによるC9orf72遺伝子変異ALSにおける異常RNAを阻害するための小分子探索に対してです。4つ目はMerck社らによるTDP-43蛋白質凝集を選択的に阻害する物質の開発に対してです。

▽5つ目はQurAlis社らによる新たなALS動物モデルの開発に対してです。新たな動物モデルにより治療法開発が促進することが期待されています。6つ目はBiogen社らによるC9orf72遺伝子変異ALSにおける有害物質から細胞保護作用を有する物質の探索に対してです

▽CEOのSusan L-J DickinsonはCOVID-19パンデミックの負荷にも関わらず、ALS治療法開発を目指して一層の努力が続けられていることを知ってほしいと述べています

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/05/11/target-als-aftd-award-5-million-support-six-research-projects-biomarkers-treatments/


髄液中のALS毒性物質
・ALS NEWS TODAYの5月20日付記事からです

▽Acta Neuropathologica Communications誌に掲載された報告によると、ALS患者の髄液がALSの病態に関与する物質の拡散に寄与している可能性を示唆する結果がマウスの実験で得られました

▽研究者らはALS患者由来の髄液をマウスに注入したところ、ALS類似の病態が再現されました。折り畳み異常TDP-43蛋白質はプリオン類似の性質を有し、正常なTDP-43蛋白質に折り畳み異常を引き起こし、病態の拡散を引き起こすと考えられています。

▽研究者らは孤発性ALS患者10名より採取した髄液と、対照群として正常圧水頭症患者より採取した髄液を用いて、マウスに対して注入しました。その結果、患者由来髄液を注入したマウスでは運動神経細胞内のTDP-43凝集体形成が観察され、神経筋接合部の喪失や運動機能の障害などが観察されました。一方で対照群ではそのような変化はみられませんでした

▽TDP-43を除去した髄液を注入した場合、TDP-43蛋白質の凝集は観察されませんでしたが、運動機能障害がみられました。これについてはTDP-43とは別の病態が関与している可能性があり、注目すべき結果といえます

▽以上の結果は、ALS患者の髄液中に治療ターゲットとなりうる物質が含まれている可能性があることを示唆しており、今後の研究の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/cerebrospinal-fluid-transport-als-toxins-study
SENPとPIASによる変異SOD1蛋白質のSUMOylationと凝集
▽小ユビキチン様修飾因子3(SUMO3)はSOD1のリジン残基を標的とした翻訳後修飾を引き起こし(SUMOylationとよばれる)、変異SOD1蛋白質の凝集性を変化させます

▽SUMO結合は酵素E1,E2,E3により媒介され、SUMOの脱結合は脱SUMOylation酵素により触媒されます。

▽今回、研究者らはSOD1凝集過程を理解するため、SUMOylationにおけるPIASファミリーとSENPファミリーの関与を調べました。その結果、PIASファミリーはSOD1蛋白質のSUMOylationを増加させ、SENP1が最も効率的な脱SUMylation作用を有することが明らかになりました。

▽SENP1発現は変異SOD1蛋白質凝集を示す細胞数の減少をもたらしました。以上の結果はSUMOylationの制御がALSの病態に影響を与えうる可能性を示唆するものです

(この研究は上智大学のHarmony Wadaらにより報告され、2020年5月27日付のJournal of molecular neuroscience誌に掲載されました)
破傷風毒素C末端フラグメントの神経保護作用
▽ALSの病態には神経炎症が重要な役割を果たしていると考えられています。研究者らは破傷風毒素C末端フラグメント(TTC)を治療分子として研究し、SOD1変異ALSモデルマウスで神経保護作用を示すことを報告してきました。しかしながら、TTCが炎症反応のどの過程に影響を及ぼすかは不明でした。

▽今回、研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスにTTCを投与した後、血漿中のエオタキシン-1、IL-2、IL-6、マクロファージ炎症性タンパク質(MIP)-1αおよびガレクチン-1の濃度を分析しました。またカスパーゼ-1、IL-1β、IL-6、NOD-、LRRー、NLRP3などの発現量を脊髄、長趾屈伸筋、ヒラメ筋で測定しました。

▽その結果、TTC投与モデルマウスでは、脊髄などにおいてIL-6の濃度が低下していました。

▽以上の結果から、TTCはIL-6濃度を低下させることで、抗炎症効果を発揮し神経保護作用を発揮する可能性が明らかになりました

(この研究はスペイン、University of ZaragozaのLaura Moreno-Martinezらにより報告され、2020年5月17日付のToxin誌に掲載されました)
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