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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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ALSにおける腸内細菌叢の役割
・ALS NEWS TODAYの7月25日付記事からです

▽Nature誌に掲載された論文によるとモデルマウスにおいて、腸内細菌叢がALSの病態進行に影響を及ぼしうる可能性を示唆する結果がえられました。

▽研究者らは Akkermansia muciniphilaと呼ばれる細菌が産生する代謝産物であるニコチンアミドがALSモデルマウスの病態改善と生存期間を延長する効果を有することをみいだしました

▽研究者らはまず最初に、SOD1変異ALSモデルマウスの腸内細菌叢を各種抗菌薬を投与することにより除去しました。その結果病態進行が増悪しました。

▽続いて、健常マウスとALSモデルマウスの腸内細菌叢の構成細菌が調べられました。その結果、細菌の種類が異なることが明らかになりました。11種類の細菌がALSの病態進行に影響を及ぼしうることが同定されました。続いて、11種類の細菌を1つずつ腸内細菌叢除去モデルマウスに投与したところ、1つの細菌(Akkermansia muciniphila)が病態進行遅延をもたらしうることがわかりました。一方、Ruminococcus torques and Parabacteroides distasonis は病態悪化をもたらしました

▽Akkermansia muciniphilaの産生するニコチンアミドが中枢神経に到達し、保護的な作用を発揮することがわかりました。

▽研究者らはさらに、37名のALS患者について、便の遺伝子解析を行うことで腸内細菌叢を調べ、29名の健常者と比較しました。その結果、患者群と健常群とで腸内細菌叢の構成が異なることがわかりました。ALS患者においてはニコチンアミドを産生する腸内細菌が少ないことがわかりました。

▽これらの所見は今後の治療薬開発において、重要な手がかりとなる可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/25/gut-microbiome-slow-als-progression-study/
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Triumeqの安全性と忍容性
▽内因性ヒトレトロウイルスの活性化がALSの病態に関与している可能性が報告されてきました。前臨床試験段階では、抗レトロウイルス剤投与が治療的効果を有することを示唆する結果が得られています。

▽今回、ALS患者に対する長期レトロウイルス治療薬(Triumeq:abacavir,lamivudine,dolutegravir)投与の安全性に関する試験が行われました。

▽40名のALS患者がまず10週間経過観察をされ、その後24週間Triumeqが投与されました。完遂率は88%でした。重大な副作用は観察されましせんでした。1名が肝逸脱酵素の上昇により脱落しました

▽Triumeq投与は、レトロウイルス遺伝子発現を減弱させ、ALSFRS-Rの変化率を観察期間中と比較して21.8%減弱させました。Triumeq長期投与の安全性と忍容性は確認されました。今後より大規模な第3相試験の実施による有効性の検証が期待されます

(この研究はオーストラリア、The University of Sydney のGoldらにより報告され、2019年7月8日付のAmyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener.誌に掲載されました)

家族性ALS治療薬候補としてのAPB-102
・ALS NEWS TODAYの7月30日付記事からです

▽FDAはApic Bio社のSOD1変異家族性ALS治療薬候補であるAPB-102に対してorphan drug指定(希少疾患治療薬候補に対して税制上の優遇措置や市場独占権などを与えることにより開発促進すること)を与えました

▽APB-102は変異SOD1遺伝子の発現を阻害することにより、折り畳み異常SOD1蛋白質の凝集を防ぐ薬剤です。投薬はクモ膜下腔内への単回投与により行われます。

▽サルを用いた前臨床試験において、運動神経細胞におけるSOD1遺伝子の発現を93%阻害することが示されました

▽臨床試験実施に必要なIND申請(臨床試験実施申請)を2020年に行いたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/30/fda-names-apic-bios-apb-102-gene-therapy-orphan-drug-for-familial-als/

新規小分子のTRVA242はALSモデル動物の神経筋接合部異常を改善する
▽ALSにおいては神経筋接合部の変性がみられます。研究者らはピモジド誘導体である3765種類の小分子をスクリーニングしました。ピモジドはTDP-43蛋白症線虫モデルにおいて病態改善効果が観察されています

▽線虫によるスクリーニングの結果、27種類の小分子が同定され、うち4種類は線虫モデルの運動機能障害を回復させました。

▽そのうちTRVA242が最も効果の高い化合物であり、TDP-43蛋白症モデル線虫の神経筋接合部を保持し、運動機能を回復させました。またSOD1変異ゼブラフィッシュモデル、C9orf72遺伝子変異ゼブラフィッシュモデルにおいても治療的効果がみられました。SOD1ALSモデルマウスにおいても神経筋接合部機能の改善を認めました。

▽TRVA242などの化合物はは新規治療法開発において有望な可能性があります。

(この研究は、カナダ、Université de MontréalのBoseらにより報告され、2019年7月24日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
ALSモデルマウスにおけるゲニステインの神経保護作用
▽ALSの病態において酸化的ストレスが関与していることが報告されています。今回研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスを用いて、抗酸化作用を有するイソフラボンの一種であるゲニステインの効果を検証しました

▽ゲニステイン投与は、脊髄における炎症促進性サイトカインを減少させ、グリオーシスを緩和しました。さらに自食経路を活性化し、ALS関連症状を緩和し、生存期間をやや延長させました。

▽以上の結果はSOD1変異ALSモデルマウスにおいてゲニステインが治療的効果を有することを示唆しており、今後のヒトへの応用が期待されます

(この研究は、中国、 Hebei Medical UniversityのZhaoらにより報告され、20197月18日付のJ Neuroimmune Pharmacol.誌に掲載されました)
MAP4K4シグナル経路の抑制はALSの運動神経変性を改善する
▽これまでに研究者らは、ALSにおいてはMAPキナーゼファミリーに属するMAP4K4が運動神経変性に関与していることを報告してきました。運動神経細胞変性に先立ってMAP4K4の活性化が起こり、MAP4k4抑制は神経細胞の活性を改善しました。

▽MAP4k4抑制による細胞活性の改善効果は、c-Junアポトーシス経路の抑制と、自食経路の活性化による蛋白質凝集の抑制によることがわかりました。

▽さらに研究者らはMAP4K4阻害剤を投与し、患者iPS細胞由来運動神経細胞の生存期間が延長することを確認しました。

▽MAP4k4阻害剤は今後のALS治療薬開発において、有望なターゲットとなる可能性があります

(この研究は、アメリカ、Harvard UniversityのWattsらにより報告され、2019年7月10日付のJ Exp Neurosci.誌に掲載されました)
Klotho蛋白質はALSモデルマウスにおいて保護的作用
・ALS NEWS TODAYの7月2日付記事からです

▽Klotho蛋白質は抗酸化作用および抗炎症作用を有する蛋白質であり、髄鞘化を促進し、中枢神経細胞保護作用を有すると考えられています。

▽今回、ボストン大学の研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスを用いて、Klotho蛋白質の効果を検証しました

▽その結果、Klotho蛋白質を過剰発現させたモデルマウスでは、発症遅延効果と病態進行遅延効果がみられました。また生存期間は1週間以上延長しました。この効果雌個体においてより顕著でした。この結果をヒトにあてはめると、Klotho蛋白質の発現量を50%増加させると、生存期間が約300日延長させることができるとの結果になります。

▽以上の結果は、モデルマウスにおいてKlotho蛋白質の発現増加が神経保護作用を有する可能性を示唆しており、Klotho蛋白質を増加させることが、治療的に作用する可能性があります。

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/02/klotho-protein-protects-brains-als-mice-study-suggests/

小分子化合物が細胞内蛋白質凝集体形成を減少
・ALS NEWS TODAYの7月8日付記事からです

▽研究者らはストレス誘発性のTDP-43蛋白質の凝集体形成を阻害しうる小分子化合物を同定しました。

▽ストレス顆粒はストレスシグナルに応答して細胞質内に形成され、ALSなどの病態に関与すると考えられています。通常はストレスがなくなると、ストレス顆粒はなくなりますが、ALSなどの病態では存在し続けます。

▽カリフォルニア大学の研究者らは、TDP-43変異iPS細胞由来神経細胞ないしFUS変異iPS細胞由来神経細胞を用いて、puromycinによるストレスを与え、ストレス顆粒を蛍光標識することで、TDP-43蓄積を阻害しうる物質を探索しました

▽その結果、凝集体を75%減少させうる小分子化合物が同定されました。この小分子はTDP-43がRNAに結合することを阻害することにより、細胞質内での凝集体形成を減少させていると考えられました。

▽これら化合物のうち、mitoxantroneが最もストレス顆粒中のTDP-43局在化を減少させ、TDP-43を核内に留めました。

▽今後更に基礎研究を進め、臨床試験に進みたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/08/small-molecule-compounds-targeting-tdp-43-protein-buildup-identified-in-study/
レボシメンダンの第3相試験で患者募集が終了
・ALS NEWS TODAYの7月16日付記事からです

▽Orion社によれば、現在進行中のALSに対するレボシメンダン(ODM-109)の有効性を検証する第3相試験(REFALS試験)において、全ての患者のエントリーが終了しました。

▽アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアで行われているこの試験では、496名の患者がエントリーされ、レボシメンダン1-2mgが48週間投与されます。

▽レボシメンダンは筋肉細胞のカルシウム感受性亢進およびカリウムチャネル開口剤であり、呼吸筋の機能改善などを期待する薬剤です、第2相試験においては、12週時点で仰臥位における静的肺活量の保持効果を示唆する結果が得られました。

▽レボシメンダンは既に約60カ国でSimdaxの商品名で急性心不全治療薬として承認されています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/16/enrollment-complete-for-levosimendan-refals-trial-in-als/

Cdc48の構造がALS治療薬開発の手がかりになる可能性
・ALS NEWS TODAYの7月17日付記事からです

▽Science誌に掲載された論文によると、細胞のSwiss Army knife(多様な機能を有するツール)と呼ばれるcdc48蛋白質がALSなどの神経変性疾患の治療ターゲットとなりうることが報告されました。

▽cdc48はヒトではp97とよばれており、細胞内の様々なプロセスの制御に関与しています。細胞のエネルギー源となるATP産生に関与し、蛋白質の品質コントロールに重要な役割を果たしています。

▽cdc48遺伝子変異は神経変性疾患の原因となることが知られています。cdc48は多くの基質と相互作用を行います。cdc48はリング状の6量体を形成し、様々な補助因子と結合し、様々な機能を果たします。

▽研究者らはco-immunoprecipitation(co-TP)とよばれる技術を用いて酵母細胞からcdc48蛋白質を精製し、cdc48が蛋白質の折り畳み構造を展開する過程の蛋白質複合体の様々な形態を、低温電子顕微鏡法(cryogenic electron microscopy(cryo-EM))を用いて撮像しました。

▽その結果、cdc48は蛋白質の折り畳み構造を展開する際に、らせん状の形態をとり、対象とする蛋白質に結合し、さらにその蛋白質を中心孔に透過させることで展開することがわかりました。

▽このような作用機構の詳細がさらに明らかになることにより、cdc48異常が関与する神経変性疾患の病態解明が進展することが期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/17/structure-cdc48-may-provide-clues-designing-new-als-therapies/
冬虫夏草がALSモデルマウスに対して治療的効果
・ALS NEWS TODAYの7月23日付記事からです

▽CNS Neuroscience&Therapeutics誌に掲載された論文によると、SOD1変異ALSモデルマウスに対して冬虫夏草が治療的効果を示したとのことです。

▽冬虫夏草は喘息や慢性腎臓病などに使用されますが、冬虫夏草に含まれるcordycepinと呼ばれる物質が抗酸化作用、抗炎症作用などを有することが知られています。

▽28匹のSOD1変異ALSモデルマウスに対して冬虫夏草1g/kgが与えられた所、発症遅延効果は見られませんでしたが、生存期間が10%程度延長しました。また運動神経細胞喪失も減少しました。

▽以上の結果はモデルマウスに対して冬虫夏草が治療的効果を発揮する可能性を示唆するものです。

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/23/chinese-medicine-hirsutella-sinensis-reduces-neuron-loss-expands-lifespan-als-mice-study/
H.P.Acthar Gelの臨床試験中止
・ALS NEWS TODAYの7月19日付記事からです

▽Mallinckrodt Pharmaceuticals社のALS治療薬候補であるH.P. Acthar Gelの第2b相試験が中断されました。これは投薬群における肺炎併発リスクによるものです

▽H.P. Acthar Gelは副腎皮質刺激ホルモンであり、これまでの臨床試験で36週間の投与後にALSFRS-R変化量が投与群-4.3点、プラセボ群 -6.6点であり有意差を認めたことから、治療的効果が期待されていました。

▽Data and Safety Monitoring Board (DSMB)は第2b相試験の安全性に関する問題により中止を勧告し、それに従い臨床試験は中止されることとなりました

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/19/pennant-clinical-trial-h-p-acthar-gel-als-terminated/
Arimoclomolの第3相試験のエントリーが終了
・ALS NEWS TODAYの7月22日付記事からです

▽Arimoclomolの有効性を検証する第3相試験(ORARIALS-01試験)において、全ての患者のエントリーが終了しました

▽Arimoclomolは熱ショック蛋白質の産生を促進することにより細胞保護的に作用することが期待されています。熱ショック蛋白質はリソソーム機能を改善することにより、異常蛋白質の凝集を防ぐ働きを有します。arimoclomolは血液脳関門を透過し、中枢神経に到達します。

▽ORARIALS-01試験では、アメリカとカナダで231名がエントリーし、76週間プラセボ対照試験が行われます。結果は2021年に判明する予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2019/07/22/enrollment-complete-orarials-01-trial-arimoclomol-als/
太ることよりもやせないこと
▽胃瘻造設ALS患者において、観察的横断研究により予後規定因子が調査されました。

▽47名の胃瘻造設後患者において、BMIなどと予後との関連が調査されました。

▽その結果BMIが18.5未満であることは、それ以上と比較して有意な生存期間の短縮がみられました。一方で肥満であることや高コレステロール血症であることは予後との有意な関連はみられませんでした。

▽小規模の観察研究ではあり確定的なことはいえませんが、肥満が良いとの根拠は得られず、低体重と予後の悪化とは関連がみられました。

(この研究は、イタリア、University of Bari のBaroneらにより報告され、2019年7月26日付のAmyotroph Lateral Scler Frontotemporal Degener誌に掲載されました)
TRPML1活性化は自食促進作用により運動神経細胞保護効果を発揮する
▽ALSにおいては細胞の自食経路を含む細胞のクリアランス機構が障害されています。自食経路を制御する最も重要な蛋白質が、リソソームのカルシウムチャネルであるTRPML1(Mucolipin TRM channel 1)です。

▽今回、研究者らはALS細胞モデルであるL-BMAA暴露神経細胞を用いてTRPML1の機能を調べました。L-BMAAは小胞体機能を障害し、小胞体ストレス反応を引き起こし、細胞死につながります。リソソームと小胞体の結合機能の異常が存在することが推測されます。

▽研究者らは運動神経細胞においてTRPML1とリソソーム蛋白質であるLAMP1が小胞体と同時局在化していることをみいだしました。

▽TRPML-1のアゴニストであるML-SA1はリソソームのカルシウムイオン放出を促進しました。ML-SA1を細胞モデルに投与すると、L-BMAAによる細胞障害が緩和し、小胞体ストレスマーカーであるGRP78の発現量が減少しました。

▽ML-SA1は自食関連蛋白質の蓄積を減少させました。以上の結果はTRPML1を刺激することが自食作用を促進させ、L-BMAAによる細胞死が抑制されることを示唆するものです

(この研究はイタリア、University of NaplesのTedeschiらにより報告され、2019年7月24日付のScientific Reports誌に掲載されました)
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