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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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アイスバケツチャレンジ・グラント研究報告会
・まっしゃーさんよりご提供いただいた話題です。

・11月25日にビジョンセンター田町 2 階 202にてアイスバケツチャレンジ・グラント研究報告会が開催されます。

・以下まっしゃーさんからのコメントです。

「4人の講師を招いて、11月25日に開催します。
京大井上先生からボスチニブ、東大郭先生からペランパネル治験や遺伝子治療などのお話が聞けることが期待されます。
なお、講演スライドに未発表のものがあるため、ネット配信はしません。
詳しくはこちら。

http://alsjapan.org/2018/10/12/post-1893/

・まっしゃーさん、ありがとうございました。
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新規臨床試験情報(コルヒチン)
・イタリアでの新規臨床試験です。

・54名のALS患者を対象にコルヒチンの有効性や安全性を検証する第2相試験が開始予定です。

・コルヒチンは熱ショック蛋白質を誘導し、自食機能に関連する蛋白質を誘導することでTDP-43凝集を阻害することが期待されています。

・プラセボ対照で30週間投与される予定です

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03693781
新規臨床試験情報(カンナビノイド)
・オーストラリアでの新規臨床試験です。

・30名のALS患者を対象に医療用大麻であるCannTrust CBD Oilの有効性についての第3相試験が予定されています

・プラセボ対照で6ヶ月間投与され、有効性や安全性が検証されます

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03690791
新規臨床試験情報(ベタメサゾン)
・アメリカでの新規臨床試験情報です

・ステロイドであるベタメサゾンのFUS変異家族性ALSに対する有効性を検証する第1相試験が開始予定です

・ベタメサゾンの抗酸化作用により治療的効果が期待されています。30名を対象にオープン試験で行われます。ベタメサゾンは4日間筋注で投与され、14日後の状態が観察されます。

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03707795
イノシンの可能性
・ALS NEWS TODAYの10月29日付の記事からです

▽ALSに対する第2相試験が行われているイノシンですが、予備的な結果によると抗酸化作用を有する尿酸値を上昇させ、神経保護作用を有する可能性を示唆する結果がえられました。

▽イノシンは尿酸生成の元になる物質ですが、ALSにおいては尿酸値の上昇と予後とが関連するとの報告があります

▽試験は25名のALS患者を対象に12週間で行われており、尿酸値はベースラインの4.1から6週時点で7-8mg/dlまで上昇したとのことです。また安全性についても良好な結果が得られています。小規模試験のため有効性についての結論は得ることができないとのことです。

▽現在第2相試験が進行中であり、有効性について検証されることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/29/als-pilot-trial-finds-inosine-treatment-safe-potential-benefits/
CavoGene社のALSに対する新規遺伝子治療
・ALS NEWS TODAYの10月24日付記事からです

▽カリフォルニア大学サンディエゴ校はSynCav1と呼ばれるALSに対する遺伝子治療についてCavoGene LifeScience社とライセンス契約を結びました。

▽Caveolin-1蛋白質は細胞膜に存在し神経筋接合部のシナプスにおいて機能します。SynCav1はCav-1発現をターゲットとした遺伝子治療であり、神経細胞だけに発現するsynapsin promoterと呼ばれる特定の制御シークエンスをターゲットとしています。

▽ALS動物モデルにおいてSynCav1は運動機能の改善効果を示しました。Cav1はシナプス機能を改善しシナプス可塑性を促進します。今後臨床試験において有効性が確認されることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/24/potential-gene-therapy-for-als-other-neurodegenerative-diseases-licensed-to-cavogene-lifesciences/
レキップの可能性
・たまさんよりご提供頂いた話題です。

・慶應義塾大学の研究グループがiPS細胞を用いた研究によりレキップが治療薬候補となりうる可能性があることを発見しました

引用元
https://mainichi.jp/articles/20181014/k00/00m/040/077000c

・今後臨床試験を経て有効性が確認されることが期待されます

・たまさん、ありがとうございました
GeNeuro社がALSに対する抗体治療についてNINDSと提携し開発促進へ
・ALS NEWS TODAYの10月19日付記事からです

▽スイスのバイオ製薬企業であるGeNeuro社が、同社のALS治療薬候補である抗pHERV-K Enc抗体について、前臨床試験の結果を受けて世界的な開発促進の権利を得ました。

▽この権利は、NINDS(米国国立神経疾患・脳卒中研究所)との間に結ばれたCRADA契約(Cooperative Research and Development Agreement)によるものであり、同社がNINDSとの共同開発により得られた特許を独占的にライセンス契約されることになります。

▽今回の契約は、現在同社が開発中の、ヒト内因性レトロウイルス(HERVs)のエンベロープを構成する蛋白質であるpHERV-K Envに対する抗体に対して与えられるものです。

▽前臨床段階において、pHERV-K Env抗体は治療的に有望な結果が得られました。今後2020年を目処に臨床試験の開始申請(IND)が予定されています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/19/geneuro-secures-worldwide-rights-potential-als-therapy-following-promising-preclinical-studies/
Voyager社のVY-SOD102が動物実験で良好な結果
▽SOD1変異家族性ALSに対する治療薬候補であるVoyager社のVY-SOD102が動物実験において良好な結果を収めました

▽スイスの国際学会にて公表された結果によると、RNA干渉を用いて変異SOD1蛋白質の生成を抑制する治療戦略により開発されたVY-SOD102はアデノ随伴ウイルスベクターにより標的細胞に運搬されます。

▽SOD1変異ALSモデルマウスに対してVY-SOD102を投与すると、SOD1 mRNA濃度の減少が観察されました。またミニブタモデルの脊髄内への単回投与により、脊髄全域におけるmRNAの減少が観察されました。注入部位の近くでは82%のmRNA減少がみられ、頸髄領域では20%、胸髄領域では50%、腰髄領域では22%の減少が観察されました。臨床症状において重要な部位は頸髄、胸髄領域であるため治療的に良好な効果が期待されます。安全性も良好な結果でした

▽この結果を受けて同社は臨床試験開始申請(IND)を2019年にも行いたいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/18/voyager-presents-promising-animal-study-data-of-vy-sod102-for-als/
リルゾールの液剤がアメリカで使用可能に
・ALS NEWS TODAYの10月17日付の記事からです

▽ITF Pharma社が開発したリルゾールの液剤であるTiglutikがアメリカで投与可能となりました

▽とろみ付の製剤であることから、嚥下困難を有するALS患者に対しても投与可能となることが期待されます

▽1日2回経口投与されます。アメリカの他6つのヨーロッパ諸国で利用可能となっています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/17/tiglutik-liquid-riluzole-now-available-us-als-treatment/
Progranulinは不溶性TDP-43濃度を減少させALSモデルマウスの軸索変性を抑制する
▽特定のprogranulin遺伝子変異は、progranulin蛋白質濃度の約50%の減少をもたらし、TDP-43蛋白症を伴うALSの病態をもたらします。しかしprogranulinがどのようにALSの病態をもたらすのか、progranulin濃度を増加させることが治療的効果をもたらすのかどうかはわかっていません。

▽今回、研究者らはTDP-43蛋白症モデルマウスを用いて、progranulinの影響を調べました

▽progranulinを過剰発現させたところ、不溶性TDP-43蛋白質の減少と軸索変性の減少が観察されました。

▽同 時に病態進行の遅延効果と生存期間の延長効果(約130日間)を認めました。トランスクリプトーム解析により、この効果は単一の経路ではなく、複数の経路によりもたらされていることがわかりました。

▽以上の結果は、progranulinがTDP-43蛋白症に対して神経保護的に作用する可能性を示唆するものです

(この研究は、ベルギー、 KU Leuven - University of LeuvenのBeelらにより報告され、平成30年10月16日付のMolecular neurodegeneration誌に掲載されました)
ALSとコーヒー、紅茶、カフェイン摂取の関連
▽カフェイン摂取とALSとの関連は不明です。今回研究者らは8カ国での大規模前向きコホート研究を行いました(351565名)。

▽対象者は質問紙によりベースラインにおけるコーヒー、紅茶、カフェインの摂取量が調べられました。

▽観察期間内において545名のALS関連死が生じましたが、コーヒー摂取量、紅茶摂取量、カフェイン摂取量とALS死亡率との関連性は有意なものはありませんでした。

▽コーヒーや紅茶、カフェインの摂取量はALSによる死亡率を増加も減少もさせないといえる可能性があります。

(この研究は、アメリカ、Harvard T.H. Chan School of Public HealthのPetimarらにより報告され、平成30年10月16日付のEuropean journal of neurology誌に掲載されました)
BioElectron社のEPI-589が第2a相試験において良好な結果
・ALS NEWS TODAYの10月3日の記事からです

▽BioElectron社のALS治療薬候補であるEPI-589が第2a相試験において良好な結果であったことが報告されました。

▽EPI-589はtroloxamide quinoneとしても知られており、酸化還元酵素をターゲットとしています。

▽この試験では21名のALS患者が対象となり90日間オープンでEPI-589が投与されました。さらにその後3ヶ月間経過観察されました。

▽その結果、重大な副作用はなく、髄液中および血中の神経炎症に関与するバイオマーカーの有意な減少をもたらしました。また、臨床症状についても、病態進行遅延効果を示唆する結果が得られました。

▽EPI-589は現在BioElectron社と日本の住友大日本製薬と共同で開発中の薬剤です。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/03/epi-589-shows-positive-results-als-patients-phase-2a-trial/
ALSの進展に関係する免疫機序の一部が判明
・ALS NEWS TODAYの10月12日付記事からです

▽Journal of Clinical Investigation Insight誌に掲載された報告によると、肥満細胞と好中球が病態に関与していることがわかりました。この研究結果はALS治療薬候補であるmasitinibが治療的有効性が期待される根拠となりうるものです。

▽近年ALSの発症後の神経筋接合部において肥満細胞が蓄積し炎症に関与している可能性があることが報告されました。

▽肥満細胞は活性化した好中球を呼びよせます。そのことにより更に神経細胞の変性が促進することがわかりました。

▽研究者らは、ALS患者からの生検筋組織を用いて肥満細胞と好中球の量と活性化の度合いを調べました。その結果ALS患者の骨格筋では両者の量と活性化の度合いの有意な増加が起きていることがわかりました。

▽ALSモデルラットにおいても同様の所見が得られ、masitinib投与により、肥満細胞の遊走と活性化が阻害され神経筋接合部での変性と病態進行阻害効果がみられたとのことです。masitinibとALSの病態との関連性を示唆する結果を考えられます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/12/researchers-unravel-immune-mechanism-associated-als-progression-rat-study/
チップ技術によりALS治療薬候補が同定
・ALS NEWS TODAYの10月15日付記事からです

▽チップ上に組織を再現する技術により、ALSの病態をチップ上に再現し、治療法の候補が同定されました。

▽Science Advances誌に公表された報告によると、血液腫瘍に用いられる抗癌剤であるラパマイシンとボスチニブの併用が治療的に有用な可能性があるとのことです。

▽チップ上の組織では、細胞が培養され、機能的な組織を形成します。一旦組織が形成されると病態の研究や治療法の探索に使用することができます。

▽MITとハーバード大学の研究者らは3次元のチップ上に運動神経細胞と筋肉細胞を含むALSの病態を再現しました。

▽運動神経細胞は孤発性ALS患者由来のiPS細胞から培養されました。また骨格筋細胞は健常者由来であり、神経細胞は光感受性蛋白質を導入し光で筋収縮を誘導できるように操作されました。

▽この組織を用いて、研究者らは病態進行を阻止しうる薬剤を同定しました。ラパマイシンとボスチニブを併用することで、運動神経細胞の生存期間の延長効果などが観察されました。これら2種類の物質は単独では血液脳関門の透過性が不良ですが、両者を併用するとP糖蛋白質の発現減少により血液脳関門の透過性が改善することが明らかになりました。

▽これらの結果は、チップを用いた技術が有用であることを示唆しており、今後の病態理解と治療法探索が促進することが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/10/15/chip-technology-identifies-potential-combo-therapy-for-als-in-study/
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