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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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ALSの治療に新しい細胞移植法を提唱
・はまじさんよりご提供いただいた話題です

・京都大学のHPより引用です

・ALS治療において、これまでいくつかの臨床試験(NSI-566など)で行われてきたように、移植細胞を脊髄内に注入するよりも、表面に置くだけのほうがより効果的であることを示唆する結果が得られたとのことです。
引用元
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/180702_3.html

・BrainStorm社のNurOwn細胞については、クモ膜下腔に注入するだけですので、この方法に近いのかもしれません。

・はまじさん、ありがとうございました。
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クルクミンサプリの臨床試験
▽クルクミンはミトコンドリア機能を修飾し、酸化的ストレスに対する抵抗性を高めるといわれています。今回42名のALS患者を対象にクルクミン600mg/日(Brainoil)投与の二重盲検無作為割付試験が行われました。

▽最初3ヶ月間はプラセボ対照で行われ、続く3ヶ月間はオープン試験で全対象者にクルクミンが投与されました。A群については最初3ヶ月間プラセボが投与され、その後3ヶ月間はクルクミンが投与されました。B群は全6ヶ月間クルクミンが投与されました

▽群間の有意差はありませんでしたが、エントリー時点と比較して、ALSFRS-R総得点および呼吸機能尺度の変化量は3ヵ月後、6ヵ月後ともにA群では有意な減少を認めたのに対して、B群ではエントリー時点と比較してALSFRS-R総得点および呼吸機能尺度共に有意な差はみられませんでした。

▽BMIについては、A群では6ヵ月後に有意な減少を認めましたが、B群ではエントリー時点と比較して有意差はありませんでした

▽酸化的ストレスのマーカーとなる血漿中AOPP(Advanced Oxidative Protein Products)については運動試験中において、A群では変化はありませんでしたが、B群では有意な減少を認めました。

▽A群とB群を比較した際に、3ヶ月後、6ヵ月後共に、ALSFRS-Rの呼吸尺度以外に有意差のみられた尺度はありませんでしたが、各尺度のエントリー時点からの変化量についてみると、クルクミン投与が病態進行を抑制する可能性を示唆する結果が得られました。この結果が確かなものか確認するためにさらに大規模な臨床試験の実施が期待されます。

(この研究は、イタリア、University of PisaのChicoらにより報告され、平成30年7月20日付のCNS and neurological disorders drug targets誌に掲載されました)
BrainStorm社が第3相試験の完遂に向けて資金力増強と特許取得
・ALS NEWS TODAYの7月26日付記事からです

▽BrainStorm社の最新の決算報告により、同社が第3相試験の完遂に向けて資金力を四半期で960万ドル増強したことを公表しました。

▽また同社は日本とヨーロッパにおいて同社のNurOwn細胞作成に関する特許を取得しました。

▽さらにアメリカ国内における2番目のNurOwn細胞作成拠点として、Dana-Farber Cancer Instituteと提携したことを公表しました

▽今後の第3相試験の完遂と、世界各地でNurOwn細胞の提供を行うための戦略を展開する予定としています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/26/brainstorm-update-ensures-completion-phase-3-nurown-trial-new-patents/
TDP-43蓄積は神経細胞におけるRNA不安定性を引き起こす
・ALS NEWS TODAYの7月24日付記事からです

▽TDP-43蛋白質は、DNAとRNAに結合する核内蛋白質ですが、ALS患者においてはRNAの不安定性を引き起こすことが明らかになりました。

▽ミシガン大学の研究者らが最新号のNature Communications誌に公表した研究結果によるものです。

▽ALSモデル動物においては、異常RNAの蓄積が報告されていますが、これがRNA産生異常によるものか、RNA代謝異常によるものかわかっていませんでした

▽研究者らはBru-SeqおよびBruChase-seqと呼ばれる最新の技術を用いて、ALS患者由来細胞におけるRNA産生とRNA分子の安定性を調べました

▽その結果、ミトコンドリア構成成分とミトコンドリア蛋白質をエンコードするRNA(ミトコンドリアRNAおよびリボソーマルRNA)の安定性に重大な異常がみつかりました

▽TDP-43蛋白質を過剰産生させるように加工した細胞モデルにおいても同様の現象が再現されました。

▽これらの結果は、TDP-43蛋白質の蓄積が細胞エネルギー産生に関与するRNAの不 安定性を促進し細胞死につながることを示唆するものです。

▽研究者はRNA不安定性に対する治療戦略を探索しており、RNA結合蛋白質の疎隔化や、RNA顆粒の崩壊などを阻害することにより、RNA恒常性を回復することにより治療的効果が期待できるのではないかと考えています。今後の研究の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/24/tdp-43-accumulation-causes-rna-instability-als-patients-nerve-cells/
加味逍遙散がALSマウスモデルにおいて抗炎症作用
・ALS NEWS TODAYの7月25日付記事からです

▽Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine誌に公表された研究結果によると、加味逍遙散がALSモデルマウスにおいて抗炎症作用と抗酸化作用を有することを示唆する結果が得られました。

▽モデルマウスの下肢筋においては、炎症性蛋白質と酸化的ストレスに関連した蛋白質の有意な増加がみられますが、モデルマウスに加味逍遙散を投与したところ、これら蛋白質の有意な減少がみられました。投与量は1g/kgであり、通常ヒトに用いられる用量と大幅に異なることに注意が必要です。

▽今後さらに加味逍遙散の治療的効果が検証されることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/25/als-herbal-formula-gss-reduce-inflammation-oxidative-stress/
ALSモデルマウスにおいて補中益気湯が運動機能改善効果
▽補中益気湯は8種類の生薬からなる漢方薬です。今回研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスに補中益気湯を投与し治療的効果を検討しました

▽8週齢のSOD1変異ALSモデルマウスに対して1g/kgの補中益気湯が6週間経口投与され、非投与群と比較されました

▽その結果、投与群において運動機能の改善と生存期間の延長効果が認められました。

▽また、脊髄において抗炎症作用と抗酸化作用を示唆する結果が得られました。

▽以上の結果は補中益気湯がALSの病態緩和作用を有する可能性を示唆するものです(ヒトにおいて使用されるよりもかなり高用量であったことに注意が必要です)

(この研究は 、韓国、Korea Institute of Oriental MedicineのCaiらにより報告され、平成30年7月20日付のMolecular neurobiology誌に掲載されました)

遺伝子治療研究所の治験、来年にも開始予定
・読売オンラインの記事からです

・遺伝子治療研究所のALSに対する遺伝子治療の臨床試験が来年にも開始予定とのことです

引用元
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180713-OYTET50004/

・待望の治験であり、早期の開始が期待されます
ミトコンドリア機能に関与する蛋白質がALSモデル動物において筋肉保護作用
・ALS NEWS TODAYの7月16日付記事からです

▽ALSモデルマウスを用いた実験により、脊髄中でmitofusin2と呼ばれる蛋白質の濃度を回復ないし増加させることにより神経変性や筋萎縮を防ぐ効果が期待できることが確認されました。この研究はCell Metabolism誌に掲載されました

▽mitofusin2はミトコンドリアの形態維持に関与する蛋白質であり、この蛋白質濃度を上昇させることにより、モデルマウスの筋萎縮と麻痺を防ぐことができることが示されました

▽ALSモデルマウスの脊髄ではmitofusin 2濃度が減少していることが確認されていますが、遺伝子的にmitofusin 2の発現量を正常化させたところ、筋萎縮や歩行機能の改善効果などがみられました。

▽mitofusin 2はcalpastatinとよばれる蛋白質の輸送にも関与しており、この蛋白質は有害な蛋白質が神経や筋肉を破壊することから細胞を保護する作用を有しています。mitofusin 2は軸索輸送により神経筋接合部に栄養物質を輸送する機能に関与しており、mitofusin 2が欠乏するとcalpastatinが神経筋接合部に到達することが阻害され、神経筋接合部の障害が生じます。

▽今後ヒトでも同様の治療的効果がみられるかを確認したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/16/protein-mfn2-prevents-nerve-damage-and-muscle-atrophy-in-mice-with-als-in-study/
CannTrust社がカンナビノイドの臨床試験実施のためオーストラリアの病院と提携
・ALS NEWS TODAYの7月17日付記事からです

▽CanTrust社は麻由来化合物のALSに対する有効性を確認する臨床試験の実施を予定しています。

▽この臨床試験はカナダのCanTrust社とゴールドコースト大学病院の提携により実施されます。この臨床試験はオーストラリアの倫理委員会の承認を得ており、6ヶ月間、プラセボ対照で行われる予定です。

▽この試験で使用されるカンナビノイド化合物は大麻草由来物質であり、動物実験において、生存期間の延長効果が確認されています。多くのカンナビノイドに異なり、ヒトに対する精神作用がない化合物であり、眠気や食欲減退などの副作用は懸念されていますが、治療的効果が期待されています。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/17/canntrust-launching-trial-testing-cannabidiol-capsules-als-treatment/
IONIS-SOD1Rxの第1/2相試験
・ALS NEWS TODAYの7月18日付記事からです

▽Biogen社とIonis製薬のALS治療薬候補であるIONIS-SOD1Rxの動物実験での有効性を示す結果がThe Journal of Clinical Investigation誌に公表されました。

▽現在IONIS-SOD1Rxは第1/2相試験が患者募集中となっています。84名を対象としたプラセボ対照試験です。

▽IONIS-SOD1Rxはアンチセンス・オリゴヌクレオチドであり、変異SOD1遺伝子のmRNAをターゲットとしており、異常SOD1蛋白質の発現を阻害することで治療的効果を発揮することが期待されています。

▽動物モデルでは、SOD1蛋白質に起因した病態を改善させる効果が確認されました。ヒトにおいても、同様の有効性を発揮することが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/18/phase-1-2-trial-testing-ionis-sod1rx-als-launched/
抗てんかん薬がALSモデル動物において神経保護作用
・ALS NEWS TODAYの7月19日付記事からです

▽Neurobiology of Disease誌に掲載された報告によると、抗てんかん薬の一種であるpetinutin由来化合物がALSモデル動物において神経保護作用を有することが確認されました

▽これまでに、抗てんかん薬であるエトスクシミドが動物モデルにおいて神経保護作用を有することが報告されていました。しかしながら、神経保護作用を発揮するためには、高用量が必要であるとの問題点がありました

▽今回、リバプール大学の研究者らは、類似化合物で、低用量で効果を発揮できる物質をALS線虫モデルを用いて探索しました。

▽その結果、petinutinの活性代謝物であるMPSが、低用量においても神経保護作用や運動機能の改善効果、生存期間の延長効果を有することが分かりました。MPSはエトスクシミドの100倍の治療活性を有するとのことです

▽今後の実用化に向けての研究進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/19/antiepilectic-compound-mps-neuroprotective-als-worm-model-als-study/
リルゾール併用下イブジラストの第2相試験において機能改善を示唆する結果
・ALS NEWS TODAYの7月11日付記事からです

▽MediciNova社のALS治療薬候補であるイブジラストですが、第2相試験においてリルゾール併用下において機能改善やQOL改善効果を有する可能性を示唆する結果が報告されました

▽ボストンとニューヨークで患者募集されている第1/2相試験では、高用量(100mg)が使用される予定です

▽今回報告された事後解析では、既に終了したイブジラスト60mgとリルゾール100mg併用下で行われたプラセボ対照の第2相試験において、発症後早期で非侵襲的人工換気を使用していない患者群31名と、非侵襲的人工換気を使用中の39名の患者群39名とのサブグループが、プラセボ群と比較されました。

▽その結果、いずれの群も、症状が変化なしないし改善の割合において、プラセボ群より有意に良好な結果であったとのことです。ただしこの結果については、投薬期間が短いため、確定的なことは言えない状況です。

▽同社は今後の臨床試験の方向性などについてFDAと協議する予定としています

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/11/phase-2-als-trial-shows-ibudilast-rilutek-improves-function/
新規臨床試験情報(L-serine)
・アメリカでの新規臨床試験情報です。

・ALSに対するL-serineの安全性と有効性に関する第2相試験が開始予定です。

・オープン試験で行われ50名を対象に、6ヶ月間、L-serine 30g/日投与され、その後1年間経過観察される予定です。

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03580616
レボシメンダン(ODM-109)第3相試験募集開始
・アメリカ、スウェーデン、ベルギー、スペインの4カ国12施設において、レボシメンダンのALSの呼吸機能に対する有効性に関する第3相試験が募集開始となりました。今後さらにオーストラリアやヨーロッパで患者募集が開始予定となっています。

・プラセボ対照で行われ、48週間、レボシメンダン1ないし2mg投与により呼吸機能改善がみられるかどうかが評価されます。合計約450名の患者がエントリー予定となっています

・レボシメンダンは慢性心不全急性増悪期の治療薬であり、筋肉のカルシウム感受性を向上させることによる治療的効果が期待されています。

引用元
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03505021
FDAがALSの唾液分泌過多に対してXeominを承認
・ALS NEWS TODAYの7月5日付記事からです

▽FDAはMerz Neuroscience社のボツリヌス毒素製剤であるXeominをALSにおける唾液分泌過多に対して承認しました

▽この承認は第3相試験の結果に基づくもので、184名の唾液分泌過多患者を対象にプラセボ対照で行われました。36名がプラセボ投与、74名が75単位のXeomin投与、74名が100単位のXeominを投与されました。

▽その結果、4週後において、100単位Xeomin投与群では、プラセボ群と比較して有意な唾液分泌量の減少が観察されました。副作用出現率もプラセボと有意差なく、安全性についても確認されました。

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/06/fda-approves-xeomin-excessive-drooling-adults/
Skyhawk社とCelgene社がALS治療法開発のため提携
・ALS NEWS TODAYの7月3日付記事からです

▽Skyhawk社とCelgene社がALSなどの神経変性疾患に対する治療法開発のため、5年間提携を結ぶことを公表しました

▽両社はエクソン・スキッピング誘導治療薬の開発を進めており、異常蛋白質生成の原因となる異常RNAの発現を阻害することにより、病態改善を目指しています。

▽Skyhawk社はこの分野において先進的な技術を有しており、Celgene社はSkyhawk社に提携後の特許使用料などとして6000万ドルを支払う予定です。両社の協力により創薬が促進することが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2018/07/03/skyhawk-celgene-collaborate-develop-innovative-therapies-als-other-diseases/
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