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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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新規臨床試験情報(CK-2127107)
・ALS NEWS TODAYの7月28日付記事からです

▽Cytokinetics社はALS治療薬候補のCK-2127107の第2相試験の開始をアナウンスしました

▽この試験はプラセボ対照で12週間、合計450名のALS患者を対象に行われる予定です。

▽CK-2127107は次世代の骨格筋トロポニン活性化剤であり、カルシウム放出を減少させ、骨格筋の収縮性を増加させる効果が期待されています

▽同社のALS治療薬候補としてはtirasemtivがありますが、同じ骨格筋をターゲットにしていながら作用機序が異なるようです。良好な結果が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/28/als-therapy-candidate-ck-2127107-starts-phase-2-clinical-trial-developer-cytokinetics-announces/
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BrainStorm社のNurOwn細胞第3相試験にカリフォルニア大学Irvine Medical Centerが参加
・BrainStorm社のPress Releaseからです

・BrainStorm社がアメリカで実施予定のNurOwn細胞の第3相試験にカリフォルニア大学Irvine Medical Centerが参加することが公表されました

・すでに、マサチューセッツ総合病院とCalifornia Pacific Medical Centerが参加決定しており、第3相試験の実施はFDAと治験審査委員会の開始決定承認待ちとなっています

引用元
http://ir.brainstorm-cell.com/phoenix.zhtml?c=142287&p=RssLanding&cat=news&id=2288453
C9orf72遺伝子変異ALSの病態発現機序の一部を解明
・ALS NEWS TODAYの7月25日付記事からです

C9orf72遺伝子のイントロン領域の6塩基繰り返し配列の過剰伸長は、家族性ALSと前頭側頭型認知症の病因になることが知られています

▽今回、研究者らは過剰伸長によりDNAが損傷を受けやすい状態となり、細胞修復機構の過活動状態が生じ、この過活動状態が神経細胞死をもたらすことを明らかにしました

▽この研究結果は最新号のNature Neuroscience誌に公表されました。

▽DNAの過剰伸長部位が、RNAとの相互作用によりR-loopsと呼ばれる構造を形成することがわかりました。このR-loops構造は損傷を受けやすく、そのために細胞修復機構としての自食作用の過剰活性化が生じます

▽自食作用は異常な分子の排泄機構として機能しますが、過剰に活性化した場合、細胞死をもたらしうることになります。

▽DNA修復機構を調整することにより、神経細胞損傷を防ぐことが可能と考えられ、将来の治療法開発に有望な戦略となりうる可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/25/als-study-shows-how-excessive-dna-repetitions-trigger-neuron-deaths/

BrainStorm社が第3相試験の実施に向けて約18億円の資金を獲得
・ALS NEWS TODAYの7月24日付記事からです

▽NurOwn細胞の第3相試験実施の準備を進めているBrainStorm社ですが、このたび、第3相試験の実施に向けてCalifornia Institute for Regenerative Medicineより約18億円の資金を獲得したことを公表しました

▽第3相試験は、約200名の患者を対象に、アメリカの6つの治療施設で行われる予定です。第3相試験は、FDAと治験審査委員会の最終的な賛同が得られた後に開始予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/24/brainstorm-wins-16-million-dollar-california-grant-for-trial-of-its-als-stem-cell-therapy-nurown/
ALSに関連した有害蛋白質の凝集を阻害する内因性機構の発見
・ALS NEWS TODAYの7月21日付記事からです

▽ノースカロライナ医科大学の研究者らが最新号のNature Communications誌に公表した研究結果によると、TDP-43蛋白症による病態を阻害しうる内因性機構の一部が明らかになりました

▽TDP-43は神経細胞において遺伝子発現や蛋白質生成を調整する機能を有しています。このTDP-43が凝集体を形成することにより、神経細胞にとって有害な作用をもたらすと考えられています

▽TDP-43蛋白質の凝集体は、ALSや孤発性封入体筋炎などで観察されています。研究者らは孤発性封入体筋炎のモデルマウスの筋肉細胞を用いて、TDP-43蛋白質凝集に拮抗しうるメカニズムについて調べました

▽TDP-43蛋白質はアセチル化により機能を喪失し、凝集体を形成しはじめます。TDP-43蛋白質のアセチル化を促進させることにより、TDP-43蛋白質の凝集が生じ、ミトコンドリア機能が障害され、筋肉細胞で炎症反応が生じることが確認されました

▽一方でHSF1(heat shock factor 1)とよばれる蛋白質の活性を高めることにより、TDP-43蛋白質の凝集が阻害され、モデルマウスの筋力低下が改善することが明らかになりました

▽研究者らは、今後ヒトの封入体筋炎患者やALS患者において、HSF1を介した凝集阻害経路を活性化する方法を実用化し、治療的有用性を確認したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/21/als-researchers-find-natural-mechanism-to-prevent-harmful-tdp-43-protein-clumping/
抗レトロウイルス製剤(Triumeq)の第2a相試験が募集終了し進行中に
・ALSに対する抗レトロウイルス製剤(dolutegravir 50mg, abacavir 600mg, lamivudine 300mgの合剤)の安全性についての第2a相臨床試験が全ての患者募集を終了し、進行中となりました

・この臨床試験では、40名の患者を対象にオープン試験で行われ、24週間での投薬の安全性が確認される予定です。

・来年には全ての結果が公表可能となる予定です

https://clinicaltrials.gov/show/NCT02868580
ボストンとサンフランシスコの病院がNurOwnの第3相試験に参加
・ALS NEWS TODAYの7月19日付記事からです

▽マサチューセッツ総合病院と California PacificメディカルセンターがBrainStorm社のNurOwn細胞のALSに対する有効性に関する第3相試験に参加することが明らかになりましTあ

▽BrainStorm社はこれまでに、アメリカとイスラエルでNurOwn細胞に関する合計3つの臨床試験を終了し、75名が参加しています。

▽アメリカでの第2相試験では、一部の患者において6ヶ月間病態進行の停止がみられ、安全性が確認されました

▽第3相試験は今年中に開始予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/19/boston-and-san-francisco-hospitals-to-take-part-in-phase-3-clinical-trial-of-nurown-for-als/
NP001の第2相試験のエントリーが終了
・ALS NEWS TODAYの7月17日付記事からです

▽Nueraltus社はALSに対するNP001の第2相試験の全ての患者募集が終了したことを公表しました。

▽既に行われた第2相試験において、炎症反応が高いサブグループにおいて、NP001の有効性が高いことを示唆する結果が得られたことから、今回の臨床試験では、高感度CRPが一定以上の、炎症反応が高い患者を対象にしています。

▽試験はプラセボ対照で6ヶ月間で行われ、来年上半期には全ての結果が出揃う予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/17/neuraltus-wraps-up-enrollment-in-confirmatory-phase-2-study-of-np001-for-als/
研究者らが思考のみで演奏できる楽器を開発
・ALS NEWS TODAYの7月18日付記事からです

▽ワシントン大学の研究者らは、脳波を用いて、脳活動のみで演奏可能な楽器を開発しました

▽Encephalophoneとよばれるこの装置は、脳波のミューリズムと呼ばれる波形を読み取り、音に変換するものです

▽脳波を読み取る帽子を装着し、目を閉じて動作場面を想像します。この際に生じる脳波を音に変換します。

▽15名の被検者でテストを行ったところ、事前のトレーニングがなくても音楽を奏でることができたとのことです

▽今後リハビリ場面などでの臨床応用にむけての臨床試験も予定されているとのことです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/18/researchers-invent-musical-instrument-that-als-patients-can-play-with-their-mind/
変異TDP-43蛋白質単独では運動神経変性に不十分な可能性
・ALS NEWS TODAYの7月12日付記事からです

▽最新号のPLoS One誌に公表された研究結果によると、TDP-43蛋白症を再現するショウジョウバエによる基礎実験において、変異TDP-43蛋白質単独では病態発現に不十分で、その他の要因が関与している可能性を示唆する結果がえられました

▽これまで変異TDP-43蛋白質が凝集し、病態発現の引き金になると考えられていました。しかし、このアイデアでは、同一の遺伝子変異を有する家族において、発症時期が全く異なる場合があることを説明することはできませんでした

▽その他の要因が関与する可能性もあり、研究者らはこの観点から実験を進めました。これまでの動物モデルでは変異TDP-43蛋白質の発現量が多いモデルが用いられていましたが、今回は発現量がもともとの内因性TDP-43蛋白質の発現量と同等になるようなモデルが用いられました。

▽その結果、変異TDP-43蛋白質の凝集は観察されず、病態進展も観察されませんでした。変異TDP-43蛋白質は神経細胞においてリン酸化され、ユビキチン依存性のプロテアソーム系により処理されていました。

▽以上の結果は、変異TDP-43蛋白質の存在のみでは病態発現には不十分であり、その他の要因が関与している可能性を示唆するものです

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/12/insect-study-mutant-tdp-43-protein-als/
脊髄の炎症がALSにおける運動神経変性を説明しうる可能性
・ALS NEWS TODAYの7月13日付記事からです。日本大学の研究グループによる報告です

▽最新号のNeurochemistry International誌に掲載された研究結果によると、ALSモデルマウスなどでの研究により、プロスタグランジンE2を介した炎症経路が神経細胞変性における病態に関与している可能性が示唆されました

▽これまでに、孤発性ALS患者の髄液中や血漿中のプロスタグランジンE2(PGE2)濃度上昇が報告されており、PGE2の病態への関与が考えられていました

▽今回、研究者らは、PGE2の4つの受容体EP1からEP4までに着目し、病態への関与を調べました。その結果、ALSモデルマウスの運動神経細胞においては、EP2受容体発現量が高いことがわかりました

▽運動神経細胞モデルであるNSC-34細胞においてもPGE2が増加した場合、PGE2を介したシグナルが、EP2受容体の発現量を増加させ、さらに細胞死をもたらすことが明らかになりました

▽ALSの病態においてEP2を介したシグナル経路が運動神経細胞死において関与している可能性があります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/13/spine-inflammation-might-explain-why-motor-neurons-die-in-als-patients/
iPS細胞からアストロサイトを効率的に培養(九大)、核酸医薬のスピード承認へ
・たまさんよりご提供いただいた話題です

・九大のグループがiPS細胞からアストロサイトを効率的に培養することに成功しました
引用元
https://www.nishinippon.co.jp/sp/nnp/national/article/333764/

・アストロサイトはALSの病態に関与するグリア細胞として注目されており、研究の進展に寄与することが期待されます

・核酸医薬のスピード承認に向けての体制が整いました
引用元
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ03HDX_T00C17A7000000/

・ALSに関連する核酸医薬としては、現在基礎研究中のSOD1変異ALSに対するエクソンスキッピング誘導治療薬などがあり、家族性ALSに対する治療薬として今後開発される可能性があります

・たまさん、ありがとうございました
NurOwn細胞の第3相試験の実施に向けて進展
・ALS NEWS TODAYの7月7日付記事からです

▽現在ALSに対する自家幹細胞移植の第3相臨床試験を準備中のBrainStorm社ですが、新薬開発業務受託機関として、これまで臨床試験の実施経験の豊富なWorld Clinical Trials社と協定を結びました

▽この協定により、アメリカとイスラエルにおいて実施予定のプラセボ対照の第3相試験に必要な、全ての準備が整う予定です

▽既にBrainStorm社は全米に供給するNurOwn細胞の製造拠点としてCity of Hopeの研究施設を準備しており、第3相臨床試験実施に向けての体制が整いつつあります

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/07/als-phase-3-trial-for-nurown-to-be-managed-by-worldwide-clinical-trials/
新規臨床試験情報(FLX-787)
・ALSを含む運動神経病に伴う筋痙攣に対するFLX-787の有効性と安全性についての第2相試験がアメリカで開始予定となっています

・プラセボ対照で、合計120名で行われる予定です

・FLX-787はTRPA1/TRPV1の活性化作用を有し、有痛性の筋痙攣に対する有効性が期待されています

引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03196375
筋痙性に対する治療薬としてのDysport普及のためIpsen社とSaol社が協定
・ALS NEWS TODAYの7月10日付記事からです

▽Ipsen社とSaol社は四肢の痙性に対する治療薬であるDysport(ボツリヌス毒素A型)の普及のため協定を結びました。痙性はALSにおいてしばしばみられる症状です

▽Dysportは成人の下肢の痙性に対する治療薬としてFDAから今年の6月に承認を得たばかりです

▽両社は痙性に対する治療選択枝としてのDysportを臨床家に周知するための教育活動を行う予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/10/ipsen-and-saol-partner-to-promote-dysport-for-spasticity-common-in-als-patients/
核外輸送アダプター阻害によりC9orf72変異ALSの病態が緩和
▽家族性ALSの主な病因としてC9orf72遺伝子の6塩基繰り返し配列の過剰伸張がしられています。遺伝子変異の産物であるジペプチド繰り返し蛋白質が有害作用をもたらしますが、どのようにしてこれらが核外に輸送されるかはよくわかっていません

▽今回、研究者らは核外輸送アダプター蛋白質であるSRSF1を除去することにより、C9orf72遺伝子変異モデル動物の病態が緩和することをみいだしました

▽病態緩和効果は、SRSF1を除去した場合のみならず、SRSF1とNXF1との相互作用を阻害した場合にも、同様の効果がえられ、C9orf72遺伝子の病的な転写産物と、ジペプチド繰り返し配列蛋白質の産生が減少し、神経毒性が緩和しました。

▽以上の結果は、SASF1阻害が、NXF1依存性の核外輸送を阻害し、病態緩和効果を有する可能性を示唆しており、今後の治療的応用が期待されます

(この研究は、イギリス、University of SheffieldのHautberqueらにより報告され、平成29年7月5日付のNature Communications誌に掲載されました)

AAV10-U7による遺伝子治療によりモデルマウスの生存期間延長
▽SOD1変異家族性ALSに対する治療的アプローチとして有望な方法は、変異SOD1遺伝子発現を抑制することです

▽今回、研究者らは、SOD1変異ALSモデルマウスにおいて、持続的に変異SOD1遺伝子の発現を抑制する新規手法を開発しました

▽この手法は、アデノ随伴ウイルス血清型rh10(AAV10)を遺伝子ベクターをして用い、修正型U7核内低分子RNAを用いて、SOD1遺伝子エクソン2に対するアンチセンス配列を注入し、エクソンスキッピングを誘導するものです。

▽この手法により、モデルマウスの生存期間延長効果が観察されました(生下時に注入した場合92%、生後50日齢では58%)。今後の治療的応用が期待されます

(この研究は、フランス、Sorbonne UniversitésのBiferiらにより報告され、平成29年6月26日付のMolecular Therapy誌に掲載されました)
ALSモデルマウスにおいて蛋白質受容体阻害が治療的効果
・ALS NEWS TODAYの7月5日付記事からです

▽Neuropharmacology誌に掲載された研究結果によると、SOD1変異ALSモデルマウスにおいて、グルタミン酸受容体の一種を阻害することが治療的に有効であることがわかりました

▽この受容体は、代謝型グルタミン酸受容体5(mGluR5)であり、この受容体遺伝子をノックダウンし、発現量を低下させることにより、モデルマウスの発症遅延と生存期間延長効果がみられることが明らかになりました

▽さらに、運動神経細胞もmGluR5発現低下により保持され、アストロサイトやミクログリアなどの活性も正常に近い状態に保持されることがわかりました

▽研究者らはグループIに属する代謝型グルタミン酸受容体(mGlu1およびmGlu5)阻害がモデルマウスに対して治療効果を有することを報告しており、今後治療法開発につながることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/07/05/reducing-activity-of-protein-receptor-improves-als-like-disease-in-mice/
新技術により折り畳み異常蛋白質に対する酵素の分子レベルでの機構が明らかに
・ALS NEWS TODAYの6月28日付記事からです

▽ミシガン大学の研究者らは、クライオ電子顕微鏡とよばれる新技術を用いて、折り畳み異常蛋白質の構造異常を是正する酵素であるHsp104がどのように機能するかを調べました

▽この研究は最新号のScience誌に掲載されました

▽研究者らは、Hsp104が折り畳み異常蛋白質を中心のチャネルから引き込み、蛋白質の折り畳み異常を是正するプロセスを開始することを見出しました

▽蛋白質はポリペプチドとよばれる構造を有しており、Hsp104は、ラチェットのようにポリペプチドを引き込み、折り畳み異常を起こしたポリペプチドの凝集体から一つのポリペプチドの折り畳み異常をほどき、そのポリペプチドが正常な折り畳み構造を回復したり、あるいは細胞の蛋白質分解機構により代謝されること過程へと導くことがわかりました。

▽ALSなどの神経変性疾患においては、蛋白質の折り畳み異常が病態進展の引き金になると考えられており、折り畳み異常を起こした蛋白質は、他の正常構造の蛋白質の折り畳み異常を誘発しうると考えられています。

▽この折り畳み異常が、Hsp104のどのような構造により是正されるかが解明されることは、今後の治療法開発にとって有用な知見となる可能性があります。

▽さらにHsp104の機能を高めるような分子的操作についても研究されており今後の研究の進展が期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2017/06/28/als-related-researchers-get-an-almost-atom-level-view-of-how-misfolded-proteins-are-fixed/
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