▽BrainStorm社は、カナダの再生医療研究の非営利団体であるCCRMとNurOwn細胞の提供について協定を結びました
▽BrainStorm社はCCRMと協力し、カナダにおけるALSに対するNurOwn細胞の早期承認を目指すことになります
▽既に行われた臨床試験の結果をもって、承認申請を行う見込みであり、順調にいけば、2018年早期にも、カナダでの認可と販売開始を目指したいとしています
引用元
http://ir.brainstorm-cell.com/phoenix.zhtml?c=142287&p=RssLanding&cat=news&id=2247581
▽脳表に外科的にセンサーを取り付け、大脳皮質の活動を読み取り、コミュニケーションに応用するブレイン・コンピュータ・インターフェースの最近の進展についての報告がelife誌に公表されました
▽このインターフェースはBrainGate interface(BCI)とよばれ、脳波を読み取り、解析を行い、ロボット義足や、車椅子、カーソルなどの操作を行うものです
▽今回の報告では、ALS患者と脊髄損傷患者の症例が報告されました。患者は、スクリーン上のカーソルを操作し、クリックすることで、文章を打ち込むなどが可能となったとのことです
▽入力速度は1分間に最大8単語程度であり、これまでのどんなツールよりも速い入力速度を達成することができたとのことです。
▽現在最新型のBrainGate2による臨床試験が患者募集中となっています。今後はより利便性の高いツールとして一般に提供したいとしています
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/23/study-shows-brain-computer-interface-allows-als-patients-to-type-much-faster/
▽4月にボストンで開催予定のアメリカ神経学会年間で公表予定のHanover大学の研究者らの研究によると、魚からの水銀摂取がALS発症リスクと関連があるかもしれないとのことです
▽FDAは妊婦と子供に対して、サメやメカジキの摂取を控えるように推奨しています。これらの魚は水銀含有量が比較的高いことが知られています。一方で、不飽和脂肪酸が豊富であり、水銀含有量が比較的少ないサーモンやいわしは週に2,3回摂取することを推奨しています
▽今回の後方視的な観察研究では、294名のALS患者と224名の健常者が調査対象となり、食事からの水銀摂取量が推測されました
▽その結果、水銀摂取量が上位25%に入る群については、下位の群と比較してALS発症リスクが約2倍になったとのことです。
▽後方視的な観察研究のため、結果の信頼性は高いものではありませんが、これまでも同様の報告がなされており、今後の検証を要する課題といえます
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/22/las-linked-consumption-fish-seafood-high-mercury/
▽合計100名のALS患者が対象となり、瞑想施行群と、非施行群にランダムに割付られました。瞑想トレーニングは8週間行われ、非施行群とQOLなどについて比較されました。
▽その結果、瞑想トレーニング施行群においてはQOL尺度や不安尺度などにおいて有意な向上が認められました。ALSに対する心理的介入は、QOL改善に有効である可能性があります
(この研究は、イタリア、Università Cattolica del Sacro CuoreのPagniniらにより行われ、平成29年2月23日付のEuropean Journal of Neurology誌に掲載されました)
▽BP投与は、発症遅延効果は認めませんでしたが、生存期間の延長効果を認めました。BP投与はアポトーシス抑制により運動神経細胞死を減少させました。
▽BPは炎症抑制、酸化的ストレス減弱作用により、神経保護作用を発揮する可能性があり、今後の治療的応用が期待されます
(この研究は、中国、Shanghai Jiao Tong UniversityのZhouらにより報告され、平成29年2月22日付のCNS neuroscience & therapeutics誌に掲載されました)
▽Microsoftの研究者が明らかにしたところによると、今年の5月のコロラドでの会議において、スマートフォンを用いた眼球運動によるコミュニケーションを可能にするアプリであるGazeSpeakが公表される予定とのことです
▽スマートフォンをかざし、カメラを患者に向けることにより、患者の眼球運動を読み取り、上下左右の眼球運動の向きに応じて単語を抽出します。
▽文字盤を使用する方法と比較して40%程度時間短縮が期待できるとのことです
▽これまでは眼球運動追跡装置は高価でしたが、スマートフォントとアプリを用いる方法により、より簡便で安価にコミュニケーションを実現しうることになります
▽Appleのapp storeにおいてもGazeSpeakは登場予定とのことです
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/21/microsoft-app-helps-people-with-als-speak-using-just-their-eyes/
▽研究者らはRNAを分解する過程の効率を測定する新規手法を開発しました。ALSなどの神経変性疾患においては異常なRNAの過剰産生が病態に関与しているといわれており、今回の手法はRNAの分解を促進しうる薬剤のスクリーニングに応用できるのではないかと期待されています
▽最新号のRNA誌に掲載された報告によると、異常RNAが産生された場合、ナンセンス変異依存mRNA分解機構(NMD)と呼ばれる分子機構が一部の異常RNAの分解に関与していることがしられています
▽NMDの活性を効率的に測定する方法は、これまで開発されていませんでした。当初研究者らはRNA分解機構を阻害ないし促進しうる物質の探索を行っていました。この探索過程において、新規手法がみつかりました(新規手法の詳細については明記されていませんでした)
▽タプシガルギンとよばれる物質が、NMDを阻害しうることはわかっていました。今回の新規手法により、タプシガルギンの作用は、PERKと呼ばれる分子を介することがわかりました。
▽TDP-43を除去した細胞においては、小胞体ストレスによる有害作用が増強します。しかしPERKを除去すると、TDP-43除去細胞における、小胞体ストレス応答による有害作用が緩和されました。
▽NMDの関与する病態において、今回の手法が薬剤開発に寄与することが期待されます
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/20/new-method-to-measure-rna-decay-may-help-identify-als-treatments/
・京都大学などでiPS細胞を用いたALSの病態解明研究が進行中とのことです
引用元
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG15H0O_V10C17A2CR0000/
・ゲノム編集技術を用いた遺伝子修復などによる治療も研究されているようで、今後の進展が期待されます
・また慶應義塾大学でもiPS細胞から神経細胞を効率よく作成する技術を開発したとのことです
引用元
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG13HGT_T10C17A2CR8000/
・ALSなど神経変性疾患の病態解明が期待されます
・かなくんさん、ありがとうございました
・CC100の第1相試験であり、21名のALS患者を対象に、プラセボ対照で行われます。
・CC100は小分子で経口投与されるようですが、作用機序など詳細は少し調べましたが、現段階ではわかりませんでした
・現在患者募集中であり、良好な結果が期待されます
引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03049046
▽合計120名の患者を対象に行われているNeuraltus社のNP001の第2相試験ですが、現段階で50名の患者のエントリーが終了したことが公表されました
▽2017年半ばには全ての患者のエントリーを終了したいとしています。
▽投薬期間は半年間であり、呼吸機能の改善効果がみられるかどうかなどが検証されます。これまでに行われた臨床試験の結果では、炎症反応の高い患者においては、ALSの進行遅延効果がみられたことが報告されています。
▽そのため、現在実施中の第2相試験では、ベースラインの高感度CRPが一定値以上の患者が対象となっています
▽良好な結果が期待されます
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/13/neuraltus-pharmaceuticals-enrolls-50-of-120-patients-it-seeks-for-als-treatment-study/
▽VM202は、HGF(hepatocyte growth factor)の2種類のアイソフォームをコードするプラスミドDNAであり、筋注で投与されます
▽18名の患者が様々な用量のVM202を上肢および下肢に合計4回(上肢下肢交互に2回ずつ)、3週間の間で筋注され、その後9ヶ月間経過観察されました
▽その結果、重大な副作用はなく、安全性が確認されました
▽ALSFRS-Rの変化量については、1ヶ月あたり-0.76点から-1.06点で推移しましたが、最大の効果が見込める投与開始2ヶ月目においては、約50%の患者が約1ヶ月間の経過で進行がほぼ停止した状態でした。3ヶ月目では約25%でした。
▽今後、さらに繰り返し投与などによる有効性なども検証したいとしています
引用元
http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21678421.2016.1259334
▽今回、経口投与可能なrho kinase阻害薬であるFasudilの有効性を、発症後のSOD1変異ALSモデルマウスにおいて検証しました
▽Fasudilを80日齢より投与開始したところ、運動機能の有意な改善がみられました。また脊髄におけるミクログリア浸潤なども改善がみられました。
▽Fasudilはくも膜下出血術後の脳血管攣縮などに対して保険適応されている薬剤であり、今後の臨床研究での検証が期待されます
(この研究は、ドイツ、Technische Universität DresdenのGuentherらにより報告され、平成29年1月31日付のFrontiers in Pharmacology誌に掲載されました)
・フランスでALSに対する第2相臨床試験が予定されており、低用量IL-2の有効性などを検証するものです。
・プラセボ対照の二重盲検で行われ合計216名がエントリー予定となっています。18ヶ月間の予定で、リルゾール投与群、低用量IL-2投与群、プラセボ群で比較されます
・2017年4月から開始予定となっています
引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT03039673
▽スイスの製薬会社であるGeNeuro社はアメリカ国立衛生研究所の関連機関であるNINDSと共同で、ALS治療薬候補となる新規抗体開発に着手しました
▽GeNeuro社は、ヒト内因性レトロウイルスの被殻蛋白質の活性を阻害する抗体を開発し、NINDSが動物実験を行う予定となっています
▽この治療戦略は、最近ALSにおいて、内因性レトロウイルス関連遺伝子の活性化が報告され、治療対象となりうるのではないかと考えられていることによります。
▽今後動物実験により有効性を検証したいとしています
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/08/geneuro-signs-crada-agreement-with-nih-to-develop-novel-antibody-treatment-for-als/
▽研究者らは、EphA4受容体をターゲットとする新規分子である123C4を開発しました
▽最新号のCell Chemical Biology誌において報告されました。これまでに研究者らは、ALSの病態においてEphA4受容体が、病態を変化させる機能を有することを報告してきました
▽EphA4受容体の発現量を低下させたALSモデルマウスにおいては、生存期間の延長効果があることが報告されています
▽これまでにEphA4受容体を薬理学的に阻害しうる物質は同定されていませんでした。今回の発見により、123C4がALSの新たな治療薬候補となることが期待されています
▽研究者らは10万種類を越える化合物からEphA4受容体を阻害しうる物質を探索し、選択的にEphA4受容体に結合しうる123C4を開発しました
▽123C4をALSモデルマウスに投与したところ、生存期間の延長効果が確認されました。123C4の薬理作用には不明な点もあり、今後さらに123C4類似物質の開発を進め、治療薬候補を開発したいとしています
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/10/researchers-show-how-lou-gehrigs-disease-progression-could-be-delayed/
・京都大学iPS細胞研究所において、運動神経細胞をiPS細胞などから簡便に作成する技術が開発されたとのことです。
引用元
http://s.news.mynavi.jp/news/2017/02/03/384/index.html
・これらの技術により、患者由来iPS細胞を用いた治療法開発の研究がさらに進展することが期待されます
・麦酒王さん、ありがとうございました
▽運動神経細胞モデルであるNSC-34細胞を、ALS患者由来の髄液に暴露し、その後にVEGFを投与しました
▽髄液暴露後においては、TDP-43およびFUS蛋白質の細胞質への異常局在化が観察されました。しかし、その異常局在化はVEGF投与により抑制されました
▽同時に核膜の形態的異常なども改善しました。しかしながら、凝集蛋白質の細胞質への異常局在化は完全には正常化はしませんでした。
▽以上の結果は、VEGFがTDP-43およびFUSに起因した病態を緩和することができる可能性を示唆しており、今後の治療的応用が期待されます
(この研究はインド、National Institute of Mental Health and Neuro SciencesのShantanuらにより報告され、平成29年2月2日付のJournal of Chemical Neuroanatomy誌に掲載されました)
・以下となります
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000029464
・東大の郭研究室のHPからもリンクされていることから、昨年来予定されていた臨床試験と思われます
・すでにこちらの記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-785.html)にてご紹介していますが、結果が論文として公表されたため、記事になっています
▽Nogo-A受容体抗体であるozanezumabですが、第2相臨床試験の結果は残念なものとなりました
▽合計300名以上の患者が参加し、二重盲検で行われ、46週間投与が行われました。約1年間の投与後に有効性に関してプラセボとの有意差はみられませんでした
▽Nogo-A受容体はALSの治療対象としては適切ではない可能性があります
引用元
https://alsnewstoday.com/2017/02/03/ozanezumab-fails-to-benefit-als-patients-in-phase-2-clinical-trial-study-reports/
▽最新号のPLoS Biology誌に掲載された報告によると、4名の閉じこめ症候群の状態にあるALS患者が、非侵襲的なブレイン・コンピュータ・インターフェースにより意思疎通が可能となりました
▽この装置は頭部に装着するもので、電極と、近赤外スペクトロスコピーを用い、脳表面の血流変化などを探知し、思考状態を読み取るものです
▽患者は、質問に対して、ハイかイイエの回答を想像することにより、装置が思考を読み取りますが、10回中9回の施行で、同じ回答が得られたとのことです。
▽これまでの脳表面に電極を装着する技法とことなり、侵襲性がないことから、今後の臨床応用が期待されます
引用元
http://www.livescience.com/57710-locked-in-syndrome-patients-talk-using-mind.html