・臨床試験では、Brainstorm社のNurOwn細胞のアメリカでの第2相試験の結果が、劇的とまではいかないものの、希望がもてるものでした(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1061.html)。今後第3相試験でどうなるかはわかりませんが、来年にも予定されている第3相試験の結果が良好であることを期待します
・再生医療領域では、ゲノム編集技術を用いて、遺伝子的に改変された幹細胞を移植する臨床試験が開始予定です(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1134.html)。これまでにない新たなアプローチで、今後発展が期待される分野であり、期待されます。またQ therapeutics社のQ cell(オリゴデンドロサイトと アストロサイトに分化誘導された幹細胞)移植の臨床試験も開始予定(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1127.html)であり、新たなタイプの幹細胞であり、結果が期待されます
・遺伝子治療では、ISIS社のアンチセンス・オリゴヌクレオチド製剤がSOD1変異家族性ALSに対して臨床試験開始となっています(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1056.html)。既にデュシャンヌ型筋ジストロフィーに対するアンチセンス製剤が今年世界で初めてFDA承認を受けており、今後の発展が期待される分野です
・現在進行中のCu-ATSMの臨床試験(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1141.html)、内因性のレトロウイルス活性化をターゲットとした抗レトロウイルス剤による臨床試験(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1104.html)などについても、新たな視点からの治療法であり、結果が期待されます
・抗てんかん薬のペランパネルについても話題となりました(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1045.html)。臨床試験はまだ開始となっていませんが、予定されているようですので、今後の進展に期待したいところです
・患者申出療養制度も動き出しました。癌治療については既に適応が始まっています(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1109.html)。条件は厳しいですが、未承認薬にアクセスすることが可能となる選択枝が増えたことは歓迎されます
・一昨年大きな話題となったアイスバケツチャレンジですが、ALS支援の輪が一時的なものとならないことを願います。さらに理解と支援の輪が拡大することが期待されます。
・皆様のご支援の御蔭で本年も当ブログの更新を継続でき、ありがとうございました。来年はさらに良いニュースをお伝えできることを期待します。どうぞよいお年をお迎えください。来年も何卒よろしくお願いいたします。
▽今回、研究者らは、DAOをエンコードした1本鎖AAVベクター9(ssAAV9)をSOD1変異ALSモデルマウスのクモ膜下腔内に投与し、治療的効果を検証しました
▽その結果、脊髄運動神経細胞喪失の減少、グリア活性化の減少および生存期間の延長効果が観察されました。これらの効果は、NF-κBの発現減少とAktリン酸化の回復によるものと考えられました
▽以上の結果は、ssAAV-DAO投与が治療的に有望な可能性があることを示唆するものです
(この研究は、中国、Second Hospital of Hebei Medical UniversityのWangらにより報告され、平成28年12月26日付のNeurochemical research誌に掲載されました)
▽シクロフィリンAは細胞内では有益な作用を発揮しますが、細胞外においては有害作用を有することがしられています。
▽今回、研究者らはALSの神経炎症において細胞外シクロフィリンAが重要な役割を果たすことを発見しました。細胞外シクロフィリンAはマトリックスメタロプロテアーゼ9の誘導作用を有し、運動神経細胞に選択的な毒性を発揮します
▽SOD1変異ALSモデルマウスおよび孤発性ALS患者の髄液中において高濃度のシクロフィリンAが検出されています。
▽細胞外シクロフィリンAの選択的阻害薬であるMM218を発症時点のSOD1変異ALSモデルマウスに投与したところ、運動神経保護作用と生存期間延長作用がみられました。また炎症促進性マーカーの減少や小胞体ストレスの減少、不溶性TDP-43の減少などが観察されました。
▽以上の結果は、細胞外シクロフィリンAがALSの治療ターゲットとして有望である可能性を示唆するものです
(この研究は、イタリア、 IRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのPasettoらにより報告され、平成28年12月23日付のJournal of Neuroscience誌に掲載されました)
▽Evotec社とCelgene社はALSなど神経変性疾患の根本治療薬開発のため協定関係を結ぶことを公表しました
▽Evotec社はiPS細胞作成技術を有しており、このiPS細胞を用いて、Celgene社が開発中の治療薬候補がスクリーニングされる予定となっています
▽Evotec社の主任研究員は、既存の薬剤開発においては、適切な疾患モデルがなかったことも失敗の一因であったと考えており、iPS細胞を用いることにより、より適切な新規治療法開発が可能になることが期待されると述べています。
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/12/22/evotec-celgene-partner-screen-therapies-als-diseases/
▽今回、研究者らは、17β-エストラジオールの神経保護作用と抗炎症作用をSOD1変異ALSモデルマウスにおいて調べました。
▽発症後のモデルマウスに17β-エストラジオールを投与したところ、運動機能の改善と、運動神経細胞の保護作用が観察されました。
▽インフラマソームに関連した蛋白質の発現減少や、IL-1βの発現減少が観察されました。以上の結果は、17β-エストラジオールが抗炎症作用によりALSにおいて治療的に有用である可能性を示唆するものです
(この研究は、ドイツ、RWTH Aachen UniversityのHeitzerらにより報告され、平成28年12月12日付のMolecular Neurobiology誌に掲載されました)
▽自己相補型AAVベクター9(scAAV9)は中枢神経への遺伝子注入の効率が良好であることがしられています。
▽今回、研究者らは、ヒトIGF1(insulin-like growth factor 1)をエンコードしたscAAV9をSOD1変異ALSモデルマウスに筋注し、治療的効果を検証しました
▽その結果、腰髄での運動神経細胞喪失の有意な減少と、生存期間の延長が確認されました。またDAO(D-amino acid oxidase)の発現増加がみられ、アポトーシスからの保護作用が示唆されました
▽以上の結果は、神経栄養因子による遺伝子治療が、治療的に有望である可能性を示唆するものです
(この研究は、中国、The Second Hospital of Hebei Medical UniversityのLinらにより報告され、平成28年12月19日付のMolecular Neurobiology誌に掲載されました)
▽今回、研究者らはアクリジン誘導体のいくつかを用い、それらがTDP-43の凝集に与える影響について調べました。その結果アクリジン誘導体の1つであるAIM4( [4,5-bis{(N-carboxy methyl imidazolium)methyl}acridine] dibromide)が酵母のALS細胞モデルにおいて、TDP-43凝集を有意に減少させることが明らかになりました
▽AIM4は将来的にALS治療薬として有望な可能性があります
(この研究はインド、Indian Institute of Technology HyderabadのPrasadらにより報告され、平成28年12月21日付のScientific Reports誌に掲載されました)
・iPS細胞とゲノム編集技術を用いて、患者自身の遺伝子異常を修復し、再び体内に戻すことで治療的効果を期待する技術が進展しています
引用元
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/feature/CO020891/20161212-OYTAT50014.html
・将来的にはALSにおいても、precision medicineの実現に寄与することが期待されます
・かなくんさんありがとうございました
▽2017年の目標として、NurOwn細胞の多国籍での第3相臨床試験の開始およびイスラエルで病院免除規定(Hospital Exemption)の申請を行いたいとしています
▽病院免除規定とは、EUやイスラエルなどにおいて、未承認薬剤へのアクセスを可能とする制度のようです
▽また、先ごろ終了した第2相臨床試験について、FDAと協議を行い、第3相試験の実施について同意を得たとのことです。第3相試験はアメリカとイスラエルの多施設で行われる予定で、2017年第2四半期にも患者募集を開始したいとしています
▽イスラエルにおいて病院免除規定の申請も予定しています。特定の病院施設において、未承認であってもNurOwn細胞の投与が可能となる制度のようです。
▽病院免除規定申請が承認された場合、2017年下半期にもこの規定によるNurOwn投与開始を行いたいとしています
引用元
http://ir.brainstorm-cell.com/phoenix.zhtml?c=142287&p=RssLanding&cat=news&id=2230460
▽ニューヨーク大学などの研究グループが最新号のCell Stem Cell誌に発表した結果によると、ES細胞を運動神経細胞に分化させる際のより詳細な分子機構が明らかになったとのことです
▽将来的に、ALSなど神経変性疾患において治療的に応用可能となることが期待されます。
▽3つの転写因子の発現量をコントロールすることで、幹細胞が様々な細胞に分化しますが、研究者らは、転写因子がどのように遺伝子に作用し、発現量に影響しているかをより詳細に観察しました
▽転写因子を調節することにより、研究者らは90-95%という高い効率で、幹細胞を運動神経細胞に分化させることに成功しました
▽分化過程において2つの独立したプロセスが機能していることがわかりました。1つは転写因子Isl1とLhx3が関与する経路であり、もう1つはNgn2が関与する経路です
▽これら分子機構の詳細が判明することにより、将来的に分化プロセスをさらに単純化させることができるのではないかということが期待されます。
▽また、これらの知見を元に、脊髄中の細胞を刺激し運動神経細胞に分化させることにより、ALSなどで失われた神経細胞に置換させるなど、将来的な技術の開発につながることが期待されています
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/12/16/study-of-motor-neuron-formation-may-advance-als-cell-therapies/
▽第27回国際ALS/MNDシンポジウムにおいてBrainStorm社のプレゼンテーションが行われました
▽この発表では、先ごろ結果の概略が報告された48名のALS患者を対象とした第2相臨床試験の結果が報告されたようです。
▽既に結果の主なところは記事(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-1061.html)にしていますが、移植患者群の髄液サンプルにおいて、神経成長因子の有意な増加と、炎症マーカーの有意な減少がみられたとのことです
▽また、治療開始前のALSFRS-Rの変化率と比較して、100%以上の改善(つまり進行がほぼ停止もしくは改善した)を示した患者が多くおり、進行がもともと遅い一群の患者を除外した場合、さらにこの傾向は強まったとのことです
▽具体的なデータは見ることができていませんが、今後の進展に期待したいところです
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/12/15/nurown-phase-2-clinical-trial-results-brainstorm-cell/
▽Brain Stimulation誌に硬膜外電極による運動野刺激の症例報告が掲載されました。
▽ALSにおいては、皮質神経細胞の過剰興奮性が存在することが報告されており、そのために神経細胞変性が生じると考えられています
▽この過剰興奮性を抑制できれば、病態改善効果が期待できるのではないかとの仮説の元、脳神経細胞を電気刺激することにより過剰興奮性が抑制され、治療的効果が得られるのではないかと考えられ、臨床試験が行われましたが、はっきりとした結果は得られていません。
▽これまでは、非侵襲的な刺激技法が用いられてきましたが、今回は、侵襲的な、硬膜外電極埋込による長期間の刺激による効果が観察されました。
▽症例は56才の男性で、2004年に発症し、2006年に硬膜外電極が埋め込まれました。当初は2ヶ月間、3Hzの電気刺激を24時間施行されました。
▽しかしながら、開始当初は病態進行抑制効果はみられませんでした。
▽電極埋込22ヵ月後に、治療的効果はみられないと判断されていました。その後患者は、自宅で3Hzの電気刺激を1日12時間施行し、1年半継続しました
▽その結果、刺激の施行時間を短縮後に、ALSFRS-Rの変化率は0.1点/月となり、それまでの1点/月より減少していることがあきらかになりました
▽1例のみの症例報告のため、この効果が電流刺激によるものかどうかわからず、結果は一般化できませんが、興味深い報告であり、今後の検証が期待されます
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/12/14/spinal-electrodes-slow-als-progression-case-study/
・大阪大学などの研究グループが脳内に電極を埋めこみ、脳波を読み取ることにより様々な装置の遠隔操作を可能とする技術の臨床研究を開始予定とのことです
引用元
http://www.asahi.com/articles/ASJDD4WF9JDDPLBJ004.html
・早期の実用化が期待されます。
・かなくんさん、ありがとうございました
▽この発見が、新規治療ターゲットの発見につながることが期待されています
▽今回の発見は、人工知能であるIBM Watsonの力によるものです。研究者らは今後、IBM Watsonを治療ターゲットや新規治療法の発見のために応用していきたいとしています
▽バロー神経研究所とIBMは昨年から共同研究を開始し、IBM Watsonの機械学習や自然言語処理などの認知処理技術が、病態関連蛋白質の探索のために応用されました
▽その結果、1ヶ月ほどで約1500の遺伝子がALS関連遺伝子候補として抽出されました。精査の結果、上位10個の遺伝子候補のうち8つがALSと関連していることが明らかになりました。
▽さらに5つは今回の発見で初めて関連性が明らかになった遺伝子でした。人工知能のアルゴリズムを使用しなければ、このような発見のためにはさらに年単位の時間を要したと考えられるとのことです。
▽今後は治療薬候補の同定などにも応用が期待されています
引用元
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-12/sjha-bin121416.php
・RNS60の詳細については以下をご参照ください。
http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-904.html
・合計140名のALS患者を対象にプラセボ対照で行われる予定です。良好な結果が期待されます
引用元
https://clinicaltrials.gov/show/NCT02988297
・アメリカ、コロンビア大学のLowryらの報告です
▽折り畳み異常蛋白質がALSの病態に果たす役割が注目されています。不溶性の蛋白質凝集体は家族性および孤発性ALS患者の運動神経細胞において観察される特徴的病態です。
▽小胞体ストレス応答の活性化がALSの運動神経細胞において生じていることが報告されています。この応答経路は折り畳み異常蛋白質によりトリガーされ、初期には保護的に働きます。
▽小胞体ストレス応答は新規蛋白質の合成を停止し、折り畳み異常蛋白質を分解します。しかし、小胞体ストレス応答が折り畳み異常蛋白質の排除に失敗した場合、小胞体ストレスが上回り、細胞はアポトーシスを起こします
▽小胞体ストレスからアポトーシスにいたる経路は良くわかっていません。小胞体ストレスはALSの病態の中心的役割を果たすと考えられています
▽今回、研究者らは、小胞体ストレスの分子機構を調べ、新規治療ターゲットの探索を行いました
▽幹細胞から誘導した運動神経細胞を用いて、運動神経細胞を選択的に障害しうる物質が探索されました。その結果、運動神経細胞は小胞体ストレスを誘発しうる物質にとりわけ脆弱であることがわかりました
▽さらに、小胞体ストレスに暴露された運動神経細胞を保護しうる物質も探索されました。その結果、小胞体ストレス誘発性のアポトーシスを強力に阻害しうるキナーゼ阻害薬の一群が同定されました
▽その1つがPHB1014であり、さらにPHB1014誘導体を63個合成し、うち11個が薬物動態的に理想的な動態を有することがわかりました。
▽これらの物質は、小胞体ストレス誘発性の病態から細胞を保護しうる作用を有する可能性があり、ALS治療薬候補となりうる可能性があります
▽今回、研究者らはアシュワガンダの根抽出物をTDP-43蛋白症ALSモデルマウスに投与し治療的効果の有無を検証しました
▽アシュワガンダ抽出物は8週間投与(雄には64週目から、雌には48週目から開始)されました。その結果、運動機能の改善効果が確認されました
▽アシュワガンダ投与は、神経筋接合部における神経支配を改善し、神経炎症を減少させ、NF-κBの活性化を減少させました。アシュワガンダ投与は脊髄運動神経および脳皮質神経細胞におけるTDP-43の細胞内異常局在化を改善しました
▽以上の結果はアシュワガンダがTDP-43蛋白症の治療において有望である可能性を示唆するものです
(この研究はカナダ、Centre de Recherche de l'Institut Universitaire en Santé Mentale de QuébecのDuttaらにより報告され、平成28年12月7日付のNeurotherapeutics誌に掲載されました)
▽GPNMB(Glycoprotein nonmetastatic melanoma protein B)の凝集はALS患者の脊髄において観察されますが、局在化の詳細については不明です
▽TDP-43の変異はALSなど神経変性疾患の病態と関連しています。今回研究者らはALS患者の脊髄におけるGPNMBの局在化について調べ、変異TDP-43に起因した運動神経細胞死に対する影響について調べました
▽その結果、GPNMBはGFAP陽性アストロサイトおよびIba1陽性ミクログリアには局在化していませんでした。GPNMBはMAP-2陽性神経細胞およびSMI-32陽性神経細胞に局在化しており、ALS患者の脊髄に於はTDP-43凝集体と同一部位に局在化していました
▽変異TDP-43遺伝子導入運動神経細胞モデル(NSC-34)においては、GPNMB発現が亢進していました。遺伝子組み換えGPNMB導入により変異TDP-43に起因した運動神経細胞死が抑制されました
▽以上の結果は、GPNMBは変異TDP-43に起因した細胞毒性から保護的な作用を有する可能性を示唆しており、その機序はERK1/2およびAkt経路の活性化によると考えられました。GPNMBは家族性および孤発性ALSにおける治療ターゲットとなりうる可能性があります
(この研究は、岐阜薬科大学のNagaharaらにより報告され、平成28年12月9日付のJournal of neuroscience research誌に公表されました)
▽Neurimmune社とTVM Life Science Ventures VIIは共同でスイスにおいてAL-S Pharma社を立ち上げることを公表しました
▽AL-S Pharma社はALS治療薬候補であるAP-101を開発するための会社です。AP-101は折り畳み異常SOD1蛋白質をターゲットとするヒト・モノクローナル抗体です。
▽2012年のJournal of Neuroscience誌において、基礎実験段階での有望性が報告されています。2018年にもヒトを対象とした臨床試験を開始したいとしています
引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2016/12/08/companies-create-al-s-pharma-develop-novel-als-treatment/
・ドイツ、University of RegensburgのJohannesenらの報告です
▽G-CSFは中枢神経において神経栄養因子としての役割を有するといわれており、ALSにおいて神経細胞喪失に対して保護的な作用を発揮することが期待されています
▽これまでの小規模な臨床試験においては、用量設定の問題や試験期間の問題により、治療的効果はみいだせませんでした。
▽G-CSFの効果判定には長期間投与が必要と考えられ、最長6年間までのG-CSF投与の成績を追跡しました
▽試験には全体で37名のALS患者が参加しました。
▽その結果、安全性は十分であり、生存期間は多能性造血幹細胞のコロニー形成能などと関連しました。またPRO-ACTデータベースに登録されたALS対照群と比較して、有意な進行遅延(ALSFRS-R得点の変化率がG-CSF群では3.2点/年、対照群では7.3点/年)を認めました
▽この生存期間延長効果は用量依存性がありました。以上の結果は、G-CSF長期投与が安全であり、用量依存性にALSの進行遅延効果を発揮する可能性を示唆しており、今後の第2相臨床試験の実施が期待されます