3種類の主な細胞源
▽現在までにALSに対する幹細胞移植に使用されている細胞は大きく2種類に大別され、さらにiPS細胞を加えると3種類となります
▽1つ目は間葉系間質細胞です。これらには、骨髄間葉系間質細胞、脂肪由来幹細胞、骨髄由来CD133+造血幹細胞、臍帯血由来CD34+前駆細胞などが含まれます。
▽2つ目は、神経組織由来の神経幹細胞です。これらには、胎児由来の脊髄細胞や嗅覚神経鞘細胞などが含まれます
▽さらに、近年iPS細胞由来の細胞が各種動物モデルに移植され、良好な成果が報告されています。遺伝子編集技術とiPS細胞から神経細胞に分化させる技術の進歩により、遺伝子的に編集した細胞の生成が可能となっており、多くの可能性を秘めています。
▽▽▽▽▽ALSに対する細胞移植治療▽▽▽▽▽
*間葉系間質細胞移植
▽多能性体性幹細胞は骨髄、脂肪細胞、臍帯血細胞などから分離されます。間葉系間質細胞は特定の条件化で3種の胚葉に分化することができます。
▽間葉系間質細胞は古い組織を若返らせることができ、この作用は血液系組織のみならず、軟骨や平滑筋、神経系などで報告されています。研究者らは、外部から間葉系間質細胞を注入することにより、これら細胞が、有害な炎症性サイトカインを除去し、保護性のサイトカインを放出することにより、症状緩和作用を発揮することを報告しています。
(1)骨髄由来間葉系間質細胞移植(Brainstorm社NurOwn細胞がここに属します)
▽骨髄由来間葉系間質細胞の骨髄からの精製は比較的容易です。外部から注入した骨髄由来間葉系間質細胞は、運動神経細胞に分化することはないため、神経栄養因子をもたらす細胞に分化し、運動神経の生存を補助する働きによる治療的効果を期待します。
▽ALSにおいてはアストロサイトやオリゴデンドロサイトやその他のグリア細胞による細胞非自律性の障害機構の存在が知られています。非神経細胞による神経細胞の代謝補助の喪失や、毒性代謝産物の生成は運動神経細胞死をもたらします。
▽近年、間葉系間質細胞は制御性T細胞の調節を通じて、直接的な免疫系への調節作用を有する事が報告されています。
▽現在、間葉系間質細胞を用いたALSに対する臨床試験が進行中です。イタリアのMazziniらは、第1相臨床試験の結果を報告しました。この試験では10名の患者が自家骨髄由来間葉系間質細胞の脊髄実質への注入による移植を受けました。
▽2名の患者が過去の臨床試験における臨床経過と比較して、有意な進行遅延を認めました。しかし大半の患者では期待されるような結果ではありませんでした。この試験では、健常群から採取された間葉系間質細胞と、患者から採取された間葉系間質細胞とで、成長因子の放出や、神経保護作用などにおいてほとんど差がなかったことが報告されています。
▽近年、韓国において骨髄間葉系間質細胞移植の臨床試験が行われました。2014年に終了した第2相臨床試験において、37名のALS患者が自家間葉系間質細胞の髄腔内移植を1ヶ月の間隔で2回受けました。
▽この臨床試験ではALSFRS-Rを用いて、治療反応群と非反応群に分類され、治療反応群における治療反応性を予測するバイオマーカーが検討されました。その結果、VEGF、アンギオゲニン(ANG)、TGF-βなどが移植による治療反応性を予測する因子となる可能性が示唆されました。
▽また、ALS症状進展遅延効果が優れていた、ALS患者由来の骨髄間葉系間質細胞による、HLAハプロタイプのマッチした同種骨髄幹細胞(HYNR-CS)のクモ膜下腔内移植がALS患者に対して韓国食品医薬品局の条件付承認を得ています(2014年7月)。
▽メキシコでの臨床試験においては、自家CD133+幹細胞が末梢血より採取され、運動野皮質に移植されました。合計10名の患者に移植され、良好な結果が報告されています(http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-994.html)
▽スペインでも小規模の臨床試験で、自家骨髄間葉系間質細胞の脊髄内移植が行われ、TDP-43の有意な減少と、運動神経細胞数の保持が観察されました。
(2)脂肪由来幹細胞移植
▽脊髄損傷モデル動物での実験において、脂肪由来幹細胞移植の報告がなされています。ALSモデルマウスにおいても、脂肪由来幹細胞移植による治療的効果が報告されています。前臨床試験段階では良好な成績が報告されており、ヒトにおいてもいくつかの臨床試験が行われています
(3)臍帯血由来幹細胞移植
▽臍帯血由来幹細胞移植による報告は、基礎実験で骨髄幹細胞移植の成績と同等の成果が報告されています。動物モデルにおいて有効性が報告されており、現在臨床試験が進行中です
*神経系幹細胞移植
(1)神経幹細胞移植
▽上記の骨髄間葉系間質細胞や胎児由来幹細胞、造血幹細胞など未分化な細胞を移植する方法については、その治療効果を明確に説明しうる根拠が乏しい状況です。成人の脊髄は、移植した幹細胞が運動神経細胞に分化するのに適した環境ではありません。
▽間葉系幹細胞と比較して、脊髄由来の神経幹細胞は、実験段階で、成長因子の分泌能において優れているのみならず、運動神経そのものに分化し、適切なシナプス形成が可能であるという点で異なります。
▽ALSモデルマウスに対してヒト神経幹細胞を移植することにより、治療的効果が報告されています。ヒト胎児脊髄由来の神経幹細胞はALSにおいて変性する運動神経細胞に置き換わる細胞として有力な候補となります(Neuralstem社のNSI-566はこの治療戦略をとるものです)
▽NSI-566の臨床試験では、安全性が確認され、幾人かの患者において治療的効果が認められたことが報告されました
(2)嗅覚神経鞘細胞移植
▽嗅覚神経鞘細胞は嗅覚シュワン細胞として知られ、ミエリン化されていない嗅神経細胞を髄鞘化するものです。嗅覚神経鞘細胞は軸索伸長と適切な経路探索、シナプス形成などを補助します。
▽中枢神経細胞を末梢神経細胞とシナプス形成させる能力と、分化の多能性により、ALS細胞移植治療の有力な候補と考えられています。
▽前臨床試験段階の基礎実験では、良好な結果が報告されています。中国で2つの臨床試験が実施され、胎児由来嗅覚神経鞘細胞が脊髄内に移植され、安全性が確認されました。しかし治療的効果については芳しいものではありませんでした。
▽移植回数を増やした場合においては、機能的改善が報告されたケースもあり、頻回移植を増やすことの有効性が示唆されています
▽▽▽▽▽iPS細胞を用いた新しい技術▽▽▽▽▽
▽ノーベル賞の受賞対象となったiPS細胞技術は、ALS治療法開発において2つの新たな手段を与えました。
▽1つ目は、患者由来のiPS細胞を用いたALS研究が可能になったことです。患者自身の細胞により、患者の病態を反映したモデルを得ることが可能となります。
▽2つ目は、iPS細胞技術により、ALS患者に対する細胞移植手段として自家移植の新たな手段が得られたことになります。
▽ES細胞とiPS細胞は運動神経に分化するために必要な性質を備えています。iPS細胞により移植手段が拡大し、従来技法と比較してより望ましい細胞に分化しうる細胞の移植が可能になります。
▽iPS細胞の多能性はES細胞と比肩するものです。しかしiPS細胞においては、エピジェネティック(後天的な遺伝子修飾)な記憶が保持されており、ES細胞と比較して、より発生元の組織への分化が容易であるといわれています。ただし基本的にはiPS細胞を分化させることは、ES細胞を分化させることと同一の現象となります。
▽現在までに多様な神経系細胞への分化が報告されており、多様な神経系細胞により正確に分化させることが可能なため、研究者らがiPS細胞を用いて、神経系疾患をモデリングしたり、治療源として用いることを可能としています。
▽YamanakaのiPS細胞技術を用いて、ALS患者由来のiPS細胞を生成する臨床試験が実施されています。近年、患者由来iPS細胞を用いて、細胞モデルを構築し、治療法探索に応用する研究が報告されています。
▽SOD1変異ALS患者由来のiPS細胞を運動神経細胞に分化させ、ミトコンドリア機能異常や小胞体ストレスを制御する遺伝子発現が減少していることなどが報告されており、病態解明に近づいています。
▽C9ORF72遺伝子変異ALS患者由来のiPS細胞を用いた研究でも、同様な病態が報告されており、今後の治療法開発にも役立つことが期待されています
▽iPS細胞を用いた治療法探索において、kenpaulloneが運動神経細胞の生存期間を延長することが報告されており、新規治療法開発の可能性があります。
*iPS細胞を用いた細胞移植治療
▽iPS細胞を用いた自家多能性幹細胞移植治療の方向性も探索されています。骨髄由来間葉系間質細胞などの体性幹細胞と比較して、iPS細胞は成熟した運動神経細胞に分化する能力が優れています。
▽さらに様々な細胞に分化することが可能なため、多くの治療的可能性が開けています。動物モデルを用いた研究によりiPS細胞が様々な特異的な組織に分化することが可能であることが示されています。
▽近年、iPS細胞由来の神経前駆細胞が、ヒト胎児由来神経前駆細胞と同等の性質を有する事が示され、胎児由来の同種細胞を、自家iPS細胞に置き換えることが出来る可能性が示唆されています。
▽ALS患者由来のiPS細胞の遺伝子変異を遺伝子編集技術を用いて修復し、移植することにより、有力な治療手段となることが期待されています。
(これまで当ブログでは、intracecalを髄腔内と翻訳していましたが、より正確な表現のため、以後クモ膜下腔内と翻訳します)
引用元
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4174611/#B8
▽C9ORF72遺伝子の6塩基繰り返し配列の過剰伸長は家族性ALSの最も頻度の高い遺伝子変異として知られています。
▽今回研究者らは、C9ORF72遺伝子のGGGGCC繰り返し配列数が450回までのモデルマウスを用い、C9ORF72遺伝子の対立遺伝子の片方ないし両方の発現を不活性化し、病態を調べました。
▽その結果、C9ORF72遺伝子発現が50%減弱した場合には、運動症状は呈しませんでしたが、脾腫やリンパ節腫脹、社会的相互作用の障害などの特徴がみられました。6塩基繰り返し配列の繰り返し数が多くなればなるほど、年齢が高くなればなるほど、また発現量が多くなればなるほど、RNA凝集体の蓄積と、開始コドン非依存性の翻訳により生じたジペプチド繰り返し蛋白質の蓄積は増加し、海馬神経細胞の喪失と認知機能障害などを生じました。
▽反復配列を有するRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの単回投与により、RNA凝集体とジペプチド繰り返し蛋白質の凝集は減少し、行動障害の改善を認めました。
▽以上の結果は、C9ORF72遺伝子の繰り返し配列の過剰伸長が毒性獲得により病態を惹起することを示唆しており、同時にアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いた治療的介入の実現可能性を示唆するものです
(この研究は、アメリカ、University of CaliforniaのJiangらにより報告され、平成28年4月19日付Neuron誌に掲載されました)
まずは、Cytotherapy (2009) Vol. 11, No. 1, 2634に掲載されていたメキシコで行われた運動野への幹細胞移植の報告です。
▽2005年から2008年にかけて、メキシコで行われた幹細胞の脳実質への移植の報告です。
▽この試験には発症後1-3年の10名のALS患者が治療群としてエントリーされました。13名のALS患者が対照群として比較されました。
▽治療群に対して、まず3日間、300ugのG-CSF製剤を皮下注され、造血能を亢進させた後、3日目に末梢血を採血され、そこからCD133+幹細胞が分離されました。同時に腰椎穿刺により髄液を採取され、幹細胞と混合されました。
▽局所麻酔下で、定位脳手術により両側前頭運動野に幹細胞が移植されました。穿頭孔より硬膜切開され7mmの深さにハミルトンシリンジを用いて幹細胞が25万から75万個注入されました。
▽診断から経過観察終了までで、生存期間の中間値は、対照群では19ヶ月でしたが、治療群では66ヶ月と有意な延長効果を認めました。
▽また、ALSFRS-R得点についても、治療群ではベースラインの得点と比較して、治療1ヵ月後、2ヵ月後および6ヵ月後において有意な改善効果を認めました。治療群のベースラインのALSFRS-Rの平均点は24.6点であり、6ヵ月後は平均27.9点、12ヵ月後では24点でした。一方対照群では有意な増悪を認めました。
・以上の報告のように、当初の報告では症例数が少数ではありますが、有効である可能性を示唆する結果が報告されています。その後音沙汰がなかったのですが、先日の記事で少し触れたように、今月のCytotherapy誌に、同一グループによりさらに症例数を増やした報告が掲載されていました
運動野への幹細胞移植による長期生存
▽この論文では、2005年から2015年までの8年間で、39名のALS患者に対して、自家CD133陽性間葉系幹細胞を前頭運動野に移植し、その経過が報告されています。
▽いずれも孤発性ALS患者であり、上記論文と同一の手技で移植されました。移植を受けた患者の生存期間の中間値は35.7ヶ月であり、対照群10名の21ヶ月より統計的に有意に長かったとのことです。
▽また移植後1年後のALSFRS-Rの変化量は対照群では-18.8点、治療群では-7.4点であり、統計的に有意な進行遅延効果を認めました。
▽移植に関連して重大な副作用はありませんでした。
▽この手法による幹細胞移植による生存期間の延長効果は、これまでのどの幹細胞治療の報告よりも長く、有効性に関して今後のさらなる検証が期待されるものです。
引用元
http://www.celltherapyjournal.org/article/S1465-3249(16)30323-1/abstract
▽患者の末梢血からCD133+単核細胞が分離され、運動野に注入されました。合計9名の患者が自家幹細胞移植を受け、10名の対照患者と比較されました。
▽その結果、安全性が確認され、対照患者と比較して、治療群では有意に生存期間延長を認めました
(詳細情報がわかりましたら追記します)
引用元
http://www.celltherapyjournal.org/article/S1465-3249(09)70245-2/fulltext?refuid=S1465-3249(09)70301-9&refissn=1465-3249
・幹細胞を脳実質に投与するという治療戦略はこれまでほとんど(中国で1つあったようですが)なかっただけに、今後の展開が注目されます。
引用元
http://www.celltherapyjournal.org/article/S1465-3249(16)30323-1/abstract
以下現在までに米国国立医学図書館の臨床試験データベース(clinicaltrials.gov)にエントリーされているALSに対する幹細胞移植の臨床試験一覧です
・イタリア(Azienda Ospedaliera Santa Maria):第1相試験 胎児由来ヒト神経幹細胞の腰髄へのmicroinjection 2012年エントリー 試験終了
・スペイン(Hospital Universitario Virgen de la Arrixaca):第1/2相試験 自家骨髄幹細胞の髄腔内ないし脊髄内(椎弓切除術を伴う)投与 2010年エントリー
・アメリカ(Neuralstem社:NSI-566):第2相試験:ヒト胎児由来脊髄神経幹細胞の脊髄内(椎弓切除術を伴う)投与: 2012年エントリー 試験終了
・中国(General Hospital of Chinese Armed Police Forces ):第2相試験:ヒト臍帯血由来間葉系幹細胞の髄腔内移植: 2011年エントリー 招待患者をエントリー中
・メキシコ(Servicio Hematología Hospital Universitario):第2/3相試験:自家造血幹細胞の髄腔内投与:2012年エントリー 試験終了 https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01933321?term=amyotrophic+stem+cell&rank=5
・イラン(Alzahra Hospital):第1/2相試験:自家間葉系幹細胞の脊髄内投与:2014年エントリー 試験中止(お金がないため)
・中国(China Medical University Hospital ):第1相試験:自家脂肪組織由来幹細胞の髄腔内および脳内投与(Compassionate Use):2015年エントリー 試験終了
・ポーランド(Pomeranian Medical University Szczecin ):第1相試験:自家骨髄由来幹細胞の髄腔内投与:2014年エントリー 招待患者をエントリー中
・アメリカ(Mayo clinic):第1相試験:自家間葉系幹細胞の髄腔内投与 2012年エントリー 募集終了し進行中
・韓国(Hanyang University Seoul Hospital ):第1相試験:HLAハプロタイプのマッチした骨髄幹細胞の髄腔内移植 2012年エントリー 状態不詳
・イラン(Royan Institute):第1相試験:同種脂肪組織由来間葉系幹細胞の静脈内投与 2015年エントリー 募集中
・インド(Neurogen brain and spine institute):第1相試験:自家骨髄由来単核細胞移植(髄腔内投与および筋注) 2014年エントリー 募集中
・インド(Neurogen brain and spine institute):第2相試験:自家骨髄由来単核細胞移植(髄腔内投与および筋注)2013年エントリー 試験終了
・韓国(Hanyang University Hospital):第1/2相試験: 自家骨髄由来幹細胞移植(髄腔内投与) 2011年エントリー 試験終了
・アメリカ(TCA Cellular Therapy):第1相試験:自家骨髄由来幹細胞の髄腔内投与 2010年エントリー 資金不足により延期中
・スペイン(Clinical Universitary Hospital Virgen de la Arrixaca):第1相試験 自家骨髄単核細胞筋注の有効性 2014年エントリー 募集中
・アメリカ(Q Therapeutics):第1/2相試験 Q cell(ヒトグリア前駆細胞)の脊髄内(椎弓切除術を伴う)投与 2015年エントリー 募集開始前
・イラン(Royan Institute):第1相試験 自家骨髄由来間葉系幹細胞の脳室内投与 2012年エントリー 試験中止(脳室内投与の際の固定術による呼吸不全リスクにより中止)
・イラン(Royan Institute):第1相試験 自家骨髄由来間葉系幹細胞の静脈内投与 2012年エントリー 試験終了
・イラン(Royan Institure):第1相試験 自家骨髄由来間葉系幹細胞の髄腔内投与 2013年エントリー 試験終了
・イスラエル(Hadassah Medical Organization:Brainstorm社のNurOwn細胞):第2相試験 自家骨髄間葉系幹細胞の髄腔内投与 2012年エントリー 試験終了
・アメリカ(Massachusetts General Hospital:Braistorm社のNurOwn細胞);第2相試験 自家骨髄間葉系幹細胞の髄腔内投与 2013年エントリー 募集終了し進行中
・スペイン(Hospital Regional Universitario Reina Sofía):第1/2相試験 自家脂肪組織由来間葉系幹細胞の静脈内投与 2014年エントリー 募集中
▽Medicinova社の主任研究者らがアメリカ神経学会年会で、現在実施中のALSに対する臨床試験の中間解析結果を公表しました
▽この中間解析では、25名の呼吸器を使用していない患者の6ヶ月間の無作為割付試験の結果が用いられました
▽その結果、6ヶ月間のALSFRS-R得点の変化量はMN-166群では平均4.55点、プラセボ群では平均5.80点でした。この得点差は、主としてALSFRS-Rの2つの下位尺度の違いによるものでした。それは、ALSFRS-R Arm得点およびALSFRS-R Bulbar得点でした。
▽ALSFRS-R Bulbar得点の6ヶ月間の変化量はMN-166群では平均0.90点、プラセボ群では平均1.80点でした。またALSFRS-R Arm得点の6ヶ月間の変化量はMN-166群では平均1.50点、プラセボ群では平均2.40点でした。
▽静的肺活量の6ヶ月間の変化量は、MN-166群では平均10.93%、プラセボ群では平均12.71%でした。
▽以上の結果は、解析対象となった症例数がまだ少ないため、統計的有意差の有無の議論はできる段階ではないようです。
▽良好な最終結果が期待されます
http://www.streetinsider.com/Corporate+News/Medicinova+(MNOV)+Will+Present+Strong+Interim+MN-166+Data+in+ALS+at+AAN%3A/11520895.html
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/misyounin/
・この窓口を用いることにより、例えば、海外で承認され、日本で未承認の薬剤がでてきた場合に、個人の場合には関係学会を指定することにより、厚労省に検討をいただくことができます。
・拡大治験ないし患者申出療養制度とはまた別の独立した承認に向けてのルートとなります。
・ALSにおいても、再生医療分野で承認薬剤が海外で発生した場合、この会議に検討を訴えることが個人で可能となります.。
・現段階でALSにおいてその対象となりうるのは、仮性球情動に対するnuedextaくらいでしょうか。
▽アストロサイトがALSの病態に重要な役割を果たしていることが報告されています。アストロサイトはconnexinとよばれるギャップ接合蛋白質のファミリーにより相互作用をしています。
▽connexin 43は中枢神経における恒常性維持に関与する主要なアストロサイトのconnexin蛋白質です。病的状態においては、connexin蛋白質の発現と機能が変化します
▽今回、研究者らは、ALSにおけるアストロサイトによる毒性発揮において、connexin 43の異常な過剰発現が関与していることを見出しました
▽SOD1変異モデルマウスにおいては、病態進展と同時に、connexin 43の発現量の増加がみられました。ALS患者の運動野や脊髄においても、connexin 43の発現増加が観察されました
▽SOD1モデルマウスから抽出されたアストロサイト、およびALS患者のiPS細胞より分化したアストロサイトではconnexin 43の増加がみられ、運動神経細胞と同時に培養しなくてもみられたことから、アストロサイトに内因性の現象であることが推定されました。
▽SOD1モデルマウス由来のアストロサイトでは、ギャップ接合のカップリングの亢進と、ヘミチャネルを介した活動の亢進、細胞内カルシウム濃度の増加がみられました。
▽connexin 43阻害剤、もしくはconnexin 43ヘミチャネル阻害剤投与により、運動神経細胞保護作用が観察されました。
▽以上の結果は、ALSに関連した運動神経細胞死におけるconnexin 43の役割において、新たな視点を提供するものであり、今後の治療法開発に寄与する可能性があります。
(この研究は、アメリカ、Johns Hopkins UniversityのAlmadらにより報告され、平成28年4月16日付のGlia誌に報告されました)
引用元
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/glia.22989/abstract;jsessionid=6DA117087E0C0138D0BBA8E2EEA8EC41.f03t02
▽マサチューセッツ総合病院のTRACK ALSプロジェクトにおいて、ALSの炎症に関与する画像的マーカーを同定したとする報告がなされました。
▽こうしたマーカーの同定は、診断の補助となるのみならず、治療効果の判定など、臨床試験の実施に重要な役割を果たします。今回、50名のALS患者と50名の健常対照者での試験により同定されました
▽グリア細胞に結合するよう設計された放射性同位体で標識したトレーサーを用いたPETにより、ALS患者において脳内の炎症が亢進していることが明らかになりました。
▽このプロジェクトは、大規模な多施設の縦断的なバイオマーカー探索研究であり、画像、全ゲノムシークエンシング、生化学的炎症マーカー、iPS細胞生成などの内容を含むものです。今後の進展が期待されます
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/04/15/innovative-als-imaging-biomarkers-come-closer-to-patients/
・先日来、作成しておりましたホームページの仮バージョンを公開いたしました
・アドレスは以下となります
http://alsinformation.wix.com/als-information
・内容につきまして、御意見などいただけますと幸いです
・ALSに関連したニュースにつきましては、引き続きこちらのブログにて更新を継続いたします。
・よろしくお願いいたします
管理人 HIDE
(コメントいただいた皆様ありがとうございます。ホームページ公開までこちらの記事がトップにくるようにしています)
・平成28年4月からの患者申出療養制度の施行にあたり、記事や皆様からの情報、ご意見をまとめておきたいと思いましたが、ブログの性質上、記事やコメントが下に流れてしまうため、このブログのみでは情報の整理が困難な状況があります。
・またALSの最新情報を求めて当ブログを訪問された方が、目的とする情報にたどりつくことも困難です
・これら問題点を解決するため、当ブログの記事やコメントなどを中心としたホームページの開設を予定しています。
・当ブログは現行どおりに存続し、これまで通り最新情報についてはこちらに掲載します。
・ホームページ開設時期としては4月中を予定していますが、 開設に際して、過去に終了した臨床試験についての情報を整理する必要があります。
・その情報もこちらに記事として掲載し、ホームページから記事をリンクして参照する形にしたいと思っています。
・そのため、当面の間、新規情報に加えて、やや古い既に終了した臨床試験情報の掲載をいたします(その場合はタイトルに過去情報と明記します)。ご了承ください。
・ホームページ開設後もコメントなどはこちらをメインにしたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
管理人 HIDE
・いつも当ブログでお世話になっているいのべたさんの御実家も全壊されたとのことです。
・一日も早く平穏な日々が戻ることをお祈りいたします。
免疫抑制剤の第2相臨床試験
▽この臨床試験は、NSI-566の第1相臨床試験において、1名が改善を示し、その他数名が進行の鈍化所見が得られたとの結果を受け行われます。この第1相臨床試験では、移植された神経幹細胞に対する拒絶反応を防ぐため、免疫抑制剤が当初併用されました。
▽症状の改善が、免疫抑制剤に起因する可能性もあることから、この臨床試験が計画されました。症状の改善が、免疫抑制剤によるものなのか、それとも神経幹細胞移植によるものなのか、それとも神経幹細胞と免疫抑制剤の双方によるものなのか、様々な可能性がありますが、純粋に免疫抑制剤の寄与があるのかどうか、調べることが目的となります。
▽5種類の免疫抑制剤が投与されるレジメンであり、どれも既に日常臨床で使用されているものですが、かなり強力なものもあることから、臨床試験で有効性と安全性が確認されるまではALSでの使用を控えるように注意勧告されています。
▽レジメンは以下のようです。
・第1日と第4日目に20mgのバシリキシマブ静注
・第1日に125mgにメチルプレドニゾロン静注
・2日目から7日目は60mg、8-14日目は40mg、15-21日目は20mg、22-28日目は10mgのプレドニソン経口投与
・2日目から180日目まで1mgから5mgのタクロリムスを1日2回経口投与
・2-7日目は500mgを1日2回、8-14日目は朝500mg、夜1000mg、15-180日目は1000mgを1日2回、経口でミコフェノール酸モフェチルを投与
▽治療的効果があるかどうか、結果が待たれます。
ALSに対する高カロリー摂取療法の第2相臨床試験
・2014年2月27日付Lancet誌に掲載された臨床試験結果です。
▽この試験は胃瘻からの経腸栄養投与中の24名のALS患者を対象に行われ、非侵襲的人工換気時間が10時間未満であることが条件でした。24名が無作為に3つの群に分けられました。
▽7名は通常カロリー栄養、9名は高炭水化物含有高カロリー栄養、8名は高脂肪含有高カロリー栄養が4ヶ月間投与され、その後1ヶ月間経過観察されました。
▽各被検者において、必要なカロリーは、間接熱量測定法(安静時と定常的な運動中における二酸化炭素産生量と酸素消費量から基礎代謝を推定するもの)と活動度などにより推定された。
▽通常カロリー栄養は関節熱量測定法などで推定されたカロリーをそのまま投与、高炭水化物含有高カロリー栄養は推定されたカロリーの125%の量の栄養を投与、高脂肪含有高カロリー栄養では不飽和脂肪酸なども含有し、全カロリーの55%が脂肪分により構成される高脂肪食が投与されました。
▽全ての栄養群において、全カロリーにおいて蛋白質の占める割合は17%と共通で、高カロリー群では、1週間当たり500gの体重増加を目標としてカロリー調整されました。
▽4ヵ月後に各栄養の投与は終了し、通常の栄養内容に戻された後、1ヵ月後の状態までアセスメントされた
▽その結果、通常カロリー投与群において4ヶ月未満での脱落が最も多く(50%)、主に副作用によるもの(胃瘻の脱落や下痢、腹部膨満など)でした。高カロリー群では全体で1名のみでした。
▽高カロリー投与群では副作用も少なく、重大な副作用も通常カロリー群と比較して少なかったとのことで、高カロリー投与群において、観察期間中にコレステロール値の上昇や空腹時血糖値上昇などは観察されませんでした。
▽通常カロリー投与群では、経過中平均体重は個体差は大きいもののほぼ一定していました。高炭水化物含有高カロリー栄養群においては、1ヶ月あたり平均390gの体重増加があり、推定されたカロリー必要量の1.54倍のカロリーが投与されていました。高脂肪含有高カロリー栄養投与群では、推定カロリー消費量の1.51倍のカロリーが投与されたにもかかわらず、1ヶ月あたり平均460gの体重減少がみられました。
▽経過中の死亡については、高炭水化物含有高カロリー栄養投与群では0名、高脂肪含有高カロリー栄養投与群では1名、通常カロリー投与群では3名でした。ALSFRS-R得点についても、高炭水化物含有高カロリー栄養群において、他の2群よりもより悪化の度合いが緩やかでした。(統計的有意差にはいたらず)
▽以上より、高炭水化物含有高カロリー栄養の投与は安全であり、予後を改善する可能性があります。ただし小規模の臨床試験であり、今後さらなる検討が必要です。
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(14)60222-1/fulltext
▽カナダの10代の2名の学生が放課後の研究によりALS動物モデルにおいて、メープルシロップが運動神経細胞保護作用を有することをみいだし、報告しました
▽2名の学生は、モントリオール大学病院の研究者らの指導の下で放課後の研究課題として、ALS線虫モデルを用いて研究を行いました。
▽線虫モデルはヒトとは組織的構造は大きく異なるものの、例えば神経保護に関与する遺伝子群はかなり似通っていることがわかっています。
▽今回学生らは、メープルシロップが線虫モデルにおいて運動神経保護作用を有することをみいだし、Journal of Agricultural and Food Chemistry誌に報告しました
▽このアイデアはもともと糖類がALSモデル動物において、神経保護作用を有することを、同大学の研究者らがみいだしたことから生まれたアイデアです。
▽TDP-43蛋白症を再現する線虫モデルを用いました。これらモデル動物にメープルシロップを与え、12日後の運動機能を観察しました。その結果、4%のメープルシロップ液を与えた群では、麻痺している線虫の割合が50%が17%に減少しました
▽メープルシロップは、抗酸化作用の強いポリフェノール類、特に神経保護作用を有するgallic acidとcatecholに富んでおり、これらポリフェノールと糖の組み合わせが効果的に作用したのではないかと考察されています。
▽糖類の長期的な摂取は有害となるため、ヒトへの直接的な適応は控えなければならないと研究者らは述べています
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/04/14/maple-syrup-protects-motor-neurons-in-als-model-using-worms/
▽今回研究者らはヒトALSサンプルを用いて、このことを検証しました。
▽11名のALS患者からの筋肉組織が健常対照者と比較されました。運動神経終板におけるC1qや膜侵襲複合体(MAC)、CD55、CD59などが免疫染色などで検討されました。
▽その結果、ALS患者の運動神経終板においては、補体系活性化に伴う蛋白質の沈着がみられました。ニューロフィラメントと同時にC1qが観察され、膜侵襲複合体や高濃度のCD55,CD59も運動神経終板において観察されました。
▽以上の結果は、ALSの病態において、運動神経終板における補体系の活性化が重要であることを示唆しており、今後の治療対象として注目すべきものと思われます。
(この研究は、オランダ、Academic Medical CenterのBahia El Idrissiらにより報告され、平成28年4月7日付のJournal of Neuroinflammation誌に掲載されました)
引用元
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4823861/
▽発症前からのn-BP投与(250mg/kgを1日2回)投与により、生存期間が有意に延長し(平均203.9日)、運動機能の改善、運動神経細胞喪失の減少がみられました。
対照群での生存期間の平均は126.4日、リルゾール投与群では140日であり、n-BPによる生存期間延長効果はリルゾールを上回るものでした
▽n-BPの作用は、自食作用のバイオマーカーであるIL3-II発現減少や、mTOR濃度の増加などから、自食作用の抑制によるものであると推測されました
▽n-BP投与は自食作用の抑制のみならず、ミトコンドリアの形態的異常も減少させました。
▽以上の結果は、n-BPによる自食経路の抑制が、ALSに対する治療戦略として有望な可能性を示唆するものです
(この研究は、台湾、China Medical UniversityのHeuehらにより報告され、平成28年4月5日付Neuropharmacology誌に掲載されました)
引用元
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0028390816301071
引用元
http://journals.lww.com/md-journal/pages/articleviewer.aspx?year=2016&issue=04050&article=00085&type=abstract
▽rasagilineはモノアミンオキシダーゼB阻害薬でありSOD1モデルマウスにおいて進行遅延効果が報告されています。
▽36名のALS患者を対象にオープン試験が行われました。2mg/dayのrasagiline投与され、12ヶ月間経過観察されました。
▽histrical placeboと比較して、ALSFRS-Rの変化率は改善を認めませんでした。
▽しかしながら、ミトコンドリア膜電位の増加(JC-1 red/green 蛍光強度比で測定)やアポトーシスマーカー(Bcl-2/Bax比)の減少を認めました
▽明らかな有効性についての結果は得られませんでしたが、今後大規模なプラセボ対照試験での有効性の検証が期待されるものです
(現在rasagilineについてはアメリカとドイツで2つの第2相臨床試験が進行中です)
・2009年10月のAmyotrophic Lateral Sclerosis誌に掲載されたglatiramer acetateの第2相臨床試験の結果です
▽366名のALS患者を対象にプラセボ対照比較試験が行われました。glatiramer acetate 40mg/dayとプラセボに無作為に割付られ52週間経過観察されました。
▽その結果ALSFRS-Rの変化率はプラセボ群-1.00点/月、glatiramer acetate群 -1.05点/月で有意差を認めませんでした。生存期間についても有意差を認めませんでした
▽glatiramer acetate 40mgの有効性は確認できませんでした
Pentoxifyllineの第2相臨床試験
・2006年1月のNeurology誌に掲載されたpentoxifyllineの第2相臨床試験の結果です
▽FDAに既に認可されている薬剤であるpentoxifyllineのALSに対する有効性を調べました
▽リルゾール併用中の400名の患者がpentoxifilline 1.2g/dayもしくはプラセボに無作為に割付され、547日間経過観察されました
▽主尺度である生存率において、有意差はなく、むしろプラセボ群の方が良好な傾向がみられました。ALSFRS-Rの変化率についても有意差を認めませんでした。
▽pentoxifyllineの有効性は確認できず、むしろ有害な可能性が示唆されました
Talampanel (GYKI 53405)の第2相臨床試験
・2010年3月のAmyotrophic Lateral Sclerosis誌に掲載されたtalampanelの第2相臨床試験結果です
▽グルタミン酸AMPA受容体阻害薬のtalampanelの有効性についての第2相臨床試験を行いました
▽59名のALS患者が対象となり、talampanel 150mg/day(40名)とプラセボ群(19名)に無作為に割付され、9ヶ月間経過観察されました。
▽筋力低下の割合は、プラセボ群と比較してtalampanel投与群で15%小さく、ALSFRS-Rの変化量もtalampanel投与群で30%少ない結果となりました(有意差なし)
▽死亡率、副作用については有意差はありませんでした。統計的有意差がみられた尺度はありませんでしたが、今後第3相臨床試験での有効性の確認が必要な結果となりました
サリドマイドの第2相臨床試験
・2009年10月のAmyotrophic Lateral Sclerosis誌に掲載されたサリドマイドの第2相臨床試験結果です。
▽ALSの病態に炎症性サイトカインであるTNF-αが関与していると考えられています。TNF-αの発現減少作用を有するサリドマイドのALSに対する有効性についての第2相臨床試験が行われました
▽23名の患者がエントリーされ、サリドマイド 400mgを投与され、オープンで経過観察されました(比較対象はhistorical placebo)
▽その結果、サリドマイド投与はALSFRS-Rの変化量や肺機能において有意な治療的効果を認めませんでした。
▽サリドマイドの有効性は確認できませんでした
(もう1つ第2相試験が行われたようですが、有害事象のため中止となっています)
▽AB Science社はmasitinibの第2/3相臨床試験の中間結果を公表しました。
▽masitinibはチロシンキナーゼ阻害薬であり、細胞内伝達経路に関与するチロシンキナーゼを阻害します。
▽中枢神経の炎症性疾患において、この経路の阻害が治療的に作用することが基礎実験で確認されています。masitinibは肥満細胞とマクロファージをターゲットとし、過剰な免疫反応抑制により治療的効果が期待されている薬剤です。
▽今回の中間結果の報告は、191名の患者(予定登録者数の50%)が48週間の治療期間を終えたことで報告されたものです
▽主尺度はALSFRS-Rの変化量ですが、これが中間結果では統計的有意差(p<0.01)をもって、プラセボ群よりも有意に良好であることを示唆する結果が得られたとのことです。努力性肺活量などの二次尺度についても統計的有意差が得られているようです
▽最終的な結果は2017年中にも予定されており、良好な結果が期待されます
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/04/07/ab-science-reports-positive-interim-results-phase-3-trial-masitinib-als-therapy/
▽ALS治療薬候補のNP001の臨床試験を行っているNeuraltus社が、新たな第2相臨床試験の開始をアナウンスしました
▽既に行われた第2相臨床試験においては、エントリー時点での炎症反応が高度な患者群においては、NP001の治療効果がより大きく見られる傾向がありました
(この結果は、こちらの記事http://alexkazu.blog112.fc2.com/blog-entry-614.htmlで御紹介しています)
▽このことを検証するため、ベースラインのCRP値が高い患者を対象に、この夏より新たな第2相臨床試験の実施を予定しています。
引用元
https://alsnewstoday.com/2016/04/06/neuraltus-pharmaceuticals-readies-second-phase-2-study-potential-als-therapy/