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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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ヒト間葉系幹細胞移植によるALSラットモデルに対する治療的効果
▽神経変性疾患において、成長因子などを分泌するように遺伝子操作を行ったヒトの幹細胞を移植する方法が注目を集めています。

▽研究者らは、家族性ALSモデルラットにおいて、骨格筋をターゲットとして、遺伝子操作を行った幹細胞を移植することにより、治療的効果があることを示しました

▽研究者らは、ヒト間葉系幹細胞を用いて、神経保護作用を有する成長因子(グリア細胞由来神経栄養因子や血管内皮成長因子など)を分泌するように遺伝子操作し、移植することで治療的効果を検討しました

▽この幹細胞をSOD1変異ALSモデルラットに筋注したところ、神経筋接合部の神経支配の増加や、運動神経細胞の生存期間の延長効果がみられました。将来的な治療法として有望である可能性があります

・Neuralstem社やBrainstorm社の幹細胞移植についても、同様の治療戦略をとるものですが、いずれも幹細胞に栄養因子を分泌させるように分化誘導するプロセスは企業秘密であり特許で保護された領域であったと思われます。今回は学術誌にこのあたりのプロセスも含めて(両社とは異なる方法とは思われますが)公表されるようですので、今後の幅広い発展が期待されます。

(この研究は、アメリカ、University of Wisconsin-MadisonのSuzukiらにより報告され、2016年のMethods in molecular biology誌に掲載予定です)
引用元
http://www.springer.com/series/7651?detailsPage=titles
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Mahogunin ring finger 1はSOD1凝集体からの細胞保護作用を有する
・名古屋大学らの研究グループからの報告です

▽折り畳み異常変異SOD1蛋白質の凝集に際して、細胞内でどのような細胞保護機構が働いているのかはよくわかっていません。

▽今回、研究者らは、E3ユビキチン・リガーゼであり、基質をユビキチン化する反応に関与するMahogunin ring finger-1(MGRN1)が、ALSモデルマウスにおいて機能不全を起こしており、変異SOD1蛋白質と優先的に相互作用を行っていることをみいだしました
▽興味深いことに、発症前ALSモデルマウスの運動神経細胞においても、MGRN1の細胞質内分布量は減少していました。

▽MGRN1を過剰発現させたところ、変異SOD1蛋白質の凝集体は減少し、細胞毒性が減弱しました。MGRN1はp62およびLamp2陽性SOD1封入体に部分的に取り込まれていました。

▽以上の結果は、MGRN1は変異SOD1蛋白質の除去に自食作用を通じて関与しており、MGRN1の減少が、神経細胞変性につながる可能性を示唆するものです

▽MGRN1を介した細胞質の恒常性維持機構が治療ターゲットとして有望な可能性があります

(この研究は、インド Indian Institute of TechnologyのChhanganiらにより報告され、平成27年11月19日付のNeurobiology of Diseases誌に掲載されました)
引用元
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0969996115300942
ASK1特異的阻害剤のK811とK812はALSモデルマウスの生存期間を延長させる
・東京大学などの研究グループからの報告です

▽これまでに同研究グループは変異SOD1蛋白質はASK1の活性化を通じて運動神経細胞死をもたらすことを報告しました。研究グループはASK1の選択的阻害剤であるK811とK812を開発し、SOD1変異ALSモデルマウスにおける有効性について検証しました

▽K811ないしK812の経口投与はSOD1変異モデルマウスの生存期間を有意に延長しました(約1%程度)。K811ないしK812の投与により脊髄でのグリア細胞の活性化も抑制されました。

▽以上の結果は、ASK1がALSの治療ターゲットとなりうる可能性を示唆するものです

(この研究は、東京大学のFujisawaらにより報告され、平成27年11月24日付Human Molecular Genetics誌に掲載されました)
引用元
http://hmg.oxfordjournals.org/content/early/2015/11/24/hmg.ddv467.abstract
培養神経細胞におけるSUMO化阻害によるSOD1蛋白質凝集抑制
▽SOD1変異に起因するALSは家族性ALSの15%、孤発性ALSの2%を占め、SOD1陽性凝集体の形成が生じます。凝集のメカニズムは明らかではありませんが、SOD1蛋白質の翻訳後修飾が関与している可能性があります

▽今回研究者らは、変異SOD1蛋白質を発現するNSC-34運動神経細胞モデルにおいては、変異SOD1凝集体においてはSUMO-1(small ubiquitin modifier-1)が陽性であり、遊離SUMO-1濃度が減少していることをみいだしました。

▽さらに、SOD1蛋白質の75番目リシン残基を置換することによりSUMO化(ユビキチン様蛋白質を付加する翻訳後修飾)を阻害したところ、凝集体陽性の神経細胞数の有意な減少を認めました。

▽凝集蛋白質のSUMO化を阻害することが、将来的にALSに対する新たな治療法候補になる可能性があります

(この研究は、フランス Université François-RabelaisのDangoumauらにより報告され、平成27年11月26日付のNeurodegenerative Diseases誌に掲載されました)
引用元
https://www.karger.com/Article/Abstract/439254
脂肪組織由来幹細胞条件培地は、ALSモデルマウスの生存期間を延長する
▽脂肪間質細胞は様々な栄養因子を分泌し、神経細胞を保護する作用を有しています。今回研究者らは脂肪組織由来幹細胞条件培地(培養細胞自身により改良された培地)を用いて、SOD1変異ALSモデルマウスへの有効性を検討しました

▽発症後のモデルマウスに脂肪組織由来幹細胞の条件培地を投与したところ、生存期間の延長効果を認めました。さらに運動神経細胞数も保持され、ミクログリアやアストロサイトの発症初期における活性化の程度も減弱していました。

▽炎症や神経細胞死に関与するリン酸化酵素(mitogen-activated protein kinase)などの濃度も減少していました。

▽神経保護作用においては、神経成長因子が重要な役割を果たしていることがわかりました。以上の結果は、脂肪組織由来幹細胞条件培地がALSに対して治療的に有用である可能性を示唆するものです

(この研究はインド、Indiana UniversityのFontanillaらにより報告され、平成27年11月20日付のScientific Reports誌に掲載されました)
引用元
http://dx.doi.org/10.1038/srep16953
カナダでのALS研究予算が1500万ドルに到達
・ALS NEWS TODAYの11月20日付記事からです

▽カナダALS協会らの公表によると、2015年におけるALS関連研究予算が1500万ドルに到達したとのことです。

▽アイスバケツチャレンジで集まった資金などが基になっており、34のプロジェクトに対して7万5千ドルから290万ドルまでの予算が配分されるとのことです

▽カナダALS協会のCEOであるTammy Mooreは”研究資金はカナダでのALS研究において、ALSを治療可能な疾患にするために最も有望な研究課題に与えられている”と述べています

▽同時に2016年にさらに研究資金を増強することが重要であるとも述べています

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/11/20/als-research-ilar-investment/
ALSにおける感覚ニューロンへの影響
・ALS NEWS TODAYの11月23日付記事からです

▽ALSにおいて、運動神経細胞やグリア細胞の影響については多く研究されてきましたが、筋肉や脊髄運動神経とつながりのある深部知覚(筋や腱の位置覚などを探知する感覚神経)神経についてはよくわかっていませんでした。

▽今回、研究者らは、ALSモデルマウスを用いた研究により、深部知覚神経が発症初期から影響をうけ、神経症状の発現よりも前に、変性を開始することをみいだしました。変性は筋肉との接合部より始まりました

▽深部知覚神経は培養により長期間の生存が可能であり、将来的に治療法開発などに応用可能な可能性があります

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/11/23/scientists-unexpectedly-find-als-affects-sensory-neurons-involved-in-movement/
家族性ALSに対するAAV治療
・ALS FORUMの11月13日付記事からです

▽ALS治療薬などを開発中のVoyager Therapeutics社が上場し、数百万ドルの資金調達を行いました。

▽Voyager社は、アデノ随伴ウイルスベクターを用い、SOD1変異家族性ALSに対する治療法開発に取り組んでいます

▽アデノ随伴ウイルスベクターは、免疫反応が少ない点と、脳内の広い範囲において注入した遺伝子を発現させることが可能である点で優れています

▽Voyager社は、変異SOD1遺伝子の発現を阻害するマイクロRNAを組み込んだアデノ随伴ウイルスベクターを用いてSOD1変異ALSに対する治療法を開発しています。

▽AAVを用いたALS治療については、Isis製薬がSOD1変異ALSに対する治療法を開発中のほか、日本の遺伝子治療研究所でも孤発性ALSに対する治療法を開発中です

▽Voyager社は早ければ2017年にもSOD1変異ALSに対する臨床試験を開始したいとしています

引用元
http://www.researchals.org/page/news/drug_news/15124
ピモジド追記
・自分で記事にして忘れていたのですが、当ブログの2月1日付の記事にて、カナダのALS協会がアイスバケツチャレンジで集まった資金を元にピモジドのALSに対する有効性を確認するための100名ほどの比較的規模の大きな臨床試験を計画中であることが公表されています。
引用元
https://www.als.ca/en/news/awareness/announcement-recipient-first-arthur-j-hudson-translational-team-grant

・また、おそらくこの臨床試験とは別に、25名ほどを対象としたピモジドのALSにおける神経筋接合部伝達異常に対する効果を検証する第2相臨床試験もカナダで開始されているようです
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02463825

・この臨床試験の主要なデータ収集の終了予定期日は2015年12月となっており、早ければ来年にも最初のデータが公表される可能性があります
・良好な結果を期待したいところです
Amylyx社がALS治療薬候補の臨床試験を予定
・11月17日付Bussiness wireの記事からです

▽Amylyx製薬は、ALS Finding a Cure Foundationなどから60万ドルの資金供与を得て、ALS治療薬候補であるAMX0035の臨床試験を開始する予定であることを公表しました

▽AMX0035は前臨床試験段階において、神経炎症を抑制し、運動神経細胞死を抑制することが確認されており、複数のALSモデル動物においても治療的効果が確認されています。2016年にもALSに対する臨床試験を開始したいとしています

・良好な結果が期待されます

引用元
http://www.firstwordpharma.com/node/1332918?tsid=1#axzz3rwDh3idA
ピモジドについて
・コメント欄で御質問がありましたので、ピモジドとALSについて管理人なりの解釈と意見を記載いたします。

・ピモジドは古くから存在する薬剤で、統合失調症治療薬としての保険適応を得ています。統合失調症治療薬としても古く、現在は臨床場面ではほとんどみることのない薬剤です。

・ALSにおいて注目される理由は、2013年にモントリオール大学の研究者らにより報告された以下の論文に明らかです
http://www.dtic.mil/cgi-bin/GetTRDoc?Location=U2&doc=GetTRDoc.pdf&AD=ADA599884

・この論文では、ヒト変異TDP-43遺伝子を組み込んだ線虫モデル、ゼブラフィッシュモデルのTDP-43蛋白症動物モデルを用い、最初に3750種類の既存のFDAに承認された薬剤をスクリーニングし、運動機能や生存期間に与える影響が調べられました。

・線虫モデルなどで運動機能の回復がみられた薬剤として、ミアンセリン(抗うつ薬:商品名テトラミドなど)、アモキサピン(抗うつ薬:商品名アモキサンなど)、シプロヘプタジン(抗ヒスタミン薬)、ニセルゴリン(脳循環代謝改善薬:商品名サアミオン)、Kawain(抗てんかん薬)、マレイン酸ピメキセチン(抗ヒスタミン薬)、ピモジド、フルペンチキソール(抗精神病薬)、クロザピン(抗精神病薬)、クロルプロチキセン(抗精神病薬)、マレイン酸メチオテピン(抗精神病薬)、マレイン酸オクトクロテピン(向精神薬)、ウィザフェリンA(NF-κB阻害薬)などの薬剤があげられています。これら薬剤の中で、ピモジドが最も効果が高かったと記載されています。

・ウィザフェリンAについては、モデルマウスでの実験においても、神経保護的な作用が確認されました。ピモジドのモデルマウスに対する効果を検証する実験をまもなく開始したい(2013年時点で)としています。

・以上がモントリオール大学の研究者らからの報告書の主な部分の概要です。

・ピモジドのヒトに対する臨床試験ですが、1998年にポーランド語で書かれた論文で、オープン試験で、ALSに対する小規模の臨床試験が行われていました。ピモジド1mgを投与し、投与群ではその他の薬剤を使用した群と比較して、進行の尺度が有意に少なかったと記載があります。この試験以降、追試がないことが不思議なのですが、注目すべき薬剤といえると思います。

・ピモジドの大規模な臨床試験が行われることが有効性を確認する直接的な方法ですが、現段階でもおそらく可能な方法としては、疫学的な研究手法があります。

・後方視的な観察研究になりますので、結果の信頼性はそれほど高くはないのですが、実際に統合失調症でこれまでピモジドなどの抗精神病薬を投与された方のALS発症率と、なるべく性質をマッチさせた対照群でのALS発症率を比較する方法があります(統合失調症という病気への罹患そのものがALSの発症リスクに影響を与える場合、結果は不正確なものとなりますが)。

・このような観察研究はデータがあれば可能と思われますので、公衆衛生の専門家には行ってほしいテーマです。

・現段階でピモジドの内服をALSの方に推奨するかですが、管理人としては推奨できません。ヒトに対する有効性に関する科学的根拠が不十分であること(基礎実験段階で有望視されても、臨床試験では否定された薬剤は多くあります)と、パーキンソン症状などの副作用のリスクが高いと思われることからです。

・今後質の高い臨床試験での検証が望まれます。
国内臨床試験情報
・東京のわたクリニックにおいて、ALS患者を対象とした臨床試験が開始予定となっています。

・”視線による操作支援スイッチを使用したALS患者及び介護者のQOL改善効果の検証”とのことで20名ほどの参加者を予定されているようです

・詳細は以下を御参照ください

https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000022778&language=J
Ibudilastの第2a相臨床試験が近日開始予定
・ALS NEWS TODAYの11月16日付記事からです

▽MediciNova社は、ALSのバイオマーカーに対するMN-166(ibudilast:商品名ケタス)の効果を検証するための第2a相臨床試験について、FDAが開始を承認したことを公表しました

▽この第2a相臨床試験は単施設で、オープン試験を行われ、15名ほどのALS患者が対象となり、脳内のミクログリアの活性化を減弱させる効果があるかどうかが検証されます

▽ミクログリアの脳内での活性化の程度は、PETを用いて測定され([[11]C]-PBR28-PET)、ibudilastは50mgずつ1日2回投与されます。試験期間は36週間です。

▽二次尺度は忍容性、安全性、有効性(ALSFRS-R、SVCなど)などです。

▽MN-166は、ホスホジエステラーゼ4と10の阻害薬であり、炎症促進性サイトカインを抑制するマクロファージ遊走阻害因子として機能し、ALSに対して治療的効果が期待されています。

▽さらには、toll-like receptor 4(TLR4)の機能的な拮抗作用を有し、神経炎症を抑制することが期待されています。

・第2a相臨床試験の結果が期待されます

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/11/16/new-als-study-ibudilast-patients-set-start/
Neuralstem社とBrainstorm社の現況
・幹細胞移植の臨床試験を実施中のNeuralstem社とBrainstorm社ですが、11月9日に各社のホームページでPress Releaseが公表されました

・Neuralstem社については、NSI-566の小規模な第2相臨床試験が終了したところですが、現在FDAとさらに大規模な臨床試験の実施について協議中とのことです。

・Brainstorm社については、アメリカで実施中の第2相臨床試験において、最後のエントリー患者への移植が終了したことが先ごろ公表されましたが、臨床試験の安全性について審査する第3者機関である the Data and Safety Monitoring Board (DSMB)がNurOwn細胞の安全性を確認し、臨床試験の続行を承認したとの報告がありました

・Brainstorm社の第2相臨床試験の結果は来年の春にも公表されると思われます。良好な結果が期待されます

引用元
http://www.brainstorm-cell.com/index.php/news-events/359-november-9-2015

http://investor.neuralstem.com/2015-11-09-Neuralstem-Reports-Third-Quarter-2015-Financial-Results
Avalon社とGSK社が共同でALS治療薬開発のための会社を立ち上げ
・ALS NEWS TODAYの11月13日付記事からです

▽Avalon社とGSK社はIron Horse Therapeutics社を立ち上げました。ALS治療薬を開発することを目的としており、EphA4遺伝子の活性を調節する機能を有する化合物に注目しています

EphA4遺伝子はチロシンキナーゼのサブファミリーであるephrin受容体に属する遺伝子であり、EPHとEPHに関連した受容体は神経系の発達に関与していると考えられています。

EphA4遺伝子の発現や活性が減少しているALS患者においては、病勢の進行がより緩やかで、生存期間が長いことが知られています。そのためEphA4シグナル経路は、運動神経細胞を保護する作用があることが推測され、動物実験でもこのことは確認されています

▽Iron Horse社は、EphA4の発現増加が運動神経の喪失を促進すると考えており、EphA4の活性を阻害することにより、運動神経細胞を保護することができるのではないかと考えています。

▽Iron Horse社はEphA4を阻害する小分子を用いた創薬を推進する予定であり、1000万ドルの資金供与が行われる予定です。

引用元
http://alsnewstoday.com/2015/11/13/avalon-gsk-startup-iron-horse-therapeutics-develop-novel-als-treatments/
ロボットスーツHALが保険適応承認
・麦酒王さん、かなくんさんより御提供いただいた話題です。
・ロボットスーツのHAL(下肢用)がALSなどに対して保険適応されることになりました
元記事
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/111101098/?ST=ndh
・今後多くの方のADL保持に寄与することが期待されます
・麦酒王さん、かなくんさん、ありがとうございました
遺伝子治療研究所の臨床試験についての情報
・かなくんさんより御提供いただいた話題です
・遺伝子治療研究所の11月10日付Press Releaseによると、AAVベクターによるALSに対する遺伝子治療が来年にも前臨床試験が行われ、平成29年に臨床試験が開始予定とのことです。
元記事
http://www.genetherapy-ri.com/information/category/news#post-212
・いよいよ具体的なプランが明らかになったことで、今後の早期進展が期待されます
・かなくんさんありがとうございました。
最終治験中の未承認薬剤へのアクセスが可能に
・麦酒王さんから提供いただいた話題です。
・既に10月3日付の記事でも御紹介していますが、患者申出療養制度の一環として、臨床試験の最終段階にある治験中の薬剤について、優先的に治験に参加できるようにするという制度が来年から動き始めるようです。
元記事
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=126164
・臨床試験の最終段階ということは第3相試験ということかと思われます。ここまでたどりつける薬剤候補も多くはないのですが、つい最近ではメコバラミンあたりでしょうか。メコバラミンについては第2/3相臨床試験が終了していますが、承認申請が却下された場合、追加試験が行われる可能性はあるかと思われます
・麦酒王さん、ありがとうございます。
ALSモデルにおけるTFEB遺伝子と自食作用
▽自食作用は細胞内から損傷器官や凝集蛋白質などを排泄する代謝機構です。自食作用の異常は折り畳み異常蛋白質や凝集蛋白質の蓄積となり、神経変性疾患の原因となります。

TFEB遺伝子は自食作用を制御する遺伝子として最近発見されました。ALSにおいては自食作用の異常が存在する所見が得られていますが、TFEBを介した自食作用がどのように病態に影響しているかについてはほとんどわかっていませんでした

▽今回、研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスの脊髄神経や細胞モデルにおいて、TFEB遺伝子やBeclin-1遺伝子の発現が変化していることがわかりました。細胞モデルにおけるTFEBの過剰発現はBeclin-1蛋白質濃度とmRNAの増加をもたらし、LC3-II蛋白質の増加を伴いました。

TFEB遺伝子の過剰発現は、細胞モデルの増殖と生存期間を増加させました。以上の所見は、TFEB蛋白質はBeclin-1遺伝子の発現を増加させることにより自食作用を活性化することを示唆しています。

TFEB遺伝子は将来的にALSの創薬の新たなターゲットとなることが期待されます。

(この研究はハーバード大学のChenらにより報告され、平成27年9月15日付のAmerican Journal of Translational Research誌に掲載されました)
引用元
http://www.ajtr.org/files/ajtr0008689.pdf
神経疾患治療薬を血液脳関門を透過させ脳内に届ける技術を開発
・ALS FORUMの11月5日付記事からです

▽ボストン大学やハーバード大学の研究者らはパーキンソン病モデルマウスを用いて、薬剤を通常では透過できない血液脳関門を通過させる技術を開発しました

▽Neursurgery誌に掲載された報告によると、この技術はパーキンソン病のみならず、その他の多くの神経疾患への適応が可能とのことです。血液脳関門は血液中の有害物質などが脳内に到達することを防ぐ役割を有し、血液脳関門のため薬剤のおよそ98%は中枢神経に到達することができません。

▽今後は、神経疾患や精神疾患、慢性疼痛、てんかんなど中枢神経疾患への適応を目指したいとしています。

▽今回行われた治療は、鼻腔内から頭蓋底を開窓し、その後鼻腔粘膜の移植片で開窓部位を被覆し、この部分から薬剤を注入する方法です。パーキンソン病モデルマウスに対して、グリア細胞由来神経栄養因子が体外投与され、直接的に髄腔内投与する方法と同等の有用性が確認されたとのことです。

▽今後は多くの神経疾患にこの方法を適応し、有用性について確認したいとしています

引用元
http://medicalxpress.com/news/2015-10-techniques-bypass-blood-brain-barrier-drugs.html
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