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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
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細胞質からの病的TDP-43除去によるALSモデルマウスの機能回復
▽神経細胞とグリアにおける、細胞質でのリン酸化TDP-43封入体の蓄積と、核内からのTDP-43の喪失はALSと前頭側頭型認知症の病態の特徴です

▽しかし、細胞質におけるTDP-43がどのように病態に関与するのかはよくわかっていません。その一因として妥当な動物モデルが存在しないことがあります

▽研究者らは、ドキシサイクリンによりヒト変異TDP-43の発現を抑制可能な、ヒト変異TDP-43組み込みALSモデルマウスを開発しました。

▽モデルマウスにおいて変異TDP-43が発現すると、運動神経細胞喪失などALS類似の病態が再現されました。

▽一方で、発症後にドキシサイクリン投与し、変異TDP-43発現を抑制したところ、リン酸化TDP-43の減少と、核内のTDP-43濃度の正常化が観察されました。またさらなる運動神経細胞喪失が起こらなくなりました

▽ドキシサイクリン投与後のモデルマウスでは、筋肉の神経支配が増加し、運動機能障害の回復がみられ、生存期間が劇的に延長しました

▽今回開発されたモデルマウスは、病態進展過程、筋肉の脱支配や運動神経細胞喪失などの時間経過を詳細に明らかにすることが可能にするものと思われます。

▽さらに重要なことに、今回の研究結果は、発症後においても、細胞質からの病的TDP-43除去と、TDP-43の核内への正常な局在化は、病態進行を停止し、回復させることが可能な治療的介入となりうることを示唆しています。

(この研究はアメリカ、University of PennsylvaniaのWalkerらにより報告され、平成27年7月22日付のActa Neuropathologica誌に掲載されました)
引用元
http://link.springer.com/article/10.1007/s00401-015-1460-x
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