▽アメリカALS協会らは、2つの第2相臨床試験に対して300万ドルの資金援助を行うことを報告しました。バイオマーカーを用いた予備的な臨床試験に対して資金援助を行い、迅速な治療薬開発を支援することが目的です。
▽バイオマーカーは、診断精度を高め、疾患のサブタイプを分類し、経過を追跡し、治療反応性を測定するなどのために用いることのできる指標となります。バイオマーカーを用いることで、臨床試験を短期間かつ小規模で行うことができ、治療薬開発が迅速化されることが期待されます。
▽免疫系作動薬であるNP001の第2相臨床試験では、炎症に関するマーカーが用いられました。1つはインターロイキン-18(IL-18)であり、もう1つはリポポリサッカライド(LPS)です。この臨床試験による知見が、将来的には過剰な炎症を伴うタイプのALSに対する臨床試験の方向付けとなることが期待されています。
▽神経の過剰な興奮毒性を抑えることにより治療的効果が期待されているメキシレチンの臨床試験でも、神経細胞の過剰興奮性の指標となりうるマーカーが使用されています。過剰興奮性の指標として、経頭蓋磁気刺激による、運動野の神経細胞の興奮閾値が用いられています。治療により過剰興奮性が減弱することと、治療効果との関連性が明らかになれば、今後の臨床試験において、この指標を用いることの合理性が与えられることになります。
▽今後益々、こうしたバイオマーカーに着目した試験が重要になると思われます。
引用元
http://www.alsa.org/news/archive/new-clinical-pilot-studies.html