元記事
https://www.mededge.jp/b/tech/14840
http://www.mcgill.ca/newsroom/channels/news/skin-cells-research-parkinsons-244883
▽カナダMcgill大学では、神経変性疾患の病態および治療法探索のため、患者由来iPS細胞を用いた研究を推進するようです。
▽まずは、パーキンソン病とALSから研究にとりかかるようで、患者の皮膚から採取した細胞由来のiPS細胞を用いて、ALSでは神経細胞とアストロサイトを分化誘導し、これを用いて治療薬候補を探索するようです
・国内でも同様の試みについての報告がありましたが、今後の研究成果が期待されます
・かなくんさんありがとうございました。
▽カリフォルニア大学の研究者らは、今回、The Journal of Neuroscience誌に掲載された論文において、神経変性疾患の病態について新たな視点を明らかにしました
▽Progranulin遺伝子の変異は、前頭側頭型認知症の主要な原因です。前頭側頭型認知症では、前頭葉から側頭葉にかけての領域の変性がみられますが、主として罹患する脳内部位の違いにより様々な臨床症状を呈します。
▽一部の患者では人格変化を来すのに対して、別の患者では言語機能に障害が現れたりします。前頭側頭型認知症は全認知症の10-15%を占めると考えられています
▽Progranulinは、成長因子であり、炎症や創傷治癒、アポトーシス、ストレス反応などの過程に関与しています。また癌や神経変性疾患の病態にも関与していることが知られています
▽Progranulinは、granulinとして知られるペプチドに分解されます。興味深いことにprpgranulin遺伝子の対立遺伝子の一方のみが機能しない変異を有する場合、前頭側頭型認知症を発症し、両方ともが機能しない変異を有する場合、神経セロイドリポフスチン沈着症とよばれる、進行性の運動機能と精神機能の喪失を特徴とする疾患を発症します。
▽TDP-43はALSの病因と考えられています。TDP-43が高濃度となると細胞毒性を発揮し、前頭側頭型認知症や、ALSの神経細胞において封入体を形成します。
▽progranulinとTDP-43の相互作用についてはよくわかっていませんでした。今回研究者らら線虫モデルを用いて、granulinが神経変性疾患に与える影響について明らかにしました
▽研究者らは、progranulinが存在しないと、TDP-43による細胞毒性を悪化させないことをみいだしました。一方で、progranulin遺伝子の対立遺伝子の一方に変異が存在すると、細胞毒性を発揮し、線虫の運動量は1/3に減少しました。
▽granulinの存在が、前頭側頭型認知症の病態において重要なことがわかりました。granulin自体の存在は、運動症状に影響を与えませんでしたが、TDP-43と同時に存在すると、運動機能障害を生じ、細胞毒性を発揮することがわかりました。
▽granulinはTDP-43と協働し、細胞毒性を発揮するようです。granulinはTDP-43濃度を上昇させることがわかりました。granulinとその前駆体であるprogranulinはALSなどのTDP-43蛋白症の病態に関与しており、progranulinが増加すると病態悪化がみられることから、今後の治療対象となるうる可能性があります。
引用元
http://alsnewstoday.com/2015/06/29/novel-insights-neurodegenerative-diseases-linked-tdp-43/