▽Genervon社の6月29日付のPress Releaseによると、Genervon社はGM604の第2a相の臨床試験結果と1名のcompassionate useの結果に基づいてGM604についての特許を申請したとのことです。
▽Compassionate useに参加した1名の患者の血清TDP-43濃度の推移データが公表されていました。
▽それによると、ベースラインではTDP-43濃度は144.54pg/ml(正常は0-50pg/ml)と高値でしたが、GM604投与開始2週間後(6回投与後)では、TDP-43濃度は92.59pg/mlに低下し、さらに12週後には52.53pg/mlまで低下したとのことです。
▽第2a相臨床試験参加者の平均は、12週後に血清TDP-43濃度は、GM604投与群では-34%、プラセボ投与群では+6%であり、12週間の変化量で有意差を認めました。
▽京都大学の研究結果によると、核内より拡散したTDP-43は細胞毒性を有し、TDP-43が減少すると、運動神経細胞死が防がれることから、TDP-43の減少によりALSの病態進行遅延が期待されるのではないかとのことです。
引用元
http://www.genervon.com/genervon/PR20150629.php
・添付文書の情報を読む限り、適応となる患者の制限はないようですが、重症度が比較的高い患者(努力性肺活量70%未満、ALS重症度分類4度以上)については、適応を慎重に考慮するよう注意書きがついています
・既に他疾患への適応で流通している薬剤であり、速やかな使用開始が可能と思われます。ただし、連日投与を受ける手段を確保することが必要です。
引用元
http://www.alsjapan.org/__uploads/documents/14353257569081435325756.pdf
・ALS患者であるChris Rosati氏がアメリカALS協会に対して、今後6年間でALSの完治を目指すことを宣言することを求める運動を起こしました。
・ALSの完治のためには、より大きな運動が必要であると考えたRosati氏は、アメリカALS協会に対してビデオレターを送り、月面着陸を60年代に行うことを宣言し、実現したケネディ大統領の宣言を引き合いに出し、完治目標の時期を明確に設定することの重要性を主張しています。
・またこの計画を達成するためには、患者、研究者、製薬会社、政府などが一同に会して問題について議論することが必要であると述べています
・アイスバケツチャレンジの先にある目標を見据えた運動が、目標実現のため大きな力となることが期待されます
引用元
http://alsnewstoday.com/2015/06/26/patient-dares-als-association-set-2021-cure-goal/
Rosati氏のビデオレター
https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=TuhqlVgMoIY
▽ギリシアの研究者らは神経筋蛋白質に対する抗体がALS患者の20%にみられることを報告しました
▽この蛋白質はLDL receptor-related protein 4(LRP4)と呼ばれる蛋白質であり、神経筋接合部の発達と機能のために重要な膜蛋白質です
▽LPR4に対する抗体は、神経の生存とシナプス機能をを障害することが実験で明らかになりました。このことは抗LPR4抗体がALSの病態に関与している可能性を示唆するものです
▽この結果は、さらに大きなサンプルでの検証が必要ですが、もし検証された場合、ALSのサブグループにおいて抗LPR4抗体が関与する一群が存在し、抗LPR4抗体がバイオマーカーになり、かつ治療対象となる可能性があります。
引用元
http://www.researchals.org/page/news/drug_news/14736
・ALSに対する日本発の治療法として期待されている東北大の肝細胞増殖因子(HGF)ですが、以下の文献からの情報によると、第1相臨床試験が順調に終了したとのことです。
http://www.jscf.org/publication/pdf/15th_anniversary.pdf
・第2相臨床試験の実施と、良好な結果が期待されます。
・aさんありがとうございました。
・中央社会保険医療協議会 総会(第299回)の資料によると、6月中にエダラボンがALSに対して保険適応が拡大される見込みのようです。
・資料は以下のリンクからになります
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000089569.pdf
・世界に先駆けて、ALSに対して第3の薬剤(他2剤はリルゾールとFDAで仮性球情動に認可されているNuedexta)が承認されることとなります。(承認の根拠となる論文が未公表であり、ALS TDIの掲示板などでは、疑問をもたれることになると思いますので、早期に論文の公表が期待されます)
・かなくんさんありがとうございました。
▽今回、研究者らは、侵襲性の少ない、副作用の少ない方法により、このことを実現する手法について検討しました
▽孤発性ALSのモデルラットを用いて、遺伝子組換えグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(rGOT)とオキサロ酢酸(OxAc)併用による治療的効果が検討されました。
▽その結果、OxAc/rGOT併用療法は、脊髄運動神経に対して神経保護作用を有し、病態進行を遅延させ、生存期間を延長させることがわかりました
▽以上の結果は、グルタミン酸除去作用を有する物質の孤発性ALSに対する投与が、孤発性ALSに対して有効である可能性を示唆するものであり、将来の治療的応用が期待されます
(この研究は、イスラエル、Weizmann Institute of ScienceのRubanらにより報告され、平成27年6月23日付のNeurodenerative Diseases誌に掲載されました)
引用元
http://www.karger.com/Article/Abstract/382034
▽RNA凝集体、反復配列に関連した転写産物、RNA結合蛋白質の異常などの所見は、RNAの有害な機能獲得(gain-of-function)が、C9ORF72のハプロ不全とともに、病態の根底をなすと考えられています。
▽1つの治療戦略は、伸長した病的な遺伝子部位を、DNAの後天的修飾を行う蛋白質を阻害する小分子を用いて、治療することです。実際に、これまでの研究により、過剰に伸長し、異常にクロマチン化したFMR1、FXNやC9ORF72遺伝子において、後天的修飾蛋白質を阻害する物質を用いて、正常な遺伝子発現を増加させることが観察されています。
▽遺伝子の後天的修飾を行う蛋白質が、薬物治療のターゲットとして認識されている一方で、遺伝子の過剰伸長が原因となる疾患における、この種の薬剤の探索法はあまりない状況でした
▽今回研究者らは、患者の線維芽細胞やリンパ球、運動神経細胞などを用いて、遺伝子発現を高速に測定する手法を用いて、小分子RNA(siRNA)やC9ORF72 RNAを調節する後天的修飾蛋白質を阻害する小分子のスクリーニングを行いました。
▽その結果、いくつかのブロモドメインの阻害物質が、過剰伸長部位の抑制性の後天的修飾に影響を与えずに、C9ORF72 mRNAの発現量を増加させることがわかりました。
▽この結果はブロモドメイン阻害が、非伸長型のC0ORF72遺伝子の発現を増加させ、有害なRNAやその産物を増加させること無く、ハプロ不全による病態を補償することができる可能性を示唆しています。将来の治療的応用が期待されます。
(この研究は、アメリカ、 University of MiamiのZeierらにより報告され、平成27年6月19日付のExperimental Neurology誌に掲載されました)
引用元
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0014488615300273
▽ビタミンD欠乏はALSの予後不良因子といわれてきました。ALSにおけるビタミンDの役割を明らかにすることは、今後臨床試験を行う際に必要なことです
▽研究者らはALS経過中のビタミンD濃度を測定し、予後との関連性について検討しました
▽125名のALS患者の血液サンプルを収集し、ビタミンD濃度を測定しました。その結果、患者の平均ビタミンD濃度は正常下限以下でした。疾患の進行によってその状況はかわりませんでした
▽ビタミンD濃度は球症状発症型において有意に高く、BMIが高いほど、有意に低い傾向がありました。またビタミンD濃度が高いほど、予後不良な傾向がみられました
▽以上の結果は、ビタミンD濃度が高いほど、ALSの予後が不良な可能性を示唆するものであり、今後の検証が必要です。
(一方で、ビタミンDサプリ投与により、プラセボ群と比較して9ヵ月後のALSFRS-Rの変化量が有意に減少したとの臨床試験の報告もあり、ビタミンDとALSの予後の関連性は現段階でははっきりしていません)
(この研究はフランス、Institut National de la SantéのBlascoらにより報告され、平成27年6月20日付のCNS neuroscience and therapeutics誌に掲載されました)
引用元
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/cns.12423/abstract;jsessionid=87874F08A296FEA672B77ED35A9E0DD7.f03t02
▽アメリカALS協会の支援を受けたワシントン大学の研究チームがSOD1蛋白質についての新たな知見を発見しました
▽ALS全体の10%程度が遺伝性と考えられており、遺伝性ALSの2番目に多い原因がSOD1遺伝子の変異によるものです。変異SOD1蛋白質が、どのようにALSの病態に関与しているかは、充分にはわかっていません。
▽変異SOD1蛋白質は凝集体を形成し、この凝集体が細胞毒性を有すると考えられています。この凝集過程を明らかにすることが、治療戦略の開発のために必要です
▽アンチセンス治療とよばれる遺伝子治療により、変異SOD1蛋白質の発現量を減少させることが期待されています。
▽研究者らは変異SOD1蛋白質の代謝速度に注目し、放射性同位体による標識法を用い、変異SOD1蛋白質の生体内での動態を明らかにしました
▽その結果、SOD1蛋白質は半減期が長い蛋白質であることがわかりました。ヒトSOD1遺伝子を組み込んだモデルラットを用い、SOD1蛋白質の半減期を測定したところ、中枢神経において16日であることがわかりました。ヒトの髄液中では25日でした
▽SOD1蛋白質の代謝速度がわかることにより、将来的にアンチセンス治療を行う際に、効果の判定のタイミングや、どのくらいの頻度で変異SOD1蛋白質量を測定すればよいかの判断が可能となります。
▽今後の臨床試験の実施に向けて、必要な情報の一部が判明しました。
引用元
http://alsnewstoday.com/2015/06/22/als-association-reveals-new-insights-protein-linked-als/
▽同時にミトコンドリアは、活性酸素の主要な産生源であり、活性酸素による障害のターゲットでもあります。従ってミトコンドリアの関与する疾患の多くが、活性酸素によるミトコンドリア障害と病態的な関連性があると考えられています。
▽ミトコンドリアの機能不全により、フリーラジカルの増加、NOの増加、電子輸送系の障害などが生じます。ALSも活性酸素に起因したミトコンドリア障害が病態の一部と考えられています。
▽メラトニンは、松果体ホルモンですが、抗酸化作用を有し、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生の調節因子としても機能します。
▽メラトニンは、ミトコンドリア膜から選択的に取り込まれ、この性質は他の抗酸化作用物質とは異なる性質であり、神経変性疾患における治療的有効性が期待されています
▽動物モデルでの実験により、メラトニンは、ミトコンドリア機能不全に起因した酸化的ストレスから細胞を保護する作用を有することが報告されています。
▽ALSなどの神経変性疾患において、治療的有効性を有する可能性があります
(このような仮説もありますが、メラトニンのSOD1変異ALSモデルマウスにおける実験では、有効性があったとするものと、有効性がなく、むしろ有害であったとの報告があり、今後の検証が必要です)
(この総説は、インド、Kashmir universityのGanieらにより報告され、平成27年6月18日付のRejuvenation Research誌に掲載されました)
引用元
http://online.liebertpub.com/doi/10.1089/rej.2015.1704
・こちらの記事(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150621-00000003-wordleaf-soci)では、アイスバケツチャレンジで過去10年分にあたる3793万円が1年で寄付されたとの記載がありました。
・アメリカALS協会では現在のレートで141億円、カナダでは18億円の寄付が集まっています。メジャーリーグで公式サイトに掲載されるなどの全面的な協力があったとはいえ、日本の金額の少なさが際立ちます。アイスバケツチャレンジにより寄付された寄付金をもとに、ALS協会から1件あたり300万円の研究奨励金の交付が3件程度あるようですが、300万円というのは、文部科学省から毎年2万件以上の研究課題に支給される科学研究費補助金の平均額をやや上回る程度の金額です。ALSの基礎研究を推進するために必要な研究資金に満たないことは明白です。アメリカALS協会から研究機関に支援される金額が1件あたりで1億円以上のものも複数あることから、さらに支援の拡大が必要な状況です。
・そんな中、藤田ヒロさんの活動についての記事もありました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150620-00000057-mai-soci
・今後益々の支援拡大が望まれます
▽フルマゼニルはベンゾジアゼピンの拮抗薬であり、ベンゾジアゼピン依存に対する治療的有効性の可能性が報告されています。
▽今回、Current pharmaceutical design誌に報告された総説において、フルマゼニルが、ALSなどの中枢神経疾患においても有効性を発揮する可能性が報告されました(その根拠についての詳細は現段階では不明です)
▽現在までのところ、臨床的な有効性が実証されたわけではありませんが、治療的有効性を有する可能性があり、検証がまたれます。
引用元
http://benthamscience.com/journal/abstracts.php?journalID=cpd&articleID=132297
▽研究者らは、ARFでありグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)である、サイトヘシンの役割をALSモデル動物において調べました
▽遺伝子的ないし薬理学的にサイトヘシンを抑制することにより、蛋白質毒性刺激から運動神経細胞を保護し、ALSモデル線虫において、運動機能を保持する効果があることがわかりました。
▽サイトヘシンは、変異SOD1蛋白質と複合体を形成します。しかし、このことによりARF活性化作用は影響を受けません。変異SOD1蛋白質により生じた小胞体ストレスは、サイトヘシンを阻害することにより緩和することがわかりました
▽変異SOD1の有害作用が存在する状況下において、サイトヘシン活性の阻害は、自食過程を活性化し、変異SOD1蛋白質による毒性を緩和することがわかりました。
▽以上の結果は、サイトヘシンを対象とした治療戦略が、ALSの治療法として有望である可能性を示唆するものです
(この研究は、アメリカ、National Cancer InstituteのZhaiらにより、平成27年6月17日付のThe Journal of neuroscience誌に掲載されました)
引用元
http://www.jneurosci.org/content/35/24/9088.abstract
▽細胞内分子プロセスにおける正確性を保持することは重要であり、これが破綻すると深刻な障害が生じます。
▽ALSなどの神経変性疾患においては、細胞内分子過程の調節機構が障害されており、運動神経細胞死などが生じると考えられています
▽細胞内分子過程における正確性を調節する1つの機構が自食作用であり、自食作用は細胞にとって有害な代謝産物を排除する機構です。
▽ドイツ、Goethe大学の研究者らは、6月号のNature誌において、自食作用に関与する新たな受容体であるFAM134Bの発見を報告しました。FAM134受容体は、蛋白質や脂質合成に関与する小胞体に発現していました。
▽小胞体自身の新生は適切な機能を維持するために重要であり、自食作用は、小胞体新生過程において重要な役割を果たしています。
▽研究者らは、FAM134Bが、機能不全を起こした小胞体の適切な代謝に関与していることを報告しました。
▽FAM134B発現量が少ないと、小胞体が膨張し、細胞にとって有害となります。FAM134Bの変異が遺伝性感覚ニューロパチーII型(HSAN II)の原因となることはわかっていました。HSAN IIでは温痛覚が障害されるために、自身が傷ついても痛みや熱を感じることができません。
▽今回、FAM134Bが自食作用の受容体としての機能を有することがわかったことにより、HSAN IIの病態解明に大きな進歩がもたらされたことになります。同時に、細胞分子過程の調節において自食作用が重要な役割を果たすことがわかりました。
▽これまでに、同研究チームは、ALSにおいてTBK1遺伝子変異が関与していることを報告しています。TBK1変異は自食作用の受容体であるoptineurinとの相互作用の障害をもたらすことがわかっており、ALSの病態と自食作用の関連の重要性を示唆しています。今回の発見により、神経変性疾患の病態における自食作用の重要性が認識され、病態理解にさらなる進歩がもたらされました。
引用元
http://alsnewstoday.com/2015/06/16/new-insights-molecular-mechanisms-underlying-neurodegenerative-diseases-hsan-ii-als/
▽細胞移植による治療は、ALSなどの神経変性疾患に対する治療法として可能性が追求されてきました。
▽しかし、移植した細胞が生着し、機能的に宿主と統合することは、困難な試みでした。慢性神経変性疾患におけるグリア性瘢痕は、神経再生を強力に阻害するため、この困難を克服する必要がありました
▽神経組織内への細胞移植は、宿主に細胞を移植する手段として最も有効な方法と考えられています。しかし、ラットの聴覚系におけるグリア性瘢痕モデルを用いた実験では、chondroitinase ABC (ChABC)で前処置を行った聴神経への神経組織内への細胞移植は、不成功に終わりました
▽移植した大半の細胞は、数週間以内に死滅しました。しかしながら、移植する細胞を、ChABCで処理したグリア性瘢痕を伴う聴神経の表面に移植したところ、細胞は組織内に自律的に遊走し、聴神経経路を再生し、聴覚機能を回復しました。
▽以上の結果は、グリア性瘢痕の表面への細胞移植が、宿主と移植細胞の機能的統合への道を拓き、侵襲性の少ない、神経系の再生手法として有効な可能性を示唆するものです。
(この研究は、京都大学のSekiyaらにより報告され、平成27年6月15日付のPNAS誌に掲載されました)
引用元
http://www.pnas.org/content/early/2015/06/09/1501835112.abstract
▽GMGをミロシナーゼを触媒として加水分解すると、生物学的な活性を有する化合物であるGMG-ITCが生成します。研究者らは、GMG-ITCのALSモデルマウスに対する治療的効果について検証しました
▽SOD1変異モデルマウスの発症2週間前からGMGとミロシナーゼを腹腔内投与しました。炎症マーカーやアポトーシス経路のマーカーも調べられました。
▽その結果、GMG-ITC投与群において、病態進行の遅延効果がみられました。GMG-ITCはALSに対して治療的効果を有する可能性があり、今後の検証が必要です
(この研究はイタリア、IRCCS Centro NeurolesのGaluppoらにより報告され、平成27年5月5日付のBioMed research international誌に掲載されました)
▽retigabineは抗てんかん薬であり、過剰な興奮毒性から運動神経細胞を保護することにより、ALSに対する治療的効果が期待されています
▽細胞モデルにおいては、過剰興奮性を抑制し、生存期間の延長効果が確認されました
▽前臨床試験段階の実験では、ALSにおいて2つの利益がある可能性を示唆する結果が得られました。1つ目は線維束筋攣縮を軽減する効果、もう1つは筋肉の痙性と固縮を防ぐ効果です。
▽この臨床試験にエントリーした患者からは幹細胞が作成され、実験室においても薬物反応性が確認される予定となっています。
▽第2相臨床試験はマサチューセッツ総合病院などアメリカ12箇所の施設で実施され、2015年7月に最初の患者への投薬が開始される予定です。合計120名の患者がエントリーされ、retigabine 900mg群、600mg群、プラセボ群の3群に分けられ二重盲検試験が行われます。
引用元
http://alsworldwide.org/whats-new/article/phase-ii-clinical-trial-of-retigabine-ezogabine
・最近Nature Nanotechnology誌に掲載された論文によると、ハーバード大などの研究者らより、脳に注入可能な電子デバイスが開発され、ALSなどの神経変性疾患に対する治療的応用が期待されています。
▽研究者らはこれまでに、ナノスケールの電子基盤を用いて、心筋細胞や神経細胞などのサイボーグ組織を培養することに成功したことを報告しました。この基盤を用いて、組織の電気的シグナルを記録したり、薬剤投与に伴う細胞の電気的活動の変化を記録することが可能となりました。
▽電子デバイスを、非侵襲的に生体内に装着することは困難な挑戦でした。今回研究者らは、マイクロメートル以下の厚さをもつメッシュ基盤を、注射器を用いて注入することに成功しました。
▽この電子基盤は柔軟な構造をもち、ガラスピペットにより吸入することが可能です。さらに注射針により組織に注入が可能です。今回開発されたデバイスは、組織に炎症反応を引き起こすことなく注入可能で、神経細胞への親和性も良好とのことです。
▽一旦デバイスを注入後は、運動神経細胞の活動をモニターするための装置と接続したり、組織を電気的に刺激したり、神経再生を促進する刺激を与えることも可能とのことです。
▽このような特性をもつデバイスは、これまで開発されたことがなく、基礎から臨床まで幅広い応用が期待されています。
引用元
http://alsnewstoday.com/2015/06/12/promising-pioneering-injectable-electronics-field-neurodegenerative-diseases-als/
▽研究者らはコンピュータ・シミュレーションを用いて、caspase-3に結合しうる非ペプチド性の天然物質の検索を行いました。その結果、ロスマリン酸とクルクミンが効果的にcaspase-3を阻害する活性を有する可能性が示唆されました。
▽これら非ペプチド性の阻害剤は、神経変性疾患において治療的効果を有する可能性があり、今後の検証がまたれます
(この研究はサウジアラビア、, University of Ha'ilのKhanらにより報告され、平成27年5月4日付のBioMed research international誌に掲載されました)