これまで産総研は、NEAT1が、核内構造体であるパラスペックルの核となる分子として細胞内構造体構築をつかさどることを見いだしていたが、今回、産総研がもつヒト完全長cDNAライブラリーを用いた共局在スクリーニングによって、新たに35種類のパラスペックルを構成するタンパク質を見いだした。その中には、複数の神経変性疾患やがんの発症に関わる重要な制御因子が含まれていた。これらのタンパク質の網羅的機能解析から、NEAT1の生合成過程と安定化過程、NEAT1上へのタンパク質会合過程が、順序だって行われることによって、パラスペックルの構造が形成されることを見いだした。また各ステップに関わるタンパク質を同定し、その作用機構を明らかにした。
この発見は、ncRNAによって構築された細胞内構造体が、疾患関連タンパク質の機能制御に関わる可能性を示唆しており、さらなるncRNAの作用メカニズムの解明が期待される。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120910/pr20120910.html