初の経口治療薬フィンゴリモドが 2011年 11月 25日に薬価収載され、日本国内でも保険適応となったのは記憶に新しいところです。
2012年 9月 12日に、FDAが経口治療薬 teriflunomideを承認しました。1日 1回の内服で治療できるというのは便利ですね。2011年 10月のNew England Journal of Medicine (NEJM) に Randomized trialの結果が載っています。
詳細は、日々不穏さんのブログを見てください。
http://www.miguchi.net/archives/3779
マウス胚でDOCK7を抑制すると基底側から頂端側へのRGC核移行が促されて神経分化が低下し、RGCが増えて神経が減りました。一方DOCK7過剰発現はRGC核を基底側にとどめ、頂端から離れた部分での有糸分裂を促し、前駆細胞増殖の代わりに神経新生が亢進しました。
DOCK7とは、
http://www.ibl-japan.co.jp/jp/products/product_detail.php?cd=28057
医薬品開発は、研究開始から発売まで10~20年弱かかる。健康な人や患者に投与して効果を調べる治験(臨床試験)には一定の期間が必要で、有望な新薬候補を絞り込む段階の期間短縮が早期の新薬投入のカギを握る。
従来は、病気に関連するタンパク質と化合物を反応させる実験を手作業で繰り返し、新薬候補を選んでいたが、この絞り込み作業を京が担う。
大日本住友製薬はすでに、社内のコンピューターを使ったバーチャル(仮想現実)実験で、新薬候補の絞り込み期間短縮を図ってきた。しかし、薬効を正確に評価するには、1日に1タンパク質に対して1化合物を解析するのが限界だった。
これに対し、京は1秒間に1兆の1万倍の1京回の計算ができ、1日に100化合物以上の解析ができるようになるという。
PS:大日本住友製薬は、京都大学iPS細胞研究所と難治性希少疾患新規治療法の創成に関する共同研究をおこなっております。これでALS治療薬の創薬に拍車がかかりますね。
脳梗塞で起きる脳神経の機能障害を遅らせる治療薬の開発につながる可能性があり、チームの古川美子教授(神経化学)は「愛媛県特産のミカンに見つかった新しい力を役立てたい」と話している。
この有機化合物はヘプタメトキシフラボン。チームはこれを液状にしてマウスに5日間投与し、脳の血管を詰まらせて、脳の断面を分析。すると、記憶をつかさどる海馬で、神経細胞が傷つくのを防ぐタンパク質「脳由来神経栄養因子」が、投与しなかったマウスよりも約3.5倍増えた。
このタンパク質が増えることで脳梗塞後に死滅する細胞が減り、機能が維持されるとみている。ただ、ヘプタメトキシフラボンはミカンの皮の成分の多くて約0.025%と微量で、皮を食べても効用はないという。安全性を確認し、人で有効か検証する方針。
古川教授らは脂になじむ物質は脳に到達しやすい性質があることから、油分の多いミカンの皮に注目した。「間引きしたミカンや廃棄品を活用したい」としている。
神経栄養因子によるALS の治療戦略(2009年の論文ですが参考になります。)
http://www.neurology-jp.org/Journal/public_pdf/049110814.pdf
http://www.miguchi.net/archives/3646
2012年 9月 1日に筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の新規遺伝子 profilin1についての論文をお伝えしました。その論文が発表されたのは 7月15日でしたが、約 1ヶ月後の 8月 26日に、Epha4というタンパク質が ALSの予後と関係していて治療ターゲットになりうることが Nature Medicineに発表されました。
あとは、日々不穏さんのブログを読んでください。
研究成果は11日付の英科学誌ブレイン(電子版)に掲載された。東京都健康長寿医療センター、愛知医科大学、国立精神・神経医療研究センター、英マンチェスター大学も参加した。
日英の亡くなった患者約30人の脳の神経細胞を解析した。ALSと若年性認知症、一部のアルツハイマー病の原因は異常たんぱく質「TDP―43」と考えられているが、すべて同じかどうか不明だった。今回の研究で、蓄積の仕方や構造の違いが病気の種類を決めていることがわかった。
(公財)東京都医学総合研究所福祉保健局
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2012/09/20m9c400.htm
これまで産総研は、NEAT1が、核内構造体であるパラスペックルの核となる分子として細胞内構造体構築をつかさどることを見いだしていたが、今回、産総研がもつヒト完全長cDNAライブラリーを用いた共局在スクリーニングによって、新たに35種類のパラスペックルを構成するタンパク質を見いだした。その中には、複数の神経変性疾患やがんの発症に関わる重要な制御因子が含まれていた。これらのタンパク質の網羅的機能解析から、NEAT1の生合成過程と安定化過程、NEAT1上へのタンパク質会合過程が、順序だって行われることによって、パラスペックルの構造が形成されることを見いだした。また各ステップに関わるタンパク質を同定し、その作用機構を明らかにした。
この発見は、ncRNAによって構築された細胞内構造体が、疾患関連タンパク質の機能制御に関わる可能性を示唆しており、さらなるncRNAの作用メカニズムの解明が期待される。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120910/pr20120910.html
(CNN) 米プロフットボールリーグ(NFL)の選手がアルツハイマーや筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患にかかる確率は、一般の人の3倍に上るとの調査結果が5日の医学誌に掲載された。NFLは同日、シーズン開幕を迎えている。
米疾病対策センター(CDC)の職業安全衛生研究所はNFLの要請を受け、1959~88年にNFLで活躍した元選手約3500人について、90年代初めから追跡調査を実施してきた。
今回の調査では神経疾患について調査する目的で、このうち既に死亡した334人の死亡診断書などを調べた。その結果、アルツハイマーとALSによる死亡が突出して多いことが判明。334人のうちアルツハイマーによる死亡は7人、ALSは7人だった。また、パーキンソン病で死亡した元選手も3人いたが、この数字は一般と比べて突出した差はなかった。
これまでに死亡した選手の死亡時の平均年齢は57歳だった。
NFL選手の健康問題をめぐっては、2000人以上の選手がNFLを相手取って訴えを起こし、「脳震とうのリスクについて選手に対する十分な説明を怠った」などと主張している。
今回の調査では脳震とうとの関係については調べなかったが、ポジションによって差があることは判明した。クオーターバックやランニングバックといったスピードを要求されるポジションの選手は、スピードを要求されない選手やラインなどの選手に比べ、神経変性疾患を発症する確率が3倍になることが分かった。
NFLはこの調査結果について、「今回の研究結果が発表される以前から、NFLは頭部の負傷に対する対策を講じ、引退した選手に医学的、経済的支援を提供し、脳震とうの防止や治療のための対策について周知を図ってきた」との談話を発表した。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/35021421.html?tag=top;topStories
皆さんに心当たりはないですか?頭部や頚部への強打など脳震盪を起したことは?