岡野教授らはiPS細胞作成に必要な4種類の遺伝子を皮膚細胞に入れ、培養に使う物質を7日後から3日間だけ別の物質に切り替えることで神経幹細胞を作った。
これまでに、iPS細胞から作った神経幹細胞を、人為的に脊髄を傷つけて歩けなくしたマウスなどに一定期間後に移植し、歩けるようになることを確認している。効果が見込める移植時期はマウスの場合7~10日後、ヒトは2~4週間後とみられる。従来は神経幹細胞作成に半年かかったため、あらかじめ他人の細胞で作ったiPS細胞や神経幹細胞を用意しておく「細胞バンク」が不可欠とされた。今回の手法ならバンクは不要で、拒絶反応のない自分の細胞を使える利点もある。
MDA/ALS NEWSmagazine(英文ですが、翻訳サイトを利用して読んでください)
http://alsn.mda.org/news/als-tdi-webinar-tdi-132-project-overview
ラットの脳の神経細胞を電気で刺激して記憶が成立する状態にした上で、目印の蛍光物質をつけた分子を高精度で観察できる全反射顕微鏡を用いて直接観察した。
記憶の形成には、神経細胞で、神経伝達物質グルタミン酸と結合して情報を伝えるAMPA受容体が増えることが重要。 神経細胞の細胞膜(シナプス後膜)に細胞内から特定のタイプのAMPA受容体が集まり、続いて細胞膜沿いを通って別のタイプのAMPA受容体が集まっていた。異なるタイプの受容体が違うタイミングと経路で集まることが今回初めて分かった。
平野教授は「神経伝達物質を出すシナプス前部なども観察し、記憶のメカニズムの解明にさらに迫りたい」と話している。
京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20120323000017
記憶が特定の脳神経細胞ネットワークに存在することを実証した意義があり、この動物実験の手法は精神神経疾患や神経変性疾患の詳細な仕組みを解明するのに役立つという。
理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2012/120323/index.html
脂肪に含まれる幹細胞は、血管、骨、心筋、神経などに分化する「脂肪組織由来幹細胞(ADSC)」。現在再生医療に主に使われている骨髄細胞は、採取する際に全身麻酔が必要で、患者の負担が大きく、採れる量も限られていたが、ADSCは局所麻酔だけで大量に採取できる。
プロジェクトは初年度、国の補助金3150万円を受け、循環器内科、心臓血管外科、閉塞(へいそく)性動脈硬化症先端治療学講座のチームが、ADSCを使った虚血性心疾患や閉塞性動脈硬化症の再生治療実現に取り組む。共同研究者の名古屋大病院の臨床研究計画が現在、厚生労働省の審査委員会で審査中で、その承認後に信大も申請し、承認され次第着手する。治療時に余ったADSCを信大病院内の先端細胞治療センターで保存し、「細胞バンク」を構築する計画もある。
整形外科、泌尿器科、形成外科では、これまで取り組んできた骨髄細胞による再生治療のノウハウを生かし、ADSCから骨・軟骨や尿道括約筋、乳房などを再生・再建する基礎研究をする。医学部から参加する組織発生学講座では、ES(胚性幹)細胞やiPS(人工多能性幹)細胞の研究成果を基に、膵臓や肝臓を再生する研究を担う。
プロジェクトのメンバーは年数回集まり、研究の現状を報告し合う予定。代表の池田宇一・循環器内科教授は「メンバー間でノウハウを共有し刺激し合うことで研究も進む。拠点形成を確実に進めたい」と話している。
ヒトiPS細胞を利用したマウスの脊髄損傷治療は慶応大と京都大の研究チームが成功しているが、奈良先端大の中島欽一教授らによると、移植に有効な神経幹細胞を選抜しやすく工夫し、9匹中5匹が体重を支えて歩けるようになったという。
詳細:iPS細胞(新型万能細胞)から作った神経のもとになる細胞(神経幹細胞)を脊髄損傷のマウスに移植し、症状を回復させることに、奈良先端科学技術大学院大の中島欽一教授らのグループが成功した。神経幹細胞の純度を高めて移植する方法で、移植後にがん化するといった異常の起きる恐れは少ないとしている。15日の米科学誌「ステムセルズ」電子版に発表した。 グループは、人のiPS細胞を神経幹細胞へ変化するように培養。顕微鏡を使って神経幹細胞だけを選別し、さらに培養するという操作を20回繰り返し、純度を高めた。拒絶反応を起こさないマウス9匹の脊髄を傷つけ、1週間後に神経幹細胞を移植。マウスは後ろ脚を引きずっていたが、移植から7週間後には、5匹が後ろ脚で体重を支えながら歩けるまで回復した。
慶応大の岡野栄之教授らも昨年秋、iPS細胞から作った神経幹細胞で脊髄損傷を治療するマウスの実験に成功したと発表したが、培養方法が今回と異なるという。
研究は前週、米国化学会(American Chemical Society)が発表した。イチゴやブルーベリー、ブラックベリーなどのベリー類の摂取が鮮明な記憶の維持に役立つとともに、ベリーに含まれる抗酸化物質が、有害なフリーラジカルから細胞を保護するのに役立ち、精神機能低下を予防すると論文は結論づけている。
また、研究チームは、ベリーが動物やヒトの認知機能に及ぼす影響を調べた論文群を再検討した結果、ベリーには、ニューロン(神経細胞)の情報伝達方法に変化を及ぼす作用があることを突き止めた。これが結果的に脳の保護に役立っていた。
このニューロンの変化は、運動制御や認知機能を向上させるだけでなく、ニューロンを損傷させる脳内の炎症を予防する効果もあった。 過去の研究では、ベリー類が脳内の毒性物質を清掃しリサイクルする「ハウスキーパー(世話係)」として活動し、記憶障害を予防する効果があることも分かっている。(c)Relaxnews/AFPBB News
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http://www.wakasa.jp/blueberryeye/junsui/?cid=ichiran143120216
*脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)とは、脊髄の運動神経細胞(脊髄前角細胞)の病変によって起こる神経原性の筋萎縮症で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と同じ運動ニューロン病の範疇に入る病気です。
外側の成分が腕を伸ばすようにして、効率よく材料の物質を取り込んでいた。
2月に米国科学アカデミー紀要「PNAS」オンライン版に掲載された。
人など全ての生命体に存在しているリボソームの仕組みが明らかになったことで、生命の起源や進化に関する研究の発展や、がん治療や薬の開発などへの応用が期待される。
これでALS治療薬への道筋が立ち始めました。
詳細は、基礎生物学研究所のプレスリリースを参照してください。
http://www.nibb.ac.jp/press/2012/03/5.html
切れた神経細胞を再生させる働きのあるタンパク質を、名古屋大大学院理学研究科の松本邦弘教授(生体調節論)や久本直毅准教授(同)らのグループが、体長1、2ミリの線虫を使った実験で発見した。英科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」の電子版に4日、発表した。
ヒトでは、切断された神経細胞が再生する例は少ない。研究がさらに進めば、半身まひを引き起こす脊椎損傷で傷ついた神経細胞を再生させられる可能性がある。
発見したタンパク質は神経細胞の外にあるタンパク質「SVH1」と内部にある「SVH2」の2種類。
グループは遺伝子操作で線虫の体内で両タンパク質が多く合成されるように遺伝子操作して線虫の神経細胞を切断。その結果、通常の線虫の神経細胞は切断されたときに5%程度しか再生しないのに対し、遺伝子操作した線虫の神経細胞は40~60%が再生した。
さらに、両タンパク質が再生にどう作用しているか分析。細胞外にあるSVH1が細胞膜上にあるSVH2に結合して信号を送り、再生が進むことが分かった。
2つに似たタンパク質はヒトの体内にも存在するが、ヒトでは量が少ないため、再生能力が低いと考えられている。久本准教授は「外部からタンパク質を投与すれば、神経の再生を進められる可能性がある。人への応用も可能になるかもしれない」と話している。