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ALS(筋萎縮性側索硬化症)に負けないで
全世界から最新の治療情報を見つけ出し、ここで紹介します。完治するまで戦い続けましょう!
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2022年10大ニュース
・ALS NEWS TODAYで恒例の10大ニュースがまとめられていました。第1位はAMX0035の承認のニュースかと思ったのですが、意外なことにコレステロールトランスポーターApoB100が孤発性ALSの病因となりうるかもしれないとのニュースでした。ApoB100を健康なマウスの髄液に注入するとALS様の病態が再現されたとのことで、治療ターゲットにもなりうるかもしれないとのことです。

・第2位には日本の超高用量ビタミンB12の第3相試験の結果が入りました。世界的にも期待が高いことがうかがえます。

・その他10本の記事のうち5つはAMX0035に関するニュースでその他は近年発展のめざましいBCIに関するニュースと、腸内細菌叢とALSの病態に関する話題、ラジカット経口懸濁液のニュースが入りました。

・今年はさらに良いニュースを期待したいと思います

引用元
https://alsnewstoday.com/news/top-10-als-stories-2022/
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Amylyx社とSunnybrook社がALS治療薬開発で提携
・ALS NEWS TODAYの7月28日付記事からです

▽Amylyx社とSunnybrook Research Institute(SRI)がALSの新規治療法開発のため提携することが公表されました。

▽SRIはBaxおよびBak蛋白質阻害によるALS治療薬開発を行っています。BaxおよびBak蛋白質はALSにおいて神経変性に関与していると考えられています。

▽2年間の提携において新薬開発を行い、臨床試験に進むことが目標となります。

▽Amylyx社はカナダで承認されたAMX0035を開発した経緯があり、さらなる新規治療法の開発を目指しています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/amylyx-sunnybrook-partner-find-new-als-therapeutics/
FDAがTQS-168をorphan drug指定
・ALS NEWS TODAYの6月24日付記事からです

▽FDAはTranquis Therapeutics社のALS治療薬候補であるTQS-168をorphan drug指定しました。この指定により臨床試験における税制上の優遇による開発の促進や、承認後一定期間の販売独占権などが保証されます。

▽ALSの病態には神経炎症が関与していると考えられています。TQS-168は、骨髄系細胞に存在し、エネルギー代謝を調節するPGC-1aというタンパク質を調節するように設計された低分子化合物です。TQS-168は、エネルギー代謝を正常化し、機能不全の骨髄系細胞を再プログラムし、その活性化を低下させ、神経炎症を抑制することにより治療的効果を発揮することが期待されています。

▽モデルマウスでの評価では、TQS-168は炎症性シグナル伝達物質の減少や、生存期間の延長効果などが報告されています

▽昨年健常者を対象とした第1相試験が行われ、安全性が確認されました。現在第2相試験の開始が年内に予定されています。

引用元
https://alsnewstoday.com/news/als-therapy-developer-tranquis-wins-orphan-drug-status-tqs-168/
SRSF1阻害とC9orf72遺伝子変異ALSにおける遺伝子発現変化
▽ALSにおける病的な遺伝子発現の変化のうち、どのような遺伝子発現変化がどのくらいあり、どの程度治療により正常化する必要があるのかは、わかっていません。

▽今回、研究者らはC9orf72遺伝子変異ALS患者由来の神経細胞とショウジョウバエモデルにおけるゲノム全体のRNA発現の変化を調べました。また、遺伝子治療法を利用して、病的なC9orf72反復配列転写産物のSRSF1依存性核輸出を特異的に阻害することによる神経保護作用も調べました。

▽その結果、C9orf72-ALS患者由来の神経細胞において、2257の遺伝子発現の病的変化のうち362の転写産物を操作することに加えて、繰り返し配列由来転写産物の核輸出を抑制することが、神経保護に十分であることがわかりました。

▽特に、90種類の病的変化のある転写産物の発現は、神経保護によって完全に元に戻り、ヒトC9orf72遺伝子変異ALSの病的変化の遺伝子発現の特徴が明らかになりました。

▽同時にショウジョウバエモデルにおいてALSで発現亢進している電位依存性カリウムチャネル(ヒトKCNN1-3)の相同体を阻害すると、運動神経細胞の変性や運動障害が緩和することが明らかになりました。

▽SRSF1を部分的に阻害すると、疾患で変化した転写産物のごく一部にしか発現変化が起こりませんでした。このことは、治療的介入においてすべてのRNA発現の変化の正常化が必要なわけではないことを示唆しており、この遺伝子治療アプローチは安全であることを示唆するものです。

▽この研究により、疾患時と神経保護時の両方で変化する主要なRNA発現の変化が同定され、新たな治療標的やバイオマーカーとなる可能性があります。

(この研究は、イギリス、University of SheffieldのCastelliらにより報告され、2021年8月10日付Mol Neurodegener誌に掲載されました)
コーヒーと紅茶の消費とALS進行との関連
▽ALSにおいては、栄養因子が病気の進行速度に影響を与える可能性が報告されています。

▽今回、研究者らは、コーヒー・紅茶、お茶の摂取がALSの進行速度に与える影響を横断的観察研究で検討しました

▽女性96名、男性145名の計241名のALS患者が対象となりました。平均発症年齢は59.9歳で、El Escorial基準による確定診断は74名、probableが77名、possibleが55名、suspectedが35名であり、発症部位は四肢型が187名、球麻痺型が54名でした。

▽患者は、ALSFRS-Rスコアと発症からの罹患期間から算出したΔFSにより、緩徐進行型(81名)、中間進行型(80名)、急速進行型(80名)の3群に分類されました。このΔFSと摂取量との相関の有無が検討されました。

▽コーヒーを飲む人は179名(74.3%)、飲まない人は34名(14.1%)、飲んだことがある人は22名(9.1%)で、カフェインレスコーヒーのみを飲む人は6名(2.5%)でした。ALSの進行速度は、コーヒーの飲用期間と弱い相関がありましたが、累積消費量やコーヒーの1日あたりの飲用量とは相関がありませんでした。

▽現在のお茶を飲む人は101名(41.9%)、以前飲んでいた人は6名(2.5%)、飲まない人は134名(55.6%)であした。緑茶のみを飲んでいる人は27名(25.2%)、紅茶のみを飲んでいる人は51名(47.7%)、両方を飲んでいる人は29名(27.1%)でした。

▽ALSの進行速度は、紅茶の飲用期間とのみ弱い相関があり、累積消費量とは相関がありませんでした。

▽コーヒーや紅茶の摂取がALSの進行速度と関連しているという仮説を明白に支持する結果は得られませんでした

(この研究は、イタリア、University of FoggiaのCucoviciらにより報告され、2021年7月28日付のFront Neurol誌に掲載されました)
Alector社とグラクソ・スミスクライン社がALS治療薬候補の開発で提携
・ALS NEWS TODAYの7月6日付記事からです

▽Alector社とグラクソ・スミスクライン社がALS治療薬候補であるAL001およびAL101の開発のため提携することを公表しました。AL001とAL101はいずれもprogranulin蛋白質の産生を促進するためのモノクローナル抗体です。

▽prograrnulin蛋白質は抗炎症作用や神経細胞の生存に関与していると考えられており、progranulin蛋白質の変異がTDP-43凝集体形成につながることから、progranulin蛋白質を増加させると、TDP-43凝集体を減少させることができるのではないかと考えられています

▽AL001およびAL101はprogranulinを分解する受容体蛋白質であるsortilinの活性を阻害することのできる抗体です。

▽2021年下期にはALSを対象としたAL001の第2相試験が開始予定となっています

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2021/07/06/alector-gsk-partner-develop-antibody-treatments-als-other-neurodegenerative-diseases/
FDAがpridopidineをorphan drug指定
▽FDAはprilenia社のALS治療薬候補であるpridopidineに対してorphan drug指定(希少疾患用医薬品指定)を与えました。

▽この指定により臨床試験デザインの支援や販売後一定期間の独占権や税額控除などの特典が与えられます

▽pridopidineはシグマ1受容体を活性化することにより、神経細胞を保護する作用を発揮することが期待されています。前臨床試験では神経細胞死の抑制効果や運動機能の保持作用が報告されました。

▽pridopidineはHEALEY ALSプラットフォームの1つとして現在臨床試験が行われており、2022年第3四半期には結果が判明する予定です

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2021/07/14/pridopidine-fda-orphan-drug-designation-als-treatment/
McQuadeセンターとEikonizo社がALS治療法開発のため提携
・2021年2月18日付ALS NEWS TODAYの記事からです

▽大塚製薬の設立したMcQuadeセンター(MSRD)とEikonizo社がALSを含む希少疾患に対する治療法開発のため提携することを公表しました

▽Eikonizo社はHDAC阻害剤などによる神経変性疾患の治療法開発を行っています。とりわけHDAC6阻害剤はALSの病態を緩和する作用がある可能性を示唆する結果が基礎実験では得られています

▽今回の提携によりHDAC6阻害剤の第1b相臨床試験の開始に向けて前進することとなりました

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2021/02/18/otsuka-eikonizo-collaborate-als-therapies-rare-diseases/
ALSにおいては血清クレアチニンは保護的に作用する可能性
▽これまでいくつかの観察研究において血清クレアチニンとALS発症との関連性が報告されてきました。しかし交絡因子や逆の因果関係(reverse causation)の影響により結論ははっきりしませんでした。

▽今回、研究者らは2つのサンプルのメンデルランダム化解析により、血清クレアチニンとALS発症との因果関係を検証しました。

▽ヨーロッパの358072名の対照者および80610名のALS患者のゲノムワイド関連解析の結果と血清クレアチニン値、東アジアの142097名の対照者および4084名のALS患者のゲノムワイド関連解析の結果と血清クレアチニン値を用いて逆分散法により、血清クレアチニンのALS発症に及ぼす影響について検討されました。

▽その結果、ヨーロッパのサンプルにおいては、遺伝子的に予測される血清クレアチニン濃度はALSのリスク増加に対して有意に保護的(オッズ比0.92)に作用することがわかりました。一方で東アジアにおいては、その関連性は有意ではありませんでした。

▽以上の結果は、ヨーロッパのサンプルでは血清クレアチニンはALS発症に対して保護的に作用している可能性があることを示唆するものです


(この研究は、中国、The Third Affiliated Hospital of Soochow University, ChangzhouのWangらにより報告され、2021年2月8日付のMol Neurobiol誌に掲載されました)
Spinogenix社がALS治療薬候補の開発促進のため資金獲得
・ALS NEWS TODAYの1月7日付記事からです

▽Spinogenix社は同社のALS治療薬候補である小分子の開発促進のためアメリカ国防省より資金を獲得したことを公表しました。

▽この小分子はシナプス機能の改善を図るものであり、ALSにおいて起こりうるシナプスの喪失を防ぐ効果が期待されています

▽同社は今回の資金獲得により患者由来iPS細胞を用いた研究や動物実験を促進したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2021/01/07/spinogenix-given-defense-department-grant-advance-oral-als-therapy-tests/
シンバスタチンはSOD1変異ALSモデルマウスの自食作用欠損を介した炎症とmTOR経路を活性化する
▽スタチンはHMG-CoA還元酵素阻害薬であり、高コレステロール血症に最も多く処方されている薬剤であり、心血管障害や脳血管障害治療にも使用されます。

▽スタチンはまれにスタチン関連ミオパチーを起こしうるため筋疾患への使用に注意を要します。近年スタチンが筋損傷を軽減し、筋機能を改善しうる可能性を示唆する結果が報告されました

▽今回、研究者らはSOD1変異ALSモデルマウスにスタチンを投与し、その影響を調べました。その結果、シンバスタチンがSOD1変異ALSモデルマウスの骨格筋における自食作用の欠損を増加させ、炎症を亢進させることがわかりました。また筋萎縮と線維化の増悪と関連する炎症の増加が観察されました。

▽一方で、シンバスタチン長期投与は、mTOR経路活性化を介して損傷を受けた筋肉の再生を促進することがわかりました。

▽しかしながら、シンバスタチンの投与は、全体としては運動機能障害を抑制せず、損傷した筋肉の筋再生を促進するにもかかわらず、骨格筋の萎縮と変性を悪化させることがわかりました

(この研究は、中国、 The Second Hospital of Hebei Medical UniversityのWang Yらにより報告され、2020年11月21日付のMolecular Neurobiology誌に掲載されました)
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が新たなALS治療薬開発のためInsitro社と提携
・ALS NEWS TODAYの10月29日付記事からです

▽ブリストル・マイヤーズ スクイブ社がALS治療薬探索のためInsitro社と5年間の提携を結ぶことを公表しました。Insitro社の機械学習技術により新薬探索を目指すこととなります

▽両社は、Insitro社のHuman Platformを活用し、機械学習、遺伝学、機能的ゲノミクスを応用し、疾患の細胞モデルを開発し、治療法の探索を行う予定です。

▽このPlatformはまず、iPS細胞由来のALS細胞モデルを構築することに活用される予定です。Human Platformにより、この細胞モデルが実際の臨床転帰を最大限に予測できるように構築されます。

▽その後、機械学習モデルを適用して、これらの細胞モデルから大量のデータを分析し、潜在的な治療ターゲットや治療法を同定することが期待されています。

▽今回の提携によりInsitro社はブリストル・マイヤーズ スクイブ社から一時金として5,000万ドル、目標達成時には2,000万ドルが供与される予定です。

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/10/29/bristol-myers-squibb-partners-with-insitro-to-develop-new-als-therapies/
イーライリリー社がDisarm社を買収
・ALS NEWS TODAYの10月30日付け記事からです

▽イーライリリー社は軸索変性を阻害する神経変性疾患治療薬を開発中のDisarm社を買収しました。Disarm社はSARM1阻害剤とよばれる軸索変性を防ぐ薬剤を開発しています

▽SARM1阻害剤は前臨床段階の研究においてモデルマウスにおいて軸索変性を阻害し、神経変性疾患における治療薬候補となりうることを示唆する結果が得られています。さらにはヒト由来神経細胞においてもSARM1阻害剤が機械的ないし化学的侵襲による軸索障害から軸索を保護しうることが示されています

▽今回の買収がSARM1阻害剤の臨床試験実施に向けての追い風になることが期待されます。

引用元
https://alsnewstoday.com/news-posts/2020/10/30/eli-lilly-acquires-disarm-and-its-sarm1-inhibitors-for-preventing-axonal-degeneration/
臨床試験参加者とビタミン使用
▽ALS臨床試験参加者について、ビタミン使用の割合がどの程度あるのかについて後方視的に検討されました。またビタミン使用と病態進行との関連などについても検討されました

▽ALSに関連した23の第2/3相試験に参加した6000名以上のALS患者について、データベース(ALS Clinical Trials Database)から情報が抽出され、ビタミン使用者と非使用者とで比較されました

▽その結果、1種類以上のビタミンを使用していたのは53.1%でした。最も多かったのはビタミンE、ビタミンC、マルチビタミンでした。

▽ビタミンを使用していた群と、使用していなかった群とで疾患の進行度などの違いはありませんでした。ビタミン使用者はより若く、発症から診断までが短く、四肢発症型の割合が多い結果となりました。

▽病態進行の割合とビタミン使用との関連性は明らかではありませんでした。少なくとも急速な進行と関連することはなさそうとの結果が得られました。

(この研究は、ドイツ、Jena University HospitalのPrellらにより報告され、2020年8月13日付のPLoS One誌に掲載されました)
QurAlis社がリリー社のALS治療薬候補のライセンスを取得
・ALS NEWS TODAYの7月9日付記事からです

▽QurAlis社はALS治療を目的とした前臨床段階の低分子化合物のライセンスをEli Lilly社から取得しました。

▽この治療薬候補は、神経伝達物質であるグルタミン酸のような興奮性伝達物質に起因した興奮毒性と呼ばれるALSの病態に特異的に作用することを目的としています。

▽QurAlisの研究者らは、ALS患者の20%から50%の運動神経細胞の変性に興奮毒性が関与していることをみいだしました。これは、興奮毒性がカルシウムイオンを神経細胞に流入させ、カルシウム濃度が高くなることで細胞死がもたらされるためと考えられています。

▽QurAlis社にライセンス供与された化合物は、ALSの新規治療薬となる可能性があり、今後臨床試験が開始されることが期待されます

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/07/09/quralis-licenses-eli-lilly-preclinical-treatments-target-neuronal-excitotoxicity
柑橘類フラボノイドであるヘスペレチンの抗酸化作用と抗炎症作用
▽ヘスペレチンは、柑橘類のフラボノイドの一種であるヘスペリジンの誘導体であり、オレンジ、ブドウ、レモンなどの柑橘類に含まれています。ヘスペレチンが神経変性疾患の実験モデルにおいて神経保護効果を発揮することが広く報告されています。

▽ヘスペレチンはLPS処理モデルマウスにおいて、TLR4, GFAP, Iba-1, リン酸化NF-kBなどの発現を減少させ神経炎症を緩和する効果を有する可能性を示唆する報告があります。

▽また過酸化水素を投与した細胞モデルにおいて、ヘスペレチンは酸化的ストレスを減弱させ細胞保護作用を有することが報告されました

▽以上の結果はヘスペレチンがALSに対しても治療的な効果を有する可能性を示唆するものであり、今後の治療効果の検証が期待されます

(この総説は、韓国、Gyeongsang National UniversityのKhanらにより報告され、2020年7月10日付のAntioxidants誌に掲載されました)

治療への早期アクセスを可能とする2つの法案が提出予定
・ALS NEWS TODAYの6月3日付記事からです

▽マイク・ブラウン上院議員は、新たな治療法を必要とする患者が利用できるようにするため、早期アクセスを可能にするための法案を提出することを公表しました。いわゆるPromising Pathway Act(条件付き承認法)は、連邦食品医薬品化粧品法を改正して、FDAが、病気が急速に進行し、治療法の選択肢がほとんどない、または存在しない状態を治療する治療法を暫定的に承認することを可能にすることを目指しています。


▽米国の下院議員、Jeff Fortenberry氏とイリノイ州選出のMike Quigley氏は、超党派の「ALSのための重要な治療法へのアクセスを加速させる法律」を下院に提出する意向を発表しました。

▽この法案は、ALSのような進行の早い神経変性疾患や末期疾患を持つ患者のために、有望な治療法への早期アクセスに資金を提供するための助成金として7500万ドルを提供するものです。

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/06/03/legislation-seeks-early-access-to-promising-treatments-for-als-similar-disorders/

ALS治療開発のためAFTDが500万ドルの資金供与
・ALS NEWS TODAYの5月11日付記事からです

▽AFTD(Association for Frontotemporal Degeneration)はALSのバイオマーカー探索や治療法開発のための6つの産学共同プロジェクトに対して合計500万ドルを資金供与することを公表しました

▽1つ目はEikonizo Therapeutics社らによるHDAC6阻害剤開発に対してです。ALS治療薬候補として期待されています。2つ目はNovation Pharmaceuticals社らに対して、ALSの病態に関与する遺伝子発現に影響しうる小分子の探索に対してです。ストレス顆粒の機能不全を改善する物質が探索されています。

▽3つ目は、Expansion Therapeutics社らによるC9orf72遺伝子変異ALSにおける異常RNAを阻害するための小分子探索に対してです。4つ目はMerck社らによるTDP-43蛋白質凝集を選択的に阻害する物質の開発に対してです。

▽5つ目はQurAlis社らによる新たなALS動物モデルの開発に対してです。新たな動物モデルにより治療法開発が促進することが期待されています。6つ目はBiogen社らによるC9orf72遺伝子変異ALSにおける有害物質から細胞保護作用を有する物質の探索に対してです

▽CEOのSusan L-J DickinsonはCOVID-19パンデミックの負荷にも関わらず、ALS治療法開発を目指して一層の努力が続けられていることを知ってほしいと述べています

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/05/11/target-als-aftd-award-5-million-support-six-research-projects-biomarkers-treatments/


Ionis社の奨学金制度がALS患者のための心身健康プログラムを提供
・ALS NEWS TODAYの4月14日付記事からです

▽ALS患者を支援するためのIonis社の二万五千ドルの奨学金制度が、Adapt Functional Movement Centerを通じて包括的な心身の健康プログラムを提供することとなりますた。

▽COVID-19パンデミック期間中はオンラインにより、個別化されたセッションが提供されます。患者のみならず介護者にも提供され、グループクラスやマッサージ療法、瞑想、機能的運動療法などが含まれます

▽メンタルヘルスプログラムではZoomを用いた1対1のセッションが提供されます。Ionis社はALSに対する核酸医薬品において第3相試験を実施中など先進的な企業であり、患者家族に対する包括的なサービスも提供したいとしています

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/04/14/ionis-scholarship-will-provide-physical-and-mental-wellness-programs-to-als-patients/
血球細胞の蛋白質がALS進行のバイオマーカーになる可能性
・ALS NEWS TODAYの3月24日付記事からです

▽末梢血中の単核球細胞(T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞など)に含まれる特定の蛋白質がALSのバイオマーカーとなる可能性が報告されました。Neurobiology of Disease誌の報告によるものです

▽ALSの早期診断に有用な妥当なバイオマーカーは発見されていません。ニューロフィラメントはこれまでで最も信頼性の高いバイオマーカー候補ですが、髄液を採取する必要があります。さらにALS以外の神経変性疾患でも上昇します。

▽今回、研究者らは、末梢単核球内の蛋白質であるPPIA、HSC70、hnRNPA2B1、TDP-43などがバイオマーカーとなりうる可能性を報告しました

▽ALSモデルマウスにおいてPPIAが欠損すると病態進行速度が増大することが知られています。また末梢血単核球内のPPIAが低濃度であることは、ALSの発症が早いことと関連することが報告されています

▽研究者らは93名のALS患者と104名の健常対象者、111名のALS以外の神経変性疾患患者の末梢血単核球を用いて、解析を行いました。被検者の末梢血単核球由来の蛋白質を可溶性成分と、不溶性成分とに分離しました。その結果特定の蛋白質における可溶性成分と不溶性成分との比率がALSと対象群との鑑別、およびALSの進行速度予測に役立つ可能性があることがわかりました。

▽ALS患者と健常群とを区別する最も良い組み合わせは、可溶性PPIA濃度と、不溶性hnRNPA2B1濃度の組み合わせであり、可溶性PPIA濃度、不溶性TDP-43濃度、可溶性hnRNPA2B1濃度の組み合わせがALSとその他の神経変性疾患との鑑別に有用であることがわかりました

▽また、ALSの病態進行速度が速いほど、可溶性hnRNPA2B1濃度減少と、不溶性hnRNPA2B1濃度増加がみられることがわかりました。また可溶性PPIA濃度が高い群程、低い群と比べて予後が比較的良好であることがわかりました。

▽以上の結果は、末梢血単核球内の蛋白質がALSのバイオマーカーとして有用である可能性を示唆するものです

引用元
https://alsnewstoday.com/2020/03/24/proteins-in-white-blood-cells-may-be-biomarkers-als-diagnosis-prognosis/
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